【最新版!】アメリカの主要海運企業14選〜運輸・物流業界〜

アメリカ 海運業界 業界地図

アメリカの海運業界は、国際物流大手からサプライチェーンソリューション企業、港湾輸送に強い専門会社まで多様なプレイヤーが並ぶ市場です。港湾混雑や関税政策の変動を受けながら、主要企業は物流網の再構築を進めています。

今回は、そんなアメリカの海運業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて14社の最新情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

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目次

アメリカの主要海運企業8選〜ローカル編〜

C.H. Robinson Worldwide (シー・エイチ・ロビンソン・ワールドワイド)

1905年に農産物仲介業として創業した、北米最大級の総合物流・フォワーディング企業である。本社は米ミネソタ州エデンプレーリーに置き、船舶を自社保有しないNVOCC型の海上輸送に加え、トラック輸送や航空輸送、通関、倉庫まで一貫したサービスを展開する。

2025年12月期の総売上高は約162億ドル、調整後粗利益は約25.9億ドルに達し、従業員数は約1万1855人に上る。年間で約3700万件の出荷と約230億ドル相当の貨物を取り扱い、約7万5000社の荷主と約45万社の契約運送業者を結ぶネットワークを持つ。

海上輸送はFCL・LCLの双方に対応し、アジア・欧州・南米と北米を結ぶ航路で大量のコンテナを管理する。調整後粗利益の約95%を輸送サービスが占める点が事業構造の特徴である。

近年はAIを活用した物流自動化への投資を強め、2025年の年次報告書でもAI主導のオペレーション効率化を成長戦略の柱に掲げている。

出典:https://www.chrobinson.com/

UPS Supply Chain Solutions (ユーピーエス・サプライチェーン・ソリューションズ)

世界最大級の宅配・物流企業であるUPSのサプライチェーン部門で、船舶を保有しないNVOCCとして海上輸送を担う。UPS本体は1907年に創業し、本社は米ジョージア州アトランタ(サンディスプリングス)に置く。

2025年12月期のUPSグループ全体の売上高は約887億ドルで、サプライチェーンソリューション部門はそのうち約106億ドルを占める。海上輸送は同部門が担当し、FCL・LCLや宅配型の海上サービスなど多様な輸送オプションを提供する。

海運は国際展開に伴う通関など複雑な業務を要するため、荷主が容易に管理できるオンラインの追跡・手配ツールを整備している点が強みである。

2026年初には通期の業績見通しを公表し、最大顧客であったアマゾン向け取扱量の縮小と収益性を重視した事業再編を進めている。

出典:https://www.ups.com/

Matson (マトソン)

1882年創業、米ハワイ州ホノルルに本社を置く、太平洋航路を代表する海運企業である。ハワイ・グアム・ミクロネシアなど南太平洋諸島と、中国・日本などアジアを結ぶ海上輸送と、ロジスティクス事業を柱とする。

2024年12月期の売上高は約34億2200万ドル、純利益は約4億7640万ドルで、EBITDAは約7億3890万ドルに達した。米国船籍を中心とするコンテナ船やロールオン・ロールオフ船、バージを含む約20隻超の船隊を運航している。

環境対応として、LNG燃料を用いる新型「アロハ級」コンテナ船3隻を建造中で、2027〜2028年の就航を予定する。老朽船の更新と輸送能力の増強を並行して進めている。

ジョーンズ法の下で保護される米国内航海運の担い手として、ハワイ航路で高いシェアを保つ点が事業基盤の特徴である。

出典:https://www.matson.com/

Seko Logistics (SEKO・ロジスティクス)

1976年に米イリノイ州シカゴで創業した物流サービス企業である。輸送・物流・転送・倉庫管理を統合したサプライチェーンソリューションを提供し、世界60か国以上に150を超えるオフィスと15の主要ハブを構える。

自社が公表する取扱規模は、海上輸送で年間18万TEU超、航空輸送で年間約4200万キロ、Eコマース小口配送で年間8000万個超に上る。従業員数は約2000人規模である。

