韓国のアパレル業界は、ビーンポールやSPAOなど国内ブランドとユニクロ・ザラなど海外SPAが激しく競合する市場です。オンライン販売の拡大とともに、主要企業はブランド刷新や環境配慮型素材の採用で消費者離れの防止に力を入れています。
今回は、そんな韓国のアパレル業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて16社の最新情報をお届けしていきます!
読了時間の目安:5分
韓国の主要アパレル企業11選〜ローカル編〜
BEANPOLE (ビーンポール)
サムスン物産ファッション部門が1989年に立ち上げた高級カジュアルブランドである。「ネオ・トレディショナル」を標榜し、米ポロ・ラルフローレンを想起させるトラッド路線を軸に、アパレルからゴルフ、雑貨、キッズまで幅広く展開する。2012年ロンドン五輪では韓国代表選手団のユニフォームを手掛けた。
運営元のサムスン物産ファッション部門は約35ブランドを抱え、2024年に3年連続で売上2兆ウォン台(約2兆200億ウォン)を突破した。公式サイト2026年時点では国内約1,201店舗・海外5拠点を運営する韓国最大級の総合ファッション事業体である。
近年は海外ブランドの攻勢や消費者の越境購入に直面しつつ、ゴルフ・アウトドアラインの拡張やデジタル強化、プレミアム路線への再編を進めている。これにより既存の中核顧客に加え、若年層の取り込みを図っている。
2026年時点でも百貨店・路面店・オンラインを軸に、韓国を代表するナショナルブランドとしての地位を維持している。
出典:https://www.beanpole.com/
8 seconds (エイトセコンズ)
エイトセコンズ(8 Seconds)は、サムスン物産ファッション部門が運営するファストファッション(SPA)ブランドである。2012年2月にソウルのカロスキル(街路樹通り)へ旗艦店を出店してスタートし、現在は路面店に加えショッピングモールや百貨店にも広く展開している。
ブランド名は、人が第一印象を認識する平均時間「8秒」と、無限(∞)に通じる数字の8、色を変える八色鳥に由来し、毎シーズン新しいコンセプトへ変化する即時性と多様性を掲げる。ベーシックよりもトレンド性に重点を置き、比較的若い感覚のデザインとフィット感を特徴とする。
運営元のサムスン物産ファッション部門は2024年に3年連続で売上2兆ウォン台を記録し、同ブランドはその中で大衆価格帯を担う中核SPAに位置づけられている。
2026年時点でもオンラインと実店舗を組み合わせ、国内SPA市場で存在感を保っている。
出典:https://www.ssfshop.com/8Seconds
SPAO (スパオ)
スパオ(SPAO)は、イーランドワールドが2009年に立ち上げた韓国初期のSPAブランドである。当時の市場トップランナーであったユニクロを目標に出発した経緯から、ベーシックを中心とする幅広いラインナップを特徴とする。
運営元のイーランドは、ニューバランスと並ぶファッションの主力として同ブランドを育成しており、2024年から2025年にかけて年商6,000億ウォン規模への到達を目標に掲げている。公式オンラインモールの売上が前年比で大幅に伸びるなど、デジタルとオフラインの両輪で成長している。
近年は10〜20代向けのキャラクターコラボやアイテム強化に加え、「エイジレス」戦略として30〜40代の取り込みも進め、顧客層を拡大している。
2026年時点でも国内主要商圏に加え海外にも出店し、韓国発SPAの代表格として位置づけられている。
出典:https://spao.com/
OY (オーワイ)
オーワイ(OY)は、キム・ビョンジュン代表が2016年に設立した韓国のデザイナーズファッションブランドである。設立当初から海外バイヤーの関心を集め、日本・シンガポール・中国など海外でも支持を広げてきた。
無彩色をベースに、幾何学的なシルエットやディテールを再解釈するデザインを特徴とする。ブランド名の「OPEN YARD」に象徴されるとおり、多様な要素を柔軟に融合させる世界観を打ち出している。
年4回のコレクションを発表し、20代を中心とした顧客層に加え、芸能人の着用でも注目される。公式オンラインストアやセレクトショップを軸に、国内外の流通網を維持している。
2026年時点でも独立系デザイナーズブランドとして自主展開を続けており、韓国のコンテンポラリー市場で一定の存在感を保っている。
出典:https://www.o-y.co.kr/
