アメリカの美容業界は、ウェルネスとセルフケアのトレンドが高まり、成長を続けています。特に高級スパや個人経営のマッサージセラピーが人気で、ストレス解消やリラクゼーションを求める顧客が増えています。また、CBDを使用したマッサージやデジタルデバイスを用いたリモートセラピーなど、新しい技術が導入され、多様化が進んでいます。
今回は、アメリカの主要美容サロンに焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社を厳選してお届けします!それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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アメリカの主要美容サロン10選〜ローカル編〜
Massage Envy(マッサージエンヴィー)
Massage Envyは、アリゾナ州スコッツデールに拠点を置く、アメリカで最大のスパチェーンのひとつである。同社は、会員制のビジネスモデルを導入し、セラピューティックマッサージ、ストレッチ、スキンケアサービスなどの事業を展開している。
2002年の開業以来、アメリカ各地に1,000店舗以上のフランチャイズ店舗を展開し、35,000人以上のマッサージセラピスト、エステティシャン、その他の従業員を雇用している。現在、150万人以上のメンバーがMassage Envyのサービスを利用し、その提供サービス回数は1億回以上にのぼる。
また、多くの顧客を獲得するための手段として、特定のニーズに対応するために、顧客用にカスタマイズされたマッサージやストレッチを提供している。さらに、15 年以上にわたるマッサージの専門知識とストレッチ技術に関する最新の研究から開発された独自のStretoメソッドを利用し、高品質なスパサービスをリーズナブルな価格で提供している。
出典: https://www.massageenvy.com/
HAND&STONE MASSAGE AND FACIAL SPA(ハンド&ストーン マッサージフェイシャル スパ)
Hand & Stone は、550を超えるユニットマッサージとフェイシャルスパのフランチャイズである。2004年に設立された Hand & Stone は、現在35の州とカナダに拠点を置いてる。2006年にフランチャイズ展開を開始、2009年にはカナダに進出し、現在はアメリカ35州とカナダの計500以上の店舗に拡大した。
ハンドアンドストーンフェイシャルトリートメントは、ダーマロジカやクラリテRxクリニカルスキンケアなど、科学に裏付けられた最高級製品を使用している。
また、価格においては、従来の日帰りスパよりも平均 30%安い料金で、さまざまな良質なサービスをご提供している。さらに、2023年、2021年、2020年に アントレプレナーマガジンによりスパ部門で第1位に選ばれ、フォーブス誌では第8位にランクされ、国内で最も急成長している。
出典:http://handandstone.com/
Massage Heights(マッサージ ハイツ)
家族経営のマッサージとスキンケアのウェルネスフランチャイズとして、2004 年にテキサス州サンアントニオに最初の店舗を設立し、2009年には国際ライセンスをカナダで取得した。現在は北米全土で120店舗以上を展開している。手頃な価格でリゾート品質のセラピーマッサージとスキンケアサービスを通じ、95%の顧客支持率を獲得し、個人に合わせたウェルネストリートメントのオプションを提供している。
2010年には、フランチャイズ タイムズ誌の「Fast 55」で11 番目に急成長しているフランチャイズに選ばれ、2012年にはフランチャイズタイムズ誌のNext300リストに選ばれ、さらに2013年には、フランチャイズビジネスレビューの「Top 50 Franchises to Own」のひとつに選ばれている。
また、2022年の既存店売上高成長率が2019年と比較して25%増加し、2022年には収益合計1億2,100万ドル以上になった。2023年には、史上最高の平均販売数量を獲得した。
出典:https://www.massageheightsfranchise.com/
elements massage(エレメンツマッサージ)
2000 年に設立され、2006 年からフランチャイズ展開を始めた。国内有数のマッサージセラピーブランドのひとつで、アメリカとカナダに約250の独立系店舗を展開し、3500人以上の従業員がいる。
会員プログラムである Elements Wellness Program™ を通じて、高度にカスタマイズされた治療的なマッサージを提供することで差別化を図っている。また、従業員の雇用についても、スタジオとオンラインの両方で技術面の継続的な教育を提供する特長がある。
展開している店舗のトップ10の2021 年の平均収益1,822,423ドル、最高収益2,371,288ドルとなっている。また、アメリカで最も急速に成長している治療用マッサージ フランチャイズのひとつとして選ばれたことや、Forbes® の中規模投資部門で購入すべきベストフランチャイズのトップ 10 のひとつに選ばれた実績がある。
出典:https://elementsfranchise.com/
