アメリカの教育業界は、幼児から社会人まで多様性と革新性を重視し、STEM教育やバイリンガル教育など先進的なカリキュラムを採用しています。テクノロジーを活用した個別化学習やオンライン教育を推進し、グローバル人材の育成と教育機会の拡大に注力しています。
この記事では、統計データを用いてアメリカの教育業界の最新情報をお届けしていきます!
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アメリカの学校事情〜統計データ〜
高校、大学卒業生の進学と就職状況
米国では2022年10月時点で、2022年高校卒業生の62%が大学へ入学した。(米国では高校までが義務教育である。)大学進学率は男性では全体に対して57.2%、女性では66.1%と女性の大学進学率が高い。
人種と民族別に見ると、2022年10月の大学へは、全体のアジア人72.2%、黒人64.1%、白人が61.8%、ヒスパニック系が58.1%が入学しており、アジア人の大学進学率が高いことが分かる。
そして、2022年に学士号を取得した20歳から29歳の者の76.4%が就職した。20歳から29歳の失業率は、準学士号取得者では5.7%、学士号取得者で8.6%、高等取得者では4.1%であった。
2022年1月から10月までの間に、20歳から29歳までの100万人が学士号を取得した。このうち775,000人(76.4%)が2022年10月に雇用され、大学を卒業して学士号を取得した人の失業率は8.6%。前年比4.5ポイント減少した。
出典 : 米国労働統計局
米国の小学校教師の雇用状況
2022年5月時点での米国での小学校教師の雇用状況は、雇用人数1,39万4,200人。年間平均賃金は68,000ドルであった。
雇用が最も多い州はカリフォルニア州、15万7,950人。2番目がテキサス州、14万1,420人。3番目がニューヨーク州、 9万8,300人。4番目がフロリダ州、6万6,610人。5番目がイリノイ州、5万9,990人であった。
続いて平均年間賃金が最も高い州は、カリフォルニア州、9万470ドル。続いて2番目がニューヨーク州、8万9,580 ドル。3番目がワシントン州、8万5,580ドル。4番目がコネチカット州、8万4,580ドル。5番目がマサチューセッツ州、8万2,690ドルだった。
出典:米国労働統計局
アメリカの幼児教育・学習塾事情〜統計データ〜
公立保育園の入学者数の推移
全米で実施されている、キンダーガーテン入学前の「公立就学前プログラム」は、3歳児と4歳児を対象とした、州からの資金提供を受けて運営される幼児教育プログラムである。
一般的には「ナーサリー」と呼ばれるもので、以前は私立しか存在しなかった。近年、多くの州で「ナーサリー」 「プリキンダー」と呼ばれる早期幼児教育カリキュラムが、ニーズに応えてスタートしたが、多くの子どもたちが「質の高い就学前早期幼児教育カリキュラム」にはアクセスできていない。
新型コロナウイルス感染症パンデミックが発生する前でさえ、公立ナーサリーに入学していたのは4歳児の34%、3歳児の6%に過ぎなかった。現在は多少の増加は見られるが、全体数でみるとコロナ前の状態には戻っていない。日本と 同じように、公立に対しての不信感が否めないのが最も大きな原因ではないかと推測されている。
出典:Center for Amerikan Progress(独立超党派政策機関)
教育関係者の給与事情(年俸での比較)
教育関係の全体的な雇用者数は、全職業の平均とほぼ同じ速度で増加すると予測されている。教育関係の職業は全体で、毎年平均約857600人の求人が発生すると予測されている。
業界の2022年5月時点での年間賃金中央値は5万7490ドルで、全職業の年間賃金中央値である4万6310ドルよりも高かった。ただし、全体平均と比較して、幼児教育従事者の給与事情は決して良いとは言えない。日本国内でも幼稚園教諭の待遇が問題になっているが、アメリカでも同じことが言える。
幼稚園・保育園から小学校低学年までの教員は、女性であることが多い。校長職も女性であることが多い。高校教師の場合、学士号を必要とするが、幼稚園教諭の場合準学士号で良いことが多い。
