韓国の建設業界は、現代建設やサムスンC&Tなど財閥系大手ゼネコンが国内外の大型案件を担う市場です。海外インフラ受注の拡大を背景に、主要企業は中東・東南アジア展開の強化とスマート建設技術の導入を進めています。
今回は、そんな韓国の建設業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて16社の最新情報をお届けしていきます!
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韓国の主要建設企業14選〜ローカル編〜
HYUNDAI E&C (ヒョンデ建設)
1947年設立。ソウル市鍾路区に本社を置く現代自動車グループの総合建設企業である。プラント・電力、土木、建築・住宅を三本柱とし、世界62カ国での施工実績を持つ。住宅ブランド「ヒルステート」やプレミアムライン「ディエイチ」を展開する。
海外はサウジアラビアやカタール、UAEなど中東を中心に大型プロジェクトを積み重ねてきた。カタール国立博物館やUAEアブダビのガス処理施設などが代表的な実績である。
近年は原子力・水素・洋上風力といったエネルギー転換分野に注力し、小型モジュール炉(SMR)やブルガリアの原発事業などで受注を伸ばしている。
2025年7月に国土交通部が公表した施工能力評価では評価額17兆2485億ウォンで業界2位を維持した。国内トップクラスの施工能力と海外事業基盤を併せ持つ点が強みである。
出典:https://www.hdec.kr/kr/main.aspx
Samsung C&T (サムスン物産)
1938年設立。建設・商社・ファッション・リゾートの4部門を擁するサムスングループの中核企業で、建設部門はソウル市江東区を拠点とする。韓国初のマンションブランド「レミアン」を展開する。
建設部門は世界最高層ビルであるドバイのブルジュ・ハリファ(2010年竣工)を施工したことで知られ、超高層・大型土木で高い技術力を持つ。海外は東南アジア、中東、豪州などに展開する。
近年はデータセンターや半導体工場など産業施設の受注を強化するほか、水素・再生可能エネルギー分野へ事業領域を広げている。
2025年7月公表の施工能力評価では評価額34兆7219億ウォンで12年連続の業界1位となった。グループの信用力と多角化した事業構造を背景に、国内建設業界の首位を長期にわたり維持している。
出典:https://www.samsungcnt.com/index.do
DL E&C (ディーエルイーアンドシー)
1939年設立。ソウル市鍾路区に本社を置く総合建設企業で、旧・大林産業の建設事業を母体とし、2021年の持株会社体制移行に伴い現社名となった。マンションブランド「e編한世上(イーピョンハンセサン)」を展開する。
2000年に韓国初のブランドマンションを導入したほか、石油化学プラントや高速道路など土木・プラント分野に強みを持つ。1966年のベトナム進出以降、海外40カ国以上で実績を重ねてきた。
近年はCO2回収・活用(CCUS)や水素、小型モジュール炉など脱炭素関連事業へ投資を拡大している。
2025年7月公表の施工能力評価では評価額11兆2183億ウォンで業界4位となった。住宅とプラントの双方に厚みを持つ事業ポートフォリオが特徴である。
出典:https://www.dlenc.co.kr/main.do
Daewoo Engineering & Construction (テウ建設)
1973年設立。ソウル市中区に本社を置く総合建設企業で、プレミアムマンションブランド「プルジオ」を展開する。2022年に中堅建設のジュンフン(中興)グループ傘下に入り、経営再建を進めてきた。
住宅・建築に加え、ナイジェリアなどアフリカや中東での土木・プラント事業に強みを持つ。仁川国際空港旅客ターミナルやカタールの高速道路などが代表的な実績である。
近年はベトナムのスターレイクシティ都市開発やナイジェリアのLNG関連工事など海外案件を軸に受注を拡大している。
2025年7月公表の施工能力評価では評価額11兆8969億ウォンで業界3位となった。国内住宅市場と海外プラントを両輪とする事業構造が強みである。
出典:https://www.daewooenc.com/
GS E&C (ジーエス建設)
1969年設立。ソウル市鍾路区に本社を置くGSグループの総合建設企業である。マンションブランド「Xi(ザイ)」を展開し、新規受注の多くを住宅・建築が占める。
1978年に海外進出を開始し、現在は21カ国以上に拠点を持つ。石油化学プラントや水処理、インフラ分野でも実績を積み重ねてきた。子会社を通じた水処理事業も収益源の一つである。
2023年の仁川・検丹(コムダン)新都市でのマンション地下駐車場崩落事故を受けて品質管理体制を刷新し、信頼回復に取り組んでいる。
2025年7月公表の施工能力評価では評価額10兆9454億ウォンで業界5位となった。住宅ブランド「ザイ」の高い認知度と多角的な事業基盤が特徴である。
出典:https://www.gsenc.com/
Doosan E&C (トゥサン建設)
1960年設立。ソウル市江南区に本社を置く総合建設企業で、高級マンションブランド「ザ・ゼニス(ザゼウス)」を展開する。2021年にドゥサングループから分離し、投資会社の傘下で経営再建を進めてきた。
