アメリカのトイレタリー(日用品)業界は、世界的な日用品メーカーが石鹸・洗剤から紙製品まで幅広く手がける巨大市場です。持続可能な原材料への切り替えやプライベートブランドとの競争激化を受け、主要企業は商品開発力の強化を進めています。
今回は、そんなアメリカのトイレタリー(日用品)業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて14社の最新情報をお届けしていきます!
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アメリカの主要トイレタリー(日用品)企業10選〜ローカル編〜
The Procter & Gamble Company (プロクター&ギャンブル)
1837年に創業した、洗剤や化粧品などを幅広く手がける世界最大級の一般消費財メーカーである。本社は創業の地であるオハイオ州シンシナティに置く。石鹸販売を起点に事業を広げ、現在は約170ヵ国で製品を展開している。マーケティングを重視する企業として広く知られる。
事業はビューティ、グルーミング、ヘルスケア、ファブリック&ホームケア、ベビー・フェミニン・ファミリーケアの5部門から成る。パンパース、アリエル、タイド、ジレット、パンテーン、ファブリーズなど多数の有力ブランドを保有する。
2025年6月期の売上高は843億ドルで前期並み、価格やミックスに支えられオーガニックでは2%増となった。純利益は161億ドルで前期比7%増であった。関税や原材料コストの重い環境下でも増益を確保している。
2025年6月には新たなポートフォリオ・生産性改革を公表し、2年間で最大7,000人規模の非製造部門人員を削減する方針を示した。株主還元も厚く、69年連続の増配を続ける。2025年6月期時点で、日用品分野を世界で主導する最大手である。
出典:https://us.pg.com/
Colgate-Palmolive Company (コルゲート・パーモリーブ)
ニューヨークに本社を構える、日用品を世界展開するグローバル企業である。1806年にウィリアム・コルゲートが創業した石鹸・デンプン販売のコルゲート社を起点とし、1928年に石鹸メーカーのパーモリーブ社と合併して現在の姿となった。
主力ブランドは、歯磨きのコルゲート、食器用洗剤のパルモリーブ、ハンドソープのソフトソープ、ペットフードのヒルズなどである。歯磨きは2025年通期で世界シェア41.3%、手動歯ブラシは同32.4%と、いずれも世界首位級を維持している。
2025年12月期の売上高は203億8,200万ドルで前期比1.4%増、オーガニックでも1.4%増となった。純利益は21億3,200万ドルであった。ペット栄養のヒルズは全社売上の約23%を占める。
一方、スキンヘルス事業では中国の不振などを背景に7億9,400万ドルの減損を計上した。2025年12月期時点で、オーラルケアを軸に世界の日用品市場で確固たる地位を保っている。
出典:https://www.colgatepalmolive.com/en-us
Kimberly-Clark Corporation (キンバリークラーク)
1872年に創業した、紙製品やパーソナルケア製品を手がける多国籍企業である。本社はテキサス州ダラスに置き、175ヵ国で事業を展開する。乳幼児用紙おむつのハギーズ、ティッシュのクリネックス、トイレットペーパーのスコット、生理用品のコテックスなど、世界的なブランドを多数保有する。
事業は北米、国際パーソナルケアなどの区分で構成され、日用品分野で各国上位のシェアを占める。世界人口の約4分の1が日々同社製品を使うとされる。
2025年12月期の売上高は164億4,700万ドルで前期比2.1%減、オーガニックでは1.7%増となった。営業利益は23億5,100万ドルであった。150年超の歴史で最大規模とする構造改革を進めている。
2025年11月には消費者向けヘルスケア大手のケンビューを約487億ドルで買収することで合意し、2026年1月に両社株主が承認した。あわせて国際ファミリーケア事業のスザノへの売却も進める。2025年12月期時点で、世界的な日用品・ヘルスケア企業への転換を図っている。
出典:https://www.kimberly-clark.com/en-us/
S.C. Johnson & Son, Inc. (SCジョンソン&サン)
1886年にサミュエル・カーティス・ジョンソンが創業した、家庭用品を世界展開するグローバル企業である。本社はウィスコンシン州ラシーンに置く。5世代にわたり創業家が経営を担う非上場の同族企業であり、130年を超える歴史を持つ。
