韓国の医療卸業界は、Geoyoungやブルームテックなど国内大手医薬品卸が病院・薬局向け流通を担う市場です。医薬品需要の安定拡大を背景に、主要企業は物流網の効率化と在庫管理システムの高度化を進めています。
今回は、そんな韓国の医療卸業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて15社の最新情報をお届けしていきます!
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韓国の主要医療卸企業13選〜ローカル編〜
Geoyoung (ジオヨン)
2002年に設立され、本社はソウル特別市西大門区に置く。医薬品流通で国内首位の地位を築き、これを基盤にGPO、ヘルスケアIT、3PL/4PL、放射性医薬品事業へ多角化した、名実ともに韓国最大の総合ヘルスケアサービス事業者である。
GPO事業ではサムスン物産系のケアキャンプ買収を経て売上首位を固め、薬局ITのクレソティや病院ITの4Cゲートなどを軸にヘルスケアIT分野でも高い市場占有率を握る。
2007年の仁川ハブ物流センター稼働で1日2〜3回の全国配送を実現し、2021年完工の天安ハブ物流センターでは最先端の自動化設備とコールドチェーンを備え、国内外の製薬・バイオ企業と3PL・4PL事業を本格展開している。
2024年通期ではグループ売上高が約4兆7千億ウォン、単一法人でも約3兆2千億ウォンに達し、3年連続で4兆ウォンを超えた。2026年時点では総合ヘルスケアプラットフォームへの転換を本格化させている。
出典:https://www.geo-young.com/
Bluemtec (ブルーエムテック)
本社は京畿道城南市に置き、医薬品のEコマースおよび関連プラットフォームを運営する企業である。クリニックや病院向けに国内最多級の専門医薬品と医薬部外品を扱い、価格比較や購買パターン分析による個別最適化された供給を強みとする。
主力の人工知能型専門医薬品ECプラットフォーム『ブルーファームコリア』では、製薬会社と病院・医院を直接つなぐ独自の流通ソリューションBOSを展開し、国内外の中大型製薬会社への導入を進めている。
平沢の物流センターは常温・冷蔵保管に対応し、EU GDPやWHO GDP、PIC/S GDP、韓国の医薬品流通管理基準(KGSP)を遵守した品質管理体制を敷く。
2023年5月時点の累積売上高は2,085億ウォン、累積加盟病院数は2万7,400を超えた。2026年時点でもデジタル基盤の医薬品流通プラットフォーマーとして事業拡大を続けている。
出典:https://bluemtec.com/
Baekje Pharmaceutical (百済薬品)
1946年に設立され、本社はソウル特別市九老区に置く。韓国内の約1万カ所の薬局や病院・医院に医薬品を迅速に供給する老舗の医薬品流通企業で、KGMP施設を備え優秀医薬品の開発・生産も手掛ける。
1980年に民族賞、2007年に大韓民国グリーン大賞と社会奉仕大賞を受賞するなど社会的評価も高い。2021年にはキム・スングァン会長が代表取締役に就任した。
関係会社に百済エチカル薬品、チョダン薬品、草堂大学校、百済高等学校などを擁する。うち百済エチカル薬品は1989年の全国民医療保険と流通業市場開放に対応して設立された病院・医院向け薬品会社である。
2024年通期の売上高は約2兆2,900億ウォンに達し、9年連続で売上1兆ウォンを超えた。2026年時点でも国内2位級の医薬品流通企業として地位を維持している。
出典:http://www.baekje.net/
Boksannice (ボクサンナイス)
1952年創業の複数企業を母体とし、2016年に㈱ポクサンナイスファーム、ポクサン薬品、ポクサンファームの3社を統合して新たに設立された。本社は釜山広域市東区に置く。2022年にはオム・スンウク代表取締役が就任した。
医薬品の入庫から顧客到達まで適切な温度を保つコールドチェーンを導入し、製品別の徹底したリスク管理でグローバルガイドラインに沿った厳格な品質管理を追求している。