このことも反映してか、給与は高校教師が年俸平均62360ドルにたいして、幼稚園教師は35330ドルでしかない。 アメリカでも日本と同様に、幼児教育従事者の社会的地位の向上を望む声は後を絶たない。
出典:U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS(米国労働統計局)
アメリカの保育事情〜統計データ〜
公立保育園の入学者数の推移
全米で実施されている、キンダーガーテン入学前の「公立就学前プログラム」は、3歳児と4歳児を対象とした、州からの資金提供を受けて運営される幼児教育プログラムである。
一般的には「ナーサリー」と呼ばれるもので、以前は私立しか存在しなかった。近年、多くの州で「ナーサリー」 「プリキンダー」と呼ばれる早期幼児教育カリキュラムが、ニーズに応えてスタートしたが、多くの子どもたちが「質の高い就学前早期幼児教育カリキュラム」にはアクセスできていない。
新型コロナウイルス感染症パンデミックが発生する前でさえ、公立ナーサリーに入学していたのは4歳児の34%、3歳児の6%に過ぎなかった。
現在は多少の増加は見られるが、全体数でみるとコロナ前の状態には戻っていない。日本と同じように、公立に対しての不信感が否めないのが最も大きな原因ではないかと推測されている。
出典:Center for Amerikan Progress (独立超党派政策機関)
教育関係者の給与事情(年俸での比較)
教育関係の全体的な雇用者数は、全職業の平均とほぼ同じ速度で増加すると予測されている。教育関係の職業は全体で、毎年平均約857600人の求人が発生すると予測されている。
業界の2022年5月時点での年間賃金中央値は5万7490ドルで、全職業の年間賃金中央値である4万6310ドルよりも高かった。ただし、全体平均と比較して、幼児教育従事者の給与事情は決して良いとは言えない。日本国内でも幼稚園教諭の待遇が問題になっているが、アメリカでも同じことが言える。
幼稚園・保育園から小学校低学年までの教員は、女性であることが多い。校長職も女性であることが多い。高校教師の場合、学士号を必要とするが、幼稚園教諭の場合準学士号で良いことが多い。
このことも反映してか、給与は高校教師が年俸平均62360ドルにたいして、幼稚園教師は35330ドルでしかない。 アメリカでも日本と同様に、幼児教育従事者の社会的地位の向上を望む声は後を絶たない。
出典:U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS(米国労働統計局)
アメリカの語学学校事情〜統計データ〜
州別の英語学習者の母国語
アメリカでの公用語がスペイン語になるのではないかと言われて久しいが、各州での英語学習者の母国語に関する データからすると、様々な言語が、それぞれの土地の特徴と相まってみられる。
スペイン語以外の言語が首位だったのはアラスカ州(ユピック語)、ハワイ州(イロカノ語)、メイン州(ソマリア語)、モンタナ州(ドイツ語)、バーモント州(ネパール語)の5州のみであった。これらは移民などの受け入れにより、場合によっては一時的なものである可能性も高い。
やはり大都市圏、とくに国際商業都市となっている貿易都市や工業都市などでは中国語やアラビア語の比率が高い。 またスペイン語の比率が80%を超しているのは、アーカンソー州(81.4%)、カリフォルニア州(83.7%)、コロラド州(84.5%)、ワシントンDC(81.7%)、アイダホ州(84.2%)、カンザス州(80.9%)、ミシシッピー州(84.4%)、ノースカロライナ州(84.7%)、オクラホマ州(85.3%)、サウスカロライナ州(81.8%)、テキサス州(90.0%)となっている。
主に農業州ではあるが、都市部を持ち農業以外の産業もある地域であることから、言語を学習しアメリカ人として生きていこうとする姿を想像することができる。
出典:U.S. Department of Education (アメリカ教育省)
英語を母国語にしない高校生の高校卒業率
アメリカの高校卒業率は全米平均で85%と、以前からあまり変化は見られない。さらに英語を母国語としない高校生の卒業率は70%と、これもあまり変化はしていない。
