韓国の陸運業界は、韓進やCJ大韓通運など大手物流企業がEC市場の拡大に伴う宅配需要を取り込む市場です。当日配送競争の激化を背景に、主要企業は物流拠点の増強と配送ロボット・自動化技術の導入を進めています。
今回は、そんな韓国の陸運業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて11社の最新情報をお届けしていきます!
読了時間の目安:5分
韓国の主要陸運企業10選〜ローカル編〜
Hanjin (ハンジン)
韓進(Hanjin)は、1945年設立の韓進グループ中核物流企業で、本社はソウル特別市中区に置く。米軍軍需物資輸送を起点に事業基盤を築き、1992年に国内で初めて宅配事業へ進出した。
現在は宅配、港湾荷役、陸上運送、国際特送、グローバル物流を手掛ける総合物流企業である。大田総合物流センターなど先端物流拠点を全国に展開している。
2024年通期には、グローバル物流事業の好調を背景に売上高が初めて3兆ウォンを突破した。宅配のインフラ投資とアジア圏の国際物流拡大が成長を牽引している。
2025年時点では、大韓航空との物流連携やスマート物流センターの高度化、週7日配送体制の構築などを進め、収益性と成長の両立を経営課題としている。
出典:https://www.hanjin.com/kor/Main.do
Hyundai Glovis (ヒョンデグロービス)
現代グロービス(Hyundai Glovis)は、2001年に設立された現代自動車グループの総合物流・流通企業で、本社はソウル特別市城東区に置く。物流、海運、KD(部品)、トレーディング、オートビジネスなどを幅広く手掛ける。
完成車・自動車部品の物流に強みを持ち、海外ネットワークを積極的に拡大してきた。2002年の米国法人設立以降、欧州・中南米・アジア各地へ進出している。
2024年通期の連結売上高は28兆4073億ウォン、営業利益は1兆7529億ウォンと過去最高を更新した。自動車物流に加え、二次電池素材や中古車事業も伸長している。
2025年時点では、2030年に売上40兆ウォン超を目標に約9兆ウォンの大型投資を計画し、水素・EV物流やロボティクスなど新規領域への展開を進めている。
出典:https://www.glovis.net/
CJ Logistics (CJ大韓通運)
CJ大韓通運(CJ Logistics)は、1930年に朝鮮米穀倉庫として創業した韓国最大の総合物流企業で、本社はソウル特別市中区に置く。宅配市場では約半数のシェアを握り、国内首位の座を維持している。
全国のハブ・サブターミナル網と2万台超の運送車両を基盤に、宅配・契約物流(CL)・グローバル物流・建設を展開する。首都圏メガハブ昆池岩は延べ面積30万㎡の大規模拠点である。
2024年通期の連結営業利益は5307億ウォンと前年比10.5%増え、合併以降で最高水準となった。AIやロボットを活用した物流自動化にも先行的に取り組んでいる。
2025年時点では、クーパン依存縮小後の宅配物量確保に向け、新世界やネイバーとの物流提携を強化し、収益基盤の多角化を進めている。
出典:https://www.cjlogistics.com/ko/main
POSCO FLOW (ポスコフロー)
ポスコフロー(POSCO FLOW)は、2003年にポスコと三井物産の合弁で設立された総合物流企業で、本社は慶尚北道浦項市南区に置く。ポスコグループの物流機能を担う中核会社である。
鉄鋼原料・製品、部品、穀物、天然ガス、建設機材まで幅広い貨物を対象に、運送・保管・荷役を統合した物流サービスを提供する。光陽・浦項・ソウルに事業所を構える。
2022年にポスコグループの物流専門会社として体制を整え、社名もポスコターミナルからポスコフローへ変更した。韓国海洋振興公社や海運協会などとMOUを結び、船社・荷主の協力体制を築いている。
2025年時点では、二次電池素材やLNGなどグループの新規事業拡大に合わせ、専用物流網とインフラの整備を進めている。
出典:https://www.poscoflow.com/
Lotte Global Logistics (ロッテグローバルロジスティクス)
ロッテグローバルロジスティクス(Lotte Global Logistics)は、1996年設立で、2019年にロッテロジスティクスと合併して発足した総合物流企業である。本社はソウル特別市中区に置く。
中部圏メガハブターミナルや全国のターミナル・支店網を基盤に、宅配、陸上運送、3者物流、港湾荷役、国際物流を提供する。国内宅配市場では上位3社の一角を占める。
海外進出にも積極的で、中国・インドネシア・ベトナム・カザフスタンなどに法人を展開してきた。2021年には物流業界で初めて海外ESG債券を発行した。
2025年時点では、上場(IPO)を準備しつつ、二次電池・水素など新規物流市場の開拓と海外事業の拡大、財務体質の改善を進めている。
出典:https://www.lotteglogis.com/
Coupang Fulfillment Services (クーパンフルフィルメントサービス)
クーパンフルフィルメントサービス(Coupang Fulfillment Services)は、韓国最大のeコマース企業クーパンの物流を担う系列会社である。全国に大規模な物流インフラを保有し、翌日・当日・深夜配送を支えている。
自社配送網「ロケット配送」を軸に、注文から配達までを垂直統合したフルフィルメント体制を構築している。仁川西区のメガセンターをはじめ、全国に物流センターを展開する。
近年はクーパン本体が物流機能をクーパンロジスティクスサービス(CLS)として再編し、2024年時点で宅配市場でも急速に存在感を高めている。1日の配送物量は数百万件規模に達する。
2025年時点では、地方圏への配送網拡大や物流自動化への投資を進め、外部荷主向けの宅配事業でも大手との競争を強めている。