sientra (シエントラ)
2006年に設立し、カリフォルニア州アーバインに本社を置く医療美容会社である。事業内容として、美容整形用のシリコン乳房インプラントの製造・販売を主な事業としており、製品を提供している医療機関やクリニックとの提携によって展開している。
中核となる乳房製品として美容整形用のシリコン乳房インプラント「Sientra® Silicone Gel Breast Implants」を提供しており、高品質なシリコンゲルを使用した自然な見た目と感触が、革新的なデザインと高く評価されている。
2023年第1四半期の業績報告によると、純売上高は 2,260 万ドル、加えて復興事業の成長により、2022年第1四半期比5.4% となっている。また、2023 年通期の純売上高が1億 400万ドルから1億 900万ドルになると引き続き予想しており、これは 2022年の純売上高 9,050万ドルと比較して15%~20%の成長となる。
出典: https://sientra.com/
CUTERA (キュテラ)
1998年サンフランシスコ ベイエリアに設立され、レーザーおよび光ベースの医療機器の開発、製造、マーケティング、販売を提供する世界的な企業である。また、オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、香港、日本、スイスに国際オフィスがある。
主要な製品として、Excel V™、Excel HR™、xeo®、enlighten™、truSculpt®、および Genesis Plus™ と、幅広く世界中で販売されている。ニキビ治療用に初めて市場に投入した革新的なレーザー装置であるAviClear の運用を開始し、600 台を以上の販売とそれによる450万ドルの収益の獲得に成功した。
2022 年通年の収益は、2億5,240万ドルの結果であった。また、2023年通年の売上高が2億7,700万ドル~2億9,200万ドルになると予想されている。(前年比 10% ~ 16% )近年、技術における様々な賞を受賞していることや、イベントやワークショップを通して、教育にも力を入れていることが注目されている。
出典:https://cutera.com/
NEW YORK PLASTIC SURGICAL GROUP (ニューヨーク形成外科グループ)
1948年に設立されたロングアイランド形成外科グループの一部門であるニューヨーク形成外科グループは、この業界ではアメリカ最大であり、最も確立された形成外科のひとつである。
また、これまでアメリカ国内のバビロン、マンハッタン、イースト ヒルズ、フラッシング、ハンティントン、ブルックリンなど10か所以上に拠点を拡大し、20人以上の外科医が在籍している。6年連続 (2008 ~ 2013年) でベスト形成外科グループの第1位に選ばれ、2年連続でベスト BOTOX® Placticeの第1位に選ばれた。
また、患者ケアに加えて、若い医療専門家の教育と、新世代の優れた形成外科医の育成にも取り組んでいる。1954年以来、ニューヨーク形成外科グループは形成外科研修プログラムを指揮し、125人を超える外科医に形成外科の技術を指導している。
出典:https://www.lipsg.com/
Allergan(アラガン)
1950年に設立され、眼科、医療美容、皮膚科、中枢神経系、消化器科、乳腺外科、泌尿器科、抗感染症治療の分野に関する医薬品および医療機器の研究開発・販売を行う企業である。本社は、アイルランド・ダブリンにある。日本法人にもアラガン・ジャパン株式会社があり、南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋、中東、アフリカにわたり、50カ国以上に支社を展開している。
2022年の純収益が580億ドルを超えるアッヴィによって2019年買収され、現在はアッヴィの一部門となっている。
主要製品には、ボトックス製品(BOTOX Cosmetic)をはじめ、ハイアルロン酸系フィラー(JUVÉDERM)、眼科製品(RESTASIS、LATISSE)などがある。また、ボトックス製品の純収益は、2023年四半期のレポートによると7億1,900万ドル、2022年通年のレポートによると、純収益は27億1,900万ドルとなっている。
出典:https://www.abbvie.com/allergan.html
sonobello (ソノベロ)
2008年に設立され、ワシントン州カークランドに本社を置く 世界最大の美容外科の企業である。ソノベロの外科医はこれまでに約30万件以上の手術を行った。規模は過去5年間で 3倍に拡大し、現在では 30 以上の州に 80 以上の拠点があり、高度な技術と経験を備えた学会認定の外科医のチームが在籍している。2020 年、ソノベロはアメリカでナンバー1の美容整形専門医を受賞した。
Sono Bello ® は、米国トップの美容整形専門家*であり、185人以上の認定外科医が在籍し、これまでに 300,000 件以上のレーザー リポ & ボディ輪郭手術を行ってきた。
また、外科医の教育にも力を入れている。アメリカ10箇所の外科医が利用できるさまざまな美容処置の6週間の集中トレーニングできるエステティックフェローシップがある。主要製品として、最先端のTriSculpt ®マイクロレーザー脂肪吸引がある。1回の来院で完了する点と手頃な価格で評価されている。
