ベトナムの銀行業界は、BIDV・Vietcombank・VietinBank・Agribankの4大国営銀行が市場の中核を担い、TechcombankやVPBankなど民間行が急成長する構造です。金融包摂の推進とデジタルバンキングの普及を背景に、主要企業のフィンテック投資と不良債権対策が業界の焦点となっています。
今回は、そんなベトナムの銀行業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて26社の最新情報をお届けしていきます!
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ベトナムの主要銀行企業11選〜ローカル編〜
BIDV(Bank for Investment and Development of Vietnam)
ベトナム投資開発銀行(BIDV)は1957年設立の国営商業銀行で、ベトナム政府が約80%を保有する国家中核金融機関である。HOSEに上場し、国内外に幅広い金融サービスを提供している。
2025年12月末時点の総資産はVND 3.25京(約1,300億USD)に達し、前年比約20%増でベトナム銀行業界の総資産首位を維持した。税引前利益はVND 36,000億超と行の過去最高を更新。預金残高は前年比13.7%増、貸出残高は同15.2%増と堅調に拡大している。
海外ネットワークはラオス・カンボジア・ミャンマーに及び、国際シンジケートローンや貿易金融でも中心的役割を担う。デジタルバンキングへの積極投資も継続しており、法人・個人双方のオンラインサービス強化が進んでいる。
国内農業・インフラ・中小企業向け融資のほか、国家プロジェクトの主力資金調達行として機能する。Basel II対応も完了しており、健全性指標の改善が続く(出典:BIDV IR、State Bank of Vietnam統計、2025年)。
出典:https://bidv.com.vn
Vietcombank(Joint Stock Commercial Bank for Foreign Trade of Vietnam)
ベトナム外国貿易銀行(Vietcombank、VCB)は1963年設立の国営商業銀行であり、政府が約74%、みずほ銀行が約15%を保有する。HOSEに上場し、国内屈指の収益性と自己資本比率を誇る。
2025年12月末の総資産はVND 2.48京(約980億USD)で前年比約20%増。貸出残高はVND 1.66京超(同15%超増)、顧客預金はVND 1.68京超(同10%超増)と全指標で高い伸びを示した。BIDV・VietinBankとの三行合計税引前利益は約5,000億USD相当に達した。
外国為替・貿易金融・プロジェクトファイナンス分野での強みは国内随一であり、日系企業を含む外資系企業の主要取引行として広く活用されている。みずほ銀行との戦略連携のもとデジタルバンキングやESGファイナンスの推進にも注力している。
2026年には追加増資による自己資本強化が計画されており、Basel III対応に向けた体制整備も進んでいる(出典:Vietcombank IR、State Bank of Vietnam統計、2025年)。
出典:https://www.vietcombank.com.vn
VietinBank(Vietnam Joint Stock Commercial Bank for Industry and Trade)
ベトナム工商銀行(VietinBank、CTG)は1988年設立の国営商業銀行で、政府が約64%、三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)が19.73%を保有する。HOSEに上場し、国内有数の規模と収益力を誇る。
2025年の税引前利益はVND 43,446億(前年比約37%増)で過去最高を記録した。信用コスト大幅削減(前年比37%減)が利益急伸を支え、不良債権比率は1%を維持する高い資産健全性を示した。非利息収入は総収益の約27%を占め、収益の多様化も進んでいる。
2025年8月にMUFG CEOがベトナム首相と会談し、ESGファイナンスやグリーンボンド向け10億USD協調融資支援を発表するなど、日越連携はさらに深化している。国際金融センター構想の実現への協力意向も示している。