医薬品物流受託事業も手掛け、製薬会社や流通企業が医療機関・薬局へ販売する商品の保管・出荷・配送を、専門スタッフと基準適合施設によって支援している。
2020年に売上1兆ウォンを達成し、2024年通期でも約1兆360億ウォンと3年連続で1兆ウォンを超えた。2026年時点でも釜山を代表する大型医薬品流通企業として存在感を保っている。
出典:http://www.boksannice.co.kr/
Taejeon Group (テジョングループ)
1935年に創業し、本社は全羅北道全州市に置く。医薬品の物流・流通を軸とする老舗グループで、2001年に売上1,000億ウォンを達成した後も成長を続け、2022年にはグループ売上が約1兆1,869億ウォンに達した。
物流・流通事業では約500社の国内外製薬会社が扱う2万品目の医薬品を保管し、品質管理と一括物流サービスを提供している。オンラインを含む約1万5,000以上の取引先の物流・配送業務を処理する。
薬剤師の役割価値を広げ主治薬剤師文化の定着を図る薬局中心のコミュニケーションプラットフォーム『ハハハアライアンス』を運営するなど、流通にとどまらない幅広い事業を展開する。
中核の医薬品流通は子会社ティージェイファーム(TJ Pharm)などを通じて担い、2026年時点でも湖南圏を地盤とする有力グループとして事業基盤を維持している。
出典:https://www.tj1935.com/
Dongwon Pharmaceutical (ドンウォン薬品グループ)
1968年に設立され、本社は大邱広域市北区に置く。最新の物流システムと超高速電算網を構築し、全国を連結した多チェーン網で流通を一元化した医薬品流通会社である。取り扱い品目は約1万7,000に上る。
大邱の東宝薬品、大田の大田東遠薬品、晋州の晋州東遠薬品、ソウルの錫元薬品やソウル東遠ファーム、済州の済州東遠薬品などを関係会社に擁し、医薬品を迅速かつ円滑に供給する流通体系を整えている。
2009年と2010年に赤十字の日有功包装銀章を受賞し、2019年には東遠アイファームが雇用最高企業大統領表彰を受けた。
2017年にグループ全体の売上高が1兆ウォンに達し、2022年には東遠アイファームが韓国物流大賞の大統領表彰を受賞した。2026年時点でも嶺南圏を地盤とする大型流通グループとして事業を継続している。
出典:https://dwpw.co.kr/
Geo Pharm (ジオファーム)
1989年に設立され、本社は大邱広域市月西区に置く医療品物流企業である。代表はチャン・ウォントクで、2007年にCEO大賞、2009年に国家競争力大賞を受賞するなど、継続的に評価を受けてきた。
系列会社として大田ジオファーム、光州ジオファーム、ソウルジオファームを擁し、それぞれ1990年、1986年、1995年に設立された。地域ごとに拠点を持つ流通網を構築している。
医療品の流通ではウェブサイトを通じたノンストップ注文に対応し、薬品や顧客の購入パターンまでトータルソリューションで体系的に管理する。入庫・保管・出庫・配送まで一貫して支援する物流体制を敷く。
2026年時点でも嶺南圏を中心に地域密着型の医薬品物流企業として事業を継続しており、系列各社との連携で広域の医療機関・薬局への供給を担っている。
出典:http://site01.ieetu.com/
Koreamedix (韓国メディックス)
2015年に設立され、本社はソウル特別市九老区に置く。医薬品のマーケティング専門法人として、医薬品流通とマーケティングのトータルサービスを提供する企業である。
設立以降着実に成長し、2017年に売上200億ウォン、2020年には1,400億ウォンを達成した。毎年新商品を投入しており、4歳から処方可能な低濃度アトロピン点眼薬や、2型糖尿病患者の血糖コントロールを補助する製品などを発表してきた。
組織は営業部、流通事業部、経営支援部、営業支援部の4部門で構成される。協力企業としてメディコマースやセルトリオン製薬、モノファームテックなどが挙げられる。
2026年時点でも医薬品流通とマーケティングを掛け合わせた事業モデルで成長を続けており、専門医薬品分野での新製品供給を軸に事業を拡大している。
