【最新版!】アメリカの主要携帯キャリア14選〜エンタメ・IT・個人サービス業界〜

2023年、アメリカの携帯市場はAT&Tがシェア46%でトップ、それに続くのがVerizonとT-Mobile。この3社で不動の位置を占めています。2019年以降、携帯普及率は80%を超え横ばいが続いています。2022年時点でスマホユーザーは3億人を突破し、25%がプリペイド方式で支払いしています。

今回は、アメリカの主要携帯キャリアに焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて14社を厳選してお届けします!それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。

読了時間の目安:5分

アメリカの携帯電話事業者業界 業界地図はこちら!
目次

アメリカの主要携帯キャリア8選〜ローカル編〜

AT&T Mobility LLC(エーティーアンドティーモビリティ)

アメリカ最大の携帯電話会社。創業は2000年。創業当時はSBCコミュニケーション社とBellSouth社の合弁事業であったCingular Wireless社であった。その後2004年にAT&Tワイヤレス社を買収。2006年になるとAT&Tコミュニケーションズ社がBellSouth社を買収。Cingular社は消滅し、AT&T Mobility社としてAT&Tコミュニケーションズ社の完全子会社とした。本社はジョージア州ブルックヘブン市。

2022年現在の加入者数は2億人を突破。全米各所に5000の小売店、2300の直営店、1500の提携店、1950の優先店を展開する。従業員はあわせて75000人を下回らない。2016年に、いわゆる2年縛りを廃止。無制限プランも導入している。さらにカナダとメキシコでのローミングを無料化した。

2011年まで国内でのiPhoneは同社が独占販売していた。2021年収益は146億米ドルだった。グループ全体の従業員数は1億6000万人。2018年以降コスト削減のために人員整理が続いている。

出典:https://www.att.com/wireless/

Verizon (ベライゾン)

AT&T社に次ぐアメリカで二番目に大きい携帯電話会社である。 2019年まではVerizon Wireless社として独立していた。現在は全てをVerizon社が取り込んで、一部門として機能させている。2022年現在で加入者は1億4000万人以上。全米に2330か所以上の小売店を持つ。

もとは1999年、ベルアトランティック社とボーダフォン社の合弁会社であった。2014年にボーダフォンの株式を取得して単独所有者になった。AT&Tが2004年にCingular社を買収するまではアメリカ最大の携帯電話会社だった。

2020年現在で、アメリカ人口の96%を4Gでカバーしているという。また、安定した回線は地下鉄内でも携帯がつながる唯一のキャリアともいわれていた。国土の広いアメリカでは、田舎の町で携帯がつながらない事態も起こっている。2010年に導入された同社のLTE in Rural Americaプログラムは、地方の携帯電話会社がVerizonの回線を使えるよう支援するものである。2022年の携帯電話だけの収益は188億米ドル。全従業員は11700人。

出典:https://www.verizon.com/

Xfinity Mobile (エクスフィニティモバイル)

ケーブルテレビ最大手のComcast社の携帯電話部門。Comcast社のカスタマーサービスの質は低いと悪評が高まり、2010年にリブランディングの一環としてxfinityの名称を使用し始めた。

2005年に始めた固定電話サービスが軌道に乗り、2012年にはアメリカ国内で3番目に大きい住宅用固定電話プロバイダーに成長した。そして2017年、Verizonの回線を使ったMVNOで創業。プリペイドプランと月額無制限プランを提供。2018年には加入者が100万人を突破。2020年には5Gデータプランを追加した。

Xfinity Mobile は、Xfinity Internet の加入者が利用できるサービスであり、だからこそXfinity WiFi ホットスポットへアクセスが可能となる。インターネットプロバイダーをXfinity Internet にしていれば、家の中でも外出先でも高速な携帯電話環境が得られる。

グループ全体の2022年の収益は1214億米ドル。従業員はグループ合計で186000人。

出典:https://www.xfinity.com/mobile/

アメリカの携帯電話事業者業界 業界地図はこちら!

DISH Wireless, LLC (ディッシュワイヤレス)

衛星放送プロバイダーのDISH社が手掛ける携帯電話会社。2019年に、Sprint社のプリペイド事業であったBoost Mobile社およびVirgin Mobile社を買収。さらにSprint社がT-Mobile社に買収されたことから、DISH社がT-Mobile社の回線を利用したMVNOになった。

規模でいうと、アメリカ国内第4位の携帯電話会社である。Verizon社を意識して、2023年までにアメリカ人口の70%にサービスできる5Gネットワークを完成させると意気込んでいた。

現在ブランドとしてboost mobile、高速通信のboost INFINITE、 2021年に買収したGen Mobileの3ブランドで構成されている。2022年の衛星テレビを含む総収益は174億米ドル。従業員は16000人。5Gネットワークを拡大するために、まずは都市部での顧客数増を狙ったキャンペーンを実施中。