船舶を保有しないNVOCCとして、厳格な運航スケジュールに縛られず、複数船社の組み合わせにより柔軟な海上輸送ルートとコストを実現する点が強みである。

2022年にフランスの国際輸送企業Bansardを統合し欧州網を拡充したほか、近年はEコマース物流と越境配送の強化に注力している。

出典:https://www.sekologistics.com/

Crane Worldwide Logistics (クレーン・ワールドワイド・ロジスティクス)

2008年に設立された物流企業で、本社は米テキサス州ヒューストンに置く。会長兼CEOはMLBヒューストン・アストロズのオーナーであるジム・クレーンで、同氏が1984年に設立したイーグル・グローバル・ロジスティクスを源流に持つ。

現在は世界30か国で130を超える拠点を展開し、海上・航空貨物輸送、通関、契約物流、プロジェクト輸送まで幅広く手掛ける。設立時の幹部が最新技術と顧客サービス、イノベーションを掲げて事業を立ち上げた経緯を持つ。

海上輸送では、出発日の柔軟性を重視したグローバルなFCL・LCL配送を提供し、あらゆる海上輸送ニーズに合わせて輸送時間の短縮を図る幅広いポートフォリオを備える。

近年はデジタル可視化や航空・海上フォワーディングの拡充を進め、テキサスを拠点に北米の中堅フォワーダーとして事業を広げている。

出典:https://www.craneww.com/

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AIT Worldwide Logistics (AIT・ワールドワイド・ロジスティクス)

1979年に創業し、米イリノイ州アイタスカに本社を置く総合物流企業である。配送サービスとサプライチェーン管理を軸に、アジアや欧州を含む世界100か所超の拠点で海上・航空輸送、通関、倉庫管理を手掛ける。

2020年の総収益は約12億ドルで、同社史上初めて10億ドルを突破した。2021年3月には投資会社ザ・ジョーダン・カンパニーとの資本増強(リキャピタライゼーション)を完了し、成長投資の原資を確保している。

船舶を保有しないNVOCCとして、専門の海上貨物部門が年間を通じて予測可能な価格の輸送能力を提示し、荷主のニーズに応じた低コストのサービス提供を可能にしている。

近年はM&Aと拠点網の拡大を積極化し、2025年4月に米マイアミのGSDMIA社を買収、同年11月にはインドネシアで初拠点を開設するなど国際展開を加速している。

出典:https://www.aitworldwide.com/

OIA Global (OIA グローバル)

1988年に米オレゴン州ポートランドで創業した物流企業である。当初は太平洋岸北西部から生鮮食料品を輸出するオレゴン国際航空貨物として出発し、現在はサプライチェーン管理の世界的企業へと成長した。

本社はポートランドに置き、世界30か国以上に60を超えるオフィスを構え、従業員数は1200人超に上る。FCL・LCLの取り扱いに加え、規格外貨物やパッケージング、リアルタイムの出荷可視化まで幅広く手掛ける。

認可を受けた海洋輸送仲介業者(OTI)兼NVOCCとして、世界各地の中核・ニッチ運送業者との強固な関係を維持し、買い手と売り手の間を仲介する円滑な国際輸送を実現している。

海運業界の課題であるCO2排出削減にも積極的に取り組み、サステナビリティとパッケージング最適化を組み合わせたソリューションを強みとしている。

出典:https://www.oiaglobal.com/

Expeditors International of Washington (エクスペディターズ・インターナショナル)

1979年に米ワシントン州シアトルで創業した、北米を代表する国際物流・フォワーディング企業である。設立当初は海洋運送業者として登録され、1984年に株式を上場した。

2024年12月期の売上高は前年比14%増の約106億ドル、株主帰属純利益は約8億1千万ドルに達した。従業員数は世界で1万8000人を超え、172の地区オフィスを通じてアメリカ・北アジア・南アジア・欧州・中東の各地域で事業を展開する。

