【最新版!】アメリカの主要建設会社12選〜建設・インフラ・環境業界〜

アメリカ 建設業界 業界地図

アメリカの建設業界は、世界最大級のゼネコンからインフラ専門企業、大型プラント建設会社まで多様なプレイヤーが並ぶ巨大市場です。政府のインフラ投資拡大を追い風に、主要企業は大型プロジェクトの受注競争を強めています。

今回は、そんなアメリカの建設業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社の最新情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

アメリカの建設業界 業界地図はこちら!
目次

アメリカの主要建設企業8選〜ローカル編〜

Bechtel (ベクテル)

ベクテルは1898年に創業した米国最大級の建設・エンジニアリング企業であり、本社をバージニア州レストンに置く。エネルギー、インフラ、原子力、鉄道、防衛など幅広い分野で世界規模の大型プロジェクトを手掛ける非上場企業である。

同社公式インパクトレポート(2024年)によれば、2024年の主要収入は約206億ドルと前年比25%増を記録し、新規受注は約170億ドル、期末の受注残高は約582億ドルに達した。非上場のため純利益は開示していないものの、全事業部門で堅調な業績が続いたとしている。

近年は米国内の送電網増強やデータセンター、原子力、防衛関連の需要を取り込み、インフラ投資の拡大を追い風に受注を積み増している。太陽光発電など再生可能エネルギー案件でも豊富な実績を有する。

ネットゼロに向けた低炭素プロジェクトの提供支援を継続しており、受注残高の拡大が示すとおり中長期の事業基盤は厚みを増している。

出典:https://www.bechtel.com/

Turner Construction(ターナー・コンストラクション)

ターナー・コンストラクションは1902年に創業した国際的な建設サービス企業であり、本社をニューヨークに置く。独HOCHTIEF傘下でスペインのACSグループに属し、建設マネジメントやデザインビルド、一般請負など幅広いサービスを提供する。

同社公表情報によれば、2025年の売上高は約292億ドルと前年比約40%増で過去最高を更新し、期末の受注残高も約443億ドルと同社史上最高水準に達した。従業員は1万6000人超を擁する。

受注残高の約37%をデータセンターが占め、ヘルスケアや製薬、スポーツ施設、空港などでも需要が拡大している。生成AIの普及を背景としたデータセンター建設が業績を強く牽引している。

企業内教育機関「Turner University」による人材育成にも注力しており、旺盛な建設需要を背景に売上・受注残の両面で拡大基調が続く。

出典:https://www.turnerconstruction.com/

Fluor Corporation(フルーアー・コーポレーション)

フルーアー・コーポレーションは1912年に創業した米大手エンジニアリング・建設会社であり、本社をテキサス州アービングに置く。ニューヨーク証券取引所に上場(ティッカーFLR)し、エネルギー、化学、インフラ、鉱業などの分野でEPCサービスを提供する。

2026年2月公表の2025年通期実績によれば、売上高は約155億ドル、期末受注残高は約255億ドル(うち約81%がコストプラス型)であった。一方でGAAPベースでは約5100万ドルの純損失を計上した。従業員は約2万3000人を擁する。

近年はデータセンターや先端半導体工場、エネルギー移行関連など資本集約的な案件に注力し、リスクの低いコストプラス型契約へと受注構成を移している。

株主還元や事業ポートフォリオの見直しも進めており、積み上がった受注残高を基盤に事業の安定化を図っている。

出典:https://www.fluor.com/

Kiewit Corporation (キーウィット・コーポレーション)

キーウィット・コーポレーションは1884年に創業した北米最大級のエンジニアリング・建設会社であり、本社をネブラスカ州オマハに置く。従業員が株式を保有する非上場企業で、輸送、水、電力、石油・ガス、鉱業などの分野で建設・調達・設計を手掛ける。

同社公式資料によれば、2023年の売上高は約171億ドルに達し、従業員数は約3万1500人(うち米国が約2万5200人)を数える。米国、カナダ、メキシコ、グアムに子会社網を展開している。

2025年にはEngineering News-Recordの地域版で「今年の請負業者」に選ばれるなど、業界での評価も高い。橋梁や高速道路、送電網などインフラ投資関連の需要を積極的に取り込んでいる。

従業員扶養家族への奨学金など教育支援にも継続的に取り組んでおり、堅調な受注環境の下で北米有数の事業規模を維持している。

出典:https://www.kiewit.com/

AECOM (エーコム)

エーコムは1990年に設立された建設・環境・インフラ分野の総合コンサルティング企業であり、本社をテキサス州ダラスに置く。ニューヨーク証券取引所に上場(ティッカーACM)し、設計、エンジニアリング、プロジェクト管理などを提供する。

同社が公表した2025年9月30日締めの2025会計年度実績によれば、売上高は約161億3960万ドル、純サービス収入は約75億7280万ドルで前年比6%増、受注残高は約248億ドル、純利益は約5億6177万ドルと前年比39.7%増の過去最高を記録した。

セグメント営業利益率は16.5%と過去最高で、EBITDAも約12億260万ドルに達した。米国のインフラ投資や水資源、環境関連の需要が業績を押し上げている。

記録的な利益率と受注残高を背景に、中期の成長目標の達成に向けた事業運営を進めている。

出典:https://aecom.com/

アメリカの建設業界 業界地図はこちら!

