【最新版!】アメリカの主要銀行14選〜金融・法人サービス業界〜

アメリカではデジタル化が進む一方、現金利用はさらに減少しています。2022年の時点で、78%の人々がモバイルアプリやウェブサイトを通じて銀行取引を行い、57%がデビットカードを使用しています。パーソナルチェックの利用も根強く残っていますが、仮想通貨は一般にはまだ普及していません。また、収入が低い世帯では銀行口座を開設するのが難しく、郵便貯金の復活を望む声も上がっています。

今回は、アメリカの主要銀行に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて14社を厳選してお届けします!それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。

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目次

アメリカの主要銀行8選〜ローカル編〜

JPMorgan Chase Bank(JPモルガン・チェース・バンク)

1799年創業の、アメリカで3番目に古い銀行であるマンハッタン銀行がルーツとされる。現在はニューヨークに本社を置き、税金などの面で会社設立に有利なデラウェア州に法人登録をしている。2023年時点でアメリカ最大の銀行であり、国内資産は2兆5100億米ドル。

マンハッタン銀行が1877年設立のチェース銀行を1955年に買収。その後も様々な銀行を吸収していく。1996年には逆に、ケミカル銀行によって買収されたが、よりよく名前が知られていることを理由に、銀行名はチェース・マンハッタン銀行のままにした。2000年、1871年から投資・資産管理・プライベートバンキングなどを扱う金融機関であったJPモルガン社が合併。社名がJPモルガン・チェース・アンド・カンパニーとなった。

2023年5月、IndexGPTというAI利用の投資アドバイザーを開発中と噂が流れた。2022年、フォーチュン500総収益ランク24位。2021年、イギリスのリテール・バンキングに参入。これが国外初のリテール事業となる。2019年デジタルトークンのJPMコインを発表。銀行で発行された最初の暗号通貨であった。

出典:https://jpmorganchase.com/

Bank of America (バンク・オブ・アメリカ)

本社はノースカロライナ州シャーロット市。投資銀行業務本部と補助本部をニューヨーク州マンハッタン区におく。1923年カリフォルニア州サンフランシスコ市でイタリア銀行として創業。1922年、バンク・オブ・アメリカ・ロサンゼルスが創業。両銀行が1928年に合併し、当時の国内最大銀行機関を設立した。

その後、様々な銀行を吸収合併して成長。2023年時点でアメリカで二番目に大きい銀行になっている。国内資産2兆3900億米ドル。時価総額では世界第2位の銀行。JPモルガンチェース、シティグループ、ウェルスファーゴとあわせて4大銀行という。

全銀行預金のうち、約10.73%を取り扱っているといわれる。吸収合併を繰り返した歴史の中で、2008年のメリルリンチ社の買収が成長に大きく影響している。収益の90%は国内市場で稼いでいる。国内市場で一位を取得することが当面の目標という。形の上では国内すべての州に合計4600支店を出しATMを15900台設置している。世界40か国でも展開。

出典:http://bankofamerica.com/

Wells Fargo Bank(ウェルス・ファーゴ・バンク)

世界35か国で事業展開し、7000万人以上の顧客を抱える多国籍金融サービス会社。国内資産は1兆6600億米ドル。5200を超す支店と13000台のATMを持つ。2022年の従業員数は世界で合計238698人。

アメリカン・エキスプレスの初代社長と副社長が1852年ニューヨーク市で設立したウェルス・ファーゴが起源。西部で有力な速達郵便および銀行組織となる。カリフォルニア州でのゴールドラッシュ時代で急成長を遂げる。1968年には連邦銀行として認可された。

1983年コネチカット州で最高被害額の銀行窃盗事件にあう。1995年にはアメリカ初のインターネットバンキングサービスを手掛ける。1998年にミネソタ州ミネアポリス市で創業したノースウェスト銀行に買収されたが、銀行名はウェルス・ファーゴの名前を引き継いだ。世界第3位の化石燃料投資会社でもある。カリフォルニア州サンフランシスコ市にはウェルス・ファーゴ歴史博物館がある。