ADER ERROR (アーダーエラー)
アーダーエラー(ADER ERROR)は2014年に設立された韓国のファッション文化コミュニケーションブランドである。衣類にとどまらず、空間・デザイン・アートなど多方面の文化コンテンツを扱い、匿名性を帯びた独自の世界観で知られる。
設立から数年でベルリンやパリの有名セレクトショップ、SSENSEやNET-A-PORTERなど海外の主要オンライン流通に入店し、グローバルブランドとしての地位を確立した。
近年はソウル・聖水洞(ソンス)に旗艦店「アダー オブショップ」「アダー シグニフィカント」を相次いで開業したほか、2025年前後にはZARAとの協業プロジェクトを複数回展開し話題を集めた。国内外での知名度をさらに高めている。
2026年時点でも独立系ブランドとして直営店とグローバル流通を軸に展開し、韓国のデザイナーズブランドを代表する存在となっている。
出典:https://adererror.com/
LMC (エルエムシー)
エルエムシー(LMC、Lost Management Cities)は、兄弟ブランドLIFULから派生し2015年に独立した韓国のストリートファッションブランドである。カジュアル志向のLIFULとは異なる独自路線を打ち出し、短期間でシェアと知名度を高めてきた。
地球儀のロゴを中心に、進取的で挑戦的なデザインと日常的に着やすいベーシックを併せ持つ。人気アイテムは早期に完売することも多く、若年層の支持を集めている。
ヒップホップアーティストのブランドや大手企業とのコラボレーションを積極的に展開し、ストリートシーンでの露出を確保している。2018年には東京のアトモスへ入店するなど、早くから海外展開にも取り組んできた。
2026年時点でも公式オンラインストアやセレクトショップを通じて国内外で流通しており、韓国のストリートブランドとして継続的に活動している。
出典:https://www.lostmanagementcities.com/
KIRSH (キルシー)
キルシー(KIRSH)は、ビバスタジオとレシピの代表らが2008年に立ち上げ、若い世代を主対象とする韓国のストリートファッションブランドである。チェリー(さくらんぼ)のモチーフを大きく取り入れたデザインが象徴的で、主に赤と黒を基調とするアイテムを展開する。
初期には10〜20代に人気のファッションアプリを起点に認知度を築き、その後はK-POPアーティストとの協業や広告起用でブランド力を強化してきた。IVEのウォニョンやaespaのカリーナなど、人気アイドルの起用でも注目を集めている。
スローガン「Research and Creativity」のもと、若者の感性を反映した企画を継続し、独自のアイデンティティを保っている。
2026年時点でも公式オンラインストアや実店舗を通じて展開しており、韓国のヤングカジュアル市場で認知度を維持している。
出典:https://kirsh.co.kr/
ROMANTIC CROWN (ロマンティッククラウン)
ロマンティッククラウン(ROMANTIC CROWN)は、2009年に「人生はロマンティック」というスローガンを掲げてスタートした韓国のストリート・カジュアルブランドである。王冠をあしらったシンボルマークと遊び心のあるブランドアイデンティティで知られる。
多くの芸能人が着用したことで知名度を高め、国内のドメスティックシーンに加え、中国や日本など海外でも人気を集めてきた。
アイドルグループSEVENTEENのメンバーであるウジとの継続的なコラボレーションなど、話題性の高い企画を展開し、若年層への訴求を強めている。シーズンごとのコレクションを公式チャネルとセレクトショップで販売している。
2026年時点でも公式オンラインストアを軸に国内外で流通しており、独自の世界観を持つ韓国発カジュアルブランドとして継続的に活動している。
出典:https://romanticcrown.com/
ANDERSSON BELL (アンダーソンベル)
アンダーソンベル(ANDERSSON BELL)は、2014年にソウルで立ち上げられた韓国発のコンテンポラリーファッションブランドである。スカンジナビア文化に着想を得たクリエイティブディレクションから出発し、韓国的な視点で再解釈したユニークなデザインを特徴とする。
ブランド名は、スウェーデンの一般的な姓「Andersson」と韓国の伝統寺院を象徴する「Bell」を融合させたもので、東西の文化的要素を掛け合わせた独自のバランス感覚を打ち出している。