主力ブランドは、芳香剤のグレード、家庭用保存袋のジップロック、ガラスクリーナーのウィンデックス、殺虫剤のレイドやOFF!、浴室用洗剤のスクラビングバブル、住居用洗剤のミスターマッスルなど幅広い。
近年はメソッドやミセスマイヤーズ、Ecoverなど環境配慮型のライフスタイルブランドも傘下に収め、製品ポートフォリオを広げている。同名のジョンソン・エンド・ジョンソンとは別会社である。
非上場企業のため詳細な業績は公表していないが、製品はほぼ全世界で販売されている。持続可能性への取り組みや原材料情報の開示にも積極的である。2025年時点で、米国を代表する家庭用品の同族企業として独立した経営を続けている。
出典:https://www.scjohnson.com/en
The Clorox Company (クロロックス)
1913年に創業した、カリフォルニア州オークランドに本社を置く世界的な日用品企業である。漂白剤のクロロックスを社名の由来とし、浄水器のブリタ、ゴミ袋のグラッド、ドレッシングのヒドゥンバレー、ナチュラル系のバーツビーズなど、各カテゴリーで上位シェアのブランドを多く抱える。
事業はヘルス&ウェルネス、家庭用製品(ゴミ袋やラップ等)、ライフスタイル、海外の各部門から成る。売上の多くを市場で首位級のブランドが生み出す構造である。
2025年6月期の売上高は71億400万ドルで前期並み、オーガニックでは5%増となった。純利益は8億1,000万ドルであった。清掃関連のヘルス&ウェルネス部門が9%増と全社を牽引した。
2025年6月期には米国で新たな基幹システム(ERP)の導入を開始し、業務のデジタル変革を進めている。導入前の流通在庫積み増しが売上を押し上げた面もある。2025年6月期時点で、米国の日用品市場で確固たる地位を保っている。
出典:https://www.thecloroxcompany.com/
Church & Dwight Co., Inc. (チャーチ&ドワイト)
1846年に創業した、パーソナルケア・家庭用品・特殊製品を手がけるグローバル企業である。本社はニュージャージー州ユーイングに置く。重炭酸ナトリウム(重曹)の製造を起点とし、これを基盤とした幅広い商品展開を特徴とする。
中核ブランドは重曹ベースのアーム&ハンマーで、衣料用洗剤やホームケア用品を広く展開する。衣料用漂白剤のオキシクリーンとあわせ、少数の主力ブランドが売上の大半を占める構造である。
2025年12月期の売上高は62億300万ドルで前期比1.6%増、オーガニックでは0.7%増となった。純利益は7億3,680万ドル、調整後EPSは3.53ドルであった。
2025年にはビタミン(バイタファンション等)やフローレス、ウォーターピックのシャワーヘッド事業などを売却し、成長分野へ経営資源を集中した。消毒剤のタッチランドや買収したヒーロー、セラブレスが伸長している。2025年12月期時点で、日用品分野で堅実な成長を続けている。
出典:https://churchdwight.com/
Seventh Generation Inc. (セブンス ジェネレーション)
1988年に創業した、環境負荷の低いクリーニング製品や紙製品を手がけるライフスタイル企業である。本社は米バーモント州バーリントンに置く。植物由来の原料を用いた製品開発と、原材料情報の積極的な開示で知られる。
2016年にユニリーバの傘下に入り、現在は同社のホームケア・パーソナルケア事業の一角を担う。取扱製品は、衣料用・住居用洗剤やトイレットペーパー等の紙製品、女性用生理用品、乳幼児向けの紙おむつやおしりふきなど幅広い。
ゼロ・プラスチックや持続可能な原料調達、公平なバリューチェーンをコミットメントに掲げ、これに基づく製品開発を進めている。気候インパクトに関する報告も継続的に公表している。
非上場の子会社であるため単独の業績は公表されていないが、米国のサステナブル系日用品ブランドとして根強い支持を得ている。2025年時点でも、環境志向の消費者層を捉えた事業を展開している。
出典:https://www.seventhgeneration.com/
Edgewell Personal Care Company (エッジウェル パーソナル ケア)
2015年に、電池大手エナジャイザー・ホールディングスのパーソナルケア部門が分離して発足した、パーソナルケア製品のグローバル企業である。本社はコネチカット州シェルトンに置き、製品は50ヵ国以上で販売されている。
事業はウェットシェーブ、サン&スキンケア、フェミニンケアの各分野から成る。主力ブランドは、男性用かみそりのシックやウィルキンソンソード、日焼け止めのバナナボートやハワイアン・トロピック、スキンケアのCremoなどである。
