【統計データで解説!】韓国の製造業(食品以外)業界の最新トレンド・業界事情


韓国の製造業は、パンデミックの影響から回復し、化粧品、美容医療、文具、自動車、二輪車など多岐にわたる分野で力強い成長を遂げています。特に、オーダーメイド化粧品の普及やAIを活用したビューティーテック、エコ自動車やレジャー二輪車市場の拡大が業界の注目を集めています。

この記事では、統計データを用いて韓国の製造業(食品以外)の最新情報をお届けしていきます!

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韓国の製造業(食品以外)業界 業界地図はこちら!
目次

韓国の化粧品事情〜統計データ〜

化粧品市場の生産額推移とトレンドの変化

化粧品市場規模は2018年に15兆5028億ウォン、2019年に16兆2633億ウォンと大幅な成長をしたが、2020年の化粧品市場はコロナウイルスの影響により大きく打撃を受けた。

しかし2021年には16兆6533億円に到達し回復を見せた。コロナウイルスにより化粧品のトレンドも大きく変化した。

さらに、化粧品市場の新たな成長動力として大きく成長しているのが「オーダーメイド化粧品」である。

実際に韓国の大手化粧品会社アモーレパシフィックもオーダーメード型化粧品とIT結合に着手している。

人工知能を活用して顧客の肌トーンに適した唇色をおすすめし、現場で即リップメイク製品を製造してくれる「リップファクトリーバイカラーテイラー」で革新賞を受賞した。

出典 : 統計庁, 韓国保健産業振興院

最近購入した化粧品の情報元

20~60代の男女561名を対象にアンケート調査を行った。化粧品購入時にどういったことを考慮するのかについて質問をすると、人々はどういったことを重視して化粧品を購入するかがわかった。

一番多かった要因は効能・機能で46%と圧倒的に多かった。次に多かったのが使用感・吸収力で31%であった。そのあとに皮膚タイプとの適合性が25%、価格24%、成分が20%と続いた。

この調査から人々は価格よりも効能・機能を重視することがわかった。

また化粧品購入時に考慮する要因として、ブランドの項目が挙がらなかったことから、ブランド力にさほど効力がないことが分かる。

さらに人々は肌に関してどのような悩みを抱えているのかを見てみると20代は肌トラブルが一番多く、30・40代は乾燥・毛穴、50・60代は弾力・シワが一番多かった。

ここから年代によって抱える悩みが違うことが分かる。

出典:食品医薬品安全処

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韓国の美容事情〜統計データ〜

美容医療機器企業売り上げ推移

韓国内の代表美容機器企業7社(ルートロニック、クラシス、ジェイシスメディカル、ハイロニック、ビオール、イルダ、ワンテック)の売上高推移をみると美容医療機器産業が確実に成長していることが分かった。

売上高は2015年の1693億ウォンから2021年予想4744億ウォンへ6年間で年平均18.7%で成長している。

自然な美しさに対する選好の増加、ベビーブーム世代のアンチエイジング需要増加、ミレニアル世代のスキンケア及び美容健康への関心増加、男性需要層拡大など様々なマクロ環境的要素が美容医療機器産業の構造的成長に大きく影響していると考えられる。

今後コロナウイルスの威力緩和によりインバウンド消費が増加の波に乗ることが出来れば、さらなる市場の拡大が期待できるとされている。

出典:교보증권

外国人医療観光回復への期待

韓国の整形外科・皮膚科を訪れる外国人は2009年0.9万人から2019年は17.6万人と10年間年平均13.7%の割合で成長している。

美容整形目的の患者の割合は29.7%まで到達したが、2020年のコロナパンデミックにより国家間の移動が制限され、訪韓整形外科・皮膚科外国人患者は3.2万人に激減した。

外国人患者の美容整形診療件数は、19年上半期64,644人から21年上半期849人へと、2年間で98.7%減少した。 同様に同期間、ボツリヌストキシン施術と関連のあるシワ除去術は11144件から94件に、皮膚美容と関連のある8,822件から121件に99%減少した。

