韓国の広告業界は、第一企画やイノーションなど財閥系大手代理店がグループの広告需要を軸に市場を主導しています。デジタル広告シフトが進むなか、主要企業はデータ活用型マーケティングとグローバル案件の獲得を強化しています。
今回は、そんな韓国の広告業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて18社の最新情報をお届けしていきます!
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韓国の主要広告企業12選〜ローカル編〜
Cheil Worldwide Inc. (チェイルキフェク)
サムスングループの総合広告代理店として1973年に設立された、韓国広告業界で圧倒的な首位を占める企業である。本社はソウル特別市龍山区漢南洞に置く。
サムスン電子をはじめとするグループ各社の巨大な広告需要を基盤に、国内No.1の売上高と利益規模を長年維持してきた。証券取引所(KRX)に上場し、証券コードは030000である。
2025年通期の連結決算では、売上総利益が前年比8%増の約1兆8,599億ウォン、営業利益が前年比5%増の約3,369億ウォンとなり、増収増益を確保した。本社人員は約1,500名に達する。
近年はモバイル広告やリテールメディア、データ・テクノロジー領域への投資を強め、積極的なM&Aと海外顧客の獲得を通じてグローバル上位の代理店網を築いている。2026年時点でも国内首位の座を堅持している。
出典:https://www.cheil.com/hq
INNOCEAN WORLDWIDE (イノーション)
現代自動車グループ系列の総合広告代理店で、1982年設立の金剛企画を源流に、2005年に現代・起亜自動車の広告部門を統合して現在の体制となった。本社はソウル市江南区に置く。
現代自動車・起亜など系列会社の広告マーケティングを中核業務とし、非系列クライアントの開拓も進めてきた。KOSPI上場企業で証券コードは214320である。
2025年通期の連結決算では、売上高が前年比1.2%増の約2兆1,460億ウォン、営業利益が同4.6%増の約1,628億ウォン、当期純利益は約1,090億ウォンとなった。
2025年末時点で韓国を含む21カ国・41法人のグローバルネットワークを保有し、国内代理店業界で第2位の地位を維持する。北米や新興国市場でのデジタル対応を強化している。
出典:http://www.innocean.com/ww-ko/
HS Ad Inc. (エイチエスエド)
LGグループ系列の総合広告会社で、1962年発足の楽喜化学宣伝室を母体に1984年に設立された。2008年に現在の社名へ変更している。
LGエレクトロニクスをはじめとするグループ各社の広告を中核業務とし、屋外広告や体験型マーケティングにも強みを持つ。カンヌ国際広告祭の銀獅子賞など国際的な受賞歴を重ねてきた。
グローバル対応のため支社・法人など35の海外拠点を運営し、ハイブリッド・ソリューション企業を掲げてデジタル領域の比重を高めている。制作機能を内包する点も特徴である。
2026年時点でもチェイル・イノーションに次ぐ国内大手の一角を占める。近年はリテールメディアやコマース連動型広告、体験マーケティングなど新領域の受注拡大に取り組み、グループ外クライアントの開拓も進めている。
出典:https://www.hsad.co.kr/00_main/index.asp
DAEHONG COMMUNICATIONS (デェホンキフェク)
ロッテグループ系列の総合広告代理店で、1982年に創立された。本社はソウル市中区に置き、「売る科学、売る芸術」を掲げている。
チェイル・イノーション・HSアドと並ぶ韓国の主要広告会社であり、ロッテ系列各社の広告を主力とする。1985年に英サッチ&サッチ、1989年に米DDBニードハムと業務提携した歴史を持つ。
消費者調査に基づく「韓国人」シリーズの発刊などブランド戦略研究でも知られる。近年はデジタルマーケティングやコンテンツ制作へ事業領域を広げ、データを活用した統合的なコミュニケーション提案を進めている。
2026年時点でもロッテグループの広告需要を基盤に国内大手代理店としての地位を保つ。流通・食品分野のキャンペーンに強みを持ち、系列外の顧客獲得にも取り組んでいる。
出典:https://www.daehong.com/
PLAY.D (プレイディー)