毎シーズン多様な国・地域の文化から着想したコレクションを発表し、国内外の有名セレクトショップやオンラインプラットフォームで流通している。近年はコラボレーションやグローバル展開の拡大(ブランド2.0)を進め、海外での評価を一段と高めている。
2026年時点でもグローバル市場で注目される韓国デザイナーズブランドとして展開を続けている。
出典:https://anderssonbell.com/
F&F (エフアンドエフ)
エフアンドエフ(F&F)は、ライセンスブランドの企画・運営を主力とする韓国の大手アパレル企業で、韓国取引所(KRX)に上場している。主力のMLBとアウトドアのDiscovery Expeditionを二本柱に、韓国有数の売上規模へと成長した。
売上構成はMLBが約65%、Discoveryが約23%を占める。とりわけMLBは中国で1,000店舗超を展開し、明洞や聖水など韓国の主要商圏でも訪韓外国人の需要を取り込んで好調が続いている。2026年第1四半期の売上は約5,609億ウォン(前年同期比10.9%増)、営業利益は約1,535億ウォン(同24.2%増)と高い収益性を示した。
Discoveryも中国出店を加速し、2024年末の5店舗から2025年に23店舗へ拡大した。加えて2026年にはフットウェアのヘトラス(SUPRA関連)を約1,540億ウォンで買収するなど、M&Aによる事業多角化を進めている。
2026年時点で中国売上比率が5割を超え、K-ファッションを牽引するグローバル企業として存在感を高めている。
出典:https://www.fnf.co.kr/
MUSINSA (ムシンサ)
ムシンサ(MUSINSA)は、韓国最大のオンラインファッションプラットフォームを運営する企業である。2001年にコミュニティサイトとして始まり、現在は数千のブランドを扱う総合ファッション基盤へと成長した。
2024年の年間取引額は約4.5兆ウォンに達し、連結売上高は約1兆2,427億ウォン(前年比25.1%増)、営業利益は約1,028億ウォンと黒字転換を果たした。プラットフォーム事業に加え、自社企画のPBを育成している点が特徴である。
主力PBのムシンサスタンダードはベーシックウェアを軸に急成長し、オフライン店舗を拡大、2025年には店舗数が30店を突破した。年間来店客数は1,200万人規模に達し、オンライン発ブランドの実店舗化の代表例となっている。
2026年時点でもプラットフォームとPBの両輪で成長を続け、韓国のアパレル流通を牽引する主要企業の一つとなっている。
出典:https://www.musinsa.com/
韓国の主要アパレル企業2選〜日系編〜
MUJI (ムジ)
無印良品(MUJI)は、1980年に日本で誕生した生活雑貨・衣料・食品などの総合ブランドである。「商標のない良い品」という思想のもと、シンプルで機能的な商品を展開し、良品計画がグローバルで事業を運営している。
韓国では、日本の良品計画60%とロッテ商事40%の合弁で設立された無印良品(株)が運営し、明洞のロッテヤングプラザに1号店を開いて以降、首都圏を中心に店舗網を築いてきた。
2019年の日本製品不買運動で打撃を受けたが、その後回復し、2024年には4年ぶりに黒字へ転換、売上は約1,804億ウォンと過去最大級を記録した。大株主のロッテショッピングは増資を通じて資本を追加投入し、オフライン店舗と品揃えの拡大を後押ししている。
2025年時点では、生活雑貨に加え食品や衣料を強化し、成長を再加速させる局面にある。
出典:https://www.muji.com/kr/
UNIQLO (ユニクロ)
ユニクロ(UNIQLO)は、日本のファーストリテイリング傘下のSPAブランドで、世界有数の規模を誇る衣料品企業である。韓国事業は、ファーストリテイリング51%とロッテショッピング49%の合弁会社エフアールエルコリアが運営している。
2004年に韓国法人を設立し、2005年にソウルへ出店して以降、全国へ店舗網を拡大した。韓国は同社にとって日本・中国に次ぐ主要市場のひとつに成長した。
2019年の日本製品不買運動で売上と店舗数が大きく落ち込んだが、その後は店舗網を最適化しつつ回復し、2024年8月期には5〜6年ぶりに韓国売上1兆ウォンを回復した。効率的な出店とベーシック商品の強みで収益性を取り戻している。