出典:https://www.sonobello.com/
Hilton (ヒルトン)
1919年にコンラッド・ヒルトンによって設立され、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋地域、中東、アフリカ、ラテンアメリカなど、さまざまな国や地域で400以上のスパ施設を展開し、高品質なトリートメント、マッサージ、フィットネス施設、プール、サウナなどを提供している。
スパ事業の主要ブランドとして、ヒルトンの高級ブランドで独自のトリートメントやスパ体験を提供しているeforea Spaや、ヒルトンの一般的なブランドで幅広いスパサービスを提供しているHilton Spaが挙げられる。
2022年の第4四半期の純利益は3億3300万ドルであり、年間では12億5700万ドルであった。また、2022年12月31日までと2021年までの同時期をRevPARで比較した場合、2021年の24.8%から2022年は42.5%に増加した。2023年は、年間の純利益は13億8200万ドルから14億5400万ドルの間になると予想され、成長の見込みがある。今後は、新たなスパ施設の開業や既存施設のリノベーション、サービスの向上などの取り組みを行っていく。
出典:https://www.hilton.com/en/p/spa/
アメリカの主要美容サロン1選〜日系編〜
SBC Medical Group Holdings Inc.(SBC メディカルグループホールディングス)
2000年に設立し、美容皮膚科、審美歯科、婦人科(不妊治療)、血管外科(下肢静脈瘤)、薄毛治療、整形外科、眼科など10以上の診療科目があり、日本全国に82院以上を展開している。収益の成長に関しては日本で最も高く、美容整形業界におけるシェアも全体の40%を占めている。10年連続で年平均の成長率が20%であり、2022年度売上高は約10億円であった。
2017年には初となるアメリカ進出を果たし、高精度の日本の技術とアメリカ人の需要を掛け合わせ、幅広い治療法を提供している。また、世界的に有名な日本人の美容外科医も在籍している。さらに、美容整形の治療だけでなく、婦人科も併設していることが特徴的である。
海外事業のアメリカでの展開に関して、黒字化に向かい広告宣伝費を削減するなどの取り組みも行っている。
出典: https://shonanbeauty.com/ と https://www.sbc-med.com/
アメリカの主要美容サロン2選〜外資系編〜
MANDARA SPA (マンダラスパ)
1996年に設立され、リラクゼーションとウェルネスなどのスパサービスを提供している。マッサージ、ボディトリートメント、フェイシャル、ネイルケアなどのトリートメントが特徴である。約70以上のスパロケーションがアジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカの世界各地の、主に高級ホテルやリゾート内に展開している。アメリカ全土には、10以上の店舗がある。
主要サービスとして、伝統的なバリ島由来のマンダラによるサービスがある。それだけだはなく、ヨーロッパのスパ技術も取り入れており、スパの地域に固有の自然要素と組み合わされたユニークで贅沢なスパ トリートメントを提供できている。
高級スパサービスと製品を提供する業界で、最も高く評価されているプロバイダーのひとつであり、北米のベストホテルスパやベストラグジュアリースパ &リゾートアワードなど、数多くの受賞歴がある。
出典:https://www.mandaraspa.com/
GALDERMA (ガルデルマ)
1981年に設立し、約90か国に拠点を置き、皮膚に特化した医薬品の製造と販売を行うスイスの皮膚科大手企業である。事業内容は、注射用審美学、皮膚科学的スキンケア、皮膚治療学を通じて急成長する皮膚科市場の全範囲に及ぶ主力ブランドとサービスの革新的で科学に基づいたポートフォリオを提供している。
2022年度の売上高が、前年比13.9%増の37億6,000万ドルであった。2023 年は純売上高が6~9%増加すると予測している。特に、美容注射剤と皮膚科スキンケアの好調な業績が継続して維持し、主に数量の増加により、前年比純売上高がそれぞれ22.3%と30.7%増加した。
社会的責任理念の一環として、皮膚疾患に悩む人々のための地域プロジェクトをサポートしており、そのひとつがアメリカでのキャンプワンダーである。2012 年以来毎年、重度の皮膚疾患を持つ約100人の子供たちに、キャンプワンダーの楽しさを体験し、友達を作る機会を無料で提供している。
出典:https://www.galderma.com/
ワシントン在住の日本人。大学卒業後、日本で外資系メーカーに勤めており、営業とマーケティングを経験。マーケティングは発売予定の製品周りの広告、パッケージや販促、イベントやデジタルプラットフォームの使用等様々な側面に関わり、年に1−2回ある新商品発売に向けて取り組む。渡米してからはフリーランスでスタートアップにマーケティングやマーケティングリサーチのサービスを提供し、プロジェクトベースで様々な依頼に応えている。