アメリカの不動産デベロッパー業界は、賃貸住宅開発を専門とする大手企業が都市部を中心にしのぎを削る市場です。金利動向による開発コストの変動を受けながら、主要企業は大型プロジェクトの推進とポートフォリオの拡充を進めています。
今回は、そんなアメリカの不動産デベロッパー業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて14社の最新情報をお届けしていきます!
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アメリカの主要不動産デベロッパー企業9選〜ローカル編〜
Alliance Residential (アライアンス)
Alliance Residentialは2000年に創業し、米アリゾナ州スコッツデールに本社を置く全米有数の賃貸住宅デベロッパーである。開発・建設・取得・資産運用を一貫して手掛ける。
高級賃貸「Broadstone」、手頃な価格帯の「Prose」、シニア向け「Holden」など複数のブランドを展開し、全米16の地域拠点から事業を推進している。
公式サイトによると、これまでに13万6,000戸を超える住宅開発に関与し、投資総額は272億ドルに達する。2025年には創業25周年を迎えた。
2024年11月には大和ハウスグループのDaiwa House USA Holdingsが同社へ少数出資を行い、日本企業との連携を強めている。
出典:https://allresco.com/
Greystar Real Estate Partners (グレイスター不動産パートナーズ)
Greystarは1993年に創業し、米サウスカロライナ州チャールストンに本社を置く世界最大級の賃貸住宅運営・投資・開発会社である。管理運営を軸に、開発、投資運用、学生向け住宅など幅広く展開する。
公式サイトによると、2026年3月末時点でグループが運用・管理する不動産は約3,500億ドル、投資運用資産は約790億ドルに達し、世界約260市場で約110万戸を管理する。
北米に加え欧州、南米、アジア太平洋にも拠点を広げ、大学と連携した学生住宅開発なども手掛けている。
全米集合住宅協議会(NMHC)の集計では管理戸数で米国首位に立ち、2026年には国内管理戸数が100万戸を突破した。
出典:https://www.greystar.com/
Mill Creek Residential (ミルクリークレジデンシャル)
Mill Creek Residentialは現在の形態で2011年に発足し、米フロリダ州ボカラトンに本社を置く賃貸住宅デベロッパーである。開発・建設・取得・投資運用・資産管理を担う。
公式サイトによると、これまでに27万5,000戸を超える賃貸住宅開発に関与し、建設戸数は約6万5,000戸、資本の累計展開額は220億ドルに及ぶ。
現在は全米29の主要市場で事業を展開し、約3万4,000戸を管理下に置く。2019年に本格化した投資運用事業では約40億ドルの資本を集めている。
2024年のNMHC集計では全米第2位のゼネコンに位置づけられた。戸建賃貸や複合用途開発にも領域を広げている。
出典:https://www.millcreekplaces.com/
Wood Partners (ウッドパートナーズ)
Wood Partnersは1998年に創業し、米ジョージア州アトランタに本社を置く総合賃貸住宅デベロッパーである。開発・取得・建設・資産管理を柱とする非上場企業である。
公式サイトによると、これまでに7万9,000戸を超える住宅を手掛け、取引総額は141億ドルを超える。全米20以上の拠点から70を超える市場をカバーしている。
25年以上にわたりゼネコンとしての施工実績を積み、現在は2万戸超を管理・開発中である。地域の取締役に開発権限を委ねる分権的な体制を特徴とする。
2024年にはテキサス州やフロリダ州、ノースカロライナ州などサンベルト地域で新規プロジェクトを相次いで始動させている。
出典:https://www.woodpartners.com/
Trammell Crow Residential (トラメル・クロウ・レジデンシャル)
Trammell Crow Residential(TCR)は、不動産デベロッパーの草分けであるフレッド・トラメル・クロウ氏の流れを汲む賃貸住宅デベロッパーである。現在はクロウ・ホールディングス傘下で全米展開する。
テキサス州ダラスを本拠に、集合住宅の開発・建設・投資を手掛け、東海岸から南部、西部まで幅広い市場に進出している。
公式サイトの発表によると、2025年には全米開発体制の拡大に向けてナッシュビルとフェニックスに新オフィスを開設した。ボストン都市圏でも高級賃貸住宅の開発を進めている。
