今回は、トイレタリー(日用品)業界に焦点を当て、ローカル・日系・外資合わせて15社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
韓国の主要トイレタリー(日用品)企業10選〜ローカル編〜
LG 생활건강(エルジー生活健康)
1947年に設立され、 健康(生活用品事業・健康機能食品事業)、ビューティー、リフレッシュ(飲料)事業を展開している。韓国5大生活家庭用品事業者のうちの一社である。
健康分野では主に、口腔用品(歯磨き粉・歯ブラシ)、肌用品(石鹸・スキンケア・ボディクレンザー)、毛髪用品(シャンプー・リンス・ヘアケア)、洗濯用品(洗濯洗剤・繊維リンス)、支流用品(おむつ・ウェットティッシュ)、住宅用品(キッチン・住宅洗剤)を取扱うほか、ステアリン酸、グリセリン等の原料販売も行っている。
健康分野での主要製品は、歯磨き粉「ペリオトータル7」、柔軟剤「シャフラン10倍濃縮」、ボディーウォッシュ「オンザボディー パフュームボディーウォッシュ」などが挙げられる。
アメリカ、中国、ベトナム、日本、シンガポール、カナダ、タイ、マレーシア、イギリスに現地法人を有している。
売上高は、2020年7兆8,445億ウォン、 2021年8兆915億ウォン、 2022年7兆1,858億ウォンで推移している。
出典:https://www.lghnh.com:984/m/index.jsp
애경산업(エギョン(愛敬)産業)
950年に前身となる大陵産業設立、1954年に愛敬維持工業設立。韓国初の美容石鹸である“미향비누”(美香石鹸)を皮切りに、韓国初のキッチン洗剤“트리오”(トリオ)、国民的歯磨き粉“2080”、中性洗剤“울샴푸”(ウールシャンプー)、洗濯洗剤“스파크”(スパーク)“리큐”(リキュー)など多くの人気生活用品を発売してきた。韓国5大生活家庭用品事業者のうちの一社である。
事業部門は、ビューティーケア、パーソナルケア、ホームケアに分かれている。それぞれの主要ブランドは以下のとおりである。
ビューティーケア:AGE20’s, LUNA, a.solution, point&、パーソナルケア: ヘアケア“케라시스”(ケラシス)、ボディーケア“샤워메이트”(シャワーメイト)、デンタルケア“2080”、ホームケア: 洗濯洗剤“리큐”(リキュー)“리큐제트”(リキュージェット)、キッチン洗剤“토리오”(トリオ)、衛生ケア“홈백신”、ペット用品“휘슬”(ホイッスル)、芳香消臭剤“에어후레쉬”(エアフレッシュ)である。
売上高は、2020年5,881億ウォン、2021年5,739億ウォン、2022年6,104億ウォンである。2022年の売上高の内訳はその内64%が生活用品、36%が化粧品である。
出典:http://www.aekyung.co.kr/KR/m/main/main.do
피죤(ピジョン)
1978年設立。同年に韓国初の繊維柔軟剤”피죤“(ピジョン)を開発し、以降同シリーズは改良を重ねながら定番商品となっている。また韓国初の液体洗濯洗剤”Act’z”を発売している。除菌シリーズ“무균무때“(無菌無地)、キッチン洗剤“pure”などが主要な製品である。
総合生活用品専門企業ピジョンがブランド価値評価会社「ブランドスタック」の「2022年大韓民国100代ブランド」評価で総合順位68位を記録し、5年連続「100代ブランド」に選ばれた。
売上高は、2020年925億8.705万ウォン、2021年1070億8,786万ウォン、2022年1,317億5,419万ウォンで推移している。
出典:http://www.pigeon.co.kr/
깨끗한나라(ケックタンナラ)
1966年に設立された製紙メーカーである。産業・食品用紙を発売するPS(paper solution)事業部と生活用紙を発売するHL(Home&Life)事業部に分かれる。
HL事業部の代表ブランドは、トイレットペーパーをはじめ様々な生活用紙を展開する“깨끗한나라”,幼児用品の“보솜이”,プレミアム幼児用品の“premignon”フェミニンケアブランドの“DEAR SKIN”、生理用ナプキンの”순수한면“である。
また、国内ペット市場の規模は急速に拡大しており、来る2027年には6兆ウォン規模まで成長すると見込まれる。そこで同社は、ペット用品市場への進出を決定し、ペットの専門ブランド「ポポモン(PAW-PAW MONG)」を新規発売した。
売上高は、2020年 5,902億1000万ウォン、2021年 5,766億9千万ウォン、2022年6,059億2千万ウォンで推移している。
出典:https://www.kleannara.co.kr/Main/main
아모레퍼시픽(アモーレパシフィック)
化粧品を中心に、ヘアケア、ボディーケア、デンタルケア等の生活・健康用品の販売を行うメーカーである。
化粧品部門は、「ソルファス」、「イニスフリー」、「ラネージュ」等代表ブランドも多岐に渡る。生活・健康用品部門は、“呂”、“mise-en-scène”(ヘアケア)、ILLIYOON(ボディーケア)、“메디안(メディアン)”(歯磨き粉)などの代表ブランドがある。