事業構成は航空貨物が売上の約34%、海上貨物が約30%、通関仲介が約36%とバランスが取れており、船舶を保有しないNVOCCとして柔軟な海上輸送を提供する。

自社システムによる高い業務標準化と情報開示で知られ、市況変動下でも安定した収益力を発揮している。近年は物流のデジタル化と顧客向けの可視化ツール強化を進めている。

出典:https://www.expeditors.com/

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アメリカの主要海運企業3選〜日系編〜

Nippon Express (日本通運)

1937年に半官半民の運送会社として設立され、1950年に民間企業として日本通運を創業した、日本を代表する総合物流企業である。持株会社NIPPON EXPRESSホールディングスの中核事業会社として世界規模で事業を展開する。

2024年12月期のグループ連結売上高(営業収益)は約2兆5776億円に達した。米国では1962年に現地法人を設立し、以来ペリカン便など日本流の細やかなサービスで事業基盤を築いてきた。

国際物流の重点分野として海上輸送事業を掲げ、NVOCCとしてコスト効率の高い料金を提供する。世界数十か国に広がる事務所網を活かし、海上輸送の専門家が多様な貨物ニーズに柔軟に対応している。

サービスブランド「NEX Ocean-Basic」の下、総合コンサルティングやドアツードア輸送、海上貨物保険まで一貫して提供し、2022年のグループ再編後もグローバル物流企業として体制強化を進めている。

出典:https://www.nipponexpress.com/

Yusen Logistics (日本郵船)

日本郵船(NYK)グループの物流事業を担う中核企業である。親会社の日本郵船は1885年に現社名となり、クルーズ船まで含め世界有数の船隊を運航する海運大手として知られる。

親会社である日本郵船の2025年3月期の連結売上高は約2兆5887億円に上る。米国現地法人Yusen Logistics (Americas) Inc.では、FCL・LCLを取り扱い、冷凍貨物から常温貨物まであらゆる海上貨物のフォワーディングを手掛ける。

海上輸送では、玄関渡しや通関仲介、貨物保険などの付加価値サービスを整え、オンライン追跡アプリによる貨物の可視化を実現している。世界各地に広がる拠点網を活かした一貫輸送が強みである。

近年、日本郵船はグループのロジスティクス事業の位置づけを高めており、海運市況の変動下でも物流事業の収益基盤強化を進めている。

出典:https://www.yusen-logistics.com/

Kintetsu World Express (近鉄ワールドエクスプレス)

近鉄グループホールディングスの子会社で、航空・海上貨物輸送、通関仲介、倉庫在庫管理を主力とする国際物流企業である。国際貨物事業は1948年に始まり、1969年には米国子会社を設立した。

2024年3月期の連結売上高は約7338億円で、海上貨物の取扱量は約72万7000TEUに達した。世界45か国に事業を展開し、自動車・小売・工業分野を中心にグループネットワークを広げている。

2015年にはシンガポールを拠点とするAPLロジスティクスを買収し、物流ポートフォリオを北米とアジアに大きく拡大した。これにより海上輸送と契約物流の一体提供が強化された。

船舶を保有しないNVOCCとして、FCL・LCLの双方を扱い、専門家の技術的・規制上の知見を活かして荷主のサプライチェーンに応じたカスタマイズを提供している。

出典:https://www.kwe.com/

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アメリカの主要海運企業3選〜外資編〜

Kuehne + Nagel (キューネ・アンド・ナーゲル)

1890年にドイツで創業し、スイスのシンデレギに本社を置く、世界的な輸送・物流企業である。海上輸送、航空貨物、契約物流、陸上事業を柱とし、社名は創業者2人の名に由来する。

2024年12月期のグループ純売上高(ネットターンオーバー)は約248億スイスフランで、海上物流部門の取扱量は年間約430万TEUに達した。世界約100か国に約1300拠点を構え、従業員数は約8万人に上る。