DPR Construction(ディーピーアール コンストラクション)

ディーピーアール コンストラクションは1990年に創業した建設マネジメント会社であり、本社をカリフォルニア州に置く。自社施工を強みとし、データセンターや先端製造、ライフサイエンス、医療など技術的難度の高い案件に特化している。

社名は創業者ダグ・ウッズ、ピーター・ノスラー、ロン・ダビドウスキーの頭文字に由来する。同社公式沿革によれば、2019年に売上高60億ドルへ到達してEngineering News-Recordのトップ400請負業者で第10位に上昇し、従業員は約8000人規模へと拡大した。

2024年にはNewsweekから働きがいのある職場として評価を受けるなど、企業文化への評価も高い。北米を中心に南米、欧州、アジアで事業を展開している。

生成AI需要を背景としたデータセンター建設で存在感を高めており、技術特化型のゼネコンとして着実に規模を伸ばしている。

出典:https://www.dpr.com/

Jacobs Engineering(ジェイコブス・エンジニアリング)

ジェイコブス・エンジニアリング(現ジェイコブス・ソリューションズ)は1947年に創業した米大手のエンジニアリング・コンサルティング企業であり、本社をテキサス州ダラスに置く。ニューヨーク証券取引所に上場(ティッカーJ)している。

同社が公表した2025年9月26日締めの2025会計年度実績によれば、総収入は約120億ドルで前年比4.6%増、受注残高は約231億ドルと過去最高を更新した。継続事業からの純利益は約3億1300万ドル、調整後EPSは6.12ドル、従業員は約4万3000人である。

2024年には政府サービス事業を分離(Amentumとして独立)し、水・環境、インフラ、先端製造、ライフサイエンスなど高付加価値分野へ経営資源を集中させている。

記録的な受注残高を背景に、米国のインフラ投資や気候変動対応の需要を取り込んでいる。

出典:https://www.jacobs.com/

Hensel Phelps (ヘンセル・フェルプス)

ヘンセル・フェルプスは1937年に創業した米国最大級のゼネコン・建設マネジメント会社であり、本社をコロラド州グリーリーに置く。従業員所有の非上場企業で、商業施設、医療、教育、軍事、交通インフラなど幅広い分野の案件を手掛ける。

非上場のため詳細な財務は開示していないが、同社公表のランキングによれば、2025年のEngineering News-Recordトップ400請負業者で第13位、国内重工事部門で第5位、交通部門で第6位に位置づけられ、米国有数の建設会社としての地位を維持している。

創業から80年を超える歴史を持ち、多数の設計施工賞や安全賞を受賞してきた。近年はデータセンターや空港、防衛関連などの大型案件で実績を積み上げている。

高校生向けのメンタリングや奨学金など教育・地域支援にも継続的に取り組んでいる。

出典:https://www.henselphelps.com/

アメリカの建設業界 業界地図はこちら!

アメリカの主要建設企業2選〜日系編〜

KAJIMA CORPORATION (鹿島建設)

鹿島建設は1840年に創業し1930年に法人化した日本の大手ゼネコンであり、本社を東京都に置く。東京証券取引所プライム市場に上場(コード1812)し、建築、土木、不動産開発、エンジニアリングなどを国内外で展開する。

同社が2025年5月に公表した2025年3月期連結実績によれば、売上高は2兆9118億円で前年比9.3%増、営業利益は1518億円で同11.5%増、親会社株主に帰属する当期純利益は1258億円で同9.4%増と増収増益を達成した。建設事業受注高は2兆6245億円であった。

米国では1964年にロサンゼルスへ進出したKajima USAを中核に事業を展開し、海外でも建築・開発を強化している。

建設コスト上昇に対応しつつ着実に利益を積み上げており、脱炭素など環境配慮型の取り組みも進めている。

出典:https://www.kajima.co.jp/

TAISEI (大成建設)

大成建設は1873年に大倉組として創業し1917年に現商号となった日本の大手ゼネコン(スーパーゼネコンの一角)であり、本社を東京都に置く。東京証券取引所プライム市場に上場(コード1801)している。

