アメリカのバイク業界は、伝統的なクルーザーブランドを展開する大手メーカーと、EVバイクを手がける新興企業が併存する市場です。若年層の開拓とカスタム需要への対応を進める主要企業の戦略が、今後の成長を左右しています。
今回は、そんなアメリカのバイク業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社の最新情報をお届けしていきます!
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アメリカの主要バイク企業8選〜ローカル編〜
Harley-Davidson (ハーレーダビッドソン)
1903年にウィリアム・S・ハーレーとダビッドソン兄弟によってウィスコンシン州ミルウォーキーで創業した、米国を代表する大型二輪車ブランドである。北米にとどまらず欧州やアジア、オーストラリアなど世界のオートバイ市場で確固たる地位を築いてきた。
事業は、車両の設計・製造・販売を担うHDMC、ローンや保険を提供するHDFS、電動二輪を手掛けるLiveWireの三部門で構成される。
投資家向け開示によれば、2025年通期の二輪車出荷は約12万4,477台で、グランドアメリカンツーリングが6万9,251台、クルーザーが4万1,173台を占め、海外向けは約4万709台であった。電動のLiveWireは653台にとどまる。
近年は中核のツーリングモデルへ経営資源を集中させ、収益性を重視する戦略を進める。限定車の販売やライダー向けコミュニティイベントも継続する。2025年時点。
出典:https://www.harley-davidson.com/us/en/index.html
Polaris (ポラリス)
1954年に設立され、オフロード車やスノーモービル、二輪など多様なパワースポーツ製品を展開する米国大手である。世界およそ100カ国で事業を行い、従業員は約1万5,000人を数える。
同社の売上高は2025年で71億5,200万ドルに達し、パワースポーツ業界の主要プレーヤーとしての規模を維持している。
二輪事業の中核は、2011年に取得したインディアンモーターサイクルである。1901年創業の米国最古級ブランドで、高級クルーザーの設計・製造・販売を担い、「Indian Chief」「Indian Scout」「Indian Chieftain」などをそろえる。
本社はミネソタ州メディナに置く。北米や欧州、アジア、オーストラリアでアイコニックなデザインを訴求し、電動化やコネクテッド技術にも取り組む。2025年時点。
出典:https://www.polaris.com/en-us/
ZERO MOTORCYCLES (ゼロ・モーターサイクルズ)
創業者ニール・サイキによってカリフォルニア州スコッツバレーで設立された、電動オートバイ専業メーカーである。設計から開発、製造、販売までを一貫して手掛け、電動二輪の世界的リーダーと位置づけられる。
主力市場は米国のほか、ドイツやフランス、英国など欧州、日本や台湾、韓国などアジアに広がる。
独自開発のZ-Force®モーターは内部永久磁石(IPM)設計を採用し、効率と出力、コンパクト性を高い次元で両立させ、持続可能な最高速度の向上を実現した。SやSR、DSR/Xなど幅広いラインアップを擁する。
一部の商用パートナーには業界をリードする電動パワートレインを供給し、2020年にはポラリスとパワースポーツ分野で10年間の独占パートナーシップを締結した。2024年時点でも電動化の潮流を牽引する存在である。
出典:https://www.zeromotorcycles.com/
Lightning Motorcycles (ライトニング・モーターサイクルズ)
リチャード・ハットフィールドが2006年に設立し、カリフォルニア州サンノゼを拠点に高性能な電動バイクの設計・開発・製造を手掛ける。スポーツバイクやツーリングバイクに特化する。
代表モデル「Lightning LS-218」は最高速度218マイル毎時(約350km/h)を誇り、世界最速級の量産電動バイクとして知られる。2013年のパイクスピーク・ヒルクライムではガソリン車を抑えて総合優勝を果たした。
2019年には最高速150マイル毎時、航続150マイル、価格1万3,000ドル前後を掲げる普及モデル「Strike」を発表した。10分で80%まで充電できる超高速充電システムも開発している。
2022年の収益は約47万1,977ドルで、前年の約41万8,405ドルから増加した。少数精鋭で高性能電動二輪の技術開発を続けている。2022年時点。
出典:https://lightningmotorcycle.com/
CSC Motorcycles (CSCモーターサイクルズ)