MUFGとの10年以上の戦略提携のもと、コーポレートガバナンス改善・リスク管理強化・デジタル化推進が図られている(出典:VietinBank IR、VietnamPlus、2025年)。
出典:https://www.vietinbank.vn
Agribank(Vietnam Bank for Agriculture and Rural Development)
農業農村開発銀行(Agribank)は1988年設立のベトナム最大の国営銀行であり、農業・農村・中小企業向け金融の国策機関として機能する。国内2,300以上の支店・取引所を持ち、農村地域への金融アクセスを担う最大のネットワークを有する。
2025年12月末の総資産はVND 2.6京以上(前年比20.3%増)に達した。預金は前年比17.6%増のVND 2.38京、貸出残高は同14.7%増のVND 2京超と安定成長を維持。税引前利益はVND 30,000億超(約1,220百万USD)で過去最高を更新し、不良債権比率は1.2%以内と近年最良の水準を達成した。
農業食品・輸出産業・農村インフラへの政策融資を主軸とし、農家や農業協同組合への低金利プログラムを通じてベトナムの食料安全保障を支えている。2025年には国家予算納入額トップ20企業にもランクインした。
未上場のため財務情報の公開は限定的だが、State Bank of Vietnamの監督下で健全性指標の改善が継続している(出典:Agribank公式発表、Vietnam.vn、2025年)。
出典:https://www.agribank.com.vn
Techcombank(Vietnam Technological and Commercial Joint Stock Bank)
ベトナム・テクノロジー商業銀行(Techcombank)は1993年設立の大手民間商業銀行であり、HOSEに上場している。富裕層・個人向けウェルスマネジメントおよびデジタルバンキングに注力した戦略で国内トップの民間銀行グループを形成している。
2025年12月末の総資産はVND 986兆(約390億USD)で民間銀行の上位グループを維持。同年の税引前利益はVND 23,600億(約9億USD)で前年比2.4%増と安定した収益性を示した。Q3単月で過去最高の約3億USD相当を記録するなど成長の勢いが持続している。
デジタルバンキングプラットフォーム「Techcombank Mobile」のユーザー数は急速に拡大しており、個人・法人双方の決済・融資・資産運用サービスのデジタル化を先導している。
Vietcombank・MB Bankと並ぶ「富裕層顧客向けトップ3行」に選定されており、リテール金融分野の競争力は国内最高水準である。収益基盤の多様化と資産健全性の維持を両立し、民間銀行として持続的成長を続けている(出典:Techcombank IR、Fintech Singapore、2025年)。
出典:https://www.techcombank.com.vn
VP Bank(Vietnam Prosperity Joint-Stock Commercial Bank)
ベトナム繁栄商業銀行(VP Bank)は1993年設立の大手民間商業銀行でHOSEに上場している。2023年に三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)が15%の株式を取得し、日越戦略的パートナーシップのもとで事業拡大を加速している。
2025年に民間銀行として初めて総資産がVND 1京(約417億USD)を突破した。同年の税引前利益はVND 20,400億(約816百万USD)で前年比約47%増という高い成長率を記録。SMBCが主幹事を務める10億USD規模のサステナビリティ連動型シンジケートローンを2025年5月に調達した。
消費者金融子会社FE Creditを通じたリテール融資や外国直接投資(FDI)企業向け法人融資でも国内有数の実績を誇る。FDI企業向け貸出残高は2024年にVND 3.7兆規模へと拡大した。
2025年5月施行のDecree 69/2025により、一部の取引行では外資保有上限が49%まで緩和され、今後の資本構成変化も注目される(出典:VP Bank IR、The Investor、State Bank of Vietnam、2025年)。
出典:https://www.vpbank.com.vn
MB Bank(Military Commercial Joint Stock Bank)
