今回は、韓国のスーパー・コンビニ業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて14社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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韓国の主要スーパー・コンビニ9選〜ローカル編〜
Homeplus Co.LTD(ホームプラス)
韓国サムスングループと、英国に本社を置くテスコとが共同で運営していたが、現在はサムスンテスコとホームプラステスコが共同運営しているディスカウントストアブランドである。
1997年設立、全国133か所の大型マートとオンラインマーケット、比較的小型のホームプラスエクスプレス等を運営している国内を代表する大型マーケットである。2023年4月基準、ホームプラス133か所、ホームプラスエクスプレス328か所、物流センター9か所を運営している。
2022年、ホームプラスは大型マートの強みである新鮮食品を強化し、年内17か所の店舗をリニューアルし、新鮮食品の差別化に繰り出した。この他にもオフライン店舗をオンライン商品の配送基地として活用するマート直送を強化して既存店舗のオンライン物流機能をフルフィルメントセンターも続けて拡大すると明らかにした。
出典:https://corporate.homeplus.co.kr/index.aspx
Emart Inc.(イーマート)
1993年株式会社新世界が韓国内最初のディスカウントストアとしてオープン、2006年ウォルマートコリアの持ち分を引き継ぎ世界を驚かせた。
国内最大規模の物流センターと新鮮食品専用フレッシュセンター、ミートセンターなどを運営しており、流通企業としての位置づけ確保している。最近ではセルフ計算台、スキャン&GO、自動運転配送車両「eligo」などリテイルテックにつながる流通型式を主導している。
2023年現在、韓国の店舗総数129か所の他、ベトナム2店舗、モンゴル3店舗を持つ。大型マート形態の「イーマート」の他に、非会員制倉庫型マート「トレイダーズ」、体験型専門店「エレクトロマート」、自社ブランドを扱う「No Brand」等、多様な形態で店舗を構えている。
出典: https://store.emart.com/
LOTTE MART(ロッテマート)
ロッテマートは、ロッテショッピング(株)のロッテマート事業本部が運営する韓国の大型ディスカウントストアブランドだ。食品と果物、菓子、おもちゃ、洋服、文具類などが売られている。
2023年現在、112店舗を展開しており、韓国以外にもインドネシアに50店舗、ベトナムに15店舗展開している。以前は中国にも進出していたが、韓国のTHAADミサイル配備に反発する中国側の報復措置により、多数の店舗が営業禁止処分を受け休業状態となり、2016年に撤退している。ロッテマックスには6店舗がある。1998年に1号店をオープン以来、2000年末には売上高1兆ウォンを突破している。韓国を代表するディスカウントストアに成⻑している。
主要ブレンドとして、国内最大の食品専門店を志向するとともにボトルバンカー、ルームバイホームラップ、ロブスプラス、コリオリ、トイザラス、デカトロンなどカテゴリーキラー店舗を通じて顧客にショッピングの総合的な経験と喜びを与えている。
出典:https://company.lottemart.com/
NH Nonghyup Hanaro Mart(ハナロマート)
ハナロマートは、韓国の農協が運営する大型のスーパーマーケットである。食品、果物、菓子、おもちゃ、洋服、文具などが販売されている。農協が運営していることから、価格競争力を持っていることが特徴だ。農協は全国的にほぼすべての農⺠が生産した農産物を買い取って倉庫に保管している。
1961年の総合農協発足以来、農協は農村住⺠のために信用事業と生活物資事業を重点的に推進したが、生活物資事業の要体が「購買場」であった。農協購買場は1970年から「チェーン店」に体系化され、1997年からは「ハナロマート」に名前を変え、今日に至っている。
過去には、ハナロクラブという大型マートが存在し、ハナロマートは中小規模のスーパーマーケットという立ち位置だったが、現在は全てハナロマートに統一されている。農協ハナロ流通と農協流通がそれぞれ28店舗・40店舗、地域農協が2,081店舗のハナロマートを保有している。
出典:https://www.nhhanaro.co.kr/mbshome/mbs/nahh001/index.do
Eland Retail KIMSCLUB(キムズクラブ)
イーランドグループが運営する食品中大型ディスカウントストア。1995年6月1日にニューコア百貨店の地下食品店を活用して割引店事業をスタートしたのが始まり。その後、ニューコアアウトレット、2001アウトレット、NC百貨店、東亜百貨店などで食品専門の大型割引店に変身した。