出典:http://home.koreamedix.com/
Care Pharm (ケアホーム)
2009年に設立された企業で、本社は2022年に安山から京畿道華城市へ移転した。医薬部外品や医療機器、食品添加物・工産品、医薬品などを幅広く取り扱う。
自社の研究所を保有し、技術開発と製品開発に注力する専門医薬品・医薬部外品の製薬・流通企業として事業を展開している。2017年にはベッドサイド洗浄ティッシュの開発・生産を手掛けた。
代表製品には特許原料のタンパク質分解酵素製品『ケアザイム』、特許デザインを採用した『ケアスワップ160Gプレミアム』、R/O浄水システムの『ケアウォーター』などがある。
2011年と2023年には国際医療機器展示会KIMESに出品しており、2026年時点でも自社研究開発を基盤に医療関連製品の供給と技術競争力の強化を進めている。
出典:http://m.carepharm.kr/
Hyesung Pharmaceutical (ヘソン薬品)
1997年に設立され、本社は忠清北道清州市に置く。医薬品流通管理基準の適格業者に指定された医薬品卸売業者で、7,000種以上の専門医薬品と一般医薬品を取り扱い、先進的な物流システムを備えている。
ヘソン薬品と子会社のジソンファームを通じて病院・医院・薬局など医療機関に幅広く医薬品を供給する。医療用品専門子会社のジンソンメディカルからは1万種類以上の医療消耗品や医療機器の供給を受けられる。
代表製品にイオルスワップがある。アルコール綿棒をガンマ滅菌処理することで、汚染された綿棒による交差感染を防ぐ製品で、他社製品より衛生的である点を訴求している。
2026年時点でも忠清圏を地盤に子会社群と連携した医薬品・医療用品の一括供給体制を強みとし、地域の医療機関向け流通事業を継続している。
出典:http://www.ehsp.co.kr/default/
Hangaram Pharm (ハンガラム薬品)
1995年に設立され、本社はソウル特別市西大門区に置く。グローバル製薬会社とパートナーシップを結び、医薬品流通に加え病院・医院と薬局をつなぐメディカルパートナー(MR)の役割を担う企業である。
事業は医薬品流通、営業協力活動、新規事業開発から成る。流通では入荷・在庫管理・出荷・配送業務のすべてを担い、営業協力では製薬会社との協業で製品販売や集金、返品対応を行い、流通企業の営業機能を構築する。
代表的な取り扱い商品はジョンソン・エンド・ジョンソンの直取引による一般医薬品・医薬部外品で、解熱鎮痛のタイレノール錠や口腔ケアのリステリンなどがある。
2026年時点でもグローバル製薬会社との提携を軸に、直取引OTC品目の流通と営業支援を組み合わせた事業モデルで首都圏を中心に事業を展開している。
出典:http://www.hangarampharm.com/
Incheon Pharm (インチョン薬品)
1998年に設立され、本社は仁川広域市に置く医薬品流通企業である。薬局向け供給を中心に事業を展開し、代表はユン・ジンハが務める。
約3,000坪の物流センターは薬局向け単一業体としては国内最大級とされ、約2万4,000品目の医薬品を扱う。冷蔵対応の配送車両群や重量式の自動検品設備、多数の検品ステーションを備え、配送誤りの防止と定時配送を徹底している。
近年は病院入札やワクチン事業への進出を進め、ワクチン事業部の新設など事業領域の拡大を図ってきた。
2024年通期の売上高は約1兆1,287億ウォンに達し、単一の医薬品流通企業として売上1兆ウォンを超える『1兆クラブ』に加わった。2018年比で約5年のうちに売上を倍増させており、2026年時点でも成長を続ける有力流通企業である。
出典:https://inchunpharm.com/
Shinsung Pharm (シンソン薬品)
1985年に設立され、本社は京畿道金浦市に置く医薬品卸売企業である。病院・医院や薬局に医薬品を納品する流通を主力とし、韓国の医薬品流通業界で長年の実績を持つ。
創業以来、営業網と物流基盤を拡充し、創立16年で売上1,000億ウォンを突破するなど段階的に規模を拡大してきた。取引先の医療機関・薬局への安定供給を軸に事業を展開している。