出典:https://www.wellsfargo.com/

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Citibank (シティバンク)

金融サービス多国籍企業であるシティグループの子会社。1812年にニューヨーク市銀行として設立。現在19か国に2600の支店を持つ。アメリカ国内には2023年時点で723支店舗がある。それらは特にアメリカ大都市圏といわれるシカゴ・ロサンゼルス・サンフランシスコ・ワシントンDC・マイアミに集中している。

2023年時点での国内資産は1兆4000億米ドル。従業員は240000人以上とされる。顧客数は世界中に2億人。1831年、アメリカ初の銀行強盗の現場となったことがある。1869年には国内最大の銀行に成長した。1980年代に通帳無しですべての取引を実行できるシティカードを発売。1984年には世界最大クレジットカード発行会社となり、世界90か国以上に拡大。

1970年代には24時間利用可能なATMを導入。1982年にはダイヤルアップではあったが、オンライン口座アクセスを開発している。採用が厳しく入行は困難。有給休暇は年間30日まで取得可能。

出典:http://citi.com/

U.S. Bank (USバンク)

国内資産5807億米ドル。アメリカで5番目に大きい銀行である。一般的には慣習的にUSバンクと呼ばれているが、銀行持ち株会社名としてはUSバンコープ(US Bancorp)である。ミネソタ州ミネアポリス市に本部を置き、デラウエア州に設立登記されている。主にアメリカの西部・中西部に展開し、3000を超す支店と4800台を超すATMがある。

起源は1891年設立のUnited States National Bank of Portland。西海岸を中心に数多の銀行を買収・吸収・合併を繰り返し発展。中でも1997年のファースト・バンクによる買収は勢力圏を広げることにつながった。認知度を考慮して社名はUSバンコープを採用した。2021年からMUFGユニオンバンクの買収を手掛けており、その結果でカリフォルニア州内で大きな存在に成長している。

Fortune500では117位にランキング。金融安定委員会から重要な銀行とみなされている。クレジットカード取引処理業者のElavon、全米の小規模信用組合や小規模銀行に代わってクレジットカードを発行するElanファイナンシャルを子会社として持つ。

出典:https://www.usbank.com/

Truist Bank (トラストバンク)

銀行と信託のBB&Tとサントラスト銀行が2019年12月に合弁した結果設立された、ノースカロライナ州シャーロット市に本社を置く銀行持ち株会社。2020年時点で国内15州とワシントンDCに2781支店を運営している。国内資産は5647億米ドル。2023年、従業員は51000人以上。

BB&Tはノースカロライナ州ウィルソン市で地元の農家を相手に銀行業を始めた。サントラスト銀行は1891年にジョージア州で信託会社から出発。この2行の合併は、2007年からの金融危機以来最大の銀行間取引合併となった。

合併時期がコロナ禍と重なったため、ソフト面もハード面も、完全移行には2年近くが経過してしまった。その後も買収・合併・吸収などを繰り返して成長している。2022年、バンクダイレクト・キャピタルトラスト社を買収すると発表。金融会社としては初の生命保険取引になる。

出典: https://www.truist.com/

PNC Bank (PNCバンク)

創業は1845年、ペンシルバニア州ピッツバーグ市にてピッツバーグ信託貯金会社として設立。親会社はPNCファイナンシャルサービスグループ。PNCバンクは国内27州とワシントンDCに2700支店と9500台以上のATMを持つ。国内資産は5543億米ドル。従業員数約60000人。

PNCは1983年に合併した「ピッツバーグナショナルコーポレーション」と「プロビデントナショナルコーポレーション」の頭文字に由来するという。同行のPNCモーケージは、アメリカ初の住宅ローンに資金を提供したとされている。

2018年、フォーチュン500アメリカ最大企業リストの売上高ランキング165位。また同年、従来の銀行支店とATMだけに特化した「ソリューションセンター」を開設。この方法で市場を拡大した。アメリカ最大の財務管理事業のひとつであり、アメリカで二番目に大きい資産ベースの融資シンジケート主幹事アレンジャーを運営している。PNCリアルエステートは住宅ローン銀行協会によって2位の評価を得ている。