食料品に限らず、生活用品や化粧品、雑貨、電化製品など幅広い商品を取り扱う。2022年10月時点で、計30のキムスクラブを運営しており、29店舗はイーランドリテール流通店地下1、2階または地上1階に、1店舗はイーランドタウンヒルズ金浦店で運営されている。
2022年6月、同社は配送業者「オアシスマーケット」の持分3%を買収し、新鮮食品のオンライン注文及び配送のための事業提携条約を締結した。
出典: https://www.elandretail.com/main.do?new_lang=000600KO
GS25
GS25(ジ-エス25)は1990年12月に営業を開始した大韓⺠国初のコンビニフランチャイズチェーンだ。現在はGSリテールのブランドであり、2005年3月にLGグループをLGグループ、GSグループ、LSグループに3分割した際に、現在のGS25に改名した。
お弁当やスナック菓子、飲料などを取り揃えており、プライベートブランドも展開している。「韓国で最も尊敬される企業」16年連続1位、「韓国産業の顧客満足度(KCSI)」16年連続1位、韓国サービス品質指数(KS-SQI)1位、合計16回受賞など公信力のある対外機関の評価結果につながっている。
GS25を運営するGSリテールコンビニ事業部の2022年度の売上高は、前年同期比7.9%増加の7兆7801億ウォン、営業利益は2.4%増加の2191億ウォンとなり、店舗数は1万6448店だった。
出典:http://www.gsretail.com/gsretail/ko/company
CU
CUは、2012年8月に新しく登場したコンビニブランドで、FamilyMartに代わって誕生した。2023年現在、CUの店舗数は1万6787店で、韓国のコンビニ業界では1位の規模である。初期には「withFamilyMart」という名前で運営していたが、上場後はBGFリテールという名称を用いている。
CUは国内消費者の特性や購入傾向を分析し、新しいコンビニエンスストアという立ち位置で運営を行っており、プライベートブランドも展開している。
2023年2月時点で、CUを運営するBGFリテールの売上高は前年比12.3%増の7兆6158億ウォン、営業利益は30.0%増の2593億ウォンを記録している。
海外進出に対しても積極的である。2017年にイランに進出し、テヘランなどに店舗を開いた。韓国のコンビニと多少違う点があるが、イスラム国家だけに当然酒類は売らない。2018年にはイラン経済制裁のため加盟契約を解除し、モンゴルに進出して運営中だ。2021年にはマレーシアにも進出した。
2019年7月にはビーシーカードのQRコード決済を導入した。2021年6月1日からレールプラスで商品決済とプリペイドカード金額チャージ、払い戻しを支援している。
また同時にCUレールプラスが発売された。イランに進出したコンビニエンスストアは、米国の経済財制とイランのパートナー企業であるエンテク合投資グループの財務の都合まで難しくなり、加盟金の支給など履行しないため、2018年に撤収した。
出典: https://cu.bgfretail.com/index.do
E-MART24
Eマート24(emart24)は、新世界グループが運営する大韓⺠国のコンビニエンスストアだ。2003年1月、ウィズミーが前身で、ソウルと首都圏を中心に事業を拡大し、2011年に100号店を突破した。
2014年1月、新世界グループがコンビニエンスストア事業進出のためにウィズミーを買収し、イマートの子会社に編入された。2016年7月1日からウィズミーFSからイマートウィズミーに法人名が変わり、2017年7月からイマート24にブランド名が変更された。2021年7月1日にマレーシアに進出した。
Eマート24は2022年、史上初めて営業利益が年間黑字を達成した。Eマート24の2022年の営業利益は68億ウォンで、前年同期比103%になった。純売上高は10.4%増加し2兆1181億ウォンを記録した。店舗数は2022年末時点で6365店舗だった。
出典:https://www.emart24.co.kr/
Storyway(ストーリーウェイ)
ストーリーウェイは、韓国鉄道公社の子会社であるコレイル流通によって運営されているコンビニエンスストアだ。出店場所は主に韓国鉄道公社が管轄している鉄道駅構内が多い。販売品目は、サンドイッチ、おにぎりなどの食料品や雑貨などが取り扱われている。電子マネーは、レールプラス、キャッシュビー、Tマネーで決済できる。またストーリウェイが設置している自動販売機も、前述の電子マネーで決済できる。
ストーリーウェイの運営主体であるコレイル流通はもともと公益会社であり、韓国鉄道公社が100%所有している子会社、大韓⺠国政府が100%所有している公企業である。
そのため、事実上政府が運営しているコンビニエンスストアとなる。コレイル流通に変わった理由は、大衆に公益会社のイメージがあまり良く思われていなかったためだった
出典:https://www.korailretail.com/
韓国の主要スーパー・コンビニ3選〜日系編〜
Korea Seven Co., Ltd. (コリアセブン)