同社が2025年5月に公表した2025年3月期連結実績によれば、売上高は2兆1542億円で前年比22.1%増、営業利益は1201億円で同353.8%増、親会社株主に帰属する当期純利益は1238億円で同207.5%増と大幅な増収増益を実現した。受注高は2兆4376億円に達した。

前期に計上した大型工事の採算悪化から回復し、大型案件の寄与で業績が急改善した。米国ではマサチューセッツ州のTaisei USA LLCを拠点とする。

建設活動によるCO2排出実質ゼロを目標に掲げるなど、持続可能性への取り組みも進めている。

出典:https://www.taisei.co.jp/english/

アメリカの建設業界 業界地図はこちら!

アメリカの主要建設企業2選〜外資編〜

China State Construction (中国建設)

中国建設(中国建築、CSCEC)は1982年に設立された中国最大の建設請負企業であり、本社を北京に置く。上海証券取引所に上場(コード601668)し、建築、インフラ、不動産開発、調査設計など幅広い事業を約100の国・地域で展開する。

公式情報によれば、2024年の売上高は約2兆1900億元に達し、新規契約額は約4兆5000億元で前年比4.1%増を記録した。2024年のフォーチュン・グローバル500では第14位、Engineering News-Recordのグローバル請負業者ランキングでは第1位に位置づけられている。

世界の主要空港の多くや超高層ビルの建設で実績を持ち、米国では1985年に設立した現地法人China Construction Americaを通じて事業を展開してきた。

住宅やインフラに加え、グリーン・低炭素技術やデジタル化など新領域も強化している。

出典:https://english.cscec.com/

China railway group (中国中鉄)

中国中鉄(CREC、China Railway Group)は1950年に前身が設立された世界最大級の建設・エンジニアリング請負企業であり、本社を北京に置く。香港(0390)および上海(601390)に上場し、鉄道を中心にインフラ、設計、設備製造、不動産、資源開発などを手掛ける。

取引所開示に基づく2024年通期実績によれば、売上高は前年比約8%減の約1兆1600億元、株主に帰属する純利益は同約18%減、新規契約額は同約12%減と、不動産市況の低迷などを背景に減収減益となった。それでもフォーチュン・グローバル500の常連である。

中国の電化鉄道や高速道路、都市鉄道の相当部分を建設してきた実績を持ち、アジアやアフリカ、欧州など世界各地でプロジェクトを実施している。

受注環境は減速局面にあるものの、世界最大級の建設グループとしての事業規模を維持している。

出典:https://www.crecg.com/

アメリカの建設業界 業界地図はこちら!

FAQ

アメリカの建設業界の現状はどのようになっていますか?

アメリカの建設業界は、コロナ禍後の回復とインフラ投資により活況を呈しており、2021年に成立したインフラ投資法により道路や橋梁、エネルギー施設の修繕・建設が進行中です。住宅市場も旺盛で、サステナブル建築や再生可能エネルギーの導入が注目されています。ただし、労働力不足と資材価格の上昇が課題となっています。

主要なアメリカの建設会社はどのような企業がありますか?

アメリカの主要な建設会社には、Bechtel、Turner Construction、Fluor Corporation、Kiewit Corporation、AECOM、DPR Construction、Jacobs Engineering、Hensel Phelpsなどがあります。これらは国内外で多岐にわたる大型プロジェクトを手掛けており、各社とも高い評価を得ています。

ローカル建設会社と外資系建設会社の違いは何ですか?

ローカル建設会社は主にアメリカ国内で事業を展開し、地域に根ざしたサービスを提供しています。一方、外資系建設会社は海外から進出しており、国際的なプロジェクトや多国籍企業との提携を通じて事業を展開しています。外資系は規模が大きく、グローバルな展開が特徴です。

日系建設会社にはどのような企業がありますか?

日系の主要建設会社には、鹿島建設や大成建設などがあります。これらはアメリカを含む世界中で建築および土木工事を行い、奨学金支援や地域支援のプログラムも展開しています。特に、鹿島建設は海外子会社や多国での事業展開を進めています。

アメリカの建設業界における今後の展望や課題は何ですか?

アメリカの建設業界の今後の展望は、インフラ整備の加速や持続可能な建築技術の導入による成長が期待されます。しかしながら、労働力不足や資材コストの高騰が引き続き課題となり、これらへの対策が求められています。

投稿者アバター
吉岡 直人 US-Based Industry Analyst
ワシントン在住の日本人。日本では外資系メーカーにて営業およびマーケティングを経験し、現在は米国でスタートアップ向けにマーケティングおよびマーケティングリサーチを提供している。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次