軍商業株式銀行(MB Bank、MBB)は1994年設立の大手民間商業銀行であり、もとは国防省傘下の金融機関として設立されたが、現在は総合金融グループとして個人・法人・機関投資家向けサービスを幅広く提供している。HOSEに上場している。
2025年12月末の総資産はVND 1,600兆超(約607億USD)で前年比43.1%増という業界最高の成長率を記録した。貸出残高はVND 1,000兆超(前年比40%増)、預金は同30%増のVND 921兆と飛躍的な規模拡大が実現した。税引前利益はVND 34,270億(約13億USD)で前年比18.9%増、目標を8.9%上回った。
Vietcombank・Techcombankと並ぶ「富裕層顧客向けトップ3行」に選定されており、ウェルスマネジメント・デジタルバンキングへの積極投資が顧客基盤拡大を後押ししている。
不良債権比率は連結ベースで1.5%前後、親行単体では1%未満と良好な資産健全性を維持しており、高成長とリスク管理を両立させた銀行として高い評価を得ている(出典:MB Bank IR、Vietnamnet、2025年)。
出典:https://www.mbbank.com.vn
ACB(Asia Commercial Joint Stock Bank)
アジア商業株式銀行(ACB)は1993年設立のベトナムの大手民間商業銀行であり、HOSEに上場している。30年超の業歴を持つ老舗行として、個人・中小企業・法人向けの幅広い金融サービスを展開している。
2025年12月末の総資産はVND 1京超(前年比18.7%増)に達し、年初計画の14%増を大きく上回る4.2%超過達成となった。2024年末の総資産は約335億USD相当で、2025年の目標はVND 985兆(約384億USD)に設定されていた。同年の税引前利益目標はVND 23,000億(約890百万USD)と設定された。
個人向け住宅ローン・消費者ローン・中小企業向けビジネスローンを主力とし、リテール金融における顧客基盤の強固さが収益安定の源泉となっている。デジタルバンキングへの投資も継続しており、モバイルアプリを通じた決済・貯蓄・投資サービスの拡充が進んでいる。
自己資本比率はBasel II基準を上回る水準で維持されており、不良債権管理においても業界内で高い評価を受けている(出典:ACB IR、Vietnam.vn、The Investor、2025年)。
出典:https://www.acb.com.vn
Sacombank(Saigon Thuong Tin Commercial Joint Stock Bank)
サイゴン通信商業株式銀行(Sacombank)は1991年設立のベトナムの老舗民間商業銀行であり、HOSEに上場している。2015年以降の大規模な経営再建プロセスを経て、国家管理下での不良債権処理と資産健全化を進めてきた。
2025年12月末の総資産はVND 800兆超に達し、国内主要銀行の上位グループを維持している。同年Q3の税引前利益は前年同期比111%増という急激な回復を示しており、長年の経営再建の成果が数字に表れ始めている。一方で2025年通期目標の達成については一部報道で課題も指摘されている。
国内ホーチミン市を中心とした強固な個人・中小企業向け顧客基盤を有し、預金・貸出・決済の各分野でリテール金融の実績を積み上げている。越南資産管理公社(VAMC)との協調による不良債権処理も進展しており、健全化後の成長フェーズへの移行が期待される。
IR体制の整備も進んでおり、財務透明性の向上と外部投資家・パートナーとの連携強化が今後の経営課題である(出典:Sacombank IR、Vietnamnet、Vir.com.vn、2025年)。
出典:https://www.sacombank.com.vn
SHB(Saigon – Hanoi Commercial Joint Stock Bank)
サイゴン・ハノイ商業株式銀行(SHB)は1993年設立のベトナムの中堅民間商業銀行であり、HOSEに上場している。設立から30年以上の業歴を持ち、個人・中小企業・法人向けの幅広い金融サービスを全国規模で展開している。
2025年12月末の総資産はVND 892.6兆(前年比19%増)に達した。信用残高はVND 619.5兆超(前年比16%増)、税引前利益はVND 15,028億(前年比30%増)と株主総会承認目標の104%を達成した。2026年にはVND 1京超の総資産達成を目標に掲げている。
