アメリカの世帯年収の中央値は約68,700ドルであり、高収入世帯が増加傾向にあります。。旅行シーズンでは旅行意欲が高まり、特に高収入層が旅行に多く費やす傾向があります。ホテルの平均日割り料金は前年比で3%上昇し、旅行支出全体も前年に比べて18%増加すると予想されています。
この記事では、旅行、ホテル、放送・全国紙・出版、携帯電話事業者、広告業界を中心に、統計データを用いてアメリカのエンタメ・IT・個人サービス最新情報をお届けしていきます!
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アメリカの旅行事情〜統計データ〜
独立記念日休暇の旅行増加
一部の価格が50%高いインフレにもかかわらず、アメリカではこの夏の旅行が増加する予想である。2023年、独立記念日の週末に、5,070万人のアメリカ人が自宅から50マイル以上の距離を移動する新記録を樹立すると予想した。
大型週末の国内旅行は、2022年と比較して210万人増加すると予想されており、今年の予測は、2019年に樹立された7月4日の週末旅行者数の記録である4,900万人を上回る。4,320万人が目的地まで車で向かうと予想しており、これは2022年と比べて2.4%増加、2019年と比べて4%増加している。航空旅行も新記録を樹立すると予想されている。
独立記念日の週末に417万人のアメリカ人が目的地に飛行機で向かうと予測しており、これは2022年比11.2%、2019年比6.6%増加である。前回の7月4 日の週末航空旅行者数の記録は、2019年に樹立された391万人だった。今年の休暇全体の予測では、8.2%という驚異的な数字で、これはほぼ20年間で最も高い割合である 。
出典: AAAアメリカ自動車協会
旅行代理店の雇用状況
2022年5月の統計では、アメリカにて旅行代理店の雇用人数は53,180人となっている。平均時給は23.20ドル。平均年間賃金は48,250ドルである。
業界としては、旅行の手配及び予約サービスをする業界が最も多く、深海・沿岸・五大湖の水上交通、不定期航空輸送の業界と続く。旅行代理店の給与が最も高い業界としては、定期航空輸送で、平均時給38.49ドル、年間平均賃金は80,050ドルとなっている。
続いて、旅行代理店の雇用レベルが最も高い州としては、フロリダ州、カリフォルニア州、テキサス州、ニューヨーク州、ジョージア州となっており、旅行代理店の雇用と立地指数が最も集中している州としては、フロリダ州、アラスカ州、ノースダコタ州、ネバダ州、コロラド州である。
出典: 米国労働統計局
アメリカのホテル事情〜統計データ〜
ホテルが生み出す税収の増加
ホテルが生み出す州および地方の税収は、今年全米全体にて467億1,000万ドル、全米の州で新記録が予想されている。最も税収が高いのがカリフォルニア州($5,530,396,328)、2番目がニューヨーク州($4,078,295,845)、3番目がフロリダ州($4,020,901,309)となっている。
ただ、米国のホテルの平均稼働率は2023年63.8%に達すると予測されているが、それは2019年の65.9%にわずかに届いていないのが問題だ。2023年も米国の多くのホテルにとって人員配置は引き続き課題となることが予想される。パンデミックで失われた雇用の多くを埋めようと、全国のホテルが人材募集に乗り出している。
2022年12月の時点で、全国のホテルの平均賃金は時給23ドルを超える歴史的な高水準にあり、ホテルの福利厚生と柔軟性はかつてないほど向上してる。Indeedによると、現在全米で約100,000件のホテルの仕事が募集されている。
出典: AHLA アメリカホテル宿泊協会
全米レジャー業界の雇用統計
2021年、全米のレジャー分野における雇用は14,101,000人である。米国労働統計局は、2021年から2031年までに米国経済が830万人の雇用を追加すると予測している。このうち、予測される新規雇用全体の 23.1%に相当する190万人の雇用は、レジャーおよびホスピタリティ分野での雇用が見込まれている。
この急速な成長予測は、新型コロナウイルスのパンデミック後の回復によるものである。パンデミックの発生により、2020年にレジャー・ホスピタリティ部門は、社会的距離確保措置や事業停止により雇用が急激に減少した。 パンデミック中にレジャーや接客業で失われた雇用のうち、2021年までに回復したのはわずか4人に1人にとどまった。
その結果、2021年から31年の10年間に予想される急速な成長は主に、2021年の低雇用からの回復に起因することになる。
出典 :米国労働統計局
アメリカの放送・全国紙・出版事情〜統計データ〜
有料チャンネル購読者データ
ここのところVOD(ビデオオンデマンド)が不調といわれる。選択肢があまりにも多すぎて、選択するだけで疲れてしまうのが大きな理由であるといわれる。
とはいえ、2021年ごろまでのアメリカ国内ディズニーチャンネルは放映作品が徐々に増加し、それが宣伝効果となって購読者増加へと結びつけていた。2022年になるとプレミアチャンネルの魅力に限りが出始めたとされている。Huluの業績減少は、制作費の高騰による収益悪化が原因。
ただし、購読者の微増によって相殺されている。ディズニーにせよHuluにせよスポーツチャンネルのESPNにせよ、独占ライブなどの大型イベントが購読者数に大きく影響している。ペイパービューなどが期待できる大きなライブイベントなどが見当たらなかったことが原因といえる。