KTグループに属する総合オンライン広告代理店で、国内の検索広告分野で有力な地位を占める。2010年にNaverビジネスプラットフォームの出資で設立された。
2000年開始のNaver検索広告運用を源流とし、2016年にKTとナスミディアが買収してKT系列へ編入された。2017年にN Search Marketingから現社名へ変更している。
2019年に日本支社を設立し、2020年3月にコスダック市場へ上場した。2021年にはAmazonコリアのマーケティングサービスパートナーに選定された。
2024年時点でKTナスミディアの連結子会社として位置づけられ、検索・ディスプレイ・コマース広告の運用代行を主力とする。2024年の広告代行部門売上は約386億ウォン規模である。
出典:https://www.playd.com/w/index.html
SM C&C (エスエムシーエンシー)
SMエンターテインメント系列の企業で、広告代理業に加え放送コンテンツ制作、芸能マネジメント、旅行事業を手がける総合コンテンツ企業である。
前身は旅行商品流通業で、社名や業態の変遷を経て2012年にSMエンターテインメントが買収し、芸能・広告機能を付与された。2001年にコスダック市場へ上場している。
SM所属アーティストを活用した広告・マーケティングやメディアコマースを強みとし、K-POPのブランド力を広告事業に結び付けている。放送コンテンツ制作やインフルエンサー起用のキャンペーンにも展開する。
2025年時点でSMグループのメディア・広告事業の中核を担い、デジタルコンテンツと連動した広告商品を展開している。エンタメ資産を軸にした差別化を進め、グローバル市場を意識した施策を強化している。
出典:https://www.smcultureandcontents.com/ko/main/main.asp
FSN (フューチャースクリームネットワーク)
韓国の統合デジタルマーケティング企業で、2007年6月に設立された。フューチャーストリームネットワークスを正式名称とし、FSNと略称される。
2010年にモバイル広告プラットフォーム「Caully」を商用化して成長し、2016年10月にコスダック市場へ上場した。ブロックチェーン基盤のマーケティングプラットフォーム「SIX」も開発している。
傘下に複数のデジタル広告・コマース子会社を抱えるグループ体制をとり、パフォーマンス広告やアドテク領域に注力している。データとテクノロジーを軸としたマーケティング支援を強みとする。
2025年時点でモバイル・デジタル広告を軸に事業を拡大し、AIを活用した広告最適化や海外展開を進めている。従来型代理店とは異なるデジタル特化の立ち位置を強めている。
出典:https://fsn.co.kr/
OR!COM (オリコム)
斗山グループ系列の総合広告代理店で、韓国初の総合広告会社とされる。1967年設立の合同通信社広告企画室を母体とし、変遷を経て現在の社名で発足した。
広告企画、クリエイティブ、ブランドコンサルティング、メディア、プロモーション、デジタルマーケティングまで一貫したサービスを提供している。総合広告代理店として幅広い領域をカバーする。
長い歴史のなかで映像制作やレコード事業など多角化と整理を重ね、現在は広告事業に専念している。斗山系列を中心に、消費財から公共まで幅広い業種のクライアントを持つ。
2026年時点でも老舗代理店としての信頼を基盤に、デジタルとオフラインを統合したキャンペーンを展開している。伝統的なブランド構築力に強みを持つ。
出典:https://www.oricom.com/main/index.jsp
STUDIOK110 (スタジオケー110)
韓国の広告代理店兼広告制作会社で、チェイル出身のクリエイター陣が2016年に設立した。「良い広告を作る広告代理店」を掲げている。
話題性の高いクリエイティブに定評があり、フル3Dアニメーションを用いた食品広告など独創的な代表作で知られる。最も注目される広告を作る点で高く評価されている。
2021年12月にカカオエンターテインメントに買収され、同社傘下のクリエイティブ拠点として活動している。カカオの豊富なIPやプラットフォーム基盤との連携を進めている。
2025年時点でカカオグループのコンテンツ資産と連携し、ブランドフィルムやバイラル広告の制作を強みとしている。少数精鋭のクリエイティブブティックとして独自の存在感を示す。
出典:https://www.studiok110.com/
Dolphiners Films (ドルフィンズフィルム)