海雲台の超高層複合施設「ドゥサン・ウィーヴ・ザ・ゼニス」や国内初の民間提案鉄道である新盆唐線などが代表的な実績である。住宅・建築を中心に土木分野も手掛ける。
近年は財務構造の改善と受注基盤の立て直しを図りつつ、リモデリングや都市整備、再開発事業に注力しており、住宅市況の変化に対応した受注戦略を進めている。
2025年7月公表の施工能力評価では評価額に基づき業界25位に位置づけられた。超高層住宅で培ったデザイン力と施工実績を強みとする中堅ゼネコンである。
出典:https://www.doosanenc.com/index.do
Kumho E&C (クムホ建設)
1967年設立。ソウル市鍾路区に本社を置く総合建設企業で、マンションブランド「オウリム」を展開する。旧・錦湖(クムホ)アシアナグループ系の建設会社である。
1982年にサウジアラビアへ進出し、韓国初のBTO(建設・移管・運営)方式による新空港高速道路事業を手掛けるなど、インフラPPP分野で先行してきた。土木・建築の双方に実績を持つ。
近年は住宅市況の低迷やPF(プロジェクトファイナンス)不安の影響を受けつつも、公共工事や都市整備、リモデリング事業で受注を確保し、財務の健全性維持に努めている。
2025年7月公表の施工能力評価では業界24位となった。中堅ながら公共・民間の双方でバランスの取れた事業構造を持ち、インフラ分野での実績を強みとする点が特徴である。
出典:https://www.kumhoenc.com/main/index.asp
Taeyoung E&C (テヨン建設)
1973年設立。ソウル市永登浦区に本社を置く総合建設企業で、デザイン性を打ち出したマンションブランド「デシアン」を展開する。放送局SBSを傘下に持つテヨングループの中核企業でもある。
土木・環境分野に強みを持ち、高速道路や野球場、環境インフラなどを手掛けてきた。全州総合サイクルタウンや釜山国際アートセンターなどが代表的な実績である。
2023年末にPF(プロジェクトファイナンス)関連の資金難からワークアウト(企業改善作業)に入り、資産売却と受注回復を通じて財務正常化を進めている。2025年には黒字転換を果たした。
2025年7月公表の施工能力評価では前年より順位を上げ業界19位となった。環境・土木分野の技術力を軸に経営再建を進めている。
出典:https://www.taeyoung.com/
Posco E&C (ポスコイアンドシー)
慶尚北道浦項市に本社を置くポスコグループの総合建設企業である。2023年に旧・ポスコ建設から現社名(ポスコイアンドシー)へ改称した。マンションブランド「ザ・シャープ」を展開する。
製鉄所建設で培った技術を基盤に、プラント、都市開発、環境・エネルギー事業を手掛ける。松島国際都市の開発やブラジルCSP一貫製鉄所などが代表的な実績である。
近年は二次電池素材工場やグループのグリーン水素・再生可能エネルギー関連投資に連動したプラント建設を強化し、環境・エネルギー分野へ事業領域を広げている。
2025年7月公表の施工能力評価では評価額9兆8973億ウォンで業界7位となった。グループの製鉄・素材事業基盤と環境配慮型の街づくりを強みとする総合建設企業である。
出典:https://www.poscoenc.com/ko/index.aspx
Lotte Engineering & Construction (ロッテ建設)
1959年設立。ロッテグループの総合建設企業で、1999年に韓国初の高級ブランドマンション「ロッテキャッスル」を打ち出したことで知られる。上位ラインとして「ルエル」も展開する。
住宅・建築を中核に、ソウルのロッテワールドタワー(555メートル)関連工事など超高層・大型商業施設で実績を持つ。ベトナムやインドネシアなど東南アジアにも進出している。
近年はPF(プロジェクトファイナンス)市況の悪化に対応して財務体質の改善を進めつつ、都市整備事業や物流施設で受注を確保している。
2025年7月公表の施工能力評価では評価額7兆4021億ウォンで業界8位となった。グループの商業・流通基盤と住宅ブランド力を強みとする。
出典:https://www.lottecon.co.kr/
SK ecoplant (エスケーエコプラント)
1977年設立。ソウル市鍾路区に本社を置くSKグループの総合建設企業で、2021年に旧・SK建設から環境・エネルギー事業を前面に出した現社名へ改称した。
住宅・建築や土木に加え、水処理・廃棄物処理などの環境事業と燃料電池・洋上風力といったエネルギー事業を成長軸に据える。トルコの海底トンネルなど大型土木の実績も持つ。
近年は環境企業の買収やグローバル金属リサイクル事業への参入を進め、事業ポートフォリオの転換を図っている。上場(IPO)に向けた準備も進めている。
2025年7月公表の施工能力評価では評価額6兆8493億ウォンで業界9位となった。環境・エネルギー分野への事業転換を積極的に進める点が特徴である。
出典:https://www.skecoplant.com/
Hoban Construction (ホバン建設)
1989年設立。ソウル市瑞草区に本社を置く総合建設企業で、マンションブランド「ホバンサミット」を展開する。無借金経営に近い健全な財務体質で知られる中堅・大手グループである。
住宅・建築を中心に、公共施設や複合文化空間の開発も手掛ける。京畿道庁新庁舎などが代表的な実績である。堅実な土地取得と自主開発により事業を拡大してきた。