2025年12月にThe Banker誌(英国)から「Bank of the Year 2025」を受賞し、グローバルな銀行業界での認知度を高めた。国内では地方中小企業・農業・製造業向け融資を強化しており、ベトナムの金融包摂促進にも貢献している。
デジタルバンキングへの投資継続とサービス収益拡大を軸とした中期成長戦略を推進しており、サービス収益は前年比154%増と急拡大している(出典:SHB IR、vietnam.vn、2025年)。
出典:https://www.shb.com.vn
Eximbank(Vietnam Export Import Commercial Joint Stock Bank)
ベトナム輸出入商業株式銀行(Eximbank)は1989年設立、1990年1月に営業を開始したベトナム初の輸出入専門金融機関であり、HOSEに上場している。設立以来、貿易金融・外国為替・法人向け融資を主軸とした総合商業銀行として発展してきた。
資本金はVND 12,335億(約4.8億USD)、自己資本はVND 13,317億に達し、民間商業銀行の中でも有数の自己資本規模を誇る。全国207拠点の支店・営業所ネットワークを通じて幅広い個人・法人顧客にサービスを提供している。
2025年の税引前利益はVND 1,511.7億を計上し、市場変動への備えとしてVND 1,526億の引当金を積み増した。長期的な経営安定化と健全性向上に向けた取り組みが継続されている。
貿易金融・外国為替・国際送金の分野における歴史的な強みを基盤に、現在はリテール金融・デジタルバンキングへの拡張を図っている。輸出企業や輸入取引に関与する中小企業の主要取引行として引き続き重要な役割を担っている(出典:Eximbank公式サイト、vnba.org.vn、2025年)。
出典:https://eximbank.com.vn
ベトナムの主要銀行企業4選〜日系編〜
MUFG Bank Vietnam(三菱UFJ銀行ベトナム)
三菱UFJ銀行ベトナム(MUFG Bank Vietnam)は三菱UFJフィナンシャルグループのベトナム法人拠点であり、ハノイ・ホーチミン市を中心に法人向け金融サービスを展開している。MUFGはVietinBankの19.73%株式を保有し、2013年の戦略的提携から10年以上の深い連携を維持している。
日系製造業・商社を中心とする法人向けに、プロジェクトファイナンス・貿易金融・シンジケートローン・為替取引などの多様なサービスを提供し、VietinBankとの協働によりコーポレートガバナンス向上やデジタル化促進にも貢献してきた。
2025年8月にMUFGのCEO亀澤氏がベトナム首相と会談し、ESGファイナンスおよびグリーンボンド向け10億USD規模の協調融資支援を発表した。ベトナム国際金融センター構想への協力意向も示している。
2025年12月にはシンガポールへの新トレーディング法人設立など、アジア拠点強化が続いており、ベトナム市場への長期的なコミットメントが維持されている(出典:VietnamPlus、The Investor、MUFG Newsroom、2025年)。
出典:https://www.bk.mufg.jp/global/asia/vietnam/
SMBC Vietnam(三井住友銀行ベトナム)
三井住友銀行ベトナム(SMBC Vietnam)は三井住友フィナンシャルグループのベトナム現地法人であり、ハノイおよびホーチミン市に拠点を置く。2023年にVP Bankの株式15%(以降15.01%)を取得し、戦略的パートナーとして同行の事業展開を支援している。
法人向けサービスを主力とし、日系企業・FDI企業向けの貿易金融・プロジェクトファイナンス・ワーキングキャピタル融資において豊富な実績を持つ。2024年にはVP Bank経由のFDI向け貸出がVND 3.7兆規模へと拡大した。
2025年5月にSMBCが主幹事として10億USD規模のサステナビリティ連動型シンジケートローンをVP Bank向けに組成し、ベトナムのグリーンファイナンス推進における存在感を示した。
グローバルネットワークを活かしたクロスボーダー決済・サプライチェーンファイナンスにも注力しており、ベトナムと東南アジア・日本・欧米を結ぶ金融ハブとしての役割を担っている(出典:SMBC公式サイト、The Investor、VP Bank IR、2025年)。