需要の底堅いサンベルト地域を中心に、複合用途開発や富裕層向け物件へと事業を広げている。
出典:https://www.crowholdings.com/trammell-crow-residential/
Quarterra Multifamily (クアルテラ・マルチファミリー)
Quarterra Multifamilyは、住宅大手レナーの集合住宅部門を起源とする総合デベロッパーである。集合住宅の投資・開発・建設・資産管理を一貫して手掛ける。
2024年にはレナーと米投資会社TPGが資本提携し、TPGが過半数の持分を取得する形で再編と資本増強が行われた。
公式サイトによると、これまでに約3万8,000戸を開発し、開発中は8,600戸超、歴代の総開発費は135億ドルを超える。全米30州に12の地域拠点を構え、34の都市圏をカバーする。
全米の開発リーダーシップチームは合計80年を超える経験を持ち、用地取得から建設完了まで一貫して案件を管理する。需要動向に応じて保有資産の売却も進めつつ、全米で集合住宅開発を続けている。
出典:https://quarterra.com/
The NRP Group (NRPグループ)
The NRP Groupは1994年に創業し、米オハイオ州クリーブランドに本社を置く集合住宅デベロッパーである。開発・建設・投資・資産管理を一体で手掛ける。
アフォーダブル住宅と中所得者向け住宅に強みを持ち、公式サイトによると、これまでに約4万500戸の集合住宅を開発してきた。うち約3万1,000戸がアフォーダブル・混合所得型である。
全米15の地域拠点から事業を展開し、2014年以降の市場価格帯物件の売却額は40億ドルに達する。
2025年には業界団体から「Multifamily Development Firm of the Year」に選ばれ、アフォーダブルと市場価格帯の双方を大規模に供給する開発会社として評価された。
出典:https://www.nrpgroup.com/
Related Companies (リレーテッド・カンパニーズ)
The Related Companiesは1972年に創業し、米ニューヨークに本社を置く全米有数の総合不動産デベロッパーである。複合用途開発、賃貸住宅、アフォーダブル住宅、商業・ホスピタリティなどを幅広く手掛ける。
公式サイトによると、所有・運用する資産と開発・取得の実績はいずれも累計600億ドルを超える。アフォーダブル住宅は全米24州に広がる。
代表作は米国史上最大級の民間都市開発とされるニューヨークのハドソンヤードで、オフィス・住宅・商業を一体的に開発した。
2026年1月にはオックスフォード・プロパティーズと共同で70ハドソンヤードの24億5,000万ドルの資本組成を完了するなど、大型開発を続けている。
出典:https://www.related.com/
Hines (ハインズ)
Hinesは1957年に創業し、米テキサス州ヒューストンに本社を置く世界的な不動産デベロッパー兼投資運用会社である。オフィス、住宅、物流施設など多様な資産を開発・運用する。
公式サイトによると、運用資産は約932億ドル、第三者向けの管理面積は約1億900万平方フィートに及ぶ。世界30か国で事業を展開する。
創業以来の開発実績は延べ5億7,600万平方フィートを超え、現在も2億7,000万平方フィート超のポートフォリオを保有する。
約5,000人の従業員を擁し、住宅分野ではLiving部門を通じて賃貸住宅の開発にも力を入れている。66年を超える歴史を持つ非上場の同族企業である。
出典:https://www.hines.com/
アメリカの主要不動産デベロッパー企業4選〜日系編〜
Daiwa House USA (ダイワハウスアメリカ)
Daiwa House USAは、住宅総合メーカーである大和ハウス工業の米国事業を担う法人である。大和ハウスの米国進出は1976年で、2014年に本社をテキサス州ダラスへ移した。
公式サイトによると、賃貸住宅開発を主力に、ニューヨークでの分譲、カリフォルニアでの商業施設、サービスアパートメント運営などを展開する。ブランド「INFINUS」を掲げる。
サンノゼ、ロサンゼルス、バージニア州レストン、ニューヨークなどに拠点を持ち、Esterra Park(664戸)やSt. Elmo(276戸)などの賃貸住宅を手掛けてきた。
2024年11月には米賃貸住宅大手アライアンス・レジデンシャルへ少数出資し、2026年にはテキサス州シリーナで新たな集合住宅開発を発表している。
出典:https://www.daiwahouse.com/English/global/americas/united_states/