近年は豊富な自己資本を背景にM&Aや不動産開発を積極化し、レジャー・メディア・金融など非建設分野にも事業を広げ、グループとしての多角化を進めている。
2025年7月公表の施工能力評価では業界12位となった。無理のない財務運営と自主開発力を強みとし、大手上位グループへの成長を続けている点が特徴である。
出典:https://www.ihoban.co.kr/web
Hyundai Engineering (ヒョンデエンジニアリング)
1974年設立。ソウル市鍾路区に本社を置く現代自動車グループの総合エンジニアリング・建設企業である。化学・石油プラントや電力・エネルギー分野のEPC(設計・調達・建設)に強みを持つ。
住宅事業ではマンションブランド「ヒルステート」「ディエイチ」を現代建設と共有し、国内でも高い施工実績を持つ。海外はプラント案件を中心に世界各国で事業を展開する。
近年は小型モジュール炉(SMR)やCO2・水素など次世代エネルギー分野への投資を強化している。一方で2025年に発生したソウル市江東区の地盤陥没事故の影響を受け、安全管理体制の立て直しを進めている。
2025年7月公表の施工能力評価では評価額9兆3027億ウォンで業界6位となった。プラントEPCと住宅事業の双方に厚みを持つ点が特徴である。
出典:https://www.hec.co.kr/
HDC Hyundai Development Company (HDC現代産業開発)
2018年にHDCグループの持株会社体制移行に伴い設立された総合建設・不動産開発企業である。ソウル市龍山区に本社を置き、マンションブランド「アイパーク(IPARK)」を展開する。
住宅・建築に加え、都市開発やインフラ、複合開発に強みを持ち、龍山や光明などでの大規模開発事業を手掛ける。ソウルの大型複合開発「ソウルオン・アイパーク」などが代表的な事業である。
2022年の光州(クァンジュ)でのマンション崩落事故後は安全・品質管理を全面的に見直し、信頼回復に取り組んでいる。近年はブランド名「IPARK」を前面に打ち出す戦略へ転換している。
2025年7月公表の施工能力評価では業界10位となった。デベロッパーとしての開発力と住宅ブランドの認知度を強みとする。
出典:https://www.hdc-dvp.com/
韓国の主要建設企業2選〜日系編〜
Daiwa House Industry (大和ハウス工業)
1955年創立の日本の総合住宅・建設大手で、本社を大阪市に置く。戸建住宅から商業施設、物流施設、ホテルまで幅広く手掛ける。2025年3月期の連結売上高は5兆円規模に達する。
海外進出は1961年のシンガポール法人設立に始まり、アジアを中心に展開する。韓国ではソウル市麻浦区にホテル事業を担う現地法人を置く。
近年は韓国市場でホテル「ダイワロイネットホテルソウル麻浦」を運営し、日本水準のサービスと客室仕様を提供している。海外ではアジアを中心に物流施設や商業施設の開発にも注力している。
2025年時点でも国内住宅・建設業界の最大手の一角を占め、韓国では建設施工よりもホテル運営を通じた事業展開を軸としている点が特徴である。
出典:https://www.daiwahouse.com/
Tsuchiya Corporation (ツチヤコーポレーション)
1945年創業、1954年設立の日本の総合建設企業で、本社を岐阜県大垣市、東京本社を東京都江東区に置く。工場・物流倉庫・研究所・ホテルなど産業施設の設計・施工を得意とする。
韓国ではソウル市江南区に現地法人TSUCHIYA KOREA CORPORATIONを構え、進出日系企業の工場・オフィス建設を数多く手掛けてきた。日本電気硝子や日立ハイテクなどの韓国拠点建設が代表的な実績である。
近年も日系製造業のアジア展開に合わせ、韓国および東南アジアでの施工実績を積み重ねている。
2023年7月期の連結売上高は795億円規模である。日系企業向けの産業施設建設に特化し、日本水準の品質管理を強みとする点が特徴である。
出典:https://tsuchiya.co.kr/?lang=ko
FAQ
韓国の主要な建設企業はどれですか?
韓国の主要な建設企業には、HYUNDAI E&C、Samsung C&T、DL E&C、DAEWOO ENGINEERING & CONSTRUCTION、GS E&C、Doosan E&C、kumho E&C、taeyoung、Samho Development、Posco E&C、LOTTE ENGINEERING & CONSTRUCTION、SK ecoplant、HOBANがあります。
韓国の建設企業の海外展開はどのようになっていますか?
多くの韓国建設企業は世界各国に支社や法人を持ち、アジア、中東、アフリカ、アメリカなど30ヵ国以上でさまざまな大型プロジェクトを実施しています。
日系の建設企業にはどんな会社がありますか?
代表的な日系建設企業には、大和ハウス工業とテュシヤコーポレーションがあります。
韓国の建設企業の中で特に注目すべき特徴は何ですか?
多くの韓国建設企業は国内外で高い技術力と実績を持ち、環境に配慮したグリーン建築や最新のデザイン賞を受賞している点が特徴です。


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