2025年9月期の売上高は22億2,350万ドルで前期比1.3%減、オーガニックでも1.3%減となった。純利益は2,540万ドル、調整後純利益は1億2,040万ドルであった。ウェットシェーブは国際市場が堅調に推移した。
あわせて、フェミニンケア事業をエシティへ約3億4,000万ドルで売却することで合意し、中核事業への集中を進めている。2025年9月期時点で、シェービングと日焼け止めを軸とするパーソナルケア企業である。
出典:https://edgewell.com/
3M Company (スリーエム)
1902年に創業した、ミネソタ州セントポールに本社を構える世界的な化学・素材メーカーである。数万点に及ぶ製品が、家庭から産業、医療、教育の現場まで幅広く利用されている。研究開発を重視する企業として知られる。
消費者向け分野では、付箋のポストイット、テープのスコッチ、粘着フックのコマンド、清掃用品のスコッチ・ブライト、絆創膏のネックスケア、空気清浄フィルターのフィルトレートなど、多数の日用ブランドを展開する。
2024年にはヘルスケア事業を「ソルベンタム(Solventum)」として分離し、産業・消費者向けを中心とする事業構造へ移行した。
2025年12月期の売上高は249億ドルで前期比1.5%増、オーガニックでは0.9%増となった。GAAPベースのEPSは6.00ドル、調整後は8.06ドルで前期比10%増であった。2025年12月期時点で、多角化した素材・消費財の大手として世界で事業を展開している。
出典:https://www.3m.com/
Kenvue Inc. (ケンビュー)
2023年に、ジョンソン・エンド・ジョンソンの消費者向けヘルスケア事業が分離・独立して発足した、世界最大級のコンシューマーヘルス企業である。本社はニュージャージー州サミットに置き、ニューヨーク証券取引所に上場する。
事業はセルフケア、スキンヘルス&ビューティ、エッセンシャルヘルスの3分野から成る。鎮痛薬のタイレノール、うがい薬のリステリン、スキンケアのニュートロジーナやアビーノ、絆創膏のバンドエイド、ベビーケアのジョンソンズなど、著名ブランドを多数擁する。
2024年12月期の売上高は155億ドルで、オーガニックでは1.5%増となった。粗利益率は58.0%へ改善した。日用品として世界的に浸透したブランド群を強みとする。
2025年11月には、キンバリークラークが同社を約487億ドルで買収することで合意し、2026年1月に両社株主が承認した。取引は2026年後半の完了が見込まれている。2025年時点で、パーソナルケア・OTC分野を代表する企業である。
出典:https://www.kenvue.com/
アメリカの主要トイレタリー(日用品)企業2選〜日系編〜
Kao Corporation (花王株式会社)
1887年に創業した、家庭用日用品・化粧品および産業用化学品を手がけるメーカーである。本社は東京都に置く。石鹸の製造販売を起点とし、研究開発を基盤とした商品開発に注力してきた。海外売上比率を高めながらグローバル展開を進めている。
事業はハイジーン&リビングケア、ヘルス&ビューティケア、化粧品、ケミカルなどから成る。アメリカでは、ヘアケアやスキンケア、制汗防臭剤などを展開する。
2025年12月期の売上高は1兆6,886億円で前期比3.7%増、営業利益は1,641億円で11.9%増となった。親会社帰属の当期利益は1,201億円であった。長く苦戦した化粧品事業が営業利益を大きく改善し、黒字化を達成した。
中期経営計画「K27」に沿って構造改革と成長投資を進める一方、米州事業は売上が微減となるなど地域差も残る。2025年12月期時点で、日本を代表する日用品・化粧品メーカーの一角を占めている。
出典:https://www.kao.com/global/en/
Milbon Co., Ltd. (株式会社ミルボン)
1960年に大阪で創業した、プロフェッショナル向けのヘアケア・ヘアメイク製品を製造販売する企業である。現在の本社は東京都中央区に置く。社名と同じ主力ブランド「ミルボン」を軸に、アジア、北米、欧州で事業を展開する。
2004年にニューヨークにMILBON USA, INC.を設立して海外展開を本格化させ、日本のほか米国、タイ、中国に研究拠点を構える。各地域の毛髪特性に合わせた製品開発を強みとする。
2025年12月期の売上高は528億6,300万円で前期比3.0%増、営業利益は56億5,200万円で17.4%減となった。在庫評価減や販管費増が利益を圧迫し、増収減益であった。