出典:http://pnc.com/

Capital One (キャピタルワン)

創業は1994年。バージニア州リッチモンド市のシグネット・ファイナンシャル・コーポレーションからのスピンオフ。クレジットカード部門のスピンオフだった。その後、自動車ローンを手掛け、1996年にはイギリスとカナダに進出。2005年のハイバーニアナショナルバンクの買収により銀行業を開始。その後も数多の買収を繰り返している。

国内資産は5543億米ドル。750の支店と2000台のATMを持つ。現在の本社はバージニア州マクリーン市。VisaおよびMastercardの発行会社としてはJPモルガン・チェース、シティグループについで3番目に大きく、またアメリカ最大の自動車金融会社の一つでもある。2021年の従業員数は50000人。

2023年のフォーチュン500アメリカ最大企業リストの売上高ランキング106位。また、働き甲斐のある企業100社リストでは15位にランクされている。同行は「クレジットカード部門」「消費者向け銀行業務」「商業銀行業務」の3部門から形成されている。CMで決まり文句の「What’s in your wallet?」は有名。

出典: https://www.capitalone.com/

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アメリカの主要銀行3選〜日系編〜

MUFG Union Bank(MUFGユニオンバンク)

カリフォルニア州・ワシントン州・オレゴン州に400弱の支店を持つ銀行。MUFGアメリカズホールディングスが完全所有し、2022年にUSバンコープに買収。2023年にはUSバンクに合併となった。

東京銀行は1946年から1996年まで営業していた。東京銀行は1953年にサンフランシスコに進出。1975年に南カリフォルニア・ファースト・ナショナル銀行の経営権を取得。1996年にユニオンバンクと合併。さらに2008年には三菱東京UFJ銀行に買収された。2014年にMUFGは子会社の三菱東京UFJ銀行のアメリカ国内業務をNAユニオンバンクと統合させた。2021年末の時点でのMUFGアメリカ・ホールディングス・コーポレーションの資産は1630億米ドル。

2016年の収益は53億米ドル。現在の本部はニューヨーク市マンハッタン区にある。2020年での従業員数は13900人。代表取締役会長は小森谷正敏氏である。マンハッタンにあった東京銀行は、当時日本語で口座開設できた唯一の銀行だった。

出典:https://www.unionbank.com/

Sumitomo Mitsui Banking Corporation(株式会社三井住友銀行)

日本語表記では「三井」を先に言うのに対して、英語表記では「住友」を先にすることで、対等の意味を持たせているという。国際的には「住友」の方が知名度が高いため、という意味もあるとのこと。

1916年住友銀行サンフランシスコ支店開設。1918年ニューヨーク代理店を設立。1922年三井銀行ニューヨーク支店開設。1988年住友銀行ロサンゼルス支店開設。2010年SMFGニューヨーク証券取引所に上場。現在はアメリカ国内で個人相手のリテール業務は取り扱っていない。SMBC信託銀行の口座は、日本に住民登録をしている必要がある。海外支店にはATMが設置されていないので、国際キャッシュカードは使えない。

北米では唯一、ロサンゼルスのSMBC傘下Manufacturers Bankだけが、個人の口座を開設してくれる。現在の業務は、主に法人対象。ファイナンス系のサービスを中心に、為替や証券・M&Aなどをニューヨーク本社以外にもサンフランシスコ・ロサンゼルス・ダラス・ヒューストン・シカゴ・カナダなどにある支店で対応している。

出典:https://www.smbcgroup.com/about-us

Mizuho Bank (みずほ銀行)/strong>

投資銀行・法人銀行である。一般個人が持てる銀行口座は取り扱っていない。ニューヨーク・ワシントンDC・シカゴ・アトランタ・ヒューストン・ダラス・ロサンゼルス・サンフランシスコなどに支店を持つ。

