アメリカの陸運業界は、FedExやUPSが市場をリードし、技術革新と環境配慮でカーボンニュートラルを目指しています。XPOやJ.B. Huntなどを始め各社g多様なサービスを展開し、人材育成と多様性を推進しています。ネット通販の拡大により、小口配送の需要が増加し、効率的な物流ネットワークの構築が重要です。
今回は、アメリカの主要陸運企業に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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アメリカの主要陸運企業8選〜ローカル企業編〜
FedEx (フェデックス)
FedExは、1973年に設立され、本社はアメリカのテネシー州にある。主なサービスには、国際的なエクスプレス宅配のFedEx Express、国内の地上輸送FedEx Ground、貨物輸送のFedEx Freight、文書サービスとオフィス関連のサービスのFedEx Officeがある。
これまで20社以上の企業を買収し、事業を拡大してきた。また、52万人の従業員を有し、世界220以上の国と地域へ、1日に約1450万件の荷物が配達されている。さらに、年間収益は約900億ドル、直近の四半期の収益は232億ドルとなっている。
FedExは、2040年までにカーボンニュートラルな運用を達成することを目標に掲げており、20億ドル投資している。また、慈善団体に5,860万ドルを寄付、災害地域への援助の提供と100万ドル以上の寄付など、支援活動にも積極的である。
Ethisphereにより「世界で最も倫理的な企業」のひとつに選出、Fortureにより「世界の最も働きやすい職場」リストに選出など、世界で最も賞賛され、信頼される雇用主として常にランク付けされている。
出典:https://www.fedex.com/en-us/home.html
UPS(ユナイテッド・パーセル・サービス)
UPSは、1907年に設立され、本社はアメリカのジョージア州にある。国内および国際の宅配、航空貨物、陸上輸送、海上輸送、倉庫保管などの物流サービスを提供している世界最大の貨物運送会社のひとつである。
200以上の国と地域の1,110万人の顧客へ、160万人の発送会社から荷物を毎営業日配達しており、1日あたり平均2,430万個、年間で合計62億個の荷物を配送している。
2022年度の収益は1003億ドル、2023年第3四半期の収益は211億ドルで、前年同期と比較し12.8%減少した。また、500,000名以上の従業員を有している。
BrandFinanceにより、世界1位の価値ある物流ブランドに認定、FortuneによりUPSのCEOが「最も強力なビジネスでの女性リスト」で世界第4位に選出、7年連続でJUST CapitalによりJUST 100の1社に認定されるなど、これまでも数多くの受賞歴がある。
UPS財団は、Wellspring Livingが100万ドルの助成金で人身売買被害者の生活を支援したり、Sampark Foundationへの約125,000ドルの助成金を通して、インドの50,000人の学生の教育を支援したりしてきた。
出典:https://about.ups.com/us/en/home.html
XPO (エックスピーオー)
XPOは、2000年に設立され、本社はアメリカのコネチカット州にある。輸送、倉庫・配送、最終マイル配送、サプライチェーンソリューション、リバースロジスティクスなどのサービスを提供する、輸送・物流会社である。
アメリカ、カナダ、メキシコ、カリブ海周辺地域だけでなく、ヨーロッパにも事業を展開している。また、563の拠点と38,000名の従業員を有し、約50,000の荷主にサービスを提供している、北米最大のLTL貨物プロバイダーの ひとつである。
2023年第3四半期の収益は、19億8,000万ドルであり、前年同期の収益の19億5,000万ドルと比較し、増加している。また、2022年度の収益は77億ドルであり、前年度の収益の72億ドルと比較し、増加している。
運輸業界で女性が働きやすい企業トップに選出、Fortuneにより5年連続でトップの輸送および物流企業に選出、Forbesによりアメリカの最も優れた雇用主のひとつに選出など、これまでも数多くの受賞歴がある。
出典:https://www.xpo.com/
J.B. Hunt (ジェイ・ビー・ハント)
J.B. Huntは、1961年に設立され、本社はアメリカのアーカンソー州にある。トラック輸送、インターモーダル、ドライバーのリース、倉庫・配送、サプライチェーンロジスティクスなどのトランスポーテーションとロジスティクスの分野でサービスを提供している。
162,000台を超えるトレーラー機器と、JB Hunt 360°デジタル貨物マーケットプレイスを通じアクセス可能な約100万台のトラックを備えた国内最大級のフリートを保有している。また、主にアメリカ、カナダ、メキシコに顧客を、約38,000人の従業員を有している。