世界的にも評価が高く、2015年には自主的な競争力強化への取り組みと持続的なR&D投資が評価され、米国経済誌フォーブスが選定した100大革新企業に選ばれたほか、2016年にはファッション·ビューティー専門メディアであるWomen‘s Wear Daily(WD)が選定する世界100大ビューティー企業に韓国企業の中で初めて7位に選ばれた。
売上高は2020年4兆9301億ウォン,2021年5兆3261億ウォン、2022年4兆4950億ウォンで推移している。
出典:https://www.apgroup.com/jp/ja/about-us/amorepacific/our-history/our-history-global/our-history-global.html
모나리자(モナリザ)
1977年設立。生活衛生専門グループであるMSSホールディングス傘下の衛生用品専門企業で、シニアおむつ、プレミアムウェットティッシュとともにマスク、手消毒剤、抗菌クリーナーなどの様々な衛生用品を披露している。
トイレットペーパー「モナリザ」が最も代表的なブランドである。現在は、キッチンタオル、ウェットティッシュ、成人用おむつを展開している。特に、2020年からはパンデミックを受けて、マスク、衛生用品(消毒剤)なども発売している。
2020年の営業利益が前年比237.2%増加(93.5億ウォン)し、当期純利益は219%増加(77.6億ウォン)した。コロナ19による衛生用品の販売増加、直営モールを含むオンラインチャネル売上好調が収益性改善の主な要因であり、外的には原材料価格の下落が大きな影響を与えたことが分かった。
2020年7月からは全州工場にマスク生産施設を構築し、自社生産による品質競争力を確保し、10月には米国食品医薬品局(FDA)マスク登録と同時に本格自主生産を開始した。
出典:http://www.mssholdings.co.kr/subsidiary/
쌍용C&B(サンヨンシーアンドビー)
1979年に設立されたSangYoung Scottie Paper Companyから紆余曲折を経て、2005韓国P&Gからティッシュ事業を買収したあと、쌍용C&Bとして出発した。生活衛生専門グループであるMSSホールディングス傘下企業である。
代表的な商品は、「コーディ」、プレミアムトイレットペーパー特許を受けた「高昌黄土」、ローショントイレットペーパー「済州オルムアロエベラ」など差別化された新製品を発売し、成功した市場安着を達成した。現在は抗菌製品、乳児用品、女性用品、シニア用品など新規事業を展開して生活衛生専門会社となっている。
2022年には新世界グループのオンラインプラットフォームSSG.comと業務提携協約を結び、オンライン競争力を強化することで、売上拡大を目指している。
売上高は、2020年1,930億1,300万ウォン、2021年1,857億1,261万ウォン、2022年2006億3,621万ウォンで推移している。
出典:http://www.mssholdings.co.kr/subsidiary/
삼정펄프(サムジョンパルブ)
サムジョンパルプは1974年4月9日セマウル工場として設立され、稲わらパルプ生産を皮切りにパルプを含む柔らかい高級化粧紙に至るまで40年間、衛生用の製造を行っている。
代表ブランドは、”그루“ (グル)”순수한 약속“(純粋な約束) ”리빙“(リビング)であり、それぞれ、トイレットペーパー、ウェットティッシュ、キッチンタオル、ティッシュを発売している。
売上高は、2019年1,471億ウォン、2020年1,463億ウォン、2021年1,381億ウォンで推移している。
出典:http://www.sjpulp.com/index2.html
TS트릴리온(TSトゥリリオン)
2007年に設立され、シャンプー、染色、歯磨き粉などの事業を展開する。
TSシャンプーは米国、中国(香港、マカオ、台湾)、日本、シンガポール、インドネシア、マレーシア、カンボジア、オーストラリア、ドバイ、ベトナム、カナダなどに輸出されている。
Neilson eCommerce Key Account Data Report(2018年10月〜2019年9月)調査結果によると、TSシャンプーが抜け毛シャンプーメーカー別購入額シェアが54.2%に達し、抜け毛シャンプー市場をリードしている。
出典:https://www.tstrillion.com/
한국콜마(韓国コルマー)
1990年に設立された、国内化粧品業界初のODM(Original Development & Design Manufacturing…メーカーが設計、開発、生産した製品をオーダ ーメーカーブランドとして供給 、販売する方式)企業である。
アメリカ、カナダ、中国にも進出しており、グローバル生産ネットワークを構築している。
売上高は、2020年1兆3221億ウォン、2021年1兆5863億ウォン、2022年1兆8657億ウォンで推移している。
