アメリカの倉庫業界は、セルフストレージ大手が全米各地に店舗網を広げ、個人・法人双方の保管需要を取り込む市場です。引っ越し需要や住宅事情の変化を背景に、主要企業は施設拡大とデジタル予約対応を進めています。
今回は、そんなアメリカの倉庫業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社の最新情報をお届けしていきます!
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アメリカの主要倉庫企業8選〜ローカル編〜
Public Storage (パブリックストレージ)
1972年にカリフォルニア州エルカホンで創業した、全米最大級のセルフストレージ運営企業である。不動産投資信託(REIT)として事業を展開し、ニューヨーク証券取引所に上場、S&P500にも採用されている。
2025年12月末時点で全米40州に3,533拠点を構え、純賃貸可能面積は約2億5,800万平方フィートに達する。2025年通期の売上高は約48億2,400万米ドル、純利益は約17億9,700万米ドルを計上した。
欧州のセルフストレージ大手シュアガードにも約35%を出資し、同社は西欧で332拠点を運営する。国内需要に加え、国際的な資本ネットワークを通じた成長を志向している。
2026年3月には、同業のナショナルストレージアフィリエイツを約105億米ドルで取得すると発表し、2026年第3四半期の完了を見込む。業界再編を主導する動きとして注目される。
出典:https://www.publicstorage.com/
Extra Space Storage (エクストラスペースストレージ)
1977年に創業し、ユタ州ソルトレイクシティに本社を置くセルフストレージ運営大手である。不動産投資信託(REIT)としてニューヨーク証券取引所に上場している。
2023年7月に同業のライフストレージを統合し、全米最大のセルフストレージ運営企業となった。第三者管理を含めた運営規模でも全米最大級である。
2025年12月末時点で、直営・受託を合わせ全米43州とワシントンDCに4,281拠点を展開し、総面積は約3億3,040万平方フィート、約290万室を擁する。2025年通期の売上高は約33億8,000万米ドルに達した。
太陽光発電の導入など環境対応にも早くから取り組み、施設運営の効率化を進めてきた。買収と受託管理の両面で事業基盤を拡大している。
出典:https://www.extraspace.com/
CubeSmart (キューブスマート)
2004年にメリーランド州で「U-Store-It Trust」として操業を開始したセルフストレージ運営企業である。同年に新規株式公開を実施し、2011年に現社名へ変更、本社をペンシルベニア州マルバーンに置く。
不動産投資信託(REIT)としてニューヨーク証券取引所に上場し、施設の所有・運営・取得・開発を自主管理する体制をとる。
2025年12月末時点で直営662拠点(賃貸可能面積約4,840万平方フィート)に加え、第三者管理862拠点を運営し、合計は約1,500拠点に及ぶ。2025年通期の売上高は約11億2,300万米ドルであった。
デリケートな物品向けに温度調節が可能なユニットを備えるなど、付加価値の高いサービスで差別化を図る。都市部を中心に受託管理も拡大している。
出典:https://www.cubesmart.com/
U-Haul (ユーホール)
1945年にワシントン州リッジフィールドでショーエン夫妻がレンタルトレーラー事業として創業した、引っ越し用トラックレンタルの草分けである。持株会社ユーホール・ホールディングはニューヨーク証券取引所に上場している。
レンタル事業と並行してセルフストレージを展開し、可搬式コンテナ「U-Box」など多様な保管サービスを提供している。
2025年3月期の売上高は約58億3,000万米ドル、純利益は約3億6,700万米ドルであった。車両更新費の高騰が減価償却を押し上げ、利益は前期から減少した。
自社保有のストレージ拠点は1,558か所、賃貸可能面積は直営・受託合わせ約9,370万平方フィートに及ぶ。トラック約19万2,100台を含む車両網を全米50州とカナダ10州で2万3,000か所超に展開する。
出典:https://www.uhaul.com/
National Storage Affiliates (ナショナルストレージアフィリエイツ)
セルフストレージ施設の所有・運営・取得に特化した自己運営型の不動産投資信託(REIT)である。参加地域事業社(PRO)からの拠出や第三者買収、合弁を通じて拠点網を築いてきた。ニューヨーク証券取引所に上場している。
2025年12月末時点で全米37州とプエルトリコに1,063か所のセルフストレージ施設を運営し、賃貸可能面積は約6,940万平方フィートに及ぶ。2025年通期の売上高は約7億5,290万米ドルであった。
