【最新版!】インドネシアの主要酒類製造メーカー12選〜飲食・製造業(食品)業界〜

インドネシア 酒類業界 業界地図

インドネシアはイスラム教徒が多数を占めるものの、観光地や非ムスリム地域を中心に酒類市場が存在し、ビール・スピリッツを扱う主要企業が限定的な市場を形成しています。規制環境の変化が業界全体の動向に大きな影響を与えています。

今回は、そんなインドネシアの酒類業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社の最新情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

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目次

インドネシアの主要酒類企業10選〜ローカル編〜

PT Hatten Bali Tbk (ハッテン・バリ)

PT Hatten Bali Tbk(IDX:WINE)は、1994年にIda Bagus Rai Budarsa氏が設立したバリ島最大のワイナリーである。本社・醸造施設はバリ州サヌールに位置し、ブレレン地方にブドウ畑を持つ。「Hatten Wines」「Two Islands」「Dragonfly」「Dewi Sri」など多彩なブランドのもと、バリ産ブドウを用いたロゼや赤白ワインを主力商品とする。

2026年5月時点の最新財務実績として、2024年通期売上は283.98億ルピア(前年比+11.94%)、2025年9月末の直近12ヶ月売上は289.98億ルピアと成長を持続している。2023年1月のIPO(IDX:WINE)以降、インドネシア唯一の上場ワインメーカーとして投資家の注目を集める。

販売エリアはスマトラ・ジャワ・カリマンタン・スラウェシ等を含む国内20都市以上に拡大しており、ワイナリーツアーを通じたブランド認知向上も積極展開している。

インドネシアのワイン文化の発信地として確固たる地位を確立しており、インバウンド需要と国内富裕層・飲食業界向けの双方で存在感を示している。

出典:https://hattenwines.com/

PT Bali Hai Brewery Indonesia (バリ・ハイ・ブルワリー・インドネシア)

PT Bali Hai Brewery Indonesiaは、インドネシアを代表する独立系ビールメーカーの一つであり、ジャカルタ北部(Komplek Permata Ancol)に本社・製造拠点を置く。主要ブランド「Bali Hai」は国内外の消費者向けに展開しており、国内酒類流通チャネルに加えて輸出市場への出荷も行う。

2026年5月時点の企業規模として、従業員数は約214名、年間売上高は約680万米ドル(約68億ルピア相当)である。Multi BintangやDelta Djakartaとは異なる独立系ポジションで市場を補完しており、プレミアムから大衆向けまで多様な製品を揃える。

最新の醸造技術の導入と新鮮なビールの迅速な配送体制を強みとしており、バリ島の地名を冠したブランドは海外でも一定の認知度を持つ。酒類規制強化の影響を受けながらも、独自の販売チャネルと顧客基盤を維持し続けている。

インドネシアの独立系ビールメーカーとして、大手2社が支配する市場構造の中でも確固たる地位を保ちながら事業を継続している。

出典:https://balihaibeer.com/

PT Balimoon (バリムーン)

PT Balimoon(Bali Moon Liqueurs)は、1989年にバリ州サヌールで創業したインドネシア最大規模のカクテル材料・リキュール専門メーカーである。35年以上にわたり、主にF&B(飲食・ホスピタリティ)業界向けにリキュールおよびカクテルシロップを製造・供給してきた。代表製品はTriple Sec、パイナップル、メロン、ライチ、コーヒー、ブルーキュラソー等のフレーバーリキュールである。

2026年5月時点において、インドネシア全土の数千店舗に及ぶ販路を通じて製品を供給しており、国内最大のカクテル材料サプライヤーとしての地位を確立している。製品原材料はインドネシア各地から調達し、バリ島での現地製造により競争力ある価格と安定品質を両立している。

バリ島の観光業復興にともない、ホテル・レストラン・バー等の施設向け需要が再拡大しており、同社のBtoB事業も恩恵を受けている。インドネシア産素材の活用方針を維持しながら事業拡大を図っている。

インドネシアのF&B産業を支える重要な原料・材料供給者として独自のポジションを確立しており、酒類関連産業の基盤を成す企業である。

出典:https://balimoon.co.id/

Sababay Winery (サバベイ・ワイナリー)

