韓国の飲食・食料品業界は、伝統食品と革新的なフュージョン料理が共存し、健康志向やプレミアム志向が高まっているのが特徴です。酒類市場では、マッコリや焼酎が根強い人気を持ちながら、クラフトビールや輸入ワインの需要も増加しています。特にデジタルマーケティングや宅配サービスが業界成長を後押ししています。
この記事では、統計データを用いて韓国の飲食・製造業(食品)業界の最新情報をお届けしていきます!
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韓国の外食・中食〜統計データ〜
COVID19以降の外食業配達サービス
配達アプリを利用する企業が3年間で7.6%(2018)、11.2%(2019)、19.9%(2020)と、急速に増加した。また、配達代行サービスを使用する企業も5.4%(2018)、10.0%(2019)、15.4%(2020)の割合で増加した。
また、2020年の外食業者の1日平均訪問者数は、47.7人で前年比6.4人減少しているものの、配達・テイクアウトの増加分は0.3件であった。1社当たりの敗尾辰・テイクアウト件数は2019年には2018年に比べて大幅に増加したが、2020年には2019年に比べ増加幅が小さかった。
もっとも、配達アプリや配達サービスの利用が急増したとしても、「企業としては、配達件数増加に伴う渋滞や、1回あたりの平均配達売上の減少、配達手数料の引き上げ等に伴い、売上高を実感することは難しかったと考えられる」(出典元参照)と述べられている。
出典 : https://www.atfis.or.kr/home/board/FB0003.do?act=read&bpoId=3760&bcaId=10010
COVID19以降の外食業配達サービス
地域別雇用状況によると、2020年上半期の外食就業者数は、193.4万人で2019年下半期比10.0(21.4万人)も減少したが、2020年下半期の就業者数は7千人増加したことが分かった。
また、2020年上半期1週間の平均就業時間も40.5時間で前年下半期比2.4時間減少したが、2020年下半期には41.6時間で1.1時間増加したことも明らかになった。
また、外食業者はパンデミックに起因する経営不安定のために比較的解雇が容易な一次雇用と日雇いに大きく依存していることも明らかとなった。
労働時間を基準とすると、章要労働者が占める割合は少しの減少であったが、臨時職や日雇い職は小幅の増加がみられるためである。
出典:https://www.atfis.or.kr/home/board/FB0003.do?act=read&bpoId=3760&bcaId=10010
韓国のカフェ・スイーツ事情〜統計データ〜
市場の拡大に比べて不十分な法と制度
2020年基準のコーヒーフランチャイズ店舗数は約1万7千店舗で、2016年以降毎年増加しており、コーヒーフランチャイズブランド数は387店舗主要コーヒー専門店の最近3年間の店舗数を調査した結果、上位3ブランドの順位は変動ないが、低価格ブランドが躍進。
店舗数上位6つのコーヒー専門店を対象に2020年の売上高を比較した結果、コーヒー専門店(スターバックス)の売上高(約1兆9千億ウォン)が残りの5社の売上高(約8千100億ウォン)を大きく上回る。
店舗数上位6つのコーヒー専門店を対象に2020年の売上高を比較した結果、コーヒー専門店(スターバックス)の売上高(約1兆9千億ウォン)が残りの5社の売上高(約8千100億ウォン)を大きく上回る。
出典:韓国消費者院
価格·サービスに対する満足度が低い
国内コーヒー消費量及びコーヒー専門店上位7つのコーヒー専門店に対する消費者満足度および利用実態を韓国消費者院が調査した結果、総合満足度は平均3.86点で、スターバックスが3.99点で最も高く、次いでコーヒービーンコリア、ハリスコーヒー順で、コーヒー専門店サービス商品要因別満足度は「注文および決済」が3.95点で最も高く、「価格およびサービス」は3.66点で最も低く、品質対比価格や付加特典に対する消費者満足度が低い。
