韓国のスーパー・コンビニエンスストア業界は、イーマートやロッテマートなどの大型マートとCU・GS25といったコンビニチェーンが共存する市場です。店舗網の効率化やオンライン融合が進むなか、主要企業は不採算店舗の整理と収益性重視の運営への転換を加速させています。
今回は、そんな韓国のスーパー・コンビニエンスストア業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社の最新情報をお届けしていきます!
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韓国の主要スーパー・コンビニエンスストア企業8選〜ローカル編〜
Emart Inc. (イーマート)
イーマートは新世界(シンセゲ)グループが1993年に韓国初のディスカウントストアとして開業した、国内最大手のハイパーマーケット・チェーンである。2006年には米ウォルマート韓国法人を買収し、業界首位の地位を確立した。
大型店「イーマート」に加え、会員制倉庫型の「トレーダーズ」、体験型家電専門店「エレクトロマート」、低価格PB「ノーブランド」など多様な業態を展開する。2023年時点で国内店舗は約130店で、ベトナムやモンゴルにも出店している。
セルフレジや「スキャン&ゴー」、自動配送などリテールテックの導入を主導し、SSG.COMを軸にオンライン強化も進める。2024年通期は連結売上高約7.4兆ウォンで、同年第4四半期には営業損益が黒字へ転換した。
2026年に入っても業績改善が続くとの見方が強く、証券各社は買い推奨を維持している。オフライン店舗の効率化とオンライン収益の改善を両輪に、韓国流通業界の中核を担う存在であり続けている。
出典:https://store.emart.com/
Lotte Mart (ロッテマート)
ロッテマートは、ロッテショッピング(株)のロッテマート事業本部が運営する韓国の大型ディスカウントストア・ブランドである。1998年にソウルで1号店を開業し、食品から衣料・生活用品まで幅広く扱う総合小売業として成長した。
2023年時点で韓国内に約110店舗を展開し、イーマート・ホームプラスと並ぶ大型マート大手の一角を占める。ボトルバンカーやトイザらス、デカトロンなどカテゴリーキラー型の専門店も併設し、来店体験の差別化を図っている。
海外ではインドネシアやベトナムで店舗網を持つ一方、2016年にはTHAAD配備をめぐる中国側の報復措置を受けて中国市場から撤退した経緯がある。近年は不採算店の整理と店舗リニューアルによる収益改善を進めている。
親会社ロッテショッピングはスーパー事業(ロッテスーパー)とマート事業の統合運営を進め、商品調達や物流の効率化を強化している。2025年時点でもグローサリー分野の立て直しを経営の重点課題としている。
出典:https://company.lottemart.com/
NH Nonghyup Hanaro Mart (ハナロマート)
ハナロマートは、韓国の農業協同組合(農協・NACF)が運営する大型スーパーマーケット・チェーンである。1961年の総合農協発足に端を発し、1997年に現在の「ハナロマート」へ名称を統一して今日に至る。
農協が全国の農家から農畜産物を集荷・保管し、それを直接販売する仕組みを持つため、生鮮食品を中心に高い価格競争力を備える点が最大の特徴である。食品のほか生活用品や衣料も扱う。
店舗網は極めて広く、農協ハナロ流通・農協流通の直営店に加え、全国の地域農協が2,000店超のハナロマートを運営している。都市部の大型店から農村部の中小店まで規模は多様で、地域密着型の流通拠点となっている。
2025年時点でも国産農産物の消費拡大や農家所得の下支えという公共的役割を担い、オンライン注文や宅配など販売チャネルの多様化も進めている。営利企業とは異なる協同組合基盤の安定した事業構造を持つ。
出典:https://www.nhhanaro.co.kr/
E-Land Retail KIMS CLUB (キムズクラブ)