Sababay Wineryは、2010年にムリャティ・ゴザリ氏がバリ島の地場農家支援を目的に設立したワイン・スピリッツメーカーである。醸造施設はギャニャール県カラマスに位置し、北バリ・ブレレン地方の農家とフェアトレード方式でブドウ調達契約を結ぶ。年間生産量は約80万本で、インドネシア最大規模のワイン製造業者の一角を占める。

2026年5月時点の製品構成として、「Black Velvet」「White Velvet」のエントリーラインからプレミアム・リザーブシリーズ、ロゼ・スパークリングワイン、グラッパ・ウォッカ等のスピリッツまで計15品種を展開する。インドネシアで唯一、カトリック教会向け典礼用ワインの製造認可を取得しており、独自の市場ポジションを持つ。

栽培農家への技術支援で農家の収穫量を初年度から最大50%改善した実績を持ち、2018年からはワイナリーツアーを一般公開して観光コンテンツとしての発信も強化している。

サステナビリティと地域コミュニティ貢献を経営の核に据える姿勢が評価されており、インドネシアのワイン産業における先進的なモデルケースとして広く認知されている。

出典:https://sababaywinery.com/

Dewi Sri (デウィ・スリ)

Dewi Sriは、1968年にI.B. Gotama氏がバリ州サヌールで創業した、インドネシア最古参の伝統的蒸留酒・ライスワインの正規製造業者である。社名はバリ・ヒンドゥー教における稲の女神(豊穣・家族繁栄の象徴)に由来する。当時のバリ島では粗悪な違法製品が横行しており、同氏が安全で品質の高い製品の正式製造体制を確立した。

代表製品は、発酵白米から製造するアルコール度数約40%の蒸留酒「Arak Bali」と、宗教儀式にも用いられるアルコール度数5%の米ワイン「Brem」の2品である。2026年5月時点においてもサヌール中心部の工場で製造を継続しており、小売・飲食チャネルおよび宗教・儀礼用途での安定した需要を有する。

バリ島の観光産業との連携により、ホテルやレストランのメニューへの採用が広がっており、観光客向け販売市場も形成されている。インドネシア政府によるArakの産業的活用促進の流れの中で、同社の正規製造モデルが改めて評価されている。

半世紀以上にわたってバリの伝統酒文化を守りながら近代的な衛生基準を維持しており、インドネシア酒類市場における文化的・歴史的な柱として重要な位置を占める。

出典:http://dewisri.biz/

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PT Lovina Beach Brewery Tbk (ロヴィナ・ビーチ・ブルワリー)

PT Lovina Beach Brewery Tbk(IDX:STRK)は、2010年設立のインドネシアの上場クラフトビール・スピリッツメーカーである。北バリ・シンガラジャの子会社が製造を担い、クラフトビール「Stark」、マルトベーススピリッツ「Kaja」(ジン・ウォッカ)、カクテル飲料「Nord」、アラック「Arak De’wan」等を展開する。

2026年5月時点の財務状況として、直近12ヶ月の売上高は138.5億ルピアと前年比54.94%の大幅減少、純損失216.4億ルピアが続く。2025年にはNordシリーズのアルコール度数を20%から40%に引き上げ、ウイスキーとアガベの2品を投入するなど製品革新を継続している。

Kajaブランドはシンガラジャのアイデンティティを前面に出し、100%ヨーロッパ産大麦と8種のボタニカル(チェンペダック・ジュニパーベリー等)を使用したインドネシア固有素材の独自性を持つ。

観光客・在住外国人・都市部若年層向けのプレミアム市場において、インドネシアのクラフトビール分野の先駆者として業界内に認知されている。

出典:https://lovinabeachbrewery.com/

PT Indowines / Plaga Wine (プラガ・ワイン)

PT Indowinesは、インドネシアで14社のみが認可されているワイン輸入業者の一角を占めるワイン商社であり、自社ブランド「Plaga Wine」を2013年4月より展開している。Plagaブランドはバリ島での製造・瓶詰めを行い、チリ・オーストラリア・欧州産のブドウを原料として使用する。アルゼンチン人ワインメーカーPablo Gonzalez氏が醸造監修を担う。

