今回は、総合商社業界に焦点を当て、業界をリードするローカル・日系・外資合わせて15社を厳選してお届けしていきます!
それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
ベトナムの主要総合商社企業7選〜ローカル編〜
Vingroup Joint Stock Company(ビングループ)
Vingroup Joint Stock Companyは、2012年1月にVinpearl JSCとVincom JSCの合併により設立されたベトナム最大級の民間コングロマリットである。前身は1993年にウクライナで設立されたTechnocom Corporationであり、2000年代初頭にベトナムでVincomとVinpearlの2つの主要ブランドで事業を開始した。現在は多角経営企業として6つのコア事業を展開している。事業領域は工業・技術、不動産・サービス、インフラ、グリーンエネルギー、文化、社会的企業であり、各分野においてベトナムの消費者に国際基準の製品とサービスを提供し、新しい近代的なライフスタイルを導入する先駆者としての役割を果たしている。同社はベトナムで尊敬され認知度の高いブランドを確立しており、国内有数の民間企業の一つとして誇りを持っている。2025年にはTIME誌の「世界最優良企業」リストに選出され、ベトナム企業として初めてこの栄誉を獲得した。
Masan Group Corporation(マサングループ)
マサングループは2004年設立のベトナム大手多角的企業で、消費財と資源を柱に事業を展開している。食品・飲料分野では「マサン・コンシューマー・ホールディングス」を中核に、醤油や魚醤、チリソース、インスタント麺、加工肉など複数のトップブランドを持つ。2019年にVinCommerce(WinMart、WinMart+運営)を買収し、小売ネットワークを強化。資源部門のマサン・ハイテク・マテリアルズはタングステンやフッ素、ビスマスなどの高付加価値素材を世界規模で供給。さらにTechcombankの株式も保有し、金融分野にも進出。消費財、資源、金融を融合したエコシステムの構築を目指している。
Hoa Phat Group JSC(ホアファットグループ)
Hoa Phat Group JSC(ホアファットグループ)は1992年設立のベトナム最大級の民間コングロマリットであり、鉄鋼事業を中核に、農業や不動産、家電・家具など多角的な事業を展開している。鉄鋼分野では高炉一貫生産体制を確立し、建設用鋼材、鋼管、亜鉛メッキ鋼など主要製品で国内トップのシェアを持つ。主な製造拠点はハイズオン省、クアンガイ省、ハノイ、ハイフォン、ビンズオン省など全国に広がっており、製品は海外にも広く輸出されている。農業分野は飼料生産から畜産・畜産物加工まで、垂直統合型での事業を推進。不動産分野では工業団地、都市開発にも取り組む。全社員数は数万人規模。小売店舗としての展開はなく、生産と貿易に特化する。持続可能な開発や社会貢献、環境保護活動にも注力し、国内外で高い評価を得ている。
BRG Group Joint Stock Company(ビーアールジー)
BRG Group Joint Stock Companyは1993年に貿易会社として設立され、現在はベトナムを代表する多角経営民間グループの一つとなっている。事業の柱は銀行・金融、不動産、ゴルフ。ホテル・リゾートやレクリエーション、金融・銀行、不動産、ゴルフ分野で高品質なサービスを提供し、ゴルフリゾートの開発運営で国内トップクラスの実績を持つ。ヒルトンやマリオット、インターコンチネンタルなど国際的なホテルブランドとも提携し、高級ホテル・リゾート網を全国に展開。小売事業ではハノイ中心に「Intimex」や「HaproMart」などのスーパーマーケットを運営し、地域コミュニティの生活基盤を支えている。従業員数は約22,000人。持続可能で包括的なエコシステムの構築を目指し、国際企業との連携も推進している。
Truong Hai Group Corporation(トゥルオンハイグループコーポレーション)
Truong Hai Group Corporation(THACO、トゥルオンハイグループコーポレーション)は、1997年4月29日にベトナム南部ドンナイ省で設立された多角経営グループである。創業者はトラン・バ・ズオン氏で、現在も会長を務める。当初は中古車売買・修理から始まり、現在は自動車(THACO AUTO)、機械・支援産業(THACO INDUSTRIES)、農業(THACO AGRI)、投資・建設(THADICO)、商業・サービス(THISO)、物流(THILOGI)の6つのサブホールディングスを有する多角的持株会社へ成長した。グループは産業的事業運営を行い、グローバルバリューチェーンへの参加やデジタルトランスフォーメーションを推進している。ベトナム大統領から一等労働勲章を2度受賞し、経済社会への貢献度が高く評価されている。
