アメリカの会計事務所業界は、世界的な大手会計事務所グループが監査からコンサルティング、税務まで幅広いサービスを提供する巨大市場です。AI監査ツールの導入とデータ分析力の強化を進める主要企業の動向が注目されています。
今回は、そんなアメリカの会計事務所業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて15社の最新情報をお届けしていきます!
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アメリカの主要会計事務所企業10選〜ローカル編〜
Deloitte (デロイト)
正式名称はDeloitte Touche Tohmatsu Limitedで、1845年に英ロンドンで創業した多国籍のプロフェッショナルファームである。監査、税務、コンサルティング、リスクアドバイザリー、ファイナンシャルアドバイザリーを世界規模で手がけ、米国では1890年に進出してニューヨークに拠点を構える。
公式発表によると、2025年5月期の世界売上高は705億ドルで、現地通貨ベースで前年比4.8%増となった。世界の従業員数は47万人を超え、Big4の中でも最大の規模を誇る。フォーチュン・グローバル500企業の多くを顧客に持つ。
近年は生成AIへの大型投資を進めており、2030年度までに30億ドル超を投じてサービス提供体制を刷新する方針を掲げている。AIを活用した監査やコンサルティングの高度化に注力している。
社名の一部であるTohmatsuは、日本で監査法人を設立した等松農夫蔵に由来する。多様な専門領域を束ねた総合力を強みに、企業や政府のAI活用を支援する立場を鮮明にしている。
出典:https://www.deloitte.com/
PwC (プライスウォーターハウスクーパース)
PwCは、1849年に英ロンドンで創業した会計事務所を源流とし、1998年の合併を経て現在の体制となった多国籍ファームである。監査・保証、税務・法務、アドバイザリーの3分野を柱とし、米国では1890年に進出してニューヨークを拠点とする。
公式の年次レビューによると、2025年6月期の世界売上高は過去最高の569億ドルに達し、現地通貨ベースで前年比2.7%増となった。従業員数は約36万4,000人で、137の国と地域に拠点を展開する。フォーチュン・グローバル500の82%を顧客とする。
同期はネットワーク全体で31億ドルを投資し、うち約15億ドルをAI能力の拡充に充てた。アドバイザリー部門が牽引役となり、生成AIを組み込んだサービス開発を加速させている。
一方で成長鈍化を背景に人員の見直しにも踏み切っており、収益構造の再構築を進めている。監査業務にとどまらないデータ分析やコンサルティングへの多角化を強めている。
出典:https://www.pwc.com/
Ernst & Young (アーンスト&ヤング)
正式名称はErnst & Young Global Limitedで、商号としてEYを用いる。1849年に英ロンドンで設立された会計事務所を源流とし、1989年の合併で現在の同社が誕生した。財務監査などの保証業務、税務、コンサルティング、ストラテジー・トランザクションを4本柱とする。
公式発表によると、2025年6月期の世界売上高は532億ドルで、現地通貨ベースで前年比4.0%増となった。従業員数は40万6,209人に上り、150を超える国と地域で事業を展開している。
同期はAI関連売上高が前年比30%増と急拡大し、1万5,000人超の専門家がAI関連の取り組みに従事した。過去5年間の年平均成長率は8.2%と堅調に推移している。
アライアンス・パートナーとの連携も収益成長を支えており、サステナビリティ分野でも約3万人の専門家が2万5,000件超の支援を手がけた。総合力を軸に事業領域を広げている。
出典:https://www.ey.com/
KPMG (ケーピーエムジー)
KPMGはBig4の一角を占める国際的なプロフェッショナルファームで、1987年に複数の会計事務所が統合して現在の名称となった。源流は1891年に英ロンドンで設立された事務所に遡る。米国本社はニューヨークにあり、監査、税務・法務、アドバイザリーを3本柱とする。
