アメリカの病院業界は、大学病院から専門医療センター、地域総合病院まで高度医療を提供する医療機関が集積する市場です。医療費高騰と人材不足への対応を迫られる中、主要企業はデジタル医療の導入を進めています。
今回は、そんなアメリカの病院業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて12社の最新情報をお届けしていきます!
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アメリカの主要病院企業8選〜ローカル編〜
Barnes-Jewish Hospital(バーンズ ユダヤ人病院)
バーンズ・ユダヤ人病院は、ミズーリ州セントルイス市に位置するワシントン大学医学部の主要教育病院である。1892年に没した実業家ロバート・バーンズの遺志で設立されたバーンズ病院と、1902年開設のユダヤ病院が1996年に統合し、現在の形となった。
病床数は約1,266床を擁し、セントルイス都市圏で最大級の民間雇用主でもある。心臓外科や腫瘍学の分野で全米屈指の評価を受け、ヘリポートを備えた高度救急対応体制を持つ。
運営母体は非営利のBJCヘルスケアであり、2026年時点では2024年1月にカンザスシティのセント・ルークス・ヘルスシステムと統合し、総額約100億米ドル規模のBJCヘルスシステムへ再編された広域医療ネットワークの中核を担っている。
2025〜2026年版のUS News & World Report病院ランキングでは、全米トップ病院を集めたオナーロールに選出され、ミズーリ州で最高評価を得ている。研究と臨床を両輪とする学術医療の拠点として存在感を保っている。
出典:https://www.barnesjewish.org/
Brigham and Women’s Hospital(ブリガム アンド ウィメンズ病院)
ブリガム・アンド・ウィメンズ病院は、マサチューセッツ州ボストン市のロングウッド医療地区に立地する、ハーバード大学医学部の主要教育病院である。1913年設立のピーター・ベント・ブリガム病院など複数の病院が1980年に合併して現在の形となった。
病床数は約793床。年間数億米ドル規模の研究予算を投じる研究病院として知られ、世界初の心臓弁手術や固形臓器移植など医学史に残る成果を数多く生み出してきた。
運営母体は、マサチューセッツ総合病院などと同じくマス・ジェネラル・ブリガムである。2026年時点でこのグループは全米有数の非営利医療システムを形成しており、当院はその中核病院の一つに位置づけられる。
2025〜2026年版のUS News & World Reportでは全米オナーロールに選出され、産婦人科分野で4年連続の全米1位を獲得したほか、ダナ・ファーバー癌研究所と連携するがん領域でも上位に評価されている。
出典:https://www.brighamandwomens.org/
Cedars-Sinai Medical Center(シダーズ サイナイ メディカル センター)
シダーズ・サイナイ・メディカル・センターは、カリフォルニア州ロサンゼルス市に立地する全米有数の非営利学術医療センターである。1902年にユダヤ系実業家によって設立され、現在はUCLAデビッド・ゲフィン医学部と関連を持つ三次医療機関として運営されている。
公式情報によれば、2026年時点で認可病床数は886床、医師約2,100名、看護師約2,800名を擁する大規模施設である。ヘリポートを備えたレベル1外傷センターとして高度救急にも対応する。
研究面では幹細胞生物学や免疫学、医療分野の人工知能などに強みを持ち、米国立衛生研究所(NIH)からの研究資金獲得額で全米トップ10に入る主要研究機関である。900件を超える研究が常時進行している。
US News & World Reportの病院ランキングでは西部最高水準の病院として10年連続で高い評価を受け、CMSの品質評価でも最高位の五つ星を継続的に獲得している。
出典:https://www.cedars-sinai.org/
Cleveland Clinic (クリーブランドクリニック)
クリーブランドクリニックは、オハイオ州クリーブランド市に本拠を置く非営利の学術医療センターである。1921年に設立され、ケース・ウエスタン・リザーブ大学医学部などと提携し、研修医教育の中核機関としても機能してきた。
公式ファクトシートによれば、2024年時点でグループは23の病院と約6,700床、300以上の外来施設を運営し、フロリダ州やネバダ州のほかアラブ首長国連邦、英国、カナダにも施設を展開する国際的な医療組織である。
従業員は約8万3,000人にのぼり、6,600名の医師・研究者と1万7,600名の登録看護師を含む。2024年の営業収益は約183億米ドル、営業利益は約9億米ドルに達した。
Newsweek誌の世界病院ランキングでは5年連続で世界第2位に評価されるなど、心臓血管領域を中心に世界最高水準の臨床実績を維持している。年間の研究資金は約4億7,900万米ドルにのぼる。
出典:https://my.clevelandclinic.org/