出典:https://www.smbc.co.jp/asia/vietnam/
Mizuho Bank Vietnam(みずほ銀行ベトナム)
みずほ銀行ベトナム(Mizuho Bank Vietnam)はみずほフィナンシャルグループのベトナム拠点として、ハノイおよびホーチミン市の2支店を通じて法人・機関向け金融サービスを展開している。2011年にVietcombankの普通株式15%を取得し、ベトナム最大規模の日系銀行戦略投資の一つとなった。
2拠点に300名超の従業員を擁し、日系・多国籍企業および国内大企業向けに貿易金融・シンジケートローン・プロジェクトファイナンス・外国為替取引などの総合的な法人金融サービスを提供している。
2026年にはVietcombankの増資に合わせた6.5%追加持分取得が計画されており、長期パートナーシップのさらなる深化が見込まれる。Decree 69/2025の施行による外資保有上限の緩和は今後の出資比率見直しの機会となる可能性がある。
ベトナムを東南アジア戦略の重点拠点と位置づけ、現地通貨建て融資・ESGファイナンス・クロスボーダー決済などの分野で事業規模の拡大を続けている(出典:Mizuho Asia Pacific公式サイト、Vietnam Investment Review、2025年)。
出典:https://www.mizuhogroup.com/asia-pacific/vietnam
SBI Group Vietnam(SBIグループ/TPBank出資)
SBIグループはシンガポール法人「SBI Ven Capital Pte. Ltd.」を通じてティエンフォン商業銀行(TPBank)の株式20%を保有しており、ベトナム銀行業界における有力な日系戦略投資家として位置づけられる。TPBankはデジタルバンキングと個人向け金融サービスに強みを持つ中規模商業銀行である。
SBIグループはさらにMB Bankとの合弁で消費者金融会社「MB Shinsei Consumer Credit Finance LLC」を設立・運営しており、ベトナムのリテールファイナンス市場にも直接参加している。
2025年の財務報告でSBIグループはベトナム事業が損失フェーズを脱して安定化に向かっていることを明示。2029年3月までに海外利益比率30%を目標とし、ベトナムをアジア事業の戦略拠点と定めている。
AI・フィンテック技術とTPBankのデジタルバンキング基盤を組み合わせた協業も検討されており、日越間のフィンテック連携拡大が期待される(出典:SBI Holdings決算資料、SBI Ven Capital公式サイト、Vietnam.vn、2025年)。
出典:https://www.sbivencapital.com.sg
ベトナムの主要銀行企業11選〜外資編〜
HSBC Vietnam(HSBCベトナム)
HSBCベトナム(HSBC Bank (Vietnam) Ltd.)は1995年設立の英国系大手銀行であり、完全子会社として認可された最初の外資系銀行の一つである。個人・法人・機関投資家向けの幅広い金融サービスを全国規模で提供し、外資系銀行としては最大級のプレゼンスを誇る。
個人向けにはリテールバンキング・住宅ローン・クレジットカード・ウェルスマネジメントを、法人向けにはグローバルバンキング・貿易金融・キャッシュマネジメント・プロジェクトファイナンスを提供している。
マクロ経済調査の発信においても業界内で高い存在感を持ち、2025年にはベトナムのGDP成長率予測を7.9%(従来6.6%)へ上方修正した。2026年は6.7%と予測している。2025年11月にはアプリの新規口座開設機能が拡充されるなどデジタル化も推進している。
グローバルネットワークを活用した日本・欧米・アジア各国とのクロスボーダー取引支援においても強みを発揮しており、ベトナム進出外資企業の主要取引行として長年機能している(出典:HSBC Vietnam公式サイト、The Investor、Vietnamnews、2025年)。
出典:https://www.hsbc.com.vn
Standard Chartered Vietnam(スタンダードチャータードベトナム)
スタンダードチャータードベトナム(Standard Chartered Vietnam)は英国スタンダードチャータードグループのベトナム法人であり、ハノイおよびホーチミン市を中心に法人・個人向け金融サービスを展開する外資系銀行である。