出典:https://www.dishwireless.com/home

Cricket Wireless (クリケットワイヤレス)

カリフォルニア州サンディエゴ市にあった携帯電話会社Leap Wireless International, Inc.のプリペイド専門部門子会社として設立。Leap Wirelessと同様に、契約も信用調査も不要なサービスを売りにして発展した。2014年にAT&Tが両社を買収。現在はAT&Tの子会社である。

AT&Tによる買収前はSprintのネットワークを使ったMVNOであった。CDMA式のサービスはAT&T社の買収後、GSM式に切り替わった。

現在の加入者数は1000万人を超えている。MVNO業者としては上位企業である。ショッピングモールの出店など、全米に5000を超える直営店を展開している。日本の格安携帯と同じようにネット上で完結できるシステムになっており正規従業員は200名程度しかいない。さらにアルバイトを含めても5000人に満たない。2022年の収益は19億米ドルだった。本社はジョージア州アトランタ市。

出典:https://www.cricketwireless.com/

TracFone Wireless, Inc.(トラックフォンワイヤレス)

前身は1996年にマイアミ州フロリダ市で設立されたプリペイド携帯電話会社のTopp Telecom社。1999年にメキシコ最大の電話会社TelMex社の携帯電話部門であったAmérica Móvil社の子会社として再スタート。2000年に現在の社名に変更された。

創業当初はSprintのネットワークを使うMVNOであったが、後にAT&TのネットワークやVerizonのネットワークも利用。2021年にVerizonが2000万人の加入者を持つ同社を買収。ネットワークは徐々にVerizonのネットワークベースへとシフトしている。

親会社のVerizonのプリペイド部門としてStraight Talk、Safelink、Total by Verizonなどのブランドを展開。スーパーなどでも入手できる気軽なプリペイド携帯として、いまだに根強いファンがいる。2022年の収益は2億米ドル。正規従業員は400人程度。

出典: https://www.tracfonewirelessinc.com/en/home/

Cellcom (セルコム)

広大なアメリカらしい、地域に根付く地元の携帯電話会社。1910年ウィスコンシン州デベレ市で設立された電話会社のNsight社が親会社。親会社は1923年以来、家族経営の企業。

小売りエリアはウィスコンシン州の北東部と中央部、およびミシガン州の一部であり、全国展開はしていない。現在はVerizonのLTE in Rural America (LRA) パートナーになっており、同社のLTEサービスを利用できるようになっている。

都市部から離れた、例えば山間部などに見られる電波が届かない「デッドゾーン」に対して、同社はソーラーパネルや風力タービンなどを利用したグリーンセルサイトを運用して対処している。2022年の収益は1億7000万米ドル。正規従業員は700人弱程度。

出典:https://www.cellcom.com/

US Mobile (USモバイル)

創業から3年程度で急成長した企業である。Inc5000 の急成長非公開企業ランキングで94位にランクされている。ネットワークはT-MobileとVerizonを使う、ハイブリッドネットワークオペレーターのMVNOである。2015年に創業。

2016年時点では約20000人の顧客数だったが、2020年に約250000人の顧客を獲得している。ヒットしている要因はカスタマイズ可能な、月単位のプランがあることといわれている。またVerizonの回線を利用していることから、通信の安定性と費用の安さが評価されている。

2021年には日本のキャリアでも見られる、複数のデバイスやユーザーの間で使用するデータ料金を、一括で支払ってしまう「プールプラン」を提供開始した。2022年の収益は730万米ドル。正規従業員は70人弱程度。本社はニューヨーク州マンハッタン区。

出典:https://www.usmobile.com/

アメリカの携帯電話事業者業界 業界地図はこちら!

アメリカの主要携帯キャリア3選〜日系編〜

Amesma (アメスマ)

VerizonやT-Mobileの一次代理店であったMMTM,Inc社が始めた日本人向けの携帯電話会社。現在の親会社は社名を変更してJPEXアメリカ社となっている。

日本にいながらアメリカの携帯電話・SIM・eSIMなどを契約・受け取れることが最大の特徴。現在はVerizon、T-Mobile、AT&Tのネットワークを利用しているMVNO企業である。問い合わせから使用開始前後まで、すべてを日本語で対応することができる点が、特に初めての留学・海外赴任者などに好評を得ている。

最近のアメリカ国内のMVNO同業者と同じく、2年縛りは無い。アメリカ国内で他のキャリアを利用していた場合、MNPが利用できる。日本で使用していた電話番号は移行できない。ショップはトヨタの移転で日本人人口が激増しているテキサス州プラーノ市にある。ネットで手続きは完結するので、アメリカ国内のどこにいても利用が可能。

出典:https://amesma.net/

Hanacell (ハナセル)