2023年第3四半期の収益は、31億6000万ドルであり、前年同期の収益の38億4000万ドルと比較し、18%減少している。また、2022年度の収益は、148億1,000万ドルとなり、前年度の収益と比較し、22%増加した。
Newsweekにより、アメリカで最も多様性に富んだ職場、女性に優しい職場、転職者に適した職場、優れた職場のひとつにそれぞれ選出、11年連続でForture500に選出など、これまでも数多くの受賞歴がある。
出典:https://www.jbhunt.com/
Landstar System (ランドスター・システム)
Landstar Systemは、1968年に設立され、本社はアメリカのフロリダ州にある。トラック輸送、ロジスティクス、供給チェーンソリューションなどのトランスポーテーション・ロジスティクスサービスを提供している。また、航空輸送や海上輸送なども扱っている。
1,100以上のエージェント、10,300のリースオーナーオペレーター、18,500 のトレーラー、97,700のキャパシティープロバイダー有している。また、2023年の第3四半期の収益は、12億8,900万ドルであった。
Landstar Systemは、Women In Truckingの公式雑誌Redefining the Roadにより、2023年の「運輸業界で女性が働きやすいトップ企業」に選出、Forture 500リストで489位に選出など、これまでも数多くの受賞歴がある。
人身売買に対する取り組みとして、2,500人以上の従業員に対し、人身売買被害者に遭遇した際の適切な行動について教育を行ったり、自社から人身売買の出版物を100,000部発行し、アメリカ全土600以上のトラック停留所に配布したりと、活動を強化している。
出典: https://www.landstar.com/
GXO Logistics(ジーエックスオー ロジスティクス)
GXO Logisticsは、2021年に設立され、本社はアメリカのコネチカット州にある。倉庫管理・配送、フルフィルメント、電子商取引、リバースロジスティクス、返品管理、受注管理などのサービスを提供する物流企業である。
合計約2億平方フィートの970以上の施設で事業を展開し、約135,000名の従業員を有している。また、顧客の1/4が、Fortune100企業のうちの100社である。
2023年の第3四半期の収益は25 億ドルとなり、前年同期の収益の23億ドルと比較し、8%増加した。また、2022年度の収益は90億ドルであり、前年度の収益の79億ドルと比較し、増加した。
GXO Logisticsは、ダイバーシティのトップ50企業に選出、Comparivelyによって「最も幸せな従業員」に選出、Newsweekにより、「最も責任ある企業」の1社に選出など、これまでも数多くの受賞歴がある。
GXO Logisticsは、2040年までに100%カーボンニュートラル、2025年までに事業の80%にLED照明を使用するなど、環境に配慮した目標を掲げている。
出典:https://gxo.com/
C.H. Robinson (シーエイチ・ロビンソン)
C.H. Robinsonは、1905年に設立され、本社はアメリカのミネソタ州にある。トラック、船舶、航空機、鉄道などの輸送手段を活用し、トランスポーテーション、ロジスティクス、サプライチェーン最適化などの物流サービスを提供している。
北米、欧州、アジア、南米の150か国に300以上のオフィス、15,000名以上の従業員、100,000の顧客、450,000の契約運送業者を有している。また、300億ドルの貨物を管理し、年間2,000万件の荷物を出荷している。
2023年第3四半期の収益は、前年同期と比較し27.8%減少の43億ドルであった。また、2022年度の収益は250億ドルであった。
2022年のC.H. Robinsonの取り組みとして、400万ドル以上を寄付、従業員から1,140の非営利団体へ130万ドル以上を寄付、従業員の8800時間以上のボランティア活動など、コミュニティへの還元に力を入れている。
C.H. Robinsonは、「世界で最も賞賛される企業」、「最も責任ある企業」の上位500などに選出と、これまでも数多くの受賞歴がある。
出典:https://www.chrobinson.com/en-us/
アメリカの主要陸運企業2選〜日系企業編〜
Nippon Express (日本通運)
Nippon Expressは、1937年に設立され、本社は日本の東京都にある。主な事業内容には陸上輸送、海上輸送、航空輸送、国際輸送、物流センターの運営、カスタムクリアランスなどがある。また、世界49か国754の拠点に事業を展開し、70,000名以上の従業員を有している。