法人向けには貿易金融・キャッシュマネジメント・シンジケートローン・外国為替取引を、個人・富裕層向けにはプライベートバンキング・ウェルスマネジメント・住宅ローンを提供している。外資系銀行としてのブランド信頼性と国際決済ネットワークを強みに、越境送金・外貨調達の分野で競争力を持つ。
2025年にはベトナムのGDP成長率予測を7.5%(従来6.1%)へ大幅上方修正し、国内外の投資家・企業向け経済調査の発信でも存在感を示している。2026年は7.2%成長を予測している。
ESGファイナンス・グリーンボンド・SDGs関連融資においても積極的な姿勢を示しており、ベトナムのサステナブルファイナンス市場の発展に貢献している(出典:Standard Chartered公式発表、Vietnamnews、2025年)。
出典:https://www.sc.com/vn/
Woori Bank Vietnam(ウリィ銀行ベトナム)
ウリィ銀行ベトナム(Woori Bank Vietnam)は韓国ウリィ金融グループのベトナム完全子会社であり、1997年に同国へ進出した後、2017年にハノイで現地法人(Woori Vietnam Limited Liability Bank)として設立された。外資系銀行として最大規模の資本金を有する。
2024年に資本金をVND 12.5兆(約5億USD)に増資し、外資系銀行の中で資本規模トップの地位を確立した。個人向けリテールバンキング・住宅ローン・自動車ローンから法人向け貿易金融・プロジェクトファイナンスまで、サービス領域の拡充が図られている。
韓国系FDI企業が多数集積するハノイ・ホーチミン市・ダナン・ビンズオン・ドンナイへのネットワーク展開により、韓国系製造業・電子部品産業を主要顧客として抱えている。2024年にはダナン新支店も開設した。
個人向けデジタルバンキングにも注力しており、モバイルアプリを通じた口座開設・送金・定期預金などのサービス拡充が続いている(出典:Woori Bank Vietnam公式サイト、VietnamPlus、Vietnamnet、2024年)。
出典:https://woori.com.vn
ANZ Vietnam
ANZベトナム(ANZ Vietnam)はオーストラリア・ニュージーランド銀行グループのベトナム完全子会社として1993年に設立された、ベトナムで最も歴史ある外資系銀行の一つである。2017年に個人向けリテール事業をShinhan Bank Vietnamへ移管し、法人・機関投資家向けに特化した事業モデルへ転換した。
現在は大手多国籍企業・国内大企業・金融機関を対象に、貿易金融・外国為替取引・シンジケートローン・キャッシュマネジメントの各サービスを提供している。オーストラリア・ニュージーランド・東南アジアとのクロスボーダー取引支援において競合優位を持つ。
2024年9月には資本金をVND 5兆(約1.96億USD)へ増資する認可を取得し、法人向けサービス拡充に向けた財務基盤を強化した。ベトナム市場への長期的なコミットメントを示すものとして評価されている。
ANZグループのアジア太平洋戦略においてベトナムは重要拠点として位置づけられており、インフラ・エネルギー関連の大型融資でのプレゼンスも維持している(出典:The Investor、Vietnam Briefing、2024年)。
出典:https://www.anz.com/vietnam/
Citibank Vietnam(シティバンクベトナム)
シティバンクベトナム(Citibank Vietnam)は1975年にベトナムへ初進出し、1994年に米国銀行として初めて全支店設立ライセンスを取得した外資系銀行の先駆者である。ハノイ・ホーチミン市の2拠点で30年以上の事業実績を持つ。
2022年に親会社シティグループがベトナムの消費者金融事業をUOBへ売却することを発表し、2023年に移管が完了した。現在Citibank Vietnamは個人向けリテールバンキングの新規受付を2025年に終了し、法人・機関投資家向けサービスに特化した運営体制へ移行している。
フォーチュン500企業向けを中心とした法人バンキング・国際貿易金融・キャッシュマネジメントで引き続き存在感を維持しており、年間900億USD超の国際貿易フローを支援している。