Hospital of the University of Pennsylvania (ペンシルバニア大学病院)
ペンシルバニア大学病院(HUP)は、ペンシルバニア州フィラデルフィア市に位置するペンシルバニア大学医療システム(ペン・メディシン)の旗艦病院である。1874年に創設され、国内最古の大学附属病院とされる。
非営利病院として運営され、心臓血管領域や移植医療、がん治療などで全米有数の実績を持つ。系列にはアメリカ初の病院とされる1751年設立のペンシルバニア病院も含まれる。
2021年10月には、総工費約16億米ドルを投じた17階建ての新病棟「パビリオン」が開設され、504床の個室と最新の救急・手術機能を備えた。患者収容能力と高度医療の提供体制が大幅に強化されている。
ペン・メディシンは2023年、入院医療中心の評価手法が現代の医療実態を反映しないとして、US News & World Reportの病院ランキングへの参加を取りやめた。2026年時点でも独自の品質指標の公開を進め、価値に基づく医療の追求を掲げている。
出典:https://www.pennmedicine.org/
Houston Methodist Hospital(ヒューストン メソジスト病院)
ヒューストン・メソジスト病院は、テキサス州ヒューストン市のテキサス医療センター内に立地する、ヒューストン・メソジスト学術医療センターの中核病院である。1919年にメソジスト聖公会の奉仕活動として設立された。
病床数は約2,500床規模で、非営利病院として運営される。コーネル大学ワイル・コーネル医科大学と共同研究所を持ち、心臓血管外科やがん、てんかん治療、臓器移植の分野で世界的に知られる。1968年には世界初の多臓器移植に成功した。
現在のヒューストン・メソジストは、8つの病院や学術機関、プライマリケア拠点を含む300以上の施設で構成される広域医療グループへと発展している。
2025年のUS News & World Reportでは、全米トップ病院を集めたオナーロールに9回目の選出を果たし、テキサス州では14年連続で第1位に評価された。がんや消化器、呼吸器など複数の専門領域で全米上位にランクされている。
出典:https://www.houstonmethodist.org/
Johns Hopkins Hospital(ジョンズ・ホプキンス病院)
ジョンズ・ホプキンス病院は、メリーランド州ボルチモア市に立地する米国医学史上の中核機関である。商人・銀行家ジョンズ・ホプキンスの遺贈を基に、1889年に開院した。現代アメリカ医学の創設機関であり、医療教育の伝統の発祥地とされる。
病床数は1,000床を超え、1,700名以上の医師が在籍する。総従業員は3万人を超え、附属大学医学部は1893年に女性の入学を認めた最初の医学部としても知られる。研修医制度の発案地でもある。
運営はジョンズ・ホプキンス・メディシンが担い、研究と臨床、教育を一体化した学術医療モデルの原型を築いてきた。世界各国から患者と研究者が集まる国際的な拠点である。
2025〜2026年版のUS News & World Reportでは全米トップ20のオナーロールに選出され、リウマチ科で21年連続の全米1位を獲得した。12の専門領域で全米トップ10に入り、メリーランド州で最高評価を得ている。
出典:https://www.hopkinsmedicine.org/
Massachusetts General Hospital(マサチューセッツ総合病院)
マサチューセッツ総合病院(MGH)は、マサチューセッツ州ボストン市に立地するハーバード大学医学部付属病院である。1811年創立で、アメリカで3番目に古い総合病院とされ、これまでに複数のノーベル賞受賞者を輩出してきた。
病床数は約1,000床で、非営利病院として運営される。院内には世界最大級の病院ベース研究プログラムを擁し、年間十数億米ドル規模の研究予算を投じる。緊急対応はレベル1外傷センターに指定されている。
運営母体はマス・ジェネラル・ブリガムであり、2025会計年度のグループ営業収益は約200億米ドル規模に達した。全米有数の非営利医療システムの旗艦病院として、年間約150万人の外来患者に対応している。
2025〜2026年版のUS News & World Reportでは全米オナーロールに選出され、精神医学で全米1位、がん領域でも上位に評価された。2030年には約500床を加える新病棟の完成が予定されており、機能拡張が進んでいる。
出典:https://www.massgeneral.org/
アメリカの主要病院企業3選〜日系編〜
Mount Sinai Doctors-Japanese Medical Practice (東京海上記念診療所)
マウントサイナイ・ドクターズ日本人医療部門(東京海上記念診療所)は、1990年に東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)の寄付を受けて設立された、日本人向けの医療機関である。ニューヨーク最大級の医療グループ「マウントサイナイ・ヘルスシステム」が運営する。
2026年時点でマンハッタンのミッドタウンと、日本人が多く暮らすウエストチェスター郡ハーツデール市の2拠点で診療を行い、いずれも日本語によるサービスを提供している。プライマリケアと内科診療を主体とする。