公式発表によると、2025年9月期の世界売上高は継続事業ベースで398億ドルとなり、現地通貨ベースで前年比5.1%増を記録した。従業員数は27万6,030人で、138の国と地域に拠点を持つ。
税務・法務が7.5%増、監査が6.0%増と好調で、AIを活用した監査品質の向上やマネージドサービスが成長を牽引した。独自のAIプラットフォーム「KPMG Workbench」の展開も進めている。
米州、アジア太平洋、EMAの全地域で増収を達成した。TIME誌の「世界最高の企業2025」にも選出されるなど、外部評価も高い。
出典:https://kpmg.com/
RSM US (アールエスエム US)
RSM US LLPは、1926年にアイオワ州シーダーラピッズでマクグラドリー会計士が設立した事務所を源流とする。本社はイリノイ州シカゴに置き、中堅企業(ミドルマーケット)向けの監査、税務、コンサルティングを専門とする。国際ネットワークRSMの米国メンバーファームである。
公式のインパクトレポートによると、2025年4月期のRSM USとRSMカナダの合計売上高は約40億ドル、従業員数は1万6,756人、パートナー・プリンシパルは1,182人に上る。米国77拠点を含む計88拠点を展開する。
売上構成はコンサルティングが39%、税務が33%、監査が27%となっており、コンサルティング分野の伸びが目立つ。ミドルマーケットに特化した専門性を強みとしている。
インドやエルサルバドルにもデリバリー拠点を持ち、グローバルな支援体制を整えている。ブライアン・ベッカーCEOのもとで着実に規模を拡大している。
出典:https://rsmus.com/
Grant Thornton (グラント・ソーントン)
Grant Thorntonは、1924年にグラント氏が独立して設立した会計事務所を源流とし、本社はイリノイ州シカゴに置く。米国事業はGrant Thornton Advisors LLCとして、監査、税務、アドバイザリーを中堅企業を中心に提供している。国際的にはGrant Thornton Internationalのネットワークに連なる。
2024年に米投資会社ニュー・マウンテン・キャピタルから成長投資を受け入れ、経営体制を刷新した。2025年1月にはアイルランド法人と統合し、約1万2,000人の専門家が50を超える拠点で働く多国籍プラットフォームを構築した。
米国事業の売上高は2023年7月期時点で24億ドル、従業員は9,000人超であった。買収や統合を通じて国際的な事業基盤の拡大を急いでいる。
セス・シーゲルCEOのもと、専門サービスの高度化と海外展開の加速を進めている。中堅市場での存在感を一段と高めている。
出典:https://www.grantthornton.com/
CBIZ / Mayer Hoffman McCann (CBIZメイヤー・ホフマン・マッキャン)
CBIZは会計・税務・コンサルティングなどを手がける米国のプロフェッショナルサービス企業で、監査業務は提携先のMayer Hoffman McCann(現CBIZ CPAs)が担う独自のオルタナティブ・プラクティス構造をとる。ニューヨーク証券取引所に上場している。
2024年11月、同業大手のMarcumを約23億ドルで買収して統合を完了した。これにより合算売上高は約28億ドル、従業員は1万人超、顧客は13万5,000社超となり、米国の会計事務所ランキングで第7位に浮上した。
非監査業務はCBIZが、監査業務はCBIZ CPAsが引き継ぐ形で事業を統合している。建設、製造、非営利など幅広い業界に監査・証明サービスを展開する。
大型買収を通じて規模の拡大と提供領域の多様化を進めている。中堅企業向けの総合サービスに強みを持つ。
出典:https://www.cbiz.com/
BDO USA (ビーディーオーUSA)
BDO USAは、1910年にニューヨークでサイドマン三兄弟が設立した会計事務所を源流とする。監査、税務、アドバイザリーを幅広い業界に提供し、国際ネットワークBDO Internationalの米国メンバーファームとして機能する。近年は法人形態を専門職法人(P.C.)へ移行した。
公式発表によると、2024年12月期の売上高は約28億8,500万ドル、専門家は1万2,000人超に上る。2023年には大手会計事務所として初めて従業員持株制度(ESOP)を導入し、業界で注目を集めた。