2020年にはワクチン流通事業へ本格参入し、国の調達入札を通じてインフルエンザワクチンの供給を担った。約1,100億ウォン規模の契約のもと、およそ1,259万回分のワクチンを納品した実績を持つ。
コールドチェーンを要するワクチン流通の経験を強みに、2026年時点でも医薬品と生物学的製剤の卸売を両輪とする有力な流通企業として事業を継続している。
出典:http://www.e-shinsung.co.kr/
韓国の主要医療卸企業2選〜外資編〜
Zuellig Pharma (ジュリックパーマコリア)
シンガポールに本社を置くズエリグ・ファーマ・グループの韓国法人である。同グループは1992年にアジア進出し、韓国では2000年にジュリックパーマコリアが設立された。アジア12カ国で多国籍製薬会社の顧客を管理する医薬品流通・ヘルスケアソリューション企業である。
韓国法人の本社はソウル特別市龍山区に置く。1999年に華城の第1物流センターを建設して以降、2006年に安城、2009年に華城第2、2011年に華城第3の物流センターを構えるなど拠点網を拡大してきた。
乳がんの予防と早期発見の重要性を伝えるピンクリボンキャンペーンなど社会貢献活動にも積極的で、全国の薬局に乳がん診断カードを無償配布している。
2026年時点でもグローバル本社のネットワークを活かし、多国籍製薬企業の韓国向け流通とデジタルヘルスケアソリューションの提供を担う外資系の主要プレイヤーである。
出典:https://new.ezrx.co.kr/Info/CompanyInfo
Navi MRO (ナビMRO)
アメリカに本拠を持つMRO(消耗性資材)流通企業で、韓国には2013年に法人を設立した。韓国法人の本社はソウル特別市衿川区に置く。米国内では政府や国防総省を含む約200万の企業に消耗性資材を供給している。
韓国では日用品にとどまらず、実験機材や医療用品も販売しており、医療機関や研究機関向けの資材調達を担っている。
法人設立の2013年に約10万点の商品を扱い会員1,000を突破した後、2016年に売上高400億ウォン・会員15万、2022年には売上高808億ウォン・会員68万へと着実に成長した。
米グレインジャーや日本のモノタロウなど世界のグレインジャーグループの販売網とグローバルソーシング力を活用し、約400のグローバル生産工場とのソーシング協約を維持している。2026年時点でも韓国のMRO市場で医療用品を含む幅広い資材供給を続けている。
出典:https://www.navimro.com/
FAQ
韓国の医療卸業界の主な企業にはどのような特徴がありますか?
韓国の医療卸業界の主要企業は、国内最大手のGeoyoungをはじめ、ブルーエムテックや百済薬品など、多角的な事業展開と高度な物流システムを駆使し、医薬品の流通とITソリューションを提供しています。
ローカル企業と外資系企業の違いは何ですか?
ローカル企業は韓国国内の市場に特化し、国内の医療ニーズに応えるための供給とサービスに焦点を当てているのに対し、外資系企業はグローバルなネットワークを活用し、多国籍の医薬品流通やヘルスケアソリューションを提供しています。
主要な医薬品卸企業の中で、特に注目すべき事業展開は何ですか?
Geoyoungは自動化された全国配送システムと多様な事業領域の多角化を進めており、ブルーエムテックは人工知能を活用した医薬品Eコマースとカスタマイズされた供給ソリューションを展開しています。
韓国の医療卸業界の今後の展望は何ですか?
韓国の医療卸業界はデジタル化と自動化が進み、高度な物流インフラとITソリューションを整備することで、効率化とサービスの質の向上が期待されます。さらに、グローバル連携による新たな市場拡大も展望されています。
韓国の医療卸業界における注目の技術やトレンドは何ですか?
注目されている技術には、AIを活用した医薬品の需要予測と供給管理、冷链物流の高度化、そしてITプラットフォームによるパーソナライズされた医薬品供給と効率的な在庫管理があります。


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