2026年5月時点において、「Fruity Chardonnay」「Crisp Sauvignon Blanc」「Cabernet Sauvignon」等が主力商品として展開され、バリ島内の主要ホテル・レストラン・小売店および国内20都市以上の流通ネットワークへ供給している。手の届きやすいプレミアム価格帯を設定し、ワインの大衆化を促進している。

国内合法的なワイン流通ライセンスを保有しつつ、製品品質と供給安定性に注力する経営を採用している。最新式の醸造設備と持続可能な製造プロセスへの投資を続けている。

都市部上位所得層の国産ワイン需要が芽生えつつある中、Plagaブランドはその象徴的存在として業界内での知名度を確立している。

出典:https://plagawine.com/

PT DIMA INTERNATIONAL WINES (ディマ・インターナショナル・ワインズ)

PT DIMA INTERNATIONAL WINESは、2010年に設立されたバリ島を拠点とするワインメーカーである。オーストラリアとインドネシアの協業により誕生した企業で、ブラストフリーズ技術を用いてオーストラリア・フランス・ニュージーランド産の葡萄をバリに持ち込み、北バリのワイナリーで醸造するという独自の製造方式を採用している。

主要ブランドは「CAPE DISCOVERY」と「BELLISSIMO」であり、高品質なワインを手頃な価格で提供することを目指している。葡萄の生産地の品質を保ちながら現地でボトリングすることで、輸送コストを抑えつつフレッシュなワインを消費者に届けている。

インドネシアの酒類市場は観光業の恩恵を受けるバリ島が中心地となっており、ホテル・レストラン・小売店向けの安定した需要が見込まれる。同社はこうした市場環境を活かし、輸入ワインに代わる現地醸造ワインとして確固たるポジションを築いている。

国内のワイン文化の普及と醸造技術の向上に取り組みながら、輸入ワインとのコスト競争力を強みに事業を展開している。

出典:https://capediscovery-wines.com/

Cantine Balita (カンティーネ・バリタ)

Cantine Balitaは、2012年に設立されたバリ島の高品質オーガニックイタリアワインメーカーである。社名は「カンティーネ(ワインセラー)」とバリ島(Bali)とイタリア(Italia)を組み合わせた造語「バリタ(Balita)」から成り、バリ・イタリア融合というブランドコンセプトを体現している。

設立後2年間の実験研究を経て2014年に初出荷を果たし、2020年には葡萄園が成熟・フル稼働の状態に達した。シチリア島とバリ島が環境・気候面で類似していることに着目し、熱帯地方での葡萄栽培に特化した独自の農学プログラムを開発したことが技術的な強みとなっている。

主力ワイン「Isora」(「島」を意味する)は、地元バリ産の葡萄を用いた本格的オーガニックイタリアスタイルのワインであり、バリ島ならではのテロワールを体現している。地産地消のコンセプトと品質へのこだわりが評価を高めている。

バリ島の観光需要を背景とした高級飲食店やホテルでの採用が拡大しており、インドネシアにおけるプレミアムオーガニックワインの先駆的存在として国内外の注目を集めている。

出典:https://cantinebalitawine.com/

TWO Islands (トゥー・アイランズ)

TWO Islandsは、2007年に設立されたバリ州サヌールのワイナリーで、南オーストラリア産の葡萄を使用してオーストラリアスタイルのワインを製造するユニークなコンセプトの企業である。バロッサバレー・アデレードヒルズ・クーナワラ・クレアバレー・ライムストーンコーストなど12以上の名産地に広がる葡萄園と協力関係を結んでいる。

設立時は4種類のワインからスタートし、高額な輸入ワインと同等の品質を手頃な価格で提供することを目的に事業を展開してきた。現地でのボトリングにより輸送コストを削減しながら、オーストラリア産葡萄の品質を最大限に活かした製品を市場へ供給している。

国内20社以上のサブ・ディストリビューターネットワークを構築しており、バリ島内のホテル・レストランだけでなく全国の主要都市への安定した流通を実現している。観光客・在住外国人・国内上位所得層を主要ターゲットとした販売戦略を展開している。