2024年にはマーク・エレンボーゲンを最高執行責任者に、マイク・ガーハードを新設の最高データ・AI責任者に任命するなど、経営体制とAI活用を強化した。
米ニュース誌の「働きがいのある企業」などにも選ばれている。人材確保とデジタル投資を両輪に成長を続けている。
出典:https://www.bdo.com/
Baker Tilly (ベイカー・ティリー)
Baker Tillyは、監査、税務、アドバイザリーを中堅企業を中心に提供する米国の大手会計事務所である。本社はイリノイ州シカゴに置き、国際ネットワークBaker Tilly Internationalの米国メンバーファームとして機能する。
2025年6月、西海岸を地盤とする大手Moss Adamsとの統合を完了し、米国で6番目に大きいアドバイザリー系CPAファームとなった。Moss Adamsは統合前時点で4,800人超の専門家と全米30拠点を擁していた。
統合は投資会社ヘルマン・アンド・フリードマンなどの支援を受けて実施された。監査業務はBaker Tilly US, LLP、アドバイザリー・税務などはBaker Tilly Advisory Groupが担う構造をとる。
エリック・マイルズ氏が2026年1月にCEOへ就任する体制で、規模拡大と提供領域の多様化を進めている。中堅市場での存在感を一段と高めている。
出典:https://www.bakertilly.com/
Crowe (クロウ)
Crowe LLPは、1942年にCrowe Chizekとして設立された米国の会計事務所で、本社はイリノイ州シカゴに置く。監査、税務、コンサルティング、リスクアドバイザリーを金融、ヘルスケア、製造など幅広い業界に提供している。国際ネットワークCrowe Globalの米国メンバーファームである。
公式のファクト資料によると、2024年3月期の売上高は約13億ドル、従業員数は5,600人超に上る。全米17州とワシントンD.C.に35を超える拠点を展開している。
会計・監査に加え、テクノロジーを活用したコンサルティングや規制対応の支援に強みを持つ。中堅から大手まで幅広い顧客層を抱えている。
親ネットワークのCrowe Globalは2025年に二桁成長を記録するなど、国際的にも事業を拡大している。専門特化型のサービスで独自の地位を築いている。
出典:https://www.crowe.com/
アメリカの主要会計事務所企業3選〜日系編〜
KAbe & Takizawa LLP (阿部・滝沢会計事務所)
Abe & Takizawa LLPは、2015年に設立された日系の会計事務所で、ニューヨーク州ウエストチェスター郡タリータウンに拠点を置く。代表は阿部直恵公認会計士と滝沢明美公認会計士で、いずれも米国公認会計士(AICPA会員)の資格を持つ。滝沢会計士はカリフォルニア州の資格も保有する。
日系企業の米国進出支援を軸に、監査、レビュー、財務諸表の作成、記帳代行、給与計算、法人・個人向け税務、コンサルティングなどを手がける。米国不動産投資に関する助言も提供している。
公式サイトによると、8名のスタッフが業務にあたる小規模ながら専門性の高い事務所である。バイリンガルのスタッフが専門業務に加え、顧客の細かな不安にも対応する姿勢を掲げる。
インターンの育成や働く母親への柔軟な勤務対応など、人材面の取り組みにも力を入れている。顧客第一を理念に据えた丁寧な対応を強みとしている。
出典:https://www.at-cpa.com/
EOS Accountants LLP (EOS会計事務所)
EOS Accountants LLPは、Big4の一角であるアーンスト・アンド・ヤングの日本人部門が独立する形で発足した日系の会計事務所である。ニュージャージー州を拠点に、マンハッタンにも近い好立地から多くの日系企業に利用されている。
公式サイトによると、東京、ニュージャージー、デトロイト、シカゴ、ヒューストン、サンノゼ、ロサンゼルス、ホノルルの8拠点を展開し、約170名の専門職員がサービスを提供している。会計・監査、税務、財務コンサルティングを柱とする。
日本の親会社と米国子会社の橋渡しや、米国進出を目指す企業の支援を主な業務とする。日本語と英語の両方に対応できるバイリンガル体制が特徴である。