出典:ウォルト・ディズニー・カンパニー
米国トップティッシュ企業のEBITDAパフォーマンス
ラジオやテレビ放送局関係者(9810人)とネット配信関係業者(8910人)、映画やビデオ産業関係者(8610人)の雇用数は大幅に違わないものの、その年間平均賃金には大きな違いがみられる。
日本でもテレビ局のAD のブラックさについては時折話題になるが、それは世界中で共通のできごとのようである。片や時代の最先端であるストリーミングやSNSなどのインターネット関連であれば、テレビやラジオ関係者の平均値のおよそ二倍の給与額が支払われている。
浩紀にわたるマスコミ業界をひとくくりにするのは難しいが、それでもあえてマスコミのカテゴリーをつくるならば、業界の雇用に占めるラジオやテレビなどの放送局に関わる雇用は8%程度。ネット配信関係は4%弱、映画やビデオ関係に至っては2%程度でしかない。
出典:アメリカ労働統計局
アメリカの携帯電話事業者〜統計データ〜
携帯電話での通話状況
長電話が好きなアメリカ人は今でも多々存在するが、データでは都市部での携帯電話での通話時間が短くなっていることがわかる。
技術の発達により、携帯電話が電話機能だけではなくなったことも原因の一つと考えられる。このデータからは読み取れないが、全世界的に連絡だけならSMSなどで十分という風潮がある。また長電話するのであれば、wifiを使ってテレビ電話を使う傾向も強くみられる。
キャリア側もそうした事実を認識しているので、通話時間で料金設定をしていない。ほとんどのキャリアで通話時間は無制限としている。コロナ禍において、ほんの少しだけ通話時間が増えたように見えるが微々たるもので、今後も連絡はSMS、話すならテレビ電話で、という風潮が続くのではないかと思われる。
出典: アメリカ労働統計局
AT&T第二四半期収益の比較
データからは最早ランドラインは過去のものになりつつあることが読み取れる。携帯電話を含め、wifi製品・モバイルギアの収益は約200億米ドル。
これに対して家庭向けと企業向けのランドラインを合わせても80億米ドル程度。半分にも及ばない。計算上では一人1台の携帯電話を保持しているということになっているアメリカではあるが、まだまだ山間部など、利用圏を拡大しなければならない問題を抱えており、有線を引くよりは電波塔を建てることや通信衛星を使うことが早期解決策のひとつといわれている。
都市部でのネットワークは、どのキャリアもほぼ完成しているので、次の段階としては有線のみに頼っていた地域にモバイルを提供していくことであろうと、このデータからは読み取れる 。
出典 : AT&T投資家向け公開情報
アメリカの広告事情〜統計データ〜
広告販売代理店の労働統計
広告代理店業界の統計として2022年5月の全体統計は、雇用人数106,560人。平均時給は35.22ドル。平均年間賃金は73,260ドルとなっている。続いて、雇用レベルの高い業界は、広告サービスで、雇用人数は45,570人。平均時給37.86ドル。年間平均賃金は78,740ドルである。
続いてが新聞、書籍出版社で、雇用人数は23,300人。平均時給は28.41ドル。年間平均賃金は59,090ドルである。続いて、雇用レベルが最も高い州は、ニューヨーク州で、雇用人数18,740人。平均時給は52.76ドル。年間平均賃金は109,750ドルとなっている。続いて2番目はカリフォルニア州で、雇用人数は9,670人。平均時給は39.21ドル。年間平均賃金は81,550ドルである。
3番目はフロリダ州で、雇用人数は7,340人。平均時給は31.52ドル。年間平均賃金は65,560ドルである。4番目はイリノイ州で雇用人数は7,210人。平均時給は30.64ドル。年間平均賃金は63,740ドルである。5番目はテキサス州で、雇用人数は5,960人。平均時給は26.40ドル。年間平均賃金は54,910ドルである。
出典:米国労働統計局
広告代理店業界の高等教育について
2020年、広告販売代理店の従業員の10.6%がヒスパニック系、89.4%が非ヒスパニック系だった。また、82.8%は白人で、そのうち52.6%が女性、47.4%が男性だった。
他の人種としては、黒人が7.45%、アジア人が3.78%だった。続いて、広告販売代理店業界の高等教育の選択肢に関するデータでは、広告販売代理店業界にとって最も一般的な専攻はビジネスであるが、データによると、2020年に最も求められる専門的な専攻はコミュニケーションだった。広告営業担当者に必要なスキルとしてスピーキングが挙げられるが、平均以上の交渉力が必要であることが分かる。
また、2020年に広告販売代理店業界の人が取得した最も一般的な専攻は、ビジネス(29,995人)、コミュニケーション(20,817人)、社会科学(6,907人) だった。広告販売代理店の従業員が卒業した主な教育レベルは、学士号(75,138人)、大学卒業 (27,453人)、高校以上 (14,634人)だった。
出典:国勢調査局のACS PUMS データ
ワシントン在住の日本人。大学卒業後、日本で外資系メーカーに勤めており、営業とマーケティングを経験。マーケティングは発売予定の製品周りの広告、パッケージや販促、イベントやデジタルプラットフォームの使用等様々な側面に関わり、年に1−2回ある新商品発売に向けて取り組む。渡米してからはフリーランスでスタートアップにマーケティングやマーケティングリサーチのサービスを提供し、プロジェクトベースで様々な依頼に応えている。