アメリカの人材サービス業界は、グローバル人材紹介大手からIT人材特化型サービス、エグゼクティブサーチまで幅広い企業が競い合う市場です。ヘルスケア人材需要の高まりを受け、主要企業はM&Aによる専門領域強化を進めています。
今回は、そんなアメリカの人材サービス業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社の最新情報をお届けしていきます!
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アメリカの主要人材サービス企業8選〜ローカル編〜
Manpower Group (マンパワーグループ)
ManpowerGroupは1948年に設立され、本社をアメリカ・ウィスコンシン州に置く総合人材サービス企業である。人材派遣、採用支援、キャリア管理、アウトソーシング、コンサルティングを世界70か国超で展開し、中核ブランドとしてManpower、Experis、Talent Solutionsを擁している。
2025年12月期通期の売上高は約180億ドルで前年比1%増となった一方、減損および事業再編費用の計上により1,330万ドルの純損失を計上した。これらを除いた調整後希薄化後EPSは2.97ドルで、収益性の回復に取り組んでいる。
同期には5億ユーロのユーロ債の借り換えと信用枠の更新を実施し、財務基盤を強化した。フランスや北欧で改善がみられ、イタリアでは市場を上回る成長を達成したとしている。
近年はAIやデジタル技術を活用した採用支援へ経営資源を振り向け、事業ポートフォリオの多様化を進めている。専門人材を扱うExperisを軸に、IT・エンジニアリング領域の需要を取り込む戦略を掲げている。
出典:https://www.manpowergroup.com/
Robert Half (ロバート・ハーフ)
Robert Halfは1948年に設立され、本社をアメリカ・カリフォルニア州に構える人材ソリューション大手である。経理・財務、テクノロジー、リーガルなど専門領域に特化した人材紹介・派遣を手がけ、内部監査やリスク、業務・ITコンサルティングを提供するProtivitiの親会社でもある。
2025年12月期通期の売上高は53億7,900万ドル、純利益は1億3,300万ドルとなった。このうちProtivitiが19億4,900万ドルを占め、コンサルティング事業が収益の柱として存在感を高めている。
第4四半期には、タレントソリューションおよびエンタープライズ収益が3年ぶりに前四半期比でプラス成長に転じ、需要の底打ち感が示された。
Fortune誌の「世界で最も称賛される企業」に長年にわたり選出されるなど評価も高い。世界に400を超える拠点を持ち、専門職領域の人材需要とデジタル化の進展を追い風に事業を展開している。
出典:https://www.roberthalf.com/
Korn Ferry (コーン・フェリー)
Korn Ferryは1969年に設立され、本社をアメリカ・カリフォルニア州に置く組織・人材コンサルティング企業である。エグゼクティブサーチ、リーダーシップ開発、人材アドバイザリー、報酬コンサルティングなど幅広いサービスを世界50か国以上で提供している。
2025年4月期(FY25)通期のフィー収入は27億3,010万ドルで前年比1%減となったものの、純利益は2億4,610万ドル、調整後EBITDAは4億6,390万ドル(利益率17.0%)と高い収益性を維持した。
同社は事業の多様化戦略を掲げ、FY25にはテクノロジー基盤や製品強化に6,200万ドル、買収に4,400万ドルを投じた。デジタルアセスメントやAIを活用したソリューションの拡充を進めている。
株主還元にも積極的で、自社株買いに8,900万ドル、配当に8,400万ドルを充当した。エグゼクティブサーチにとどまらない総合コンサルティングへの転換を推し進めている。
出典:https://www.kornferry.com/
LinkedIn (リンクトイン)
LinkedInは2002年に設立され、本社をアメリカ・カリフォルニア州に置く世界最大級のビジネス特化型SNSである。2016年にMicrosoftの傘下に入り、有料会員向けサブスクリプション、採用(タレント)ソリューション、広告、学習サービスを収益の柱としている。
2025年6月期(Microsoft FY25)の売上高は約178億ドルに達し、会員数は世界で12億人を突破した。4年連続で二桁の会員増加を記録しており、200を超える国・地域で利用されている。
直近では生成AIの実装を加速し、採用担当者向けの「Hiring Assistant」を投入した。候補者の確認工数を約6割削減し、採用完了までの時間を約3割短縮する効果が示されている。
AIを活用した求人検索機能は1日あたり約100万人が利用しており、人材マッチングのデジタル化を牽引する存在となっている。
出典:https://about.linkedin.com/
Kelly Services (ケリーサービス)
Kelly Services(Kelly)は1946年に設立され、本社をアメリカ・ミシガン州に置く人材サービス企業である。人材派遣、紹介、RPO(採用プロセス代行)、研修、コンサルティングを提供し、専門職やサイエンス・エンジニアリング(SET)領域に強みを持つ。