2002年にカリフォルニア州アズサで設立され、小排気量を中心としたオートバイの設計・輸入・販売を手掛ける。手頃な価格と実用性のバランスを重視した品ぞろえに特色がある。
中国の大手メーカーである宗申(Zongshen)などと提携し、高品質な車両を輸入して米国で販売する事業モデルを築いてきた。
公式サイトによれば、2026年時点のラインアップはガソリン車の「RX3」「RX4」「RX6」「TT250」「SG250」に加え、「RX1E」「City Slicker」「ES5」などの電動モデル、さらに複数のeバイクまで幅広い。
「RX3」は最高速134マイル毎時で高速走行にも対応し、軽量でオフロードも走破できる。日常の通勤から冒険まで対応する独自のポジションを築き、注目を集めている。2026年時点。
出典:https://cscmotorcycles.com/
Cobra Motorcycles (コブラモーターサイクルズ)
1993年にジム・ファークナーが設立した、ミシガン州ヒルズデールを拠点とする競技用オフロードバイクメーカーである。フレームやエンジン、サスペンションなど主要部品の多くを自社で設計・製造する。
主力はユース(子ども向け)の競技用モトクロス車で、公式情報によれば2026年モデルとして電動の「CX1E」「CX3E」「CX5E」やガソリンの「CX65」「CX50」系をそろえる。
「米国で製造される唯一の競技用オフロードバイクメーカー」を掲げ、1994年以来300以上の全国タイトルを獲得してきた。2026年のロレッタ・リンズ選手権では、対象となるマイクロや65ccクラスの7割超のライダーが同社製を駆るという。
斬新なデザインと力強い性能でカスタムショーでも評価され、愛好家に高く支持されている。2026年時点。
出典:https://cobramoto.com/
CHRISTINI (クリスティニ)
1997年にペンシルベニア州フィラデルフィアで設立され、オールホイールドライブ(AWD=全輪駆動)のオートバイの設計・開発・製造を手掛ける。機械式のトラクションシステムを核とする独自技術を持つ。
カスタムAWD車を米国および20カ国以上で販売する。事業はAWD車のChristini Technologies、環境配慮型製品のChristini EV、AWD自転車のアクセサリー部門などで構成される。
公式サイトによれば、現行のラインアップには「AWD 300 E-Start」「AWD Military」「AWD 450DS」「AWD 450E」がそろう。国際レースやXゲームにも参戦し、米軍や国境警備隊にも車両を供給してきた実績がある。
2011年には国境警備隊がAWDプラットフォームを採用し、2015年にはカリフォルニア州大気資源局の認証を取得した。2025年時点でも独自の全輪駆動技術で存在感を示す。
出典:https://www.christini.com/
CURTISS (カーチス)
2016年にアラバマ州ハンツビルで設立され、高性能かつ独創的なデザインの電動オートバイを手掛ける。前身はコンフェデレート・モーターサイクルズで、航空と二輪の先駆者グレン・カーチスが1902年に興したブランド名を継承する。
創業者マット・チェンバーズのもと、「Forever Motoring」を掲げ、代々受け継げる高級電動バイクという独自の世界観を打ち出す。少量生産のプレミアム路線を採る。
公式サイトは2026年時点でも稼働し、オンラインでの受注体制を維持している。2023年にはアーキテクチャOSに関して米国特許第11,634,191号を取得するなど、独自技術の開発を進める。
同社の見通しでは、2024年から純キャッシュフローの獲得を見込み、2028年には5,000万ドル超の売上高とEBITDA1,500万ドル超への到達を予測している。2025年時点。
出典:https://www.curtissmotorcycles.com/
アメリカの主要バイク企業2選〜日系編〜
Kawasaki Motors Corp (カワサキモータースコーポレーション)
米国での二輪事業は、1966年にシカゴで設立されたカワサキモータースコーポレーションが担う。世界の主要都市に50を超える製造・物流・販売拠点を構える多国籍事業の一角である。
親会社の二輪・エンジン事業は、2021年に川崎重工業から分社化されたカワサキモータース株式会社が統括する体制へ移行した。
主力商品は、ベストセラーのスポーツバイク「Ninja®」、ネイキッドの「Z」シリーズ、クルーザーの「Vulcan®」に加え、ATVやサイド・バイ・サイドの「Mule™」など多岐にわたる。高速性能とデザイン性に定評がある。