Thanh Thanh Cong Group JSC(タンタンコングループ)
Thanh Thanh Cong Group JSC(タンタンコングループ)は1992年設立のベトナム有数の多角経営企業であり、食品(特に砂糖)、飲料、エネルギー、不動産、小売を展開している。主力製品には砂糖、飲料、アルコール、電力設備が含まれる。製造拠点はビンズオン省やドンナイ省などに位置し、多数の工場がある。小売事業では直営スーパーマーケットを有し、公式HPに店舗数も明記されている。グループは農業や観光分野も含め幅広い事業を運営している。約2,400名の従業員を抱え、国内外で強い存在感を示す。
FPT Corporation JSC(エフピーティーコーポレーションJSC)
FPT Corporation JSCは1999年設立で、ベトナム最大のIT・通信企業の一つだ。事業領域はITサービス、ソフトウェア開発、通信設備、家電製品、小売業である。主な製品にPC、タブレット、スマートフォン、家電、通信機器があり、国内に「FPT Shop」という直営店舗を多数展開している。公式情報によると、FPT Shopは全国に約120店舗(2022年時点)を持ち、全国63省すべてにカバーしている。製造拠点はハノイ市、ホーチミン市を中心に存在し、IT関連の開発・製造を行っている。グローバルに30か国で事業展開しており、デジタルトランスフォーメーションに強みを持つ。
ベトナムの主要総合商社企業5選〜日系編〜
Sojitz Vietnam Company Ltd.(ソジッツ ベトナム カンパニー リミテッド)
Sojitz Vietnam Company Limited(双日ベトナム)は、1986年にハノイで駐在員事務所を設置し、ベトナム進出の先駆けとなった日系総合商社現地法人。正式設立は2009年だが、事業はエネルギー、インフラ、食品貿易を中心に展開。肥料輸入・販売で国内トップシェアを誇り、Huong Thuy Corporation(2023年完全子会社化)経由で食品卸売を強化、11万店以上の流通網を活用。工業団地開発(Long Duc Park)、発電所運営、植林、自動車部品貿易も手がけ、製造は投資・委託中心。MinistopのFC展開(約180店舗)で消費財分野に注力し、2025年現在グループ従業員7,613名超。総投資額9億USDでベトナム経済発展に貢献。
Mitsubishi Corporation Vietnam Co., Ltd.(ミツビシコーポレーション(ベトナム))
現地法人はハノイ本社とホーチミン支店を拠点とし、1996年にホーチミンで正式設立された三菱商事グループのベトナムにおける事業開発・貿易・投資機能を担う総合商社である。エネルギー、金属、機械、化学品、食品、消費関連など多分野での事業を展開する。1994年に関与した自動車事業(Mitsubishi Motors Vietnam)は別会社としての製造・販売事業の歴史が紹介されるが、本カードは商社現地法人の位置付けを示す。ベトナムにおける同社の活動は30年超の歴史を持ち、経済成長と密接に連携しつつ多角的に事業を拡大している。
Sumitomo Corporation Vietnam LLC(スミトモコーポレーションベトナム)
Sumitomo Corporation Vietnam LLC(住友商事ベトナム)は、住友商事グループのベトナムにおける現地法人として、ハノイ市ホアンキエム区に所在する。総合商社機能を担い、エネルギー、金属、機械・交通、化学品、インフラ、不動産、メディア・デジタルなど多様な分野でトレーディングおよび投資事業を展開。製造拠点は持たず、案件開発や貿易仲介、投資推進が中心である。小売や生産活動は行わず、商社としての機能に特化している。グループでは工業団地事業(タンロン工業団地など)も展開しているが、当法人はそれらとは別に、ベトナム市場全体を対象とした事業開発・ネットワーク構築を担う中核拠点となっている。
Marubeni Vietnam Co., Ltd.(マルベニベトナム)