コロナを経て、卒業単位取得が緩くなった地域もあったため、改善がみられるのではないかと予測されたこともあったが、実際は大きな変化は見られなかった。年度のデータに左右される、州ごとのデータに関しては、ウエストバージニア州(WV)が、州全体の卒業率と英語学習者の卒業率がほぼ同じだった。
また、オクラホマ州(OK)では、わずか1%ではあるが、英語学習者の卒業率が州全体平均を上回った。これらは誤差の範囲とも考えられる。
これらは誤差の範囲とも考えられる。この2州以外では、英語学習者の卒業率は全体よりも下回っており、アメリカの教育問題のひとつである「高校卒業資格を全員に取得させたい」という目標は達成していないことがわかる。
今回の調査で最下位のニューヨーク州(NY)は、州全体の卒業率は全米平均であるものの、英語学習者の卒業率は46%と格段に低かった。リージェントテストなど、NY州独自の卒業認定試験の影響も多々あると考えられる。
出典:U.S. Department of Education (アメリカ教育省)
アメリカの資格・社会人教育事情〜統計データ〜
成人対象初等教育・ESLの教師のデータ
昨今言われているアメリカの物価高は、他国から見ても実感が伴わないはずだが、それでもOR州(オレゴン)とNE州(ネブラスカ)との給与額の違いは倍以上あることに驚くはずである。州内の移民の数や州の予算など、様々な要素が絡み合っているはずなので単純な比較はできないとは思われる。
オレゴン州に続くCA州(カリフォルニア)とMD州(メリーランド)は、民主党が強い州である。トランプ政権が アメリカ第一主義であるのに対して、移民政策を打ち出しているのがバイデン民主党政権である。このことも大きく 関与している。
給与額の低いNE州(ネブラスカ)とSD州(サウスダコタ)は共和党州であり、GA州(ジョージア)はバイデン政権とクリントン政権だけは支持したものの、基本的には共和党州である。資格取得や英語教育以外の社会人教育は民間だけでなく、政府主体でも大学などで開かれる講座が多くみられる。
出典:アメリカ労働統計局 U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS
州別の識字率
成人能力国際評価プログラム(PIAAC)によると、アメリカ成人4300万人は識字率が低いとされる。この数値の把握は社会貢献者を増やすことにつながり、資格・社会人教育を充実させるべきかの判断数値になるとも考えられている。
PIAACスコアは0から500までに分けられ、0から175をレベル1以下(機能的文盲)、175から225をレベル1(識字率が低い)、226から275をレベル2(言い換えや低レベルの推論が可能)、276から325をレベル3(社会に適応)として いる。全米平均値に対して高スコアだったMN州(ミネソタ)とNH州(ニューハンプシャー)の理由は不明。
北部に位置し、比較的移民政策が行われておらず、移民に頼る農業が中心ではないためとも考えられるが、決定的ではないという。大都市圏のNY州(ニューヨーク)やCA州(カリフォルニア)では平均値よりも低いスコアとなり、移民の影響がうかがわれる。
老後の生活地として人気のFL州(フロリダ)も、メキシコなどからの移民が影響していると考えられる。最下位のLA州(ルイジアナ)・MS州(ミシシッピ)・NM州(ニューメキシコ)は貧困州でもあり、社会人教育を施そうとも予算不足などで問題を抱えたままになっている。
出典:アメリカ国立教育統計センター National Center for Education Statistics
ワシントン在住の日本人。大学卒業後、日本で外資系メーカーに勤めており、営業とマーケティングを経験。マーケティングは発売予定の製品周りの広告、パッケージや販促、イベントやデジタルプラットフォームの使用等様々な側面に関わり、年に1−2回ある新商品発売に向けて取り組む。渡米してからはフリーランスでスタートアップにマーケティングやマーケティングリサーチのサービスを提供し、プロジェクトベースで様々な依頼に応えている。