17年基準の外国人患者1人当たりの平均診療費が整形外科440万ウォン、皮膚科105万ウォンであることを考慮すれば、外国人患者の割合が高い首都圏整形外科には大きな損失である。

今後、国家間移動が自由になれば回復とともに、さらなる韓国美容に対する需要が増えるものと期待されている。

出典:교보증권

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韓国のトイレタリー事情〜統計データ〜

生活・衛生用品の特許出願状況

特許庁によれば、パンデミックの影響で、生活・衛生用品、趣味娯楽、運動用品の特許出願数が増加した一方、ビューティ―、ジュエリー関係の出願は減少した。

2017年ー2019年に比べて、生活用品のデザイン出願は2020年には34.5%増加し、趣味娯楽・運動用品は4.6%増加した。

美容・雑貨などは4.1減少し、生地などの基礎製品は15.7%減少した。

品目別で特に注目されるのはマスクで、同時期の377件から2,444件が出願され、548.3%の爆発的な増加率を示した。

その他にも、家庭用殺菌消毒器、皮膚管理器など室内衛生用品のデザインは1,355件かから3,857件に増加し、184.6%の増加率を示した。

加えて、自宅時間が増加した影響で、ペット用品が48.7%、室内運動用品は31.1%増加した。

出典:특허뉴스

LG生活売上高推移

22年の年間全社売上高は前年同期比11.2%減の7兆1,858億ウォン、営業利益は44.9%減の7,111億ウォンを記録した。

このうち、HDB(Home Care & Daily Beauty)事業は、年間売上は2兆2,098億ウォンを達成して7.4%成長し、営業利益は1,898億ウォンを記録し、前年比9.1%減少した。

2021年売上8兆915億ウォン、営業利益1兆2,896億ウォンを達成した。

21年は売上・営業利益ともに過去最大の年間実績更新、17年連続成長した。

このうち、エイチディービー(HDB-Home Care & Daily Beauty/生活用品)事業の年間売上は2021年同期比9.9%増の2兆582億ウォン、営業利益は1.7%増の2089億ウォンを達成し、年間基準売上高2兆ウォンを超えた。

2021年売上・営業利益・当期純利益について 、売上は7兆8,445億ウォン、営業利益は1兆2,209億ウォン、当期純利益は8,131億ウォンを達成した。 2020年比それぞれ2.1%、3.8%、3.2%の増加である。

2021年の間、COVID-19による深刻な経済活動萎縮で全世界的に消費心理が悪化したものの、特にビューティー(Beauty)とデイリービューティー(Daily Beauty)を合算した全体化粧品売上は5兆5524億ウォン、営業利益は9,647億ウォンを記録した。

中国や米国などのグローバル市場で善戦し、危機を最小限に抑えた。

出典:LG Household & Health Care

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韓国の文房具事情〜統計データ〜

韓国の文具類海外輸出額

文具類の輸出額が縮小傾向にあることが分かった。紙製文具は14.7%減、金属文具も7.8%減、インクリボン塁は6.7%減、合成樹脂文具については42.9%の減少であった。

文具のカテゴリーをさらに細かく見てみると、最も輸出額が一番大きい文具はプラスティックのり・接着剤で18千万ドルであった。昨年比も23%と低迷しているなかでも順調な増加を見せた。

次に多いのがその他ののり・接着剤9千万ドルで11.2%の増加。3番目にボールペン3千万ドルで25.3%の増加であった。

全体的には減少傾向を見せている文房具であるが、需要の高い文具に関しては増加傾向にあることが分かった。
また項目ごとによる輸出額の差が激しく偏りがあることも見て取れる。

出典:韓国文具工業協同組合                

事務・文具のオンライン購入額推移

統計庁の調査によると事務・文房具のオンライン市場が拡大していることが分かった。2019年9,243億ウォンであった購入額は年々増額している。

2020年には1兆3,377億ウォン、2021年は1兆5,742億ウォン、2022年は1兆7959と4年の間にほぼ2倍になるほどの速度で増加したことが分かる。

専門ショッピングサイトと総合ショッピングサイトの2つに分けてみると専門ショッピングはほぼ横這いなのに対して、総合ショッピングサイトは格段に伸びていることが分かる。