米国ではディーラー1,500以上を擁し、レースでも数多くの勝利を重ねてきた歴史を持つ。電動モデルの投入など環境対応も進める。2024年時点で高い存在感を維持している。
出典:https://www.kawasaki.com/en-us/
Honda (ホンダ)
1948年に本田宗一郎と藤澤武夫によって本田技研工業として設立され、世界最大級のオートバイメーカーへと成長した。1959年にはカリフォルニア州ロサンゼルスに米国初の海外子会社を設け、北米市場に本格参入した。
1969年には並列4気筒の「CB750」を投入し、主流のオートバイに大きな影響を与えた。同モデルは後年「世紀のモーターサイクル」とも称された。
二輪事業の規模は突出しており、グローバルの年間販売台数は1,800万台を超える水準にある。生産・販売網は世界各地に広がり、新興国の需要を取り込みながら成長を続けている。
近年は燃費改善やカーボンニュートラル燃料の活用、電動化など環境対応を強化する。2024年時点でも世界の二輪市場を牽引する存在である。
出典:https://www.honda.com/
アメリカの主要バイク企業2選〜外資編〜
DUCATI (ドゥカティ)
1926年にイタリア・ボローニャで設立され、現在はボルゴ・パニガーレの拠点でプレミアムスポーツバイクを製造する。独自のイタリアンデザインと高性能で世界的に高い評価を得ている。
公式情報によれば、世界に10の子会社を持ち、92カ国で790のディーラー・サービス拠点を展開する。北米は1982年設立のドゥカティ・ノースアメリカが統括する主要市場の一つである。
主力商品には「Panigale」「Monster」「Multistrada」などがあり、スーパーバイクからネイキッド、アドベンチャーまで幅広くそろえる。フォルクスワーゲン傘下のアウディ/ランボルギーニ・グループに属する。
近年は年間販売で過去最高水準を更新し、モトクロス市場への参入やプロレーシングチームの設立など事業領域の拡大も進める。2024年時点で好調を維持している。
出典:https://www.ducati.com/ww/en/home
KTM (ケーティーエム)
1934年にオーストリアのマティグホーフェンで設立され、オフロードやモトクロス、スーパーモトなどを中心にオートバイを製造・販売する。米国子会社KTMノースアメリカは1992年にオハイオ州アマーストで設立された。
持株会社は従来のピエラー・モビリティから、2024年の経営再建(再建手続き)を経てバジャジ・モビリティAGへと体制が移行した。インドのバジャジ・グループが支配的な株主となり、再建計画の履行後に生産を再開した。
グループはKTM、Husqvarna、GASGASの3ブランドを擁し、開示によれば2025年の売上高は約10億900万ユーロ、二輪販売は約20万9,704台、従業員は3,782人であった。
中国のCFMOTOなどとも提携し、レースでは320を超える世界選手権タイトルを獲得してきた。2025年時点で再建を進めつつ事業基盤の立て直しを図っている。
出典:https://www.ktm.com/
FAQ
アメリカのバイク業界における電動バイクとハイブリッドバイクのトレンドについて教えてください。
最近のアメリカのバイク業界では、電動とハイブリッドバイクが主要なトレンドとなっています。カワサキはZ E-1やNinja E-1などの電動モデルを発表し、初の量産型ハイブリッドバイクも展開しています。
アメリカの主要なバイクメーカーにはどのような企業がありますか?
アメリカの主要バイクメーカーにはハーレーダビッドソン、ポラリス、ゼロ・モーターサイクルズ、ライトニング・モーターサイクルズ、CSCモーターサイクルズ、コブラモーターサイクルズ、クリスティニ、カワサキ、ホンダなどがあります。
ハーレーダビッドソンの事業内容には何がありますか?
ハーレーダビッドソンは、バイクの設計、製造、販売を行うHDMC、融資や保険サービスを提供するHDFS、そして電動バイクの設計と販売を担当するLiveWireの3つの事業グループで構成されています。
ゼロ・モーターサイクルズの特徴は何ですか?
ゼロ・モーターサイクルズは、効率性と高出力を追求した電動バイクメーカーで、特に高速モデルのLightning LS-218は世界最速の量産電動バイクとして知られています。また、10分で80%まで充電できる超高速充電システムも開発しています。
クリスティニの全輪駆動(AWD)バイクについて教えてください。
クリスティニは、1997年に設立され、オールホイールドライブ(AWD)システムを搭載したカスタムバイクを製造しています。アメリカおよび20か国以上で販売されており、環境に配慮した高性能な二輪車を提供しています。