出典:https://www.kolmar.co.kr/
韓国の主要トイレタリー(日用品)企業1選〜日系編〜
라이온코리아(ライオンコリア)
2004年に設立され、現在は、日本、韓国だけでなく、シンガポール、バングラデシュ、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、中国、香港、台湾に海外拠点を有する。韓国5大生活家庭用品事業者のうちの一社である。
代表的なブランドも多岐に渡る。特にハンドソープ“아이 깨끗해!“(日本の「キレイキレイ」)、洗濯洗剤“비트”(ビート)は、韓国能率協会コンサルティング(KMAC)主催の「2022年度韓国産業のブランドパワー(K-BPI)」で「1位ブランド」に輝き、ライオンコリアの最も代表的なブランドとなっている。
売上高は、2020年1,669億911万ウォン、2021年1,623億2,469万ウォン、2022年1,907億4,406万ウォンで推移している。
出典:https://www.lionkorea.co.kr/kr/main.do
韓国の主要トイレタリー(日用品)企業4選〜外資系編〜
한국 P&G(韓国ピーアンドジー)
1837年にアメリカで設立され、韓国では、1992年に設立された。ベビー、フェミニン、ファミリーケア、美容、ヘルスケア、グルーミング、ファブリック、ホームケア用品事業を世界180ヵ国以上で展開する世界的なメーカーである。韓国5大生活家庭用品事業者のうちの一社である。
代表的なブランドは、pampers(おむつ)、Downy(柔軟剤・洗濯洗剤)、BRAUN・Gillette(グルーミング)、Head&Shoulder・Herbal Essences・PANTENE(ヘアケア)、Febreze(消臭剤)、Swiffer(クリーニング)、Oral-b(オーラルケア)、SK-Ⅱ(スキンケア)などがある。
売上高は2020年 81億2,946万ウォン、2021年87億5,240万ウォン、2022年77億5,223万ウォンで推移している。
出典:https://pg.co.kr/
헨켈코리아 (ヘンケルコリア)
ヘンケルコリアは1989年に設立されたグローバル生活用品および産業用品専門企業、ヘンケル(Henkel AG & Co. KGaA)の韓国現地法人で、1989年に韓国に進出した。現在は、日本も含む79ヵ国で事業を展開している。
産業用及び消費者用接着剤、建築用材料をはじめ、自動車産業や一般産業分野で活用される各種アプリケーション及び防音材、制振材、シーラント及び表面処理剤分野の製品で業界をリードしている。また、生活用品も展開しており、韓国5大生活家庭用品事業者のうちの一社である。
生活用品の代表的なブランドは、홈키파 홈매트(ホームキーパー・ホームマット)、Syoss(サイオス)、Persill(パーシル)、COMBAT(コンバット)、FRESHLIGHT(フレッシュライト)などである。
売上高は、2020年3555億5,528万ウォン、2021年3,956億938万ウォン、2022年4,359億9,792万ウォンで推移している。
出典:https://www.henkelhomecare.co.kr/
유한킴벌리(ユハンキンバリー)
1970年に設立。アメリカのキンバリークラーク(製紙会社)とユハン洋行の合弁により設立された。幼児用品、女性用品、家庭用生活用品、シニア用品、スキンケア用品等を展開する。
特に生理用ナプキン“좋은 느낌”(いい感じ)は、韓国生理用でも高い人気を誇っている。また、トイレットペーパーをはじめとした“クリネックス”シリーズも代表的な商品である。
2019年の時点では、様々な製品を日本を含む29カ国へ輸出している。
売上高は2020年1兆4,977億ウォン、2021年1兆4,671億ウォン、2022年1兆5,091億ウォンで推移している。
出典:https://www.yuhan-kimberly.co.kr/Mobile/
유니레버 코리아(ユニリーバコリア)
1883年にイギリスで設立され、現在は400以上のブランドを190ヵ国で製造販売している。유니레버코리아(주)は1992年4月に設立され、美容&健康、パーソナルケア、ホームケア、食品、アイスクリームを製造・流通しているグローバル消費財企業である。
代表的なブランドは、世界的なブランドであるヴァセリン、ダブ、ポンズ、そしてスナッグなどがあり、合計10以上のブランドを取扱う。
売上高は、2020年1,132億7,762万ウォン、2021年912億4,865万ウォン、2022年899億5,613万ウォンで推移している。
出典:https://www.unilever.co.kr/
ソウル在住の韓国人。日本での在住経験は25年。日本の有名大学を卒業し、大手シンクタンクの正社員及び経営コンサルタントとして勤務。多くのプロジェクトに携わり、ビジネス戦略とイノベーションの分野で活躍。
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