【最新版!】韓国の主要加工食品業界14選〜飲食・製造業(食品)業界〜

今回は、加工食品業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて13社を厳選してお届けしていきます!

それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。

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目次

韓国の主要加工食品企業10選〜ローカル編〜

bibigo (ビビゴ)

1953年にSAMSUNGグループ最初の製造業として第一財団工業株式会社を設立し、韓国国内最初の砂糖製造業を開始した。現在は、大きく分けて食品事業とBIO事業を行っている。2020年基準で全体の売上60%がグローバルであり、グローバル拠点は全世界15か国、74か所に及ぶ。

食品事業では、家庭インスタント食品、料理材料、健康機能食品、デザート・スナック・飲料などを取り扱っている。家庭インスタント食品のブランドはbibigo(餃子やキムチなどの韓国料理)、ヘッパン(レトルトご飯)、GOURMET(ピザやハンバーグなどの洋食)の3ブランドがある。料理材料のブランドはダシダ(天然総合調味料)やSPAM(ランチョンミートの缶詰)などの11ブランドがある。

2022年のCJ財団食品事業部門の連結基準売上は11兆1042憶ウォン、営業利益は6238憶ウォンであった。

出典:https://www.cjthemarket.com/

ottogi (オットゥギ)

1969年創立しカレーの製造から開始した。1980年代からラーメンとカレーなどの輸出を行ってきたオットゥギは現在70か国余りの国家に自社製品を輸出している。核心輸出国であるベトナムには2018年ラーメン工場を設立し、ジンラーメンや北京ジャジャンなどを製造している。

輸出実績は毎年増加しており、2021年は2736憶ウォン、2022年は3265憶ウォンと19.3%増加した。2023年第1四半期の売上は8568憶ウォンであり前年同期の7424憶ウォンに比べて15.8%増加した。

主力商品はジンラーメンやチャムケラーメンなどのラーメン類、レトルトご飯、カレーなどである。この他にもソースやケチャップ、お酢、こしょうなどの調味料、冷凍ピザや冷凍チキンなどの冷凍食品などを取り扱っている。

出典:https://ottogi.co.kr/

coupang (クーパン)

2010年に創立したイーコマース大企業。創立者は韓国系アメリカ人のBom Kimである。特徴的なサービスとして、ロケット配送、クーパンフレッシュ、ロケット直買、クーパンイーツ、クーパンプレイなどがある。ロケット配送は自社倉庫から直接発送することによって平均12時間以内に配送を完了できるサービスである。ロケットフレッシュは夜12時までに注文すれば翌朝に生鮮食品が届くサービスである。ロケット直買は個人輸入サービス、クーパンイーツは出前サービス、クーパンプレイはOTTサービスである。

子会社であるCPLBはPB商品の運用をしている。PB商品のブランドには食品加工ブランド“gomgom”があり、生鮮食品、加工食品など幅広く取り扱っている。

2022年の年間売上は26兆5917憶ウォンであり、前年より26%増加し年間最大値を更新した。2022年の年間営業損失は1447憶ウォンであり前年より92%減った。

出典:https://news.coupang.com/about/

dongwon (ドンウォン)

ドンウォングループの総合食品会社。1969年に設立しシーチキン缶の販売を開始した。取り扱いブランドは、DONGWONG(シーチキン缶)、Yangbang(韓国料理ブランド)、RICHAM(ランチョンミートの缶詰)、Denmark(乳製品ブランド)などがある。

2021年のシーチキン缶の市場占有率は80.45%と独走状態である。

2023年第1四半期の売上額は14.0%伸び、1兆808憶ウォンであった。営業利益も34.7%増加した434憶ウォンを記録しグループ全体の売上を牽引した。その要因としては、団体給食や食材流通等B2B食品流通事業を行っているドンウォングループの子会社“ドンウォングホームフード”の全事業部門が均等に成長しているためである。

出典:https://www.dongwonfnb.com/services/index

daesang (デサン)