「価格およびサービス」ではメガコーヒーが、「利用空間」ではコーヒービーンコリアがそれぞれ1位を占めた。韓国消費者院は今後も消費者の合理的選択及び事業者のサービス改善活動のためのオーダーメード型情報を提供する予定であるという。
出典:韓国消費者院
韓国の加工食品〜統計データ〜
国内シリアル市場規模
シリアル類とは、トウモロコシ、小麦、米などの穀類を主原料としてビタミン類や無機質類などの栄養成分を強化、加工したもので、必要に応じて野菜、果物、ナッツなどを加えて製造・加工したものをいう。
2021年の国内シリアル市場は1,837億ウォンで前年比3.7%減少したが、グラノーラ・ミューズリー市場は堅調な成長を見せている。2018年512億ウォンに過ぎなかったグラノーラミューズリー市場は2021年1,034億ウォンで101.9%増加し、既存シリアル市場の強者であるフレーク市場を上回り、2022年基準で1,171億ウォン規模になると予想される。
グラノーラ市場の成長理由は、健康に対する関心が高まり、シリアルを購入する際に栄養成分を考慮する消費者が増え、手軽に様々な味と栄養素を一緒に摂取できるグラノーラが注目されるようになったと分析される。
出典:FIS 食品産業統計情報
消費者が願うアイスクリーム
アイスクリームは冷凍状態で流通され、季節の影響を多く受ける品目だったが、最近では消費チャネルがオンライン、宅配など多様化し、季節を問わず楽しむ習慣的な消費製品に変化している。
これにより、アイスクリームの市場規模及び販売量は持続的に拡大する傾向を示している。消費者の嗜好が細分化され、食品業界に健康、エコトレンドが広まり、アイスクリーム市場にもこれを反映した製品が発売されている。
他の加工食品と同様、健康に良い材料、植物性材料を使用した製品、環境に無害な材料で包装した製品などが発売されている。アイスクリーム市場で目立つトレンドは、消費者が異色の味と食感に注目している点である。甘い味と塩味を同時に感じる「甘辛い」、お酒の味を再現した製品、すっきりしたハーブ味などがその例である。
出典:FIS 食品産業統計情報
韓国の食品卸〜統計データ〜
オンラインを通じた食品購入
韓国農村経済研究院の調査によると3321世帯のうちオンラインを使用して食品を購入したことがる世帯が63.3%にのぼることがわかった。使用したことがあると答えた世帯のうち90%が月1回以上定期的にオンラインで食品購入をしている。
主にオンラインで購入食品の中で1番は水・炭酸水であり、その次に加工食品、穀物であった。37.8%の世帯が水・炭酸水は常にオンラインで購入すると答えた。
反対に果物、野菜、肉類などの鮮度が重要な食品については、常にオンラインで購入すると答えた世帯はすべて5%以下であった。オンライン購入をしない理由の1位は品質の安全性を信頼できないからと27%の世帯が答えた。
鮮度を問わない水・炭酸水、加工食品などの食品はオンラインを利用する傾向にあるが、成果物や肉類などの鮮度に重きをおくものにはオンライン購入を望まない傾向にあることが分かる。
出典:韓国農村経済研究院
1人で食事をする際の食事方法
1人で食事をする際に自身で材料から料理をして食べると回答した人が全体の60%になることが分かった。次に多いのが簡易食品やミールキットなどを使用して料理するという回答20%、外食するが11.2%、出前が7.9%であった。しかし、年代別に見てみると大きく数値が変わる。
10~29歳は自身で材料から料理して食べると答えたのは35.1%、簡易食品やミールキットを使用すると回答したのが36.8%と材料から料理するという回答を上回った。反対に60歳以上を見てみると自身で材料から料理して食べると答えたのは78.8%、簡易食品やミールキットを使用する回答したのは9.0%と自身で材料から料理して食べるという回答が圧倒的に多かった。