マウントサイナイのネットワークには数千名規模の医師が在籍しており、幅広い専門医への紹介が可能である。ハーツデール診療所では小児科や老年医療、人間ドックにも対応する。
日系医療機関の中で唯一、アメリカ医療施設認定合同機構(Joint Commission)の認定を受けており、アメリカの保険や海外旅行者保険を利用できる数少ない施設である。入院設備を持たない外来専門の診療所である。
出典:https://www.mountsinai.org/locations/msd-japanese-medical-practice/japanese
OSATO MEDICAL CLINIC (大里クリニック)
オオサト・メディカル・クリニック(大里クリニック)は、2001年3月に開業した、カリフォルニア州ロサンゼルス圏(トーランス地区)に立地する日本人夫妻経営の診療所である。日本人家庭にとってのプライマリーケア医(主治医)を担っている。
2026年時点で約26名のスタッフを抱える総合内科・消化器科を主体とする診療所であり、総合内科・肝臓内科・消化器内科を軸に診療を行う。院長は日米両国の医師免許を持ち、年間1,500件以上の内視鏡検査の経験を有する。
女性看護師も在籍し、婦人科検診や予防接種、健康診断にも対応する。予約の電話から診察まで一貫して日本語で対応できる点が特徴で、必要に応じて日本やアメリカの大規模病院への紹介状も作成する。
診療は平日を中心に行われ、対象は小学生以上である。入院設備を持たない外来専門の診療所として、在留邦人の日常的な医療を支える役割を果たしている。
出典:https://www.osatoclinic.com/
Kuraoka Clinic (倉岡クリニック)
倉岡クリニックは、ジョージア州・テキサス州・オハイオ州に展開する、日本人医師の倉岡真紀医師夫妻が経営する診療所である。木曜と日曜を定休とし、平日と土曜午前に診療を行っている。
2026年時点で0歳児からの小児科をはじめ、一般内科、人間ドック、婦人科検診、予防接種、ペインクリニック、禁煙外来、心理士や精神科医によるカウンセリング治療まで幅広く取り扱う。美容診療にも対応する。
ニューヨーク在住の精神科・心療内科専門医との遠隔診察に加え、Doxy.meの診療システムを用いたオンライン遠隔診療を導入しており、複数州や遠隔地の在留邦人にも医療を届けている。
日本語を話すスタッフが多く、予約の電話から診療まで日本語で受診できる点が強みである。日本の旅行者保険を利用する場合はキャッシュレスでの受診も可能となっており、幅広い層の日本人患者に利用されている。
出典:https://kuraokaclinic.com/
アメリカの主要病院企業1選〜外資編〜
San Francisco Chinese Hospital(サンフランシスコ中国人病院)
サンフランシスコ中国人病院は、カリフォルニア州サンフランシスコ市のチャイナタウンに立地する、アメリカで唯一の中国人病院である。非営利病院として運営されている。
起源は、言語の壁から一般の病院で受診を拒まれた中国人移民のために1899年に開設された診療所にさかのぼる。中国系団体が寄付を集めて病院建設を実現し、現在の病院は1925年に設立された。俳優ブルース・リーが生まれた病院としても知られる。
耐震上の課題を受け、2016年4月には8階建て・延床面積約10万平方フィートの新棟が完成した。病床数は従来の54床から88床へ拡張され、レベル4の救急センターや個室ICU、画像診断部門を備える。
病床稼働率の低迷など経営面の課題を抱えてきたが、2024年にはカリフォルニア州予算から約500万米ドルの配分を受け、20床超のケア病床を増設する計画を進めている。2026年時点も地域医療の担い手として存続している。
出典:https://chinesehospital-sf.org/
FAQ
アメリカの病院業界において、主要な病院企業の特徴は何ですか?
アメリカの主要な病院企業は、研究開発や最新技術導入に注力し、専門分野での評価や患者中心のサービス提供、地域密着型サービスに重点を置いています。
アメリカの病院の中で特に評価が高い施設はどれですか?
例として、マサチューセッツ総合病院やジョンズ・ホプキンス病院、マウントサイナイ・ヘルスシステムなどが、研究や臨床実績、患者サービスの面で高い評価を受けています。
アメリカの病院業界はどのような課題に直面していますか?
大規模病院の統合や中小病院の経営難、外国人患者への対応、テレヘルスの拡大や患者中心のサービス提供などが今後の課題として挙げられます。
日本人向けの医療サービスを提供するアメリカの医療施設にはどのようなものがありますか?
日本人向けの医療サービスを提供する施設には、東京海上記念診療所やOSATO MEDICAL CLINIC、大里クリニック、倉岡クリニックなどがあり、日本語対応や日本の保険利用が可能です。
アメリカの外国人患者対応において特に重要なポイントは何ですか?
言語対応や文化的配慮、保険の適用範囲、緊急対応の体制、そして地域や外国人のニーズに合わせたサービス提供が重要です。