専門ショッピングサイトは2,650億ウォン~2,700億ウォンを行き来している。それに対して総合ショッピングサイトは2019年は6,578億ウォンであったが、2022年は1兆5,301億ウォンと2.3倍にまで増加している。

これらの結果から、事務・文具において消費者は専門サイトにて購入するよりも総合サイトにて購入することを好む傾向にあることが分かる。

出典:統計庁

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韓国の自動車事情〜統計データ〜

韓国自動車の世界市場シェア率(2022)

韓国自動車の世界市場シェアは7.3%で、前年より下落した(2021年比)。

韓国自動車産業協会(KAMA)が21日発表した「2022年海外主要自動車市場および政策動向」報告書によると、海外8つの主要市場での韓国車シェアは2021年7.7%から昨年7.3%へと0.4%ポイント下がった。

一方でメキシコ(11.8%→12.0%)、米国(10.0%→10.7%)、欧州(8.7%→9.4%)、ブラジル(9.6%→9.7%)、アセアン(3.6%→4.6%)から上昇した。

しかし中国(2.4%→1.6%)とロシア(22.7%→17.8%)でシェアがやや大幅に減り、韓国車の全体シェアは下落した。 インド(22.3%→21.3%)でも下落した。

出典:연합뉴스, 韓国自動車産業協会

国内エコ自動車普及率(2021)

国道交通部は2021年12月時点での自動車登録数が2,491万台を突破したことを明らかにした。これは韓国国内人口の2.07人に1人の割合で自動車を保有しているという計算になる。

その中でもエコ自動車(電気、水素、ハイブリット)の登録数は電気自動車231,443台、ハイブリット車908,240台、水素自動車19,404台の合計1,159,087台で割合は4.7%を占めているという結果になった。

エコ自動車の普及率は2014年から2021年の7年間、右肩上がり傾向にあることが分かる。

ガソリン代が高騰している中で、今後エコ自動車がさらに普及していくことが期待されており、国内の自動車会社でも力を入れている。

出典:国土交通部

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韓国のバイク事情〜統計データ〜

輸入バイクブランドの寡占

「ホンダコリア」が国内バイク市場を総なめした。2021年に売れたバイク3台に1台がホンダ製だ。

新型コロナで爆発的に増えた配達サービス市場のおかげで、急成長したバイクの需要を事実上ホンダが独占した。輸入産の市場寡占への懸念が提起された。

2021年に大多数の輸入車販売法人の車両販売台数が減少した中、ホンダコリアの売上と営業利益が増えたのはバイク事業のおかげだった。同年のバイク全体販売台数のうち、3分の1以上はホンダが占めた。

2021年の市場シェアは36.2%で、史上初めて5万台(5万5,273台)の大台を超えた。1年間、国内でバイク5万台以上を販売した輸入ブランドはホンダが初めてだ。

2021年、国内オートバイ市場で主要日本ブランドのシェアは44.6%に達した。国内2位のDNA MOTORSなど国産ブランドのシェアは21.5%にとどまった。

出典:国土交通部

新型コロナ時期による市場変化

新型コロナの大流行で恩恵を受けた業種が二輪車産業だ。非対面産業が活性化され、デリバリーサービスの先鋒である二輪車の台数は着実に増加した。

2019年7月に全体使用申告台数が2,226,501台だったが、新型コロナが猛威を振るった2021年7月には2,319,194台にまで増加した。しかし、新型コロナがエンデミックに転換し、二輪車の全体使用申告台数は2022年5月に2,215,049台から7月には2,212,272台に減った。

配達用に使われていた125cc以下の二輪車が使用解消されたり、登録が減り、起きた現象だと予想される。一方、レジャー用(乗用を含む)で主に使用される排気量260cc以上の大型二輪車は増加している。

出典:2020 / 2021 KOMIA 会員社の排気量別登録数量

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