Mitsui Fudosan America (三井不動産アメリカ)
Mitsui Fudosan Americaは、日本最大手の不動産会社である三井不動産の米国法人である。1970年代から米国で投資・開発を続け、ニューヨークに本社を置く。
公式サイトによると、現在6,000戸を超える賃貸住宅を保有し、過去14年間で9,000戸超を開発、さらに5,000戸を開発中である。商業用は約1,000万平方フィートを保有し、380万平方フィートを開発中である。
ニューヨークの55ハドソンヤードや1251アベニュー・オブ・ジ・アメリカズなどを代表物件とし、サンフランシスコやロサンゼルスなどにも拠点を持つ。
親会社の三井不動産は2025年12月時点で総資産約640億ドルを有する。米国では住宅・オフィス・ホテルの複合的なポートフォリオを拡大している。
出典:https://www.mfamerica.com/
Takenaka Corporation USA (竹中工務店アメリカ)
Takenaka Corporation USAは、日本の大手ゼネコン5社の一角を占める竹中工務店の米国事業である。竹中工務店は1610年に宮大工として創業し、現在も同族経営を続ける非上場の総合建設会社である。
米国進出は1960年で、ニューヨークとサンフランシスコに不動産開発拠点を構える。米国子会社TAK Developmentなどを通じて開発・投資を手掛ける。
2024年にはシアトルの新築オフィスビル「Tilt 49」を取得するなど、現地での不動産投資を進めている。
公式決算によると、竹中工務店の2025年12月期の連結売上高は約1兆6,147億円、純利益は約1,030億円と過去最高を記録した。
出典:https://www.takenaka.co.jp/takenaka_e/
JPI (ジェイピーアイ)
JPIは1989年に創業し、米テキサス州アービングに本社を置く集合住宅デベロッパーである。2023年12月に住友林業グループの米国法人Sumitomo Forestry Americaが完全子会社化した。
買収後も社名と本社を維持し、ペイトン・メイズCEOのもとテキサス州とカリフォルニア州で開発を続けている。サンディエゴとアーバインにも拠点を置く。
公式発表によると、この買収により住友林業は引渡戸数ベースで全米6位の集合住宅企業となった。JPIは8,000戸超を建設中である。
過去には27州141都市で10万戸超・350棟以上を納入し、総額143億ドルを超える実績を持つ。日本の木造・住宅技術との融合による成長を目指す。
出典:https://www.jpi.com/
アメリカの主要不動産デベロッパー企業1選〜外資編〜
Goodman Group (グッドマングループ)
Goodman Groupは1989年にオーストラリア・シドニーで設立され、豪証券取引所に上場する世界最大級の物流不動産デベロッパーである。倉庫や大規模物流施設、データセンターを所有・開発・運用する。
公式決算によると、2025年6月期の営業利益は約23億1,100万豪ドル、運用資産を含むポートフォリオ総額は約871億豪ドルに達した。世界15か国で事業を展開する。
近年はデータセンター事業を「グローバル・パワーバンク」と位置づけて注力し、電力容量は合計6.4ギガワットに及ぶ。
米国では運用資産約76億ドル、管理物件28件・約1,930万平方フィートを擁し、物流施設やデータセンターの開発を進めている。
出典:https://us.goodman.com/
FAQ
アメリカの不動産市場の最新動向はどうなっていますか?
アメリカの不動産市場は、在宅勤務の普及により都市部のオフィス空室が増加しており、特にサンベルト地帯の復調が進んでいます。一方で、北東部や中西部では関心が薄れており、住宅ローン金利上昇や供給増の影響も見られます。
アメリカの不動産デベロッパーの事業展開に必要な資源は何ですか?
事業展開には、豊富な資金力、土地や物件の開発に関する専門知識、強力なネットワーク、規制や許認可の理解、そして最新のテクノロジーやトレンドを取り入れる能力が必要です。
アメリカの不動産市場における今後の展望はどうなりますか?
今後は、サンベルト地域の復調や郊外の住宅需要の高まりを背景に、都市と郊外のバランスの取れた開発が進む見込みです。また、住宅ローン金利の動向や供給増も市場に影響を与える要因です。
アメリカのローカル・日系・外資系デベロッパーの特徴は何ですか?
ローカルデベロッパーは地域密着型の開発を行い、質の高い住宅やオフィスを提供しています。日系デベロッパーは日本の技術や価値観を活かし、アメリカの市場に適した商品開発をしています。外資系デベロッパーはグローバルなネットワークと資金力を背景に、先進的な開発を行っています。