1956年設立。韓国初の国産発酵調味料“ミウォン”を開発した。以降、しょう油類やキムチ、西欧食品に至るまで事業領域を拡大した。

デサングループは国内食品事業とグローバル食品事業に分かれていて、デサン(株)は国内食品事業を担っている。デサンのブランドは、味噌や醤油からレトルト食品、冷凍食品、カレーなども含む総合食品ブランドの“チョンジョンウォン”が代表的である。それ以外にもキムチブランドの“JONGGA”や、初の国産発酵調味料の“ミウォン”などがある。グローバル食品事業を担っているデサン(株)グローバルは、東南アジア、日本、中国、香港、アメリカ、ヨーロッパなど世界各地に事業を展開している。

2022年連結基準売上は4兆854憶ウォンで前年比で17.7%増加した。そのうち海外事業部門の売上は35%程度である。

出典:http://www.daesangholdings.com/

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samyang (サムヤン)

1961年に創業した。食糧難を解決するため、日本の明星食品に行き機械と技術を導入した。国内最初のラーメン“三養ラーメン”が誕生した。さらに1969年、業界で初めて韓国ラーメンをベトナムへ輸出し海外市場に進出した。現在、全世界90か国余りの国に輸出を行っている。

商品ブランドは、国内最初のラーメン“三養ラーメン“、激辛の焼きそば”ブルダックポックンミョン”、ジャージャー麺の“ジャジャロニ”、最初のラーメン菓子“ビョルポパイ”、“三養有機農牛乳”である。

2023年第1四半期、連結基準売上は2455憶ウォン(21.5%増)、営業利益は239憶ウォン(2.6%減)を記録した。海外売上は前年同期に対し18.9%伸びて1579憶ウォンを記録した。

出典:https://www.samyangfoods.com/kor/index.do

Pulmuone (プルムワン)

1981年に有機農産物の直売店を開設し、続けてプルムウォン有機食品を設立した。1984年、国内最初の包装豆腐を販売開始した。2014年、日本朝日食品工業(株)を買収し、アメリカ、中国、ベトナムなどにも進出している。

取り扱い商品は、豆腐・もやし・卵、果物・野菜・米、肉・魚などの生鮮食品から、餃子・ピザ・トッポギなどの冷凍・チルド食品、ケチャップやソースやドレッシングなどがある。さらに、デザインミールと言って一食300カロリーに計算されたり糖尿病ケア用などの健康的な食事を配達してくれるサービスがある。

2023年第一四半期の売上は7200憶ウォン(12.2%増)、営業利益は123憶ウォン(101.2%増)を記録した。

出典:https://www.pulmuone.co.kr/pulmuone/main/Index.do

nongshim (ノンシム)

1965年ノンシム会社創立後初めてのラーメンを当時の社名ロッテ工業(株)にならって“ロッテラーメン”を販売した。1970年国内最初のインスタントジャージャー麵を開発、1971年国内最初のスナック“セウッカン”(韓国版かっぱえびせん)を開発した。中国、アメリカ、日本、オーストラリア、ベトナム、カナダにも進出している。

取り扱い商品は、辛ラーメン・ノグリ・チャパゲッティなどのインスタント麺、セウッカンなどのスナック菓子、水やジュースなどの飲料、メントスやチュッパチャップスなどの海外ブランド商品などがある。

2022年連結基準売上は初の3兆超えである3兆1290憶ウォンを記録し、前年に対し17.5%伸びた。そのうち海外売上比重が37%を占めた。アメリカ市場の売上は20%以上が上昇した。

出典:http://www.nongshim.com/main/index

pardo (パルド)

1983年韓国ヤクルト(現hy)がラーメントータルブランドとしてパルドをローンチした。2012年(株)paldoとして独立した。パルドビビンミョン(混ぜ麺)、パルドドシラク(弁当)などのインスタント麵やシッケ(韓国伝統の米飲料)が主力商品である。2022年基準でパルドビビンミョンの国内混ぜ麺市場の占有率は53.3%で一位であった。

現在50か国余りの国家に輸出しており、ドシラクはロシアではラーメン市場占有率約60%に達する人気ブランドである。2022年の自社製品輸出額は5930万ドルに達し、コロナ19期間でも着実に売上増加している。