若年層は簡易食品やミールキットを気軽に利用する傾向にあるが、年齢が上がるほど簡易食品やミールキットを利用しないということが分かった。
出典:韓国農村経済研究院
韓国の飲料事情〜統計データ〜
飲料業界の「ゼロ市場」発展
飲料市場に糖分を除去してカロリーを極度に下げた「ゼロ」選好が明確だ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)事態の長期化で健康に対する関心が高まったうえ、室内で過ごす時間が増え、体重管理に気を使う消費者が増えたのが背景だ。
流通業界によると、国内ゼロカロリー炭酸飲料市場は2019年452億ウォンから昨年2189億ウォンへと2年ぶりに384%成長した。これはコーラとサイダー商品の販売額を合わせた数値で、実際の市場はさらに大きいと推算される。
これまで韓国ではカロリーを気にしながら飲むべきか、まずい などとの理由で市場の伸びが遅かった。しかし、技術の発展と過度な糖摂取が健康に有害だという認識が広がり、消費層が大幅に増えた。
業界と専門家たちは今後「ゼロ市場」がより一層急速に成長すると見ている。
出典1:LG生活健康財務材表 出典2:ロッテ七星飲料財務材表
炭酸飲料の市場占有率が一番高い
飲み物類は茶類、コーヒー、果物野菜類飲料、炭酸飲料、豆乳類、発酵飲料類、高麗人参紅参飲料など飲用を目的とすることを意味するもので、飲み物類の売上規模は2020年約6兆2,255億ウォンで2018年対比約1%の成長傾向を示した。
新型コロナウイルス感染症の拡散以後、配達需要が増え、飲料類の売虫も増えたものと分析される。特にゼロ飲料、機能性飲料など製品群の拡大と新製品の発売で市場は着実に成長している。そんな中、2020年基準で炭酸飲料が30%を超える高い売上比重を記録し、前年対比売上額も最も大幅(4.2%)に増加した。
炭酸飲料類、液状コーヒーはこの3年間持続的な増加傾向を見せている。このような傾向は今後も続くものとみられる。
出典:食品産業統計情報
韓国の酒類事情〜統計データ〜
酒類出荷金額の推移
21年の酒類市場全体の規模は、出荷金額基準で約8兆8千3百億ウォン規模であり、焼酎、ビールが約81.2%(7兆1千7百億ウォン)を占めている。
81.2%(7兆1千7百億ウォン)を占めており、2015年まで持続的な増加傾向を維持した後、2016年から持続的に減少し2016年から持続的に減少し、2021年に再び若干増加した。
20年度に比べ、酒類市場全体は出荷金額基準で0.4%増加し、出荷量は3.6%減少した。20年比で酒類市場全体は出荷金額基準で0.4%増加し、出荷量は3.6%減少した。
酒類市場は希釈式焼酎(約3兆5千億ウォン)とビール(約3兆6千億ウォン)が81.1%であり、その他の残りの酒類メーカーの大半は中小規模の営利企業である。酒類メーカーの大半は中小規模の零細企業に属する。
出典:韓国農水産食品流通公社
伝統酒の酒種別輸出金額上位国の現況
2022年の伝統酒は総重量18,918トンが輸出され、輸出額は約2,400万ドルとなった。伝統酒の輸出は前年比で輸出量6.9%、輸出額4.9%増加した。
酒種別では、濁酒の輸出額が約1,500万ドルで最も高く、次いでリンゴ酒、その他果実酒などの順である。
濁酒の場合、主に日本(輸出額約764万ドル)、米国(輸出額約256万ドル)、中国(輸出額約125万ドル)などに輸出した。
薬酒は主に米国(輸出金額約40万ドル)、香港(輸出金額約8万ドル)などに輸出。清酒は主に米国(輸出金額約36万9千ドル)、中国(輸出金額約18万5千ドル)、オーストラリア(輸出金額約10万ドル)などに輸出。
出典:韓国農水産食品流通公社
ソウル在住の韓国人。日本での在住経験は25年。日本の有名大学を卒業し、大手シンクタンクの正社員及び経営コンサルタントとして勤務。多くのプロジェクトに携わり、ビジネス戦略とイノベーションの分野で活躍。