複数のPROブランドと社内ブランドを併存させる独自の運営体制が特徴で、地域密着型の運営ノウハウを取り込んできた。
2026年3月には、パブリックストレージが同社を約105億米ドルの全株式交換で取得することで合意したと発表された。2026年第3四半期の完了が見込まれており、業界再編の焦点となっている。
出典:https://www.nationalstorageaffiliates.com/
Storage Asset Management (ストレージアセットマネージメント)
ペンシルベニア州ヨークに本社を置く、セルフストレージ専門の第三者管理会社である。施設オーナーに代わって運営・マーケティング・収益管理を担う受託管理事業を中核とする。
公式情報によると、900名を超える専門スタッフを店舗・地域・本社の各層に擁し、100を超えるセルフストレージ・ブランドを管理下に置く。運営拠点は米国東部を中心に広がる。
2020年から2025年にかけて地元経済誌の「働きやすい企業」に継続的に選出されるなど、組織運営の面でも評価を得ている。
2025年を通じて毎月のように新規施設の受託を重ねており、無人運営や高稼働率の維持を強みに管理規模を着実に拡大している。稼働率や顧客満足の基準を重視した運営方針を掲げる。
出典:https://www.storageassetmanagement.com/
StorageMart (ストレージマート)
1999年にミズーリ州コロンビアで創業した、世界最大級の家族経営セルフストレージ企業である。創業家のバーナム家が4世代にわたり経営を担い、非上場で運営を続けている。
本社を置くコロンビアを拠点に、米国・カナダ・英国で250か所を超える施設を展開する。商業ビルの中層階を活用するなど、利用者が安全にアクセスしやすい立地・構造を志向してきた。
第三者管理事業やブランド「Manhattan Mini Storage」を通じた受託運営にも力を入れ、2025年を通じて複数施設の受託を重ねた。
2026年1月には、ニューヨーク市で賃貸可能面積約130万平方フィートを取得し、同市史上2番目の規模となるセルフストレージ取引を完了したと発表した。都市部での存在感を一段と高めている。
出典:https://www.storage-mart.com/
SmartStop Self Storage (スマートストップセルフストレージ)
北米でセルフストレージ事業を展開する不動産投資信託(REIT)である。本社をカリフォルニア州ラデラランチに置き、2025年4月にニューヨーク証券取引所へ上場した(ティッカー:SMA)。
直営・受託を合わせ、米国とカナダで460か所を超えるセルフストレージ施設を所有または管理する。2025年9月末時点の直営施設は177か所、賃貸可能面積は約1,390万平方フィートに及ぶ。
2025年第3四半期の売上高は約7,040万米ドルで、うちレンタル収入が約6,180万米ドル、付随・受託運営収入が約860万米ドルを占めた。
アーガス・プロフェッショナル・ストレージ・マネジメントの買収により受託管理基盤を強化し、運用資産の拡大を進めている。カナダを含む北米市場での成長を志向する新興の上場REITである。
出典:https://www.smartstopselfstorage.com/
アメリカの主要倉庫企業3選〜日系編〜
Maruzen of America,Inc. (丸全昭和運輸株式会社アメリカ社)
1974年にカリフォルニア州ロサンゼルスで設立された、丸全昭和運輸株式会社の米国現地法人である。親会社の丸全昭和運輸は1931年に横浜で創業した総合物流企業である。
国際貨物輸送と倉庫管理を主力とし、海上輸送仲介(OTI)やNVOCC、通関、トラック手配、保税コンテナ貨物ステーション運営など幅広い機能を備える。
農産物向けに温度管理された約15万平方フィートの冷蔵倉庫と、一般貨物・コンテナ貨物ステーション向けに約7万平方フィートの賃貸倉庫を運営する。拠点はカーソン市とドミンゲスヒルズ市に置く。
親会社は北京・上海・シンガポール・タイ・メキシコなど世界各地に営業ネットワークを構築しており、日米間の物流を軸に国際的な供給網を支えている。
出典:https://www.mrzn.com/
SUMITOMO WAREHOUSE (U.S.A.), INC. (米国住友倉庫会社)
1985年に設立された、住友倉庫の米国現地法人である。親会社の住友倉庫は1899年創業の老舗総合物流企業で、倉庫業から陸運・港湾・国際輸送へと事業を広げてきた。
1990年に自社倉庫の運営を開始し、本社をカリフォルニア州トーランスに置く。ロサンゼルス地区の主力倉庫は倉庫面積約1万4,864平方メートル(約16万平方フィート)、敷地約7.2エーカーを有する。