2025年12月期通期の売上高は約43億ドルで前年比1.9%減、純損失は2億5,410万ドルとなった。市場環境の軟化を受けた減損計上が損益を圧迫したものの、営業基盤の再構築を進めている。
同期にはSET関連の買収事業を統一プラットフォームへ集約し、全社展開に向けた基盤整備を完了した。負債返済や自社株買い、配当に1億5,800万ドルを充当している。
経営陣は2026年後半にオーガニックな増収と調整後EBITDA利益率の改善へ回帰する見通しを示している。専門人材領域への集中と業務効率化を軸に立て直しを図っている。
出典:https://www.kellyservices.com/
Kforce (ケーフォース)
Kforceは1962年に設立され、本社をアメリカ・フロリダ州に置く専門人材サービス企業である。テクノロジー分野を中核に、ファイナンス・会計などの領域で専門スキルを持つ人材と企業を結びつけるサービスを提供し、Fortune 500企業を含む幅広い顧客基盤を有している。
2025年12月期通期の売上高は13億2,900万ドル、純利益は3,482万ドル、希薄化後EPSは1.96ドルとなった。第4四半期の売上高は3億3,200万ドルで、年間を通じ約1万7,000人の専門人材が主要企業の現場で稼働した。
IT人材需要の調整局面が続いたものの、CEOは2026年1月の業績が2022年以来最良の滑り出しになったと述べ、回復の兆しを示した。
株主還元では7年連続の増配を決議し、2025年には自社株買いと配当で7,600万ドルを株主に還元した。テクノロジー領域への特化とデジタル人材需要の取り込みを成長軸に据えている。
出典:https://www.kforce.com/
TrueBlue (トゥルーブルー)
TrueBlueは1989年に設立され、本社をアメリカ・ワシントン州に置く人材サービス企業である。オンデマンド型の産業人材を扱うPeopleReady、現場人材マネジメントのPeopleManagement、RPOやヘルスケア人材を担うPeopleSolutionsの3部門で事業を展開している。
2025年12月期通期の売上高は約16億ドルで前年比3%増となった一方、減損などの影響で4,796万ドルの純損失を計上した。部門別ではPeopleReadyが8億8,390万ドル、PeopleManagementが5億4,440万ドル、PeopleSolutionsが1億8,770万ドルを占めた。
2025年1月にはHealthcare Staffing Professionalsを買収し、成長分野であるヘルスケア人材領域を強化した。
直近では2四半期連続でオーガニックな増収を達成し、スキル人材事業の伸長と需要の安定化がみられるとしている。景気変動の影響を受けやすい産業人材から、専門・スキル領域への軸足移動を進めている。
出典:https://www.trueblue.com/
Express Employment Professionals (エクスプレス・エンプロイメント・プロフェッショナルズ)
Express Employment Professionalsは1983年に設立され、本社をアメリカ・オクラホマ州オクラホマシティに置く人材サービス企業である。フランチャイズ方式で事業を展開し、人材派遣、紹介、専門職採用、労働市場データ分析などのサービスを提供している。
2024年の売上高は37億ドルと過去最高を記録し、同年に約42万7,000人を就労に結びつけた。世界の拠点数は870オフィスにのぼり、6万6,000のクライアント企業と取引している。
創業以来、雇用創出と地域社会への貢献を重視した経営を掲げ、人と人とのつながりを差別化要素として打ち出している。
2025年にはEntrepreneur誌のフランチャイズ500で「人材・採用部門のトップ企業」に選出されたほか、ClearlyRatedのBest of Staffingでも高い評価を得ている。堅調な需要を背景にフランチャイズ網の拡大を続けている。
出典:https://www.expresspros.com/
アメリカの主要人材サービス企業2選〜日系編〜
Recruit Holdings (リクルートホールディングス)
Recruit Holdings(リクルートホールディングス)は1963年に設立され、本社を日本・東京に置く総合人材・情報サービス企業である。求人プラットフォーム「Indeed」やHRテクノロジー事業を中核に、人材派遣、マッチング、メディア、業務支援SaaSを世界展開している。アメリカでは1985年にRecruit U.S.A.を設立し、進出日系企業などを支援してきた。
2026年3月期(FY2025)通期の売上収益は3兆6,973億円で前年比3.9%増、営業利益は6,305億円(同28.5%増)、親会社帰属利益は4,969億円と大幅な増益となった。
Indeedでは2025年暦年に平均して1分あたり31人が採用され、米国の求人1件あたり平均収益(ARPJ)は前年比17%増と収益化が進んだ。