キムズクラブは、1995年にイーランドグループが百貨店の地下食品売場を活用して開業した食品中心の中大型ディスカウントストアである。ニューコアアウトレットやNC百貨店などグループ商業施設の一角で店舗を展開してきた。
食料品を軸に生活用品・化粧品・雑貨・家電まで幅広く扱い、2022年10月時点で計30店舗を運営していた。多くはイーランドリテールの流通店内に併設される形態をとる。2022年には配送企業オアシスマーケットへ出資し、生鮮のオンライン注文・配送で提携した。
運営主体をめぐっては動きが大きく、過去にKKRへの売却協議が不調に終わった後、新世界(シンセゲ)系列のイーマートが買収する形で決着した。これによりイーマートグループのグローサリー事業に組み込まれることになった。
2026年時点では、イーマートの調達網や物流インフラを活用した仕入れ効率化・商品力強化が期待されている。大型マートとは異なる中規模・都市近接型の割引店として、独自の顧客層を維持している。
出典:https://www.kimsclub.co.kr/
GS25 (ジーエス25)
GS25は、GSリテールが運営する韓国のコンビニエンスストア・チェーンである。前身は1990年に営業を開始した国内初のコンビニフランチャイズで、2005年のLGグループ分割に伴い現在のGS25へと改称した。
弁当やスナック、飲料に加え自社PBを幅広く展開し、店舗を軸にした即時配送やO2Oサービスにも注力する。「韓国で最も尊敬される企業」など対外評価でも上位の常連である。
2025年末時点の店舗数は約1万8,005店で、業界首位のCU(約1万8,711店)に次ぐ2位につける。同社は不採算店を整理する「スクラップ&ビルド」の収益性重視戦略へ転換し、店舗数は前年から微減したものの1店あたり売上は2025年に約4億9,650万ウォンへ増加した。
2026年第1四半期にはGSリテール全体の営業利益が前年同期比で大きく伸びるなど、収益改善が進んでいる。量的拡大からの転換を鮮明にしつつ、韓国コンビニ市場のトップ争いを続けている。
出典:http://www.gsretail.com/
CU (シーユー)
CUは、BGFリテールが運営する韓国最大のコンビニエンスストア・チェーンである。2012年に日本のファミリーマートとのライセンス契約を解消し、独自ブランドとして再出発した。
国内消費者の購買傾向に合わせた商品開発やPB展開に強みを持ち、店舗数で長年業界首位を維持している。2025年末時点の店舗数は約1万8,711店で、2位のGS25を約700店上回る。
海外展開にも積極的で、モンゴルに続き2021年にはマレーシアへ進出するなど、フランチャイズ方式で東南アジア市場を開拓している。国内が飽和局面に入るなか、海外を新たな成長軸に位置づける。
業界全体では2025年末の店舗数が初めて前年を下回るなど成熟が進むが、CUは2026年に純増約300店の出店を計画し量的拡大の姿勢を保つ。人件費上昇や競争激化のなか、商品力と海外事業の強化で首位の座を守ろうとしている。
出典:https://cu.bgfretail.com/
E-MART24 (イーマート24)
Eマート24は、新世界(シンセゲ)グループが運営する韓国のコンビニエンスストア・チェーンである。2003年に「ウィズミー」として出発し、2014年に新世界グループが買収、2017年に現在のブランド名へ変更した。
大型マートのイーマートと同じグループに属する強みを生かし、PB「ノーブランド」商品などをコンビニ向けに展開する。CU・GS25・セブンイレブンに次ぐ第4位のチェーンとして店舗網を広げてきた。
2022年には創業以来初めて年間営業黒字を達成し、同年の営業利益は68億ウォン、純売上高は約2兆1,181億ウォン、店舗数は約6,365店だった。無理な出店より収益性を重視する運営へ軸足を移している。
2021年にはマレーシアへ進出するなど海外展開も試みている。2025年時点でも上位3社との規模差は大きいものの、グループのグローサリー基盤を武器に差別化した商品構成で存在感を維持している。