自動車部品や食料品、医療関連製品などを取り扱い、加工・梱包やアソート、値札・バーコード貼付といった流通加工にも対応する。常温倉庫に加え冷凍・冷蔵倉庫も備える。
ヒューストン・シカゴ・アトランタ・ニューヨークに拠点を持ち、イリノイ・ジョージア・サウスカロライナ・バージニア各州の提携倉庫も活用して全米の物流需要に応える。C-TPAT認証も取得している。
出典:https://www.sumitomo-wh.com/
NAKANO WAREHOUSE & TRANSPORTATION (米国中野倉庫運輸)
1971年に設立された米国中野倉庫運輸株式会社を母体とする、法人向け大型倉庫の運営企業である。親会社の中野倉庫運輸は1923年に創業し、2023年に創業100年を迎えた。
親会社は東海道を基軸に国内12拠点・13倉庫を展開し、海外にも2拠点・2倉庫を配置している。
米国ではカリフォルニア州ロサンゼルスに約23万5,000平方フィートの倉庫を構えるほか、バージニア州チェサピークにも約7万8,400平方フィートの拠点を開設した。
チェサピークは東海岸有数のコンテナ取扱量を誇るノーフォーク港に近く、シカゴとを結ぶ貨物鉄道の要衝でもある。雑貨や機械部品を中心に取り扱い、常温倉庫を軸に取扱品目に応じた設備転換も視野に入れている。
出典:https://tonnex.com/
アメリカの主要倉庫企業2選〜外資編〜
Seven Seas Worldwide (セブンシーズワールドワイド)
1996年に英国ケント州で創業した国際引っ越し・輸送企業である。当初はJ&Wインダストリーズとして始まり、2004年にセブンシーズワールドワイドへと社名を改めた。
本社は英国に置き、2004年にサウスカロライナ州チャールストンへ初の米国デポを開設して北米市場に参入した。
国際・国内の引っ越しに加え、手荷物配送、個人物品の保管、宅配便など幅広いサービスを手掛ける。可搬式コンテナ「MoveCube」や段ボール型の「StoreCube」を用い、集荷から保管、配送までを一貫して担う。
世界12か国に27か所のデポを構え、年間4万件を超える輸送を100以上の仕向地に向けて取り扱う。ロサンゼルスとニューヨークのハブを軸に全米の拠点網を結んでいる。
出典:https://www.sevenseasworldwide.com/en-us/
PODS (ポッズ)
1998年にピーター・ウォーハースト氏が創業した、可搬式コンテナによる引っ越し・保管サービスの草分けである。本社をフロリダ州クリアウォーターに置く。
利用者の敷地にコンテナを配置し、荷物を積み込んだうえで別の場所へ輸送・保管できる仕組みを確立した。専用の油圧式クレーン「PODZILLA」を用い、3種類のコンテナサイズを展開する。
2007年にバーレーンの投資会社アルカピタの傘下に入り、2015年にはカナダのオンタリオ州教職員年金基金へ売却され、外資系の資本のもとで事業を続けている。
米国の大半の州に加え、カナダ、英国、オーストラリアでもサービスを展開する。2018年にはネバダ州に販売・サービス拠点を開設するなど、拠点網の拡充を進めてきた。個人・法人双方の移設・保管需要を取り込んでいる。
出典:https://www.pods.com/
FAQ
アメリカの倉庫業界の特徴は何ですか?
アメリカの倉庫業界は、多様なサービスと技術革新が特徴で、セルフストレージから法人向けまで幅広いニーズに対応しています。主要企業は不動産投資信託(REIT)として運営され、温度調節可能なユニットやソーラーパネルの活用で差別化しています。
主要なアメリカの倉庫企業にはどのようなものがありますか?
アメリカの主要倉庫企業にはPublic StorageやExtra Space Storage、CubeSmart、Life Storage、U-Haul、National Storage Affiliates、Storage Asset Management、StorageMartなどがあります。
Public Storageの概要と特徴は何ですか?
Public Storageは1972年にカリフォルニア州エルカホン市で創業され、アメリカ最大のセルフストレージブランドです。全米に2500以上の拠点を持ち、収益は26億米ドルで、カナダやヨーロッパにも進出しています。
外資系企業のアメリカの倉庫企業にはどのようなものがありますか?
外資系企業には、イギリス発のSeven Seas Worldwideや、「Pods」ブランドの米国本拠を置く企業などがあります。これらは国際輸送や引っ越しサービスを提供し、グローバルなネットワークを持っています。
アメリカの倉庫業界における日系企業はどのような存在ですか?
日系企業には丸全昭和運輸株式会社アメリカ社や、米国住友倉庫会社、米国中野倉庫運輸などが存在し、国際貨物輸送や法人向け倉庫管理に特化しています。これらはアメリカ西海岸を中心に展開しています。