コリアセブンは、ロッテグループ傘下でセブンイレブンを運営する企業である。1989年にオリンピック選手記者村に1号店が開設された後、1999年にコンビニエンスストアローソンの店舗を大挙買収し、その規模を増やした。現在は9,300以上の店舗数を保有している。
同社は世界18カ国で7.2万以上の店舗を運営するグローバルチェーンに成⻑した。セブンイレブンは昨年ミニストップ買収作業を終えながらミニストップ店舗をセブンイレブンに転換作業に集中している。
セブンイレブンが既存のミニストップ店舗多数を保有すれば「業界3強」構図も可能になる。韓国セブンによると、昨年末基準のミニストップからセブンイレブンに切り替えた店舗は850店だ。これはミニストップ全店舗(2600店)の33%に達する数値だ。
出典︓https://www.7-eleven.co.kr/
Trial Korea Co.,Ltd . ( トライアル )
トライアルカンパニーは小売業を中心に様々な事業を展開する日系企業で福岡に本社を置く。小売事業では、食品、日用雑貨、衣料品などを販売し、韓国においては日本流通業者トライアルカンパニーの韓国支社という立ち位置で始まった。2022年6月基準、トライアルコリアは26店舗(マート19店、T&F3店、カフェ/レストラン4店)を運営中だ。
トライアルコリアの事業はリテール/ロジスティックス/レストラン/IT/フランチャイズ5つに分かれる。リテールは、トライアル/マックスストア/T&Fに分けられる。
ロジスティックスは流通業者でよくある物流サービスであり、ITは関係会社トライアルカンパニーと同様に流通及び小売に関連するシステムを開発し構築する事業である。レストランはMUG(マグ)という名前で、フレンチャイズはトラウェル(+TRAWEL)名での展開となる。
出典:https://www.trialmart.co.kr/
MONOMART ( モノマート )
MONOMARTは韓国の業務用スーパーであり、日本食材なども取り扱う。LFの100%子会社LFフードは2017年4月に300億ウォンを投資し、日本食材流通会社「モノリンク」を買収した。モノマートはモノリンクが運営するマートだ。LFに買収される前にB2B(企業と企業間の取引)事業を主に行ったが、一般消費者を対象にモノマートも運営し始めた。
3,000種類以上の製品を正式な輸入手続きと国内の厳格な審査基準を通じて流通しており、全国50店舗以上のオフラインショップやオンラインショッピングモールを通じて、リーズナブルな価格で事業者と一般消費者に対している。
業者向けに串類、水産・水産加工品、フライ類などの製品はもちろん、一般消費者向けにはHMRや各種ソース、食材なども販売している。国内食堂事業者対象のB2B会員制店舗で、現在ソウルのノンヒョン店、蚕室店、江東店など全国50余りの直営店が営業中だ。
出典:https://www.monomart.co.kr/main/index.php
アメリカの主要スーパー・コンビニ2選〜外資系編〜
Costco Wholesale Corporation ( コストコ )
コストコ(英語︓Costco Wholesale Corporation)は米国の倉庫型卸売流通企業で、主にコストコ倉庫で物を販売する。
コストコ韓国事業の歴史は1994年、新世界百貨店が米国本社と合弁し、「プライスクラブ」という名前でソウル特別市永登浦区楊平洞に倉庫型マーケットを設立したのが始まりだ。初期には所管組織が量板事業部だったが、1996年新世界側組織改編によりチェーン事業本部に改編され、1998年からイマート部門が引き受けた。
韓国は店舗別売上高が世界最高水準だ。上海支店ができる前まで、両在店の売上高は世界1位だった。コストコ店舗の本数が多くないため、店舗一つ一つがカバーする領域が非常に広い方であり、ほとんどの店舗が車両を引っ張ってくる車載客を基本に意識しており、交通アクセス性も非常に良いところに設けられている。
出典:https://www.costco.co.kr/
HANNAM Supermarket ( ハンナムスーパー )
カナダ⻄部を代表する韓国人スーパーマーケットであり、韓国ではソウル市ヨンサン区ハンナム洞にて運営している。
その歴史はバンクーバーに初めてキムチを紹介したティーブラザーズにさかのぼる。1994年バンクーバー韓国社会に初めて韓国種キムチを紹介し、その時のその思いで1998年「バンクーバー初の大型韓国人マート」である「漢南スーパーマーケット」をオープンし、以後これまでカナダ⻄部地域の代表的な韓国市場として絶え間ない成⻑をしている。
外国人の客が80%以上を占める。いろんな種類のパスタ、香辛料、ソース、チーズ等、また一般精肉店では見ることができないほどの外国産精肉とハム、野菜、菓子等を販売している。フランス産伝統ワインとドイツ産ビールも備えている。
出典:https://www.hannamsm.com/

ソウル在住の韓国人。日本での在住経験は25年。日本の有名大学を卒業し、大手シンクタンクの正社員及び経営コンサルタントとして勤務。多くのプロジェクトに携わり、ビジネス戦略とイノベーションの分野で活躍。