韓国国内の2022年の連結基準売上は1兆389憶ウォンで前年の7679憶ウォンに対し35.3%増加した。営業利益は1069憶ウォンで前年の556憶ウォンより92.3%伸びた。

出典:http://www.paldofood.co.kr/

harim (ハリム)

1978年に始まった鶏肉専門企業。1986年に(株)ハリム食品を設立し、農場、工場、市場を連結する“三場統合”経営を完成させた。2014年、韓国伝統料理の参鶏湯を国内畜産物として初めてアメリカに輸出した。取り扱い商品は、鶏肉の新鮮食品から、チキンナゲットや鶏肉ソーセージや鶏肉缶詰などの鶏肉の加工食品まである。

2023年第1四半期連結基準売上は3148憶ウォンで、前年同期に対し4%増加した。営業利益は3憶ウォンで98%急減し、当期純利益は-97憶ウォンで前年同期赤字が続いている。

プレミアム戦略として2021年THE美食シリーズをローンチし、一袋2200ウォンの価格でラーメンを販売した。2022年には即席ご飯も販売したが、占有率は即席ご飯が5%未満、ラーメンが1%を下回る水準であった。

出典:https://www.harim.com/main/index.jsp

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韓国の主要加工食品企業1選〜日系編〜

Ajinomoto Korea(味の素コリア)

1984年にほんだしが韓国で販売開始された。2003年に韓国企業と合作法人の韓国味の素(株)が設立され、食品素材商品(ウマミ、ゴクミ、ACTIVA-TG)が販売された。2006年には顆粒スープのVONOスープ、2008年には顆粒スポーツ飲料のAminoVital、2017年には中華料理用ソースCookDoが販売開始された。

VONOスープは、2018年に作られた味の素ノンシムフード(韓国食品会社ノンシムと日本味の素の合作法人)が韓国の工場で生産されている。

2018年会計年度基準の売上額は320憶ウォン、営業利益63憶ウォンを記録したが、日本製品不買運動の影響で翌年の2019年には売上額は210憶ウォン、営業利益は19億ウォンに下落した。

出典:https://www.ajinomoto.co.kr/

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韓国の主要加工食品企業2選〜外資系編〜

Nestle Korea (ネスレ・コリア)

世界で最も大きい食飲料企業で、約2000個以上のブランドを保有している。1979年に合作会社形態で初めて韓国に進出した。取り扱い商品は、カプセルコーヒーのドルチェグスト、粉ミルクのilluma、インスタントコーヒーのネスカフェ、チョコレート菓子のKitKat、溶かして飲むココアパウダーのNesquikなどである。

韓国ではミックスコーヒーと呼ばれるコーヒーと砂糖とミルクがミックスされたインスタントコーヒーがメジャーである。ネスレコリアのミックスコーヒー市場占有率は2022年基準で3位の2.6%であった。2021年の売上額は前年比5%減少し2323憶ウォンであった。営業利益は44%下落した25憶ウォンであった。

カプセルコーヒーの占有率は2019年時点で国内一位の78.1%である。さらに主導権を強化するため2019年にスターバックスと共にカプセルブランド“スターバックスアットホーム”を販売開始した。

出典:https://www.nestle.co.kr/

Kraft Heinz (クラフトハインズ)

Kraftは1903年にチーズの販売から始めた会社であり、Heinzは1876年に世界で最初にケッチャプを商品化した企業である。その2社が合併しKraft Heinzが誕生し、世界で5番目に規模が大きいアメリカの食飲料会社となった。韓国にはH.J.Heinzグループの投資で1986年に進出した。Kraftブランドの商品にはクリスタルライトという飲料、ベーコン、チーズなどがある。Heinzブランドの商品にはケチャップ、マヨネーズ、マスタード、パスタソースなどがある。

世界ケチャップ市場において2020年基準で一位の31%であった。しかし韓国国内では韓国企業のオットゥギが70%で、クラフトハインズは24.1%に過ぎない。

2023年の第1四半期売上額は7.3%増加し64億9千万ドルであった。純利益は前年同期比で8%増加した。

出典:https://www.kraftheinzkorea.co.kr/

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