2002年に設立したメガバンクは、2005年から2010年にかけて特に中国・南北アメリカ・ヨーロッパ・中東に20の海外支店を開設した。2006年に、企業や金融機関などを顧客とするみすほコーポレート銀行は、アメリカでの金融持ち株会社の地位を取得した、最初の日本の銀行となった。その結果、みずほファイナンシャルグループはニューヨーク証券取引所にADRを上場した。

現在はアメリカ国内で個人相手のリテール業務は取り扱っていない。現在の業務は、主に法人対象。みずほ銀行アメリカでは2600人の従業員がいる。そのうち553名が銀行部門に勤務し、金融ソリューションと戦略的アドバイスを提供している。

出典:https://www.mizuhogroup.com/americas

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アメリカの主要銀行3選〜外資系編〜

Credit Suisse First Boston(クレディスイス・ファーストボストン)

投資銀行である。1988年にファースト・ボストン・コーポレーションとクレディ・スイス・グループが合弁して設立。投資銀行業務・資本市場・金融サービスを取り扱う。2006年には再編成の後、親会社に統合。「ファーストボストン」の名称を中止したが、2022年の投資銀行をスピンアウトさせたときにブランド復帰させた。

親会社のクレディ・スイスはスイス鉄道の資金調達のために1856年に設立。スイスのチューリッヒに本社を置き、世界中の主要な金融センターにオフィスを構えている。クレディ・スイスは投資銀行業務だけではなく、プライベートバンキングや資産管理・共有サービスなどを提供している。銀行と顧客の秘密保持と銀行内の秘密保持が厳格であることで有名な銀行のひとつである。

設立当初、クレディスイス・ファーストボストンのブランドは、ニューヨーク・ロンドン・東京でも設立された。1988年のオハイオ・マットレス・カンパニーの買収失敗をきっかけに失速。親会社に買収されることになった。

出典:https://www.credit-suisse.com/us/en.html

Royal Bank of Canada(ロイヤル・バンク・オブ・カナダ)

1864年、漁業や木材産業事業などに融資する商業銀行としてスタート。現在はリテールのほか、法人・投資業務・住宅ローンなどを扱う、時価総額ではカナダ最大の銀行である。

カナダの他、世界36か国の1700万人の顧客に89000人を超える従業員が担当している。2023年の国内総資産は2兆カナダドルであった。カナダ国内には1200の支店と1000万人の顧客を抱える。アメリカに子会社RBC銀行を持つ。以前はアメリカ南東部の6州に439支店を持っていたが、現在は縮小。カナダからアメリカへの旅行者とアメリカに駐在するカナダ人のためだけにサービスをしている。

もうひとつの子会社であるカリフォルニア州ロサンゼルス市に本社を置くシティ・ナショナル銀行は、2015年にロイヤル・バンク・オブ・カナダに買収された。アメリカ11州に79支店を展開中。創業当時の本社はハリファックス。その後モントリオールへ移転。管理業務のほとんどはトロントで行っている。

出典:http://rbc.com/

Banco Itaú Unibanco(バンコ・イタウ・ウニバンコ)

1945年創業のイタウ銀行と1924年創業のユニバンコが2008年に合併して設立した、ブラジルの金融サービス会社。ラテンアメリカで最大で、世界で71番目に大きい銀行といわれている。

プライベートバンクはニューヨークやマイアミで、裕福層を相手に展開。アメリカ進出は、イタウ銀行時代の1979年が初めて。ニューヨークに駐在員事務所を置き、のち1984年に支店に変更した。南北アメリカだけではなく、イギリスを含めたヨーロッパや東京を含めたアジア地域にも進出。世界中に3500支店と27000台のATMを含む33000か所のサービスポイントを持つ。世界中の従業員を合わせると99600人といわれる。顧客数は約5500万人。2018年の総資産額は4020億米ドル。

ニューヨークのNYSEに上場されている。主に投資銀行・リテール・クレジットカードを扱うが、住宅保険事業や自動車保険事業も手掛けている。

出典:http://www.itau.com/

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