アメリカには、1962年にNippon Express USA,lncが設立された。それ以降も、カナダ、メキシコ、ブラジル、コロンビア、パナマの5カ国に22社の現地法人が設立された。また、NAFTAを結ぶアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国間に一貫輸送体制を構築している。
2022年度の収益は2兆6,186億であり、前年度の収益の1兆7,566億より増加している。また、有望なスタートアップ企業に対して、今後5年間で50億円を投資し、スタートアップ企業との関係の強化を目指している。
Nippon Expressは、日本物流団体連合会主催の第23回物流環境大賞表彰で、「物流環境大賞」、「特別賞」の2つを同時に受賞した実績がある。
出典:: https://www.nipponexpress-holdings.com/en/
Yamato Holdings (ヤマトホールディングス)
Yamato Holdingsは、1919年に設立され、本社は日本の東京都にある。宅配便や引越しサービス、国際輸送など、広範囲の物流サービスを国内外で提供している。
現在、世界25か国に合計181事業所を展開し、21万名の従業員、5,400万人以上のクロネコメンバーズ会員を有し、年間約23億個の宅配便を取り扱っている。また、宅配便では国内のシェアの4割を占めている。
1980年には、国際フォワーディング業務、海外引越業務、配送及びロジスティクス業務、輸出入通関業務のサービスを提供するYamato Transport U.S.A., Incが、アメリカのロサンゼルスに設立された。現在は、アメリカ国内に24の支店がある。
2022年度の収益は、1兆8006億となり、前年度と比較し70億5000万円増加した。また、2023年の第2四半期の収益は、8665億8200万円となり、前年同期と比較し約171億円減少した。
Yamato Holdingsは、女性管理職数を2020年度比2倍、障がい者雇用率を2.5%にする目標を掲げている。
出典:https://www.yamato-hd.co.jp/english/
アメリカの主要陸運企業2選〜外資系企業編〜
DHL (ディーエイチエル)
DHLは、1969年に設立され、本社はドイツにある。小包発送、国際速達、貨物輸送、サプライ チェーン管理、電子商取引ソリューションなどの物流サービスを提供している。また、世界220以上の国や地域に事業を展開し、600,000名の従業員を有している。
2023年第3四半期の収益は、194億ユーロであった。また、2022年度の収益は944億ユーロとなり、前年度と比較し15.5%増加した。さらに、DHL Expressは、 4年連続で「世界で最も働きやすい職場」のトップ 3 に選出されている。2015年秋以来、ドイツ連邦雇用庁、Joblinge、Teach First Deutschland、Stiftung Lesenなどのパートナーと協力し、19,600人の難民のために、専門的能力開発を支援するプロジェクトやプログラムに重点を置いている。
教育の不平等問題に取り組むTeach For Allでは、15,000人以上の教育参加者が、約110万人の生徒に教師育成のための訓練や指導を行っている。また、これはアジア太平洋、アフリカ、ラテンアメリカ、中東、ヨーロッパの20以上の組織に提供されている。
出典: https://www.dhl.com/jp-en/home.html?locale=true
Maersk (マースク)
Maerskは、1904年に設立され、本社はデンマークのコペンハーゲンにある。海上輸送、大陸間鉄道、内陸輸送、航空輸送、LCLのサービスがある。2015年までには、海運、ターミナル、物流、石油とガスなどの事業を展開する世界最大規模の複合企業になった。
Maerskは、特にコンテナ輸送部門が強く、毎年1,200万個のコンテナを輸送している。また、2021年末時点では、コンテナ船の運航船腹量で世界1位となった。
世界130か国で、100,000名以上の従業員数と顧客、31か国59のターミナルを有している。また、アメリカでの初の拠点は、1919年設立された。現在は、アメリカ国内に22のオフィスを有している。
2023年の第3四半期の収益は121億ドルであり、同年前期の130億ドルと比較し減少した。また、2022年度の収益は815億ドルであり、前年度と比較し32%増加した。
Maerskは、従業員の国籍が180か国以上、女性が占める管理職の割合が33%、2020年から2022年の3年連続で、ブルームバーグの男女平等指数に含まれている。
出典: https://www.maersk.com/
ワシントン在住の日本人。大学卒業後、日本で外資系メーカーに勤めており、営業とマーケティングを経験。マーケティングは発売予定の製品周りの広告、パッケージや販促、イベントやデジタルプラットフォームの使用等様々な側面に関わり、年に1−2回ある新商品発売に向けて取り組む。渡米してからはフリーランスでスタートアップにマーケティングやマーケティングリサーチのサービスを提供し、プロジェクトベースで様々な依頼に応えている。