1989年創業でイギリスに本社を置く、世界のどこでも利用できる携帯電話の提供をしているMobell Groupが、アメリカにいる日本人を対象としたブランドとして2007年に設立。日本への一時帰国する際に使える日本用のSIMカードの販売など、アメリカ在住日本人にとって、痒い所に手が届くサービスを幾つも展開している。

老舗の日系携帯電話会社らしく、ニーズに合わせた幅の広いプランを用意している。ネットワークはT-Mobileを利用。クレジットカード1枚で契約が可能であり、いつでも無料解約ができ、丁寧な日本語でのサポートがあることから、英語が苦手なアメリカ在住者にはありがたい存在になっている。

JALやANAやJTBが主要取引先となっており、アメリカ在住が決まれば少なくとも一度は目にする携帯電話会社といえる。アメリカ支店はニューヨーク州のロングアイランドにあるメルビル市。日本の文京区にも支店がある。社員数45名程度。

出典:https://www.hanacell.com/

H2O (エイチツーオー)

以前はKDDIアメリカ社の子会社であったが、2019年に通信プロバイダーのTelrite Holdings社に買収され、プリペイドGSM携帯サービス部門である子会社のLocus Telecommunications社のブランドとして再スタートしている。KDDIアメリカの名残から、日本語サービスを継続しているが、現在は日本語サービスに力を入れているわけではない。

格安携帯電話会社であるがゆえに、大型スーパーや家電量販店などでも購入できる気楽さがある。最新式の端末はWEBページからであれば購入が可能。SIMプランは30ドル程度からと、同業MVNO社とかわらない。回線はAT&Tのネットワークを利用。

日本語サイトでは端末の販売はしていない。SIMとホットスポットのみである。日本語カスタマーサポートも、平日東部時間12時から20時のみとなってしまっている。

出典:https://h2owirelessjapan.com/

アメリカの携帯電話事業者業界 業界地図はこちら!

アメリカの主要携帯キャリア3選〜外資系編〜

China Mobile (チャイナモバイル)

2021年6月時点での加入者が9億人という、世界最大の携帯会社である。1997年、香港でチャイナテレコム社として創業。1999年、チャイナテレコム社から分離し、China Mobile社として独立。いわゆるレッドチップ企業としては、最大の市場価値を持つ企業である。

全世界に広がる華人のために、世界各国で中国人が使える携帯電話を提供している。中国以外にも、グローバルSIMの販売やイタリア・日本・シンガポール・タイ・イギリスなどについては、それぞれの国の事情に合わせたモバイルサービスを提供している。

2021年、カナダでは国家安全保障上の懸念を理由に、チャイナモバイルインターナショナルカナダ社が営業を停止。2022年にはアメリカ連邦通信委員会は、チャイナモバイルインターナショナルUSAを国家安全保障上の脅威に指定した。アメリカでのMVNOはT-Mobileのネットワークを使用。現在アメリカでの営業はAlleswolke Wireless社という社名で行っている。

出典:https://mall.cmlink.com/na/en/homepage

Telefónica, S.A. (テレフォニカ)

スペインのマドリード市に本社を置く、多国籍電気通信会社である。世界最大のモバイルネットワークプロバイダーであり、携帯電話だけでなく固定電話・ブロードバンドネットワーク・ケーブルテレビなどのサービスを欧州と南北アメリカで事業展開している。

l同社の抱えている携帯電話ブランドはヒスパニック系アメリカ人諸国で評価が高いMovistarやイギリスやドイツで評価されているO2、ブラジルを中心としているVivoなどがある。アメリカ本社はTelefonica USA, Inc.として、フロリダ州マイアミ市にある。サンフランシスコとプエルトリコに営業所がある。

マイアミという土地柄、毎年のようにハリケーンに襲われるため、巨大なハリケーンであっても耐えるように設計されたデータセンターであるKeyCenterを運営している。

出典:https://www.telefonica.com/es/

T-Mobile US,Inc. (T-モバイル)

1994年、Western Wirelessの子会社としてVoiceStream Wireless PCSが設立された。この会社が起源である。1999年に独立し、2001年にはドイツのテレコムに買収された。2002年にT-Mobile USA, Inc. に社名変更。形の上では外資系の携帯電話会社となっている。

2020年にはSprintを買収し、アメリカで3番目に大きい携帯電話会社となった。2012年にはプリペイド式MVNO社であるMetroPCSを合弁化。2018年にはMetro by T-Mobileと社名変更しリブランドさせている。

本社はカンザス州オーバーランドパーク市とワシントン州ベルビュー市の二か所に置いている。直営店2200か所、特約店13300か所、店内キオスク4600か所で営業。2022年の従業員数は71000人。収益は795億米ドルであった。2013年ごろまでは、つながり具合が不安定と噂されていたが、特に2018年のSprint買収以降は安定していると高い評価を得ている。

出典:https://www.t-mobile.com/

アメリカの携帯電話事業者業界 業界地図はこちら!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次