韓国の広告・映像制作会社で、面白く記憶に残る広告制作で知られる。2007年の私的な集まりを起点に、2015年に法人として設立された。
「イルカ誘拐団」の愛称で親しまれ、2015年のキヤノン向けバイラル映像で注目を集めた。複数の監督とスタッフによる少数精鋭の制作体制をとり、ストーリー性の強い広告を得意とする。
2021年12月にカカオエンターテインメントに買収され、同社傘下で映像広告やブランドコンテンツを手がけている。プラットフォームやIPと連動した企画にも取り組んでいる。
2025年時点でデジタル動画広告の需要拡大を背景に、SNSで拡散されるユニークな映像制作を武器としている。エンタメ性の高い表現力で、ブランドの認知獲得に貢献している。
出典:https://www.dolphiners.com/
NASMEDIA (ナスミディア)
KTグループに属する韓国最大手のデジタルメディアレップ企業で、2000年3月に設立された。PC・モバイル・IPTV・屋外などのデジタル媒体の広告枠を扱う。
2013年7月にコスダック市場へ上場し、証券コードは089600である。検索広告代理店のプレイディ(PLAY.D)を連結子会社に持つ。
2024年通期の連結売上高は約1,425億ウォンで、うちメディアレップ部門が約1,039億ウォン、広告代行部門が約386億ウォンを占めた。IPTVやモバイル動画など媒体の多様化に対応している。
2025年時点でデジタル広告市場の成長を背景に、動画・コマース・リテールメディア領域の取り扱いを拡大している。データ分析に基づく媒体最適化と、KTグループの通信基盤を生かしたターゲティングを強みとする。
出典:https://www.nasmedia.co.kr/
INCROSS (インクロス)
SKグループ(SKネットワークス系列)に属するデジタル広告・メディアレップ企業で、2000年に設立された。モバイル動画広告やアドテクを主力とする。
コスダック上場企業で、検索広告・メディアレップに加え、T dealなどのコマース運営やコンテンツマーケティングプラットフォームを展開している。2019年にSKテレコムの傘下入りを経て、現在はSKネットワークス系列に属する。
2025年通期の売上高は約505億ウォン、取扱高は約6,979億ウォンに達した。動画広告ネットワーク「dawin」を運営する。
2025年時点でGoogleのプレミアパートナー認定を9年連続で取得し、OTT・動画広告分野での成長を続けている。SKグループのICT基盤を活用したデジタル広告に強みを持つ。
出典:https://incross.com/ko/
韓国の主要広告企業3選〜日系編〜
ADK (エーディーケー)
日本の総合広告会社で、1956年設立の旭通信社と1951年設立の第一企画が1999年に合併して誕生した。
2017年に米投資会社ベインキャピタルの傘下に入り、2019年にADKホールディングス体制へ移行した。アニメーションなどコンテンツ事業にも強みを持つ。
会社規模は日本国内で電通・博報堂に次ぐ大手であり、韓国を含むアジア市場でも広告・マーケティング事業を展開している。アニメ関連のIPビジネスは同社の際立った特色である。
2026年時点でIP・コンテンツを軸としたマーケティングに注力し、デジタル広告と統合したソリューション提供を進めている。韓国市場では日系企業の広告需要への対応やコンテンツ連携を担っている。
出典:https://www.adk.jp/
dentsu (電通)
日本を代表する広告代理店グループで、持株会社の電通グループの傘下に、事業会社の電通および海外事業を統括する電通インターナショナルなどを擁する。
グループは世界有数の規模を誇り、事業会社の電通は単独では世界最大級の広告代理店とされる。日本のメディア・広告市場で圧倒的な地位を占める。
韓国においてもデジタル広告やデータドリブンマーケティングを軸に事業を展開し、グローバルクライアントの現地対応や日韓をまたぐマーケティング支援を担っている。
2025年時点でグループはデジタル領域の比重を高め、AIやデータ分析を活用した統合マーケティングへの転換を進めている。海外事業の再編とグローバル網の効率化も継続している。
出典:https://www.dentsu.co.jp/
HAKUHODO (博報堂)
日本第2位の広告代理店で、持株会社の博報堂DYホールディングスの中核事業会社である。単独規模では韓国最大手を上回る巨大企業である。
日本では電通と並び「電博」と称される。DYホールディングスの下に博報堂、大広、読広、博報堂DYメディアパートナーズなどを擁するグループ体制をとる。