生成AIの実装を加速し、要件に合う候補者を早期に絞り込む「Indeed Smart Screening」を投入した。米国の初期検証で採用までの期間を平均20%短縮するなど、AI主導の人材マッチングを推進している。
出典:https://recruit-holdings.com/
Pasona Group (パソナグループ)
Pasona Group(パソナグループ)は1976年に設立され、本社を日本・東京に置く人材サービス企業である。人材派遣、BPO(業務請負)、再就職支援、教育研修、HRコンサルティングを手がけ、地方創生や社会課題解決型の事業にも取り組んでいる。アメリカでは日系企業や現地企業向けにサービスを提供してきた。
2025年5月期通期の連結売上高は3,092億円、営業損益は12.4億円の赤字となった。子会社66社を抱え、契約社員を含む従業員数は2万2,982名にのぼる。
2024年5月期に子会社ベネフィット・ワンの株式を売却し、1,120億円の売却益を計上したことで、売上規模は前年から縮小した一方、手元資金が厚みを増した。
売却で得た資金を成長投資や株主還元に振り向け、主力の人材派遣・BPO事業の強化と新規領域の開拓を進めている。ASEANを中心とした海外ネットワークの拡充にも取り組んでいる。
出典:https://www.pasonagroup.co.jp/
アメリカの主要人材サービス企業2選〜外資編〜
Adecco Group (アデコグループ)
Adecco Groupは1957年に源流を持ち、本社をスイス・チューリッヒに置く世界有数の総合人材サービス企業である。人材派遣・紹介の「Adecco」、IT・エンジニアリングの「Akkodis」、キャリア転換・タレント開発の「LHH」の3つの事業ユニットを通じ、世界60か国以上で10万を超えるクライアントにサービスを提供している。
2025年12月期通期の売上高は前年比1.3%増と改善傾向を示し、純利益は2億9,500万ユーロ(前年比2%増)となった。EBITDAマージンは3.0%を確保している。
事業別ではAdeccoが前年比2.5%増と堅調で、LHHは横ばい、Akkodisは4%減となった。営業キャッシュフローは6億1,300万ユーロを確保し、財務健全化を進めている。
ネット有利子負債/EBITDA倍率は2.4倍まで改善し、2027年末までに1.5倍以下を目指している。デジタル化やAIを活用した人材ソリューションの高度化に注力している。
出典:https://www.adeccogroup.com/
Randstad (ランスタッド)
Randstadは1960年に設立され、本社をオランダ・ディーメンに置く世界最大級の総合人材サービス企業である。人材派遣、紹介、RPO、HRソリューションを39の市場で展開し、約3万8,000人の従業員を擁している。2025年には約150万人の人材と15万近いクライアントを支援した。
2025年12月期通期の売上高は230億7,700万ユーロ、営業利益は5億1,200万ユーロとなった。第4四半期の基礎的EBITAは1億9,100万ユーロ、純利益は9,000万ユーロを計上した。
「Partner for Talent」戦略のもとデジタルマーケットプレイスの構築を進め、年換算で約40億ユーロの収益規模まで拡大した。第4四半期だけで140万件のセルフスケジュール勤務が生まれている。
事業ポートフォリオの再編も進め、欧州およびオーストラリアのテクノロジー・コンサルティング事業をLTMへ譲渡する戦略的提携を発表した。デジタルとAIを軸とした人材提供モデルへの転換を加速している。
出典:https://www.randstad.com/
FAQ
アメリカの人材サービス業界の主要な特徴は何ですか?
アメリカの人材サービス業界は、多様化する労働市場に対応し、リモートワークやデジタルツールの活用が進んでいます。企業は専門職の採用に注力し、短期契約やプロジェクトベースの仕事が増加し、スキルアップ支援や柔軟な働き方も重視されています。
アメリカの主要人材サービス企業の中で、最も歴史のある企業はどれですか?
Manpower GroupとRobert Halfはともに1948年に設立されており、アメリカの人材サービス業界の長い歴史を持つ企業です。
アメリカの主要人材サービス企業はどのようなサービスを提供していますか?
これらの企業は人材派遣、採用・人材獲得、コンサルティング、アウトソーシング、キャリア管理など幅広いサービスを提供しており、各企業が専門分野や対象に応じて様々な人材ソリューションを展開しています。
外資系のアメリカ人材サービス企業にはどのような特徴がありますか?
外資系企業はスイスのAdecco Groupなどが代表的で、グローバルに展開し、多様な人材ソリューションやデジタル変革を推進するサービスを提供しています。また、企業の社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。
アメリカの人材サービス業界において、今後の展望は何ですか?
今後はリモートワークやデジタルツールの普及により、より柔軟で多様な働き方が進むと予想されており、専門職や短期・プロジェクトベースの仕事の需要が増加し続けることが期待されています。