Marubeni Vietnam Co., Ltd.は、2011年10月にベトナムで設立された丸紅グループのベトナム現地法人である。丸紅の前身は1941年からベトナムで事業活動を開始しており、長い歴史を持つ。本社はホーチミン市1区Ben Nghe Ward、Nguyen Hue Street 115番地Sun Wah Towerの12階に位置し、ハノイ市Hoan Kiem区にも支店を構えている。2024年4月1日時点で従業員数は76名(うち出向者16名)であり、ベトナム国内の子会社・関連会社を含めたグループ全体では7,613名の従業員を擁し、15社のグループ会社を統括している。事業内容は多岐にわたり、発電所の建設・運営、金属資源の輸出、農水産物の輸出、化学品の輸入・国内販売、建設機械の輸入・販売などを展開している。近年は食品製造や工業団地事業への直接投資も積極的に推進しており、公正で透明な企業活動を通じてベトナムの経済・社会の持続可能な発展に貢献することを使命としている。
ITOCHU Vietnam Co., Ltd.(伊藤忠ベトナム)
伊藤忠商事(ITOCHU Vietnam Co., Ltd.)は1994年にホーチミン、1995年にハノイに事務所を設立し、ベトナムで繊維、機械、金属、エネルギー・化学品、食料、住生活、情報・金融など多岐にわたるトレーディングと事業投資を展開している。繊維分野では原料から製品までの供給網を構築し、ベトナムをアパレル生産・輸出の拠点化に貢献。食料分野ではベトナム最大の乳業メーカーVinamilkと資本業務提携があり、乳製品市場の成長を支援している。植林事業や工業団地開発、発電事業など、ベトナムの持続可能な経済発展に寄与するプロジェクトにも参画している。これらの情報は伊藤忠商事公式サイトおよび複数の信頼情報源で確認可能である。
ベトナムの主要総合商社企業3選〜外資系編〜
Unilever Vietnam International Company Limited(ユニリーバ・ベトナム)
ユニリーバ・ベトナム・インターナショナル・カンパニー・リミテッド(Unilever Vietnam International Company Limited)は、1995年に設立され、ベトナム国内で生活用品、食品、化粧品、飲料の製造・販売を行う多国籍企業の現地法人だ。洗剤のOMO、石鹸のLifebuoy、シャンプーのSunsilk、歯磨き粉のP/Sなど、国内で非常に知名度の高いブランドを展開し、ベトナム市場において約80%のブランドが販売シェアNo.1を獲得。事業は急成長を遂げ、2022年には売上高が10億ユーロを超え、ベトナムはユニリーバの12番目に大きな市場となっている。従業員は1,400人以上で、ベトナム国内での優良雇用主としても認知されており、マネジメント層の男女比はほぼ均等だ。
Procter & Gamble Vietnam Co., Ltd. (P&G)(プロクター・アンド・ギャンブル・ベトナム)
Procter & Gamble Vietnam Company Limited(P&Gベトナム)は、1995年に設立された米国P&Gの現地法人である。生活用品の製造・販売を主に手がけ、特にシャンプー、紙おむつなどの衛生用品が主要製品だ。製造拠点はベトナム南部のビンズオン省にあり、同地のVSIP II工業団地に大規模な工場を構えている。2019年に紙おむつの一部生産をタイへ移管したものの、刃物(カミソリ)製造などの拡大投資を進めている。店舗展開はなく、製品は全国の小売店やオンラインを通じて販売されている。従業員数は数百人規模と推定される。P&Gはベトナム市場で急成長を続けており、社会貢献活動や環境保護にも積極的に取り組んでいる。総合的に外資系大手消費財メーカーとして強い影響力を持つ企業だ。
Central Retail in Vietnam(セントラル・リテール・イン・ベトナム)
Central Retailは2012年にベトナム市場に参入し、タイを拠点とする大手小売企業だ。食品、非食品、不動産の3事業を展開している。食品事業は「GO!」「Big C」「Tops Market」のブランドでハイパーマーケットやスーパーマーケットを運営し、非食品分野では家電量販店「グエンキム(Nguyen Kim)」やスポーツ用品店、ファッション、ホームセンターを手掛けている。不動産事業では自社店舗が入るショッピングモール「GO!」を開発・運営し、テナント誘致も行う。2023年時点でベトナム全国40省以上に340店舗以上を展開しており、約1,500万人の顧客にサービスを提供している。製造は行っていないが、幅広い店舗網と強力なブランド力でベトナム小売業界の主要プレーヤーとなっている。今後も店舗数増加やデジタルチャネル拡充などによる成長が見込まれている。

ハノイ在住のベトナム人。名古屋大学で文部科学省奨学金の日研生として留学経験有り。日越の翻訳、通訳などが得意で、日本語教師の経験有り。ハノイで日系IT企業に入社後、主に総務・人事、日本親会社との取引業務を約3年経験し、その後長野県で日本企業で勤務。


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