2025年以降も出店拡大やGUとの二枚看板を掲げ、韓国SPA市場で首位級の地位を維持している。
出典:https://www.uniqlo.com/kr/ko/
韓国の主要アパレル企業3選〜外資編〜
GUESS (ゲス)
ゲス(GUESS)は、1981年に米国で創業したファッションブランドである。デニムを軸に、時計やアクセサリー、下着、フレグランスなどを幅広く展開し、「セクシー、若さ、冒険」という一貫したブランドモットーを掲げてきた。
韓国市場には1990年代に進出し、中高生や20代の間で高価格帯デニムとして人気を博した。2007年の直進出以降はジーンズに加えシューズやアンダーウェアの国内展開を成功させ、ジーンズ市場でトップシェアを記録した実績を持つ。
その後はバッグ事業やアウトレット事業を拡充し、百貨店・アウトレット・オンラインを組み合わせた販売網を維持している。
2025年時点でも米系外資ブランドとして韓国での事業を継続しており、認知度の高いグローバルデニムブランドとしての地位を保っている。
出典:https://www.guesskorea.com/
ZARA (ザラ)
ザラ(ZARA)は、スペインのインディテックスを親会社とする世界最大級のSPAブランドである。多品種少量生産と企画から店頭までの短いリードタイムを武器に、ファストファッションの代表格として世界的な地位を築いている。
韓国では2008年にソウルの明洞と江南へ出店して以降、主要都市を中心に店舗を展開してきた。運営会社のザラリテイルコリアは、かつてのロッテとの合弁体制からインディテックス側が出資比率を引き上げるなど、法人体制の見直しを経ている。
近年はオンラインと実店舗を連動させたオムニチャネルを強化し、韓国のデザイナーズブランドとの協業など話題性のある施策も展開している。
2026年時点でもインディテックスの中核ブランドとして韓国主要商圏で展開を続け、グローバルSPAの代表格として存在感を保っている。
出典:https://www.zara.com/kr/
STUSSY (ステューシー)
ステューシー(STUSSY)は、創業者ショーン・ステューシーのサインを象徴とする、米国発ストリートウェアの代表的ブランドである。世界各地の「チャプター(Chapter)」ストアと限定商品で知られ、ストリートカルチャーを牽引してきた。
韓国では2008年にソウルへチャプターストアを開設し、その後は国内ディストリビューターのカシナ(Kasina)を通じて展開してきた。国内アーティストとのコラボレーションやチャプター限定商品、定期的なイベントで根強い人気を維持している。
カシナが運営してきたスチューシー・ソウル・チャプターは2025年3月末に営業を終了し、これに合わせてブランド本体による韓国への直進出(直営体制)への移行が進められている。
2025年以降は直営を軸とした新体制で韓国市場を運営する方向にあり、グローバルストリートブランドとしての存在感を維持している。
出典:https://kr.stussy.com/
FAQ
韓国のアパレル業界の主要企業はどれですか?
韓国の主要アパレル企業には、ローカル企業のBEANPOLE、8 seconds、SPAO、OY、ADERERROR、LMC、KIRSH、ロマンティッククラウン、アンダーソンベル、スタイルナンダなどがあります。
BEANPOLEについて教えてください。
BEANPOLEはサムスン物産ファッション部門が作った高級カジュアルブランドで、ネオ・トレディショナルを標榜し、2012年のロンドンオリンピックでは韓国代表選手団のユニフォームも手掛けました。若いイメージと高いA/S評価が特徴です。
エイトセコンズのブランドコンセプトは何ですか?
エイトセコンズはサムスン物産が運営するファストファッションブランドで、毎日新しいコンセプトに変身できる多様性と、8秒の認識時間を象徴したスピーディな商品展開を特徴としています。比較的トレンディで若々しいデザインが多いです。
SPAOの特徴と展開について教えてください。
SPAOは韓国の衣料ブランドで2018年現在70店舗を国内外に展開しており、ユニクロと類似したラインナップを持つことから、若い世代をターゲットにした商品展開が特徴です。再び30代~40代も取り込みつつあります。
ユニクロの韓国市場での規模と展開状況はどうですか?
ユニクロは韓国で186店舗を運営し、継続的に展開しています。韓国内のSPA市場で大きなシェアを持ち、国内外の競合ブランドに対しても高い認知度と売上を誇っています。