2025年12月にはベトナム人として初めてNgo Thi Hong Minh氏が総支配人に就任し、30年以上の歴史において初めてのベトナム人トップとして注目を集めた(出典:vietnam.vn、hubbis.com、Citibank Vietnam公式サイト、2025年)。
出典:https://www.citibank.com.vn
Public Bank Vietnam(パブリックバンクベトナム)
パブリックバンクベトナム(Public Bank Vietnam Limited)はマレーシアの大手銀行Public Bank Berhad(PBB)の完全子会社であり、2016年3月に100%外資銀行として設立・営業を開始した。前身はBIDVとPBBの合弁「VID Public Bank」(1992年設立)であり、2016年の完全子会社化によりベトナムで6番目の完全外資銀行となった。
現在の資本金はVND 6兆(約2.3億USD)を確保している。ハノイ・ホーチミン市を中心に全国17支店・9取引所の計26拠点ネットワークを通じて、個人向け預金・住宅ローン・インターネットバンキング、法人向け運転資金融資・貿易金融などの総合的な金融サービスを提供している。
マレーシア系FDI企業の主要取引行として、日系・欧米系企業にも幅広くサービスを提供している。2025年にはOracle FLEXCUBEコアバンキングシステムを導入し、業務効率化とデジタルバンキング基盤を強化している(出典:Public Bank Vietnam公式サイト、Wikipedia、2025年)。
出典:https://www.publicbankberhad.com.vn
UOB Vietnam(UOBベトナム)
UOBベトナム(United Overseas Bank Vietnam)はシンガポールの大手銀行UOBグループのベトナム子会社であり、1993年の駐在員事務所開設を経て1995年にホーチミン市で支店を開設した。シンガポール系銀行で唯一ベトナムに完全子会社を持つ外資系銀行である。
2023年にCitibank Vietnamのリテール事業を買収し、個人・中小企業・法人向けの総合的な金融サービスを提供する規模へ大幅に拡張した。2025年4月には資本金をVND 10兆(約S$520百万)に増資し、外資系銀行として第2位の資本規模を確立した。ハノイ・ホーチミン市の5拠点に約1,500名の従業員を擁する。
デジタルバンキングプラットフォームへの積極投資も進めており、新システムの2025年中リリースを計画している。新本社「UOB Vietnam Plaza」の建設も予定されており、ベトナム市場への長期的なコミットメントを示している(出典:UOB Vietnam公式サイト、hubbis.com、2025年)。
出典:https://www.uob.com.vn
Shinhan Bank Vietnam(シンハンバンクベトナム)
シンハンバンクベトナム(Shinhan Bank Vietnam)は韓国シンハン金融グループのベトナム完全子会社であり、約30年のベトナム事業歴を持つ韓国系最大手銀行である。2017年にANZ Vietnamの個人向けリテール事業を引き継ぎ、リテール・法人双方の総合銀行へと発展した。
2025年の総資産はVND 250,491億(前年比22%増)に達し、貸出残高は同23.08%増と急成長を記録した。World Economic Magazine(英国)から「Fastest growing SME bank Vietnam 2025」賞を受賞している。全国46支店・営業所のネットワークを通じて個人向け住宅ローン・消費者ローン、法人向け貿易金融・FDI企業向けサービスを幅広く提供している。
2025年にはVisaと連携したGlobal Trade Payment Platform(GTPP)のベトナム初導入、9PayとのPOS決済協業を推進するなどデジタルバンキングの革新を加速している(出典:Shinhan Bank Vietnam公式サイト、theinvestor.vn、2025年)。
出典:https://shinhan.com.vn
BNP Paribas Vietnam(BNPパリバベトナム)
BNPパリバベトナム(BNP Paribas Vietnam)はフランスの大手銀行BNPパリバのベトナム拠点であり、1989年に東南アジアで最初に進出した国際銀行の一つとして、1992年にフルブランチバンキングライセンスを取得した。ホーチミン市・ハノイの2拠点で運営されている。