近年はキャプティブ保険会社の監査など新たなサービスも打ち出している。日系企業の米国展開を支える中核的な存在として存在感を保っている。
出典:https://www.eosllp.com/
Saito LLP (saitouEOS会計事務所)
Saito LLPは、KPMGに勤務していた齊藤幸喜公認会計士が2000年に独立して設立した日系の会計事務所である。齊藤会計士はニューヨーク州、カリフォルニア州、ハワイ州、および日本の公認会計士資格を保持している。
本社はニューヨークのタイムズスクエア近くに置き、東京都渋谷区にも拠点を持つ。米国企業の監査・レビュー、法人・個人の税務コンサルティング、給与計算、記帳代行、英文財務諸表の作成などを手がける。
駐在員や留学者向けの個人税務コンサルティングや、社会保険・年金に関する助言にも対応する。相続税や米国での会社設立・事業拡大の支援まで幅広くカバーしている。
月額制のバーチャルオフィスや銀行口座開設の代行など、進出前の企業を支える独自サービスも提供する。「日本にいながら米国並みの会計サービス」を掲げ、丁寧な対応を続けている。
出典:https://www.saitollp.com/
アメリカの主要会計事務所企業2選〜外資編〜
CBTA (クロス・ボーダー・タックス・アンド・アカウンティング)
CBTA(Cross Border Tax & Accounting)は、米国とカナダをまたぐクロスボーダー税務を専門とするカナダ資本の会計事務所である。フロリダ州ウエストパームビーチに拠点を置き、両国に居住する個人や事業者が直面する二重課税問題への対応に特化している。
代表のデイビッド・レビン会計士は、フロリダ州とカナダ・オンタリオ州の公認会計士資格を持ち、会計・税務分野で40年超の経験を有する。税務マネージャーのリンダ・フィールド会計士はアリゾナ州の資格を保有する。
個人・法人・パートナーシップ・信託の税務申告に加え、米国不動産の売買や賃貸、相続・贈与税、FBARやFATCAの報告義務への対応まで手がける。
IRSのストリームライン手続きの支援も提供する。クロスボーダー税務に専業で取り組む専門性の高さを最大の強みとしている。
出典:https://cbta.cpa/
Wolters Kluwer (ウォルターズ・クルーワー)
Wolters Kluwerは、1836年にオランダで創業した出版社を源流とする情報サービス大手で、法律、税務・会計、財務、コンプライアンス、ヘルスケアなどの分野で専門情報とソフトウェアを提供している。法人としては米ペンシルベニア州に拠点を置き、アムステルダム証券取引所に上場する。
公式発表によると、2025年12月期の売上高は61億ユーロ、従業員数は約2万1,100人に上る。40を超える国で事業を展開し、180以上の国の顧客にサービスを届けている。
税務・会計分野では、会計事務所や企業向けにクラウド型のソフトウェアや業務支援サービスを展開している。米国では税務アウトソーシングサービスなども手がける。
近年は生成AIを組み込んだ専門ソリューションの開発を進めており、デジタル化への投資を強めている。情報とテクノロジーを軸に事業領域を広げている。
出典:https://www.wolterskluwer.com/
FAQ
アメリカの会計事務所の現状はどのようになっていますか?
アメリカでは大手会計事務所は過去5年間で減少し、現在はBig4が主流となっています。2023年9月時点で約88,652社の会計事務所があり、その中でも大手は国際企業として活動しています。
アメリカにおける主要な会計事務所はどれですか?
アメリカの主要な会計事務所にはDeloitte、PwC、Ernst & Young、KPMGなどがあり、それぞれグローバルに展開しています。これらはいずれもBig4と呼ばれる最大手です。
アメリカでの会計事務所のサービス内容は何ですか?
これらの会計事務所は監査、税務、コンサルティング、アドバイザリー、資産管理、データ分析など多岐にわたるサービスを提供しています。
アメリカの法律事務所にはどのような特徴がありますか?
アメリカの法律事務所には日系を含む外資系企業向けの専門事務所があり、税務や法人設立、進出支援などのサービスを提供しています。特に、クロスボーダー税務に対応した事務所もあります。