海上輸送では世界最大級の取扱量を誇り、CO2削減や通関手続きの代行、温度管理コンテナ、AIを活用した可視化アプリなど、デジタルとサステナビリティ双方の機能を強化している。

米国の拠点はニュージャージー州ジャージーシティに本部を置き、2024年は海上・航空の取扱回復により収益性が高水準で正常化したと公表している。

出典:https://home.kuehne-nagel.com/

Sinotrans Ltd (シノトランス)

中国を代表する総合物流企業の一つで、香港証券取引所などに上場する。2002年に設立され、2017年までに国有大手の招商局集団(チャイナ・マーチャンツ)の直接子会社となった。

2024年12月期の営業収入は約1056億元、株主帰属純利益は約39億元で、前年比では約7%の減益となった。コンテナ輸送を中心に、バラ積み貨物や液体・ドライバルクなど幅広い貨物に対応する。

海運事業では中国主要港と世界各地を結ぶエンドツーエンドの物流サービスを提供し、専用アプリによる予約システムでサプライチェーンの効率的な運用を支えている。

親会社の招商局集団は1872年設立の国有企業で、港湾から金融まで幅広く手掛ける。そのグループ力を背景に、同社はデジタル物流と国際輸送網の拡充を進めている。

出典:https://www.sinotrans.com/

DHL Supply Chain & Global Forwarding (DHLグローバルフォワーディング)

ドイツ・ボンに本社を置くDHLグループの国際貨物輸送部門で、海上・航空フォワーディングを担う。DHLは3人の創業者の頭文字に由来し、会社自体は1969年に米サンフランシスコで設立された。

2024年12月期のDHLグループ全体の売上高は約841億9千万ユーロで、うちグローバルフォワーディング・フレイト部門は約196億5千万ユーロを占めた。世界最大級の物流ネットワークを背景に海上輸送を展開する。

米国では2009年に国内集配事業を縮小した経緯があるが、ケンタッキー州のシンシナティ・ノーザンケンタッキー国際空港を最大ハブとし、国際フォワーディングで存在感を保つ。

近年はデジタル化とグリーン物流に注力し、2024年第4四半期には売上・利益ともに成長したと公表するなど、堅調な業績を維持している。

出典:https://www.dhl.com/

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FAQ

アメリカの主要海運企業についての基本的な情報は何ですか?

アメリカの海運業界は、国内外の大手企業と専門の海運業者が共同で効率的なサービスを提供しています。非船舶運航運送業者(NVOCC)として運営され、多様な輸送オプションを展開し、技術革新や環境配慮にも取り組んでいます。

アメリカの主要海運企業の中で、どのような特徴や事業内容がありますか?

各企業は、貨物輸送、輸送管理、仲介、倉庫保管などを中心に行っています。例えば、C.H.ロビンソンは総従業員数16,800人で北米最大の輸送会社であり、Expeditorsは世界中に346か所の事務所を持ち、海運能力を拡大しています。

非船舶運航運送業者(NVOCC)とは何ですか?

NVOCCは、自ら船舶を所有せずに海上輸送を行う業者で、貨物の輸送計画や手続きを管理し、コスト削減や柔軟な輸送スケジュールの提供を可能にします。

アメリカの海運業界における環境への取り組みはどのようなものですか?

多くの海運企業は、CO2排出削減や環境負荷軽減に積極的に取り組んでおり、オンライン追跡システムや環境に配慮した輸送手法の導入を進めています。

アメリカの主要海運企業の中で、日本系企業はどこですか?

日本系企業には、日本通運や日本郵船、近鉄ワールドエクスプレスなどがあります。これらは、国際物流の専門知識と広範なネットワークを活用しています。

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吉岡 直人 US-Based Industry Analyst
ワシントン在住の日本人。日本では外資系メーカーにて営業およびマーケティングを経験し、現在は米国でスタートアップ向けにマーケティングおよびマーケティングリサーチを提供している。
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