米国事業の売上高は25億2,000万円で現地通貨ベースの伸びは大きく、グローバル向けの「グローバルミルボン」も好調に推移した。導入美容室数は米国を中心に拡大している。2025年12月期時点で、日系のプロ向けヘアケア大手として海外成長を続けている。
出典:https://www.milbon.com/en/
アメリカの主要トイレタリー(日用品)企業2選〜外資編〜
Unilever PLC (ユニリーバ)
1929年に、マーガリン製造のマーガリン・ユニと石鹸製造のリーバ・ブラザーズが合併して発足した、日用品・食品の大手グローバル企業である。本社はロンドンに置く。世界的なブランドを多数抱え、マーケティングへの投資でも知られる。
主力の「パワーブランド」には、ダヴやレクソナ、アックス、ヴァセリン、パーシル、シフ、セブンス・ジェネレーションなどが並ぶ。パワーブランドが売上の約78%を占める。
2025年12月期の売上高(継続事業)は505億ユーロで、パワーブランドの原基準成長率は4.3%となった。粗利益率の改善を伴う成長を実現している。
2025年にはアイスクリーム事業を「ザ・マグナム・アイスクリーム・カンパニー」として分離・独立させ、現在はビューティ&ウェルビーイング、パーソナルケア、ホームケア、フーズの4事業に再編した。2025年12月期時点で、世界の日用品市場を主導する最大手の一角である。
出典:https://www.unilever.com/
Reckitt Benckiser Group PLC (レキット ベンキーザー グループ)
1999年に、レキット・コールマン社とベンキーザー社の合併により発足した、衛生・健康・栄養分野を手がけるグローバル企業である。本社は英バークシャー州スラウに置く。消毒剤のデトールやライソール、トイレ用洗剤のハーピック、脱毛剤のヴィートなどの世界的ブランドを保有する。
事業は、風邪薬や鎮痛薬などのヘルス、除菌・衛生用品のハイジーン、乳児用栄養のニュートリションを中核とする「コア・レキット」を軸に構成される。
2025年12月期の純収益は142億500万ポンドで、既存事業ベースの成長率は5.0%となった。調整後営業利益は35億4,300万ポンド、利益率は24.9%であった。新興国市場が二桁の伸びを示した。
2025年末には、エアウィックやシリットバン、フィニッシュなどを含む「エッセンシャルホーム」事業をアドベント・インターナショナルへ売却し、中核事業への集中を進めた(30%の出資は継続)。2025年12月期時点で、衛生・健康分野で世界有数の地位を保っている。
出典:https://www.reckitt.com/
FAQ
アメリカの消費財メーカーはどのような業績を示していますか?
コロナ後の景気回復と消費者需要の増加により、食品、家庭用品、個人ケア製品などの売上が堅調に推移しています。ただし、サプライチェーンの問題や原材料コストの上昇が利益を圧迫しており、企業は価格転嫁やコスト削減策を実施しています。
主要なアメリカの消費財メーカーはどれですか?
主要なアメリカの消費財メーカーにはProcter & Gamble、Johnson & Johnson、Colgate-Palmolive、Kimberly-Clark、SC Johnson & Son、クロロックス、チャーチ&ドワイト、エッジウェルなどがあります。これらの企業は多岐にわたるパーソナルケアや家庭用品を製造しています。
Procter & Gambleの事業規模と主要ブランドは何ですか?
Procter & Gambleは2022年度の売上高が約801億8,700万米ドルで、複数のカテゴリーに多くの有名ブランドを持ち、特にファブリック&ホームケア、子供・女性・ファミリーケア、ビューティー、ヘルスケア、グルーミングの順に売上比率が高いです。主要ブランドにはアリエル、パンパース、ヴィックス、ブラウン、ジレットなどがあります。
アメリカにおける主要消費財メーカーの昨年度の売上はどうでしたか?
アメリカの主要消費財メーカーは2022年度において、Procter & Gambleは約801億8,700万米ドル、Johnson & Johnsonは949億米ドル、Colgate-Palmoliveは180億米ドル、Kimberly-Clarkは202億米ドル、SC Johnson & Sonは111億米ドル、クロロックスは71億米ドル、チャーチ&ドワイトは53億7,600万米ドルとなっています。
日系や外資系の主要アメリカ消費財メーカーにはどのような企業がありますか?
日系の主要企業には花王株式会社やミルボンがあります。外資系ではユニリーバやレキットベンキーザー、シック、ユニチャームなどが代表的です。これらの企業はアメリカ市場で多くのブランドを展開し、パーソナルケアや家庭用品を製造しています。