生活者発想を軸としたマーケティングに強みを持ち、世界の広告会社ランキングでも上位に位置づけられる。クリエイティブとマーケティング戦略の両面で高い評価を受けている。
2025年時点でグローバルネットワークとデジタル対応を強化し、韓国を含むアジア市場でも統合マーケティングサービスを展開している。データ活用型の提案とクリエイティブ力を掛け合わせた事業を進めている。
出典:https://www.hakuhodo.co.jp/
韓国の主要広告企業3選〜外資編〜
TBWA KOREA (ティービーダブリューエーコリア)
オムニコム・グループ傘下のTBWAワールドワイドに属する外資系の独立総合代理店である。1998年12月、SKグループの太光マルチアドを買収して設立された。
大企業のインハウス代理店が寡占する韓国市場において、独立系エージェンシーとして独自の地位と高い評価を築いてきた。
「Disruption」を掲げる独創的なクリエイティブで知られ、国内外の広告賞で高い実績を持つ。TBWAワールドワイドは複数年でグローバル・エージェンシー・オブ・ザ・イヤーに選出されている。
2026年時点でも韓国を代表する外資系代理店として、デジタルとブランド戦略を融合したキャンペーンを展開している。多国籍クライアントの現地対応にも強い。
出典:http://www.tbwakorea.com/
BBDO Korea (ビービーディーオーコリア)
グローバル広告会社BBDOの韓国法人である。1982年設立の忠武企画を源流とし、太平洋グループ傘下の東方企画を経て、2001年に英BBDO本社へ売却された。
2004年にアモーレパシフィックが保有株をBBDOワールドワイドへ売却し、現在の外資系体制となった。BBDOはオムニコム・グループに属する。
統合マーケティングコミュニケーション(IMC)の企画・実行を強みとし、メディアニュートラルなアプローチで効果的なソリューションを提供する。BBDOグローバルの知見を韓国市場に応用している。
2026年時点でグローバルブランドの韓国内展開を支援し、クリエイティブ主導のキャンペーンを手がけている。デジタルと統合したブランド構築に注力し、消費財を中心に幅広い業種の顧客を持つ。
出典:http://www.bbdo.co.kr/
Leo Burnett Korea (レオバネットコリア)
グローバル広告グループのパブリシス傘下に属する外資系代理店である。ディズニーやマクドナルドなど世界的ブランドの韓国内広告を数多く手がけてきた。
レオ・バーネットは独立系エージェンシーとして韓国で有力な地位を占め、コカ・コーラやマクドナルドなど著名な外資系ブランドの広告で知られる。
「ヒューマンカインド」を掲げるブランド構築手法を強みとし、パブリシスグループのデータ・テクノロジー基盤を活用している。世界的な制作ノウハウを韓国市場に取り入れている。
2026年時点でもグローバルクライアントの韓国市場対応を軸に、デジタルと統合したブランドコミュニケーションを展開している。世界的キャンペーンの現地化やメディアプランニングに強みを持つ。
出典:https://publicisgroupe.co.kr/
FAQ
韓国の広告業界における主要企業はどれですか?
韓国の広告業界には、ローカル企業としてCheil Worldwide Inc.やINNOCEAN WORLDWIDE、HS Ad Inc.などがあります。外資系ではTBWA KOREAやBBDO Korea、Leo Burnett Koreaなどが主要企業です。
Cheil Worldwide Inc.の特徴は何ですか?
Cheil Worldwide Inc.はサムスンの総合広告代理店で、国内業界トップの売上高と純利益を誇ります。1954年設立で数々の広告大賞を受賞し、世界的にも強い影響力を持つ企業です。
INNOCEAN WORLDWIDEはどんな企業ですか?
INNOCEAN WORLDWIDEは現代自動車グループ系列の広告代理店で、主に自動車広告を担当し、売上高は7447億ウォン(2014年基準)に達しています。
韓国の外資系広告企業で代表的なものは何ですか?
韓国の外資系広告企業には、TBWA KOREAやBBDO Korea、Leo Burnett Koreaがあります。これらは国内市場において高い評価を受けています。


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