業務はコーポレート・インスティトゥーショナルバンキングに特化した完全法人・機関専業モデルである。貿易金融・キャッシュマネジメント・サプライチェーンファイナンス・プロジェクトファイナンスが主要サービスであり、インフラ・通信・エネルギー分野での大型プロジェクトファイナンスで業界をリードする。
東南アジア全体で4,000社超の法人・金融機関顧客基盤を持つ。2025年4月にLoan Pham氏をHead of Territoryに任命し、ASEAN重点市場としてのベトナムの位置づけを強化した(出典:BNP Paribas APAC公式サイト、2025年)。
出典:https://vietnam.bnpparibas.com
ICBC Vietnam(中国工商銀行ベトナム)
中国工商銀行ベトナム(ICBC Vietnam)は中国最大の国有商業銀行・中国工商銀行(ICBC)のベトナム拠点であり、2009年12月16日にハノイ支店が正式に設立・営業を開始した。2018年にはホーチミン市にも駐在員事務所を開設している。
ベトナムにおける主な役割は、電力・高速道路・高速鉄道・港湾・通信などのインフラ分野における中国系プロジェクトファイナンスの提供であり、ベトナムの国家経済開発を支援する金融機関として位置づけられている。提供サービスは預金・送金・融資・外国為替・貿易金融・国際決済・eバンキングに及ぶ。
2024年には中国系銀行として初めてベトナム銀行協会(VNBA)の準会員として加入し、ベトナム銀行業界との連携強化への意欲を示した。同年の年次報告書では「五つの転換」(インテリジェントリスク管理・デジタル化推進・収益多様化等)を軸とした業務高度化戦略を発表している。
ベトナム・中国間の貿易・投資の拡大に伴い、中国系FDI企業の主要取引銀行としての役割が今後さらに拡大する見通しである(出典:ICBC公式サイト、vnba.org.vn、2024年)。
出典:https://www.icbc-ltd.com
JPMorgan Chase Vietnam(JPモルガン・チェースベトナム)
JPモルガン・チェースベトナム(JPMorgan Chase Bank N.A. Vietnam)は米国最大手の金融機関JPモルガン・チェースのベトナム拠点であり、1995年から直接的な現地プレゼンスを維持している。ホーチミン市支店とハノイ駐在員事務所を通じて運営されている。
業務は大手多国籍企業・国内大企業・金融機関向けの法人専業モデルであり、貿易金融・外国為替・マネーマーケット・コーポレートバンキング・投資銀行アドバイザリー・資本市場ソリューションが主要サービスである。ベトナムへの参入以来、コーポレートバンキング・外国為替・マネーマーケットへと事業領域を拡大してきた。
産業・テクノロジー・インフラ・エネルギー分野の大手企業のベトナム進出を支援しており、クロスボーダー取引・M&Aアドバイザリー・プロジェクトファイナンスでの専門性を強みとする(出典:J.P. Morgan Vietnam公式サイト、AmCham Vietnam、2025年)。
出典:https://www.jpmorgan.com/VN/en/about-us
FAQ
ベトナムの民間銀行で特に成長が著しい例はどの銀行ですか。
民間銀行の中ではTechcombankやVPBankをはじめとする企業が急成長しており、デジタル化とウェルスマネジメントの強化を通じて市場での地位を高めています。
日系・外資系のベトナム拠点として代表的な銀行はどれですか。
MUFG Bank Vietnam・SMBC Vietnam・Mizuho Bank Vietnam・HSBC Vietnam・Standard Chartered Vietnam・Woori Bank Vietnam・Citibank Vietnam などが代表的です。これらは法人向けサービスやデジタル化、グローバルネットワークを活用したクロスボーダー取引を展開しています。
ベトナムの銀行業界におけるデジタルバンキングの展開はどう進んでいますか。
国内外の銀行がデジタルバンキングへの投資を継続しており、個人向けのモバイル決済やオンライン口座開設、ウェルスマネジメント、企業向けのオンライン決済・資産運用サービスの拡充が進んでいます。
2025年末時点で総資産が最も大きい銀行はどこですか。
2025年末時点で総資産が最も大きい銀行はBIDVで総資産は約VND 3.25京(約1,300億USD)に達しています。