オーストラリアとバリ島という「二つの島」の融合を体現したブランドとして、インドネシアのワイン市場において独自の地位を確立している。

出典:https://twoislands.co.id/

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インドネシアの主要酒類企業2選〜外資編〜

PT Multi Bintang Indonesia Tbk (マルチ・ビンタン・インドネシア)

PT Multi Bintang Indonesia Tbk(IDX:MLBI)は、1929年設立のインドネシア最大のビール製造・販売会社である。オランダのHeineken N.V.が筆頭株主であり、タンゲランおよびスラバヤに生産拠点を持つ。主力製品は1952年誕生の「Bintang」と「Heineken」のほか、Bintang Radler、ノンアルコールの「Bintang 0.0%」等を含む幅広いラインナップを誇る。

2026年5月時点の最新財務実績として、2025年上半期の純売上高は1,472億ルピア(前年比+6%)、粗利益は867億ルピア(+5%)と堅調に推移した。通期売上高は3.4兆ルピア超であり、国内酒類市場での圧倒的なシェアを維持している。

戦略面ではプレミアム化推進とノンアルコール飲料への投資拡大が柱であり、イスラム教徒が多数を占める市場への対応を図っている。観光客向け販売や外食産業チャネルを活用し、ESG面の情報開示も充実している。

インドネシア酒類市場の最大手として規制変化にも対応しながら業界全体を牽引する存在である。

出典:https://www.multibintang.co.id/

PT Delta Djakarta Tbk (デルタ・ジャカルタ)

PT Delta Djakarta Tbk(IDX:DLTA)は、1932年にドイツ系醸造会社として設立されたインドネシアの老舗ビールメーカーである。フィリピンのSan Miguel Corporationが実質的な経営主体となっており、ジャカルタ州スンター地区の工場で「Anker」「San Miguel」「Carlsberg」「Kuda Putih」等のビールブランドを製造・販売する。

2026年5月時点の最新財務実績として、2025年通期純利益は149.9億ルピア(前年比約10%増)を記録した。粗利益率69.5%、EBITDA利益率32.3%と高い収益性を維持している。代表ブランドのAnker Beerは4.5%のペールラガーで、ローカル消費者に広く認知されている。

ジャカルタ州政府(DKI Pemprov)も株主として名を連ねており、準公共的な性格を有する。首都ジャカルタを中心とした都市型小売・飲食サービスチャネルへの販売を堅持し、競合との差別化を図っている。

酒類規制や宗教的制約が続く環境下でも、確立した流通網と既存顧客基盤の強みを活かして安定的な事業運営を続けている。

出典:https://www.deltajkt.co.id/

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FAQ

インドネシアの酒類市場の特徴は何ですか?

インドネシアの酒類市場は多様なビールやワインを製造する企業が多数存在し、国内外の企業が競い合う活発な市場となっています。

インドネシアの主要なローカル酒類メーカーはどれですか?

主要なローカル酒類メーカーにはPT Bali Hai Brewery Indonesia、PT Lovina Beach Brewery、Sababay Winery、PT DIMA International Wines、Cantine Balita、TWO Islands、Plaga Wineなどがあります。

インドネシアの外資系酒類メーカーの特徴は何ですか?

外資系メーカーは長い歴史と国際的なブランドを持ち、主にビールを中心に高品質な酒類を輸入・生産しています。代表例としてPT Multi Bintang IndonesiaとPT Delta Djakartaがあります。

インドネシアのビールメーカーの歴史と特徴について教えてください。

PT Bali Hai Breweryは1975年に設立され、南太平洋のミュージカルから名付けられたBALI HAIブランドを展開しています。PT Lovina Beach Breweryは2011年にクラフトビールを導入し、低炭水化物やフレーバービールを特徴としています。

インドネシアのワイナリーの中で注目すべき企業はどれですか?

Sababay WineryやPT DIMA International Wines、Cantine BalitaとTWO Islandsは、地元産と高品質の輸入葡萄を使ったワイン生産と革新的な取り組みで特に注目されています。

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アンディ ムハンマド Indonesia-Based Industry Analyst
インドネシア在住の観光ガイド・通訳者。 日本語学科卒業後、日本人向け観光案内や国際イベントでの日本代表団対応を経験。 現地視点と実務経験をもとに、インドネシアの観光・文化情報を日本語で発信している。
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