出典:https://www.emart24.co.kr/
Storyway (ストーリーウェイ)
ストーリーウェイは、韓国鉄道公社(KORAIL)の子会社であるコレイル流通が運営するコンビニエンスストアである。韓国鉄道公社が全額出資する公企業を母体とし、事実上の公的資本によるコンビニ事業という特色を持つ。
出店は鉄道駅の構内が中心で、サンドイッチやおにぎりなどの軽食、飲料、雑貨を扱う。レールプラスやキャッシュビー、Tマネーといった交通系電子マネー決済に対応し、駅利用客の需要を取り込んでいる。
大手コンビニのような全国的な街頭出店は行わず、鉄道インフラと一体化した立地に特化する点が他社との最大の違いである。自動販売機の設置なども組み合わせ、駅ナカ小売の効率的な運営を志向する。
2025年時点でも鉄道旅客の回復を背景に駅構内小売の需要は底堅く、公共交通と結びついた安定した事業基盤を維持している。規模は大手に及ばないものの、駅ナカ業態の代表的プレイヤーとして独自の地位を占める。
出典:https://www.korailretail.com/
韓国の主要スーパー・コンビニエンスストア企業3選〜日系編〜
Korea Seven Co., Ltd. (コリアセブン)
コリアセブンは、ロッテグループ傘下で韓国のセブンイレブンを運営する企業である。1989年に1号店を開き、1999年にはコンビニ「ローソン」の店舗を大量に買収して規模を拡大した、韓国コンビニ業界の草分けである。
2022年には日本イオン系のミニストップ韓国法人を約3,133億ウォンで買収し、店舗のセブンイレブンへの転換を進めた。買収直後は約1万4,265店に達したが、統合シナジーは想定通りに進まず、不採算店の整理により2024年末の店舗数は約1万2,152店に減少した。
業績も低迷し、2024年の売上高は約4兆8,346億ウォンと前年から縮小、営業損益は約660億ウォンの赤字となった。2024年から2025年にかけて希望退職を実施するなど、コスト構造の見直しを迫られている。
2026年3月には創業以来初めて外部出身のキム・デイル氏を代表に迎え、収益改善に向けた立て直しを本格化させている。CU・GS25に次ぐ第3位のチェーンとして、市場シェアの回復が経営の最重要課題となっている。
出典:https://www.7-eleven.co.kr/
Trial Korea Co., Ltd. (トライアル)
トライアルコリアは、福岡に本社を置く日本の小売企業トライアルカンパニーの韓国法人である。日本流通業者トライアルの韓国支社という位置づけで事業を開始し、食品・日用雑貨・衣料などを扱うディスカウント業態を展開する。
2022年6月時点では、大型店トライアルやマックスストア、T&Fを合わせて26店舗(マート19店、T&F3店、飲食4店)を運営していた。リテール・ロジスティクス・レストラン・IT・フランチャイズの5事業を柱とする多角的な構成をとる。
親会社のトライアルは日本国内でスマートショッピングカートやセルフレジなど独自のリテールテックを強みに成長し、2024年に東京証券取引所へ上場した。韓国事業でもグループのIT・物流ノウハウを応用している。
韓国での店舗規模は大手ローカル勢に比べ限定的だが、2025年時点でも日系ディスカウントストアの代表的存在として、低価格を武器にした業態で独自の位置を占めている。
出典:https://www.trialmart.co.kr/
MONOMART (モノマート)
モノマートは、韓国のアパレル大手LFの100%子会社であるLFフードが運営する業務用スーパーマーケットである。LFフードが2017年に日本食材流通会社「モノリンク」を買収したことに始まり、同社が運営するマート業態がモノマートである。
もともとB2B(事業者間取引)を主力としていたが、その後は一般消費者向けの販売にも間口を広げた。串類や水産加工品、フライ類などの業務用食材から、家庭向けのHMRや各種ソース・食材まで幅広くそろえる。