出典:https://www.coupang.jobs/en/teams/coupang-logistics-services/
Hansol Logistics (ハンソルロジスティクス)
ハンソルロジスティクス(Hansol Logistics)は、1994年設立でソウル特別市中区に本社を置く総合物流企業である。ハンソルグループの系列で、韓国取引所(KOSPI)に上場している。
コンテナ・トラック・鉄道運送、輸出入物流、倉庫・配送(W&D)、物流コンサルティングなど多様な物流領域を手掛ける。国内39・海外20のネットワークを保有する。
2007年の中国法人を皮切りにインド・ベトナムなどへ進出し、グローバル物流網を拡大してきた。韓国物流大賞の国務総理賞など受賞歴も豊富である。
2025年時点では、海上運賃の変動やグローバル通商環境の不確実性に対応しつつ、フォワーディングと契約物流を軸に売上1兆ウォン規模の事業基盤を維持している。
出典:https://www.hansollogistics.com/
Kukbo (国宝)
国宝(Kukbo)は、1953年設立で釜山広域市に本社を置く総合物流企業である。ソウル事務所は江南区に構え、韓国取引所(KOSPI)に上場している。
運送、保管、3PL、荷役を主力に、一般貨物からコンテナ、バルク・重量貨物、プラント移転設置まで幅広く手掛ける。全国に17の物流事業本部を展開している。
トレーラー約700台や鉄道貨車を保有し、釜山・梁山・世宗・仁川など全国各地にコンテナヤードを運営する。阿岩物流センターなど最新設備を備えた拠点を持ち、保管と配送の両面に対応する。
2024年時点では、コンテナ運送や重量物流の需要に対応しつつ、港湾と内陸を結ぶ物流網の効率化を進め、上場企業として安定した事業運営を続けている。
出典:https://www.kukbo.com/
LX Pantos (エルエックスパントス)
LX판토스(LX Pantos)は、1977年設立でソウル特別市鍾路区に本社を置くLXグループ傘下の総合物流企業である。旧LG商事系の物流事業を母体とし、2021年のLXグループ分離に伴い現社名となった。
海上・航空運送、倉庫・陸上運送、鉄道運送、通関、国際特送、プロジェクト物流を手掛ける韓国有数の3PL事業者である。グローバルに広範な物流ネットワークを持つ。
2024年通期の売上高は8兆633億ウォンで、韓国の国際物流企業の中でも上位に位置する。海上運賃の変動が業績に影響する事業構造を持つ。
2025年時点では、海外物流拠点への投資拡大や二次電池・EV関連物流の取り込みを進め、収益源の多様化とグローバル競争力の強化を図っている。
出典:https://www.lxpantos.com/kr/main.do
Sebang (セバン)
セバン(Sebang)は、1965年設立でソウル特別市に本社を置く総合物流企業で、セバングループの中核会社として韓国取引所(KOSPI)に上場している。港湾荷役を起点に事業を拡大してきた。
港湾荷役、陸上運送、倉庫保管、3者物流、コンテナ輸送などを手掛け、釜山・仁川・光陽など主要港湾に拠点を展開する。二次電池素材や重量物流など高付加価値分野にも進出している。
2024年は港湾物量と陸上運送需要の増加を背景に、売上高が前年比で2割前後の高い伸びを示した。グループの物流子会社と連携し総合力を高めている。
2025年時点では、二次電池関連物流や新規貨物の取り込みを進め、港湾から内陸までを一貫して担う総合物流事業者としての基盤強化を図っている。
出典:https://www.sebang.com/
韓国の主要陸運企業1選〜外資編〜
FedEx (フェデックス)
フェデックス(FedEx)は、米国に本拠を置く世界最大級の国際特送企業で、韓国では1989年に事業を開始した。韓国法人の所在地はソウル特別市麻浦区に置く。
国際航空貨物と特送(クーリエ)を主力に、韓国と世界各地を結ぶネットワークを展開する。国際特送業者の中で韓国発着の運航便数を最多水準で保有してきた。
2022年には仁川国際空港に新たな仁川空港事務所を開設した。約2万3395平方メートルの規模で、78基のコンベアと自動分類システムにより時間当たり最大1万2000個を処理できる。
2025年時点では、越境ECの拡大を背景に韓国発の国際輸送需要を取り込み、通関電子化やスマート物流技術の導入を通じてサービス高度化を進めている。
出典:https://www.fedex.com/ko-kr/home.html
FAQ
韓国の陸運業界の主要企業はどこですか?
韓国の主要な陸運企業にはハンジン、現代グロービス、CJ Logistics、ポスコフロー、ロッテグローバルロジスティクス、キョンヨン宅配、イールヤンロジスティックス、クーパンフルフィルメントサービス、ハンソルロジスティックス、国宝、フェデックスなどがあります。
韓国の主要陸運企業の中でハンジンの特徴は何ですか?
ハンジンは1945年に設立され、輸送と物流において先端技術を導入し、国内最大級の物流センターや国際特送事業を展開しています。
現代グロービス(現在グロービズ)の規模と事業内容は何ですか?
現代グロービスは2001年設立で、国内外に多くの支店と拠点を持ち、物流、海運、トレーディングなど多岐にわたる物流サービスを提供しています。売上高は約27兆ウォンです。
CJ Logisticsの宅配サービスの特徴は何ですか?
CJ Logisticsは国内に195のセンターと多数の運送車両を持ち、革新的なAIやモバイルサービスを導入し、1日最大処理量は866万箱の宅配サービスを提供しています。
外資系の陸運企業で韓国に拠点を持つフェデックスの特徴は何ですか?
フェデックスは1989年に韓国に進出し、ソウルに拠点を置き、世界最大級の配送ネットワークを持ち、国内外に多くの事務所と自動分類システムを備えています。


コメント