3,000種類以上の商品を正規の輸入手続きと国内審査を経て流通させ、日本食材を含む多彩な品ぞろえを強みとする。ソウルの論峴店・蚕室店・江東店など、全国に50店舗規模の直営店とオンラインモールを展開している。
国内の外食事業者を主な顧客とするB2B会員制店舗として、飲食店の仕入れ需要を取り込んでいる。2025年時点でも日本食材流通に強みを持つ業務用スーパーとして、一般小売とは異なるニッチ市場で独自の地位を築いている。
出典:https://www.monomart.co.kr/
韓国の主要スーパー・コンビニエンスストア企業2選〜外資編〜
Costco Wholesale Corporation (コストコ)
コストコ(Costco Wholesale)は、会員制の倉庫型卸売流通を世界展開する米国企業である。韓国事業は1994年、新世界百貨店が米本社と合弁し「プライスクラブ」としてソウル・楊平洞に倉庫型店舗を設けたのが始まりである。
その後、1998年からはイーマート部門が運営を引き受け、2000年代に米コストコ本社が単独で韓国事業を統括する体制へ移行した。年会費を支払う会員に対し、大容量・低価格の商品を提供するビジネスモデルを一貫して展開している。
韓国は世界でも店舗当たり売上高が高い市場として知られ、かつては良才(ヤンジェ)店が全世界で売上首位を記録したこともある。店舗数を絞り込む一方で一店舗がカバーする商圏が広く、車での来店を前提とした交通至便な立地に出店している。
2025年時点でも韓国内で着実に店舗網を広げ、既存店の売上も堅調に推移している。会員制ならではの高い顧客ロイヤルティを背景に、外資系倉庫型スーパーの代表格として存在感を保っている。
出典:https://www.costco.co.kr/
HANNAM Supermarket (ハンナムスーパー)
漢南(ハンナム)スーパーマーケットは、カナダ西部を代表する韓国系スーパーマーケットであり、韓国ではソウル市龍山区漢南洞でも店舗を運営している。1994年にバンクーバーの韓国人社会へ初めて韓国産キムチを紹介した取り組みを源流とする。
その流れをくみ、1998年に「バンクーバー初の大型韓国系マート」として漢南スーパーマーケットを開業し、以後カナダ西部を代表する韓国系マーケットとして成長を続けてきた。在外韓国人コミュニティを支える食料品供給拠点として発展した。
顧客の8割以上を外国人が占める点が特徴で、各種パスタや香辛料、ソース、チーズのほか、一般精肉店では扱わない外国産の精肉・ハム、野菜、菓子などをそろえる。フランス産ワインやドイツ産ビールも取りそろえる。
韓国系食材と多国籍の商品を組み合わせた品ぞろえで、2025年時点でも在外韓国人と現地客の双方に支持されている。大手チェーンとは異なり、コミュニティ密着型の韓国系スーパーとして独自の存在感を保っている。
出典:https://www.hannamsm.com/
FAQ
韓国のスーパー・コンビニ業界の主要企業は何ですか?
韓国の主要スーパー・コンビニ業界には、ホームプラス、イーマート、ロッテマート、ハナロマート、ロッテ・GS25、CU、E-MART24、ストーリーウェイ、MONOMARTなどがあります。
韓国で最も店舗数が多いコンビニはどれですか?
韓国で最も店舗数が多いコンビニはCUで、2023年2月時点で1万6787店舗を展開しています。
韓国の主要スーパーの中でロッテマートの特徴は何ですか?
ロッテマートはインドネシアやベトナムに展開し、食品、果物、菓子、洋服、文具類など幅広く取り扱う大型ディスカウントストアで、韓国を代表する小売業者です。
韓国のスーパー・コンビニ業界の外資系企業にはどんなものがありますか?
アメリカのコストコや韓国の大手外資系コンビニチェーンのイーマート24などが代表的です。
韓国のスーパー・コンビニの中で売上高が高いのはどこですか?
売上高が高いのはGS25で、2022年度の売上高は7